2022年03月31日

2022年1-4月ベスト3

今年もはや3ヶ月が過ぎ、桜がきれいな季節となった。桜はコロナなど関係ないかの如く、今年も満開である。そんな桜並木の下を歩く心地良さ。季節もさることながら、この3ヶ月間で観た映画は32本。昨年の同時期からすると、16本少ない。昨年は精力的に数をこなしたが、今年は何となくいろいろとやることもあり、気がつけば映画も少なかったというわけである。

そんな中で、選んだベスト3は以下の通りである。
第1位:『浅草キッド』

浅草キッド.jpeg

これは久々の★★★★★である。ビートたけしの自伝であるが、下積み時代のたけしの物語はそれだけでも興味深いが、物語も深い味わいがある。それにたけしだけではなく、師匠の深見千三郎との関係もまた心を動かされる。下火になっていくストリップの前座。師匠への恩義と自らの将来との板挟みに悩むたけし。そして口では悪く言うものの、愛情あふれる師匠の振る舞い。

いつの間にか心に熱いものが流れ込んでくる。漫才から始まり、映画の主演や監督、著作等などで幅広い活躍を見せるたけしの根っこの部分。主演の柳楽優弥の「たけし」ぶりも見事。文句なくベスト1の感動的な一作である。

第2位:『るろうに剣心 最終章 The Beginning』

るろうに剣心 最終章 The Beginning.jpeg

「るろうに剣心」シリーズの最終章。なのになぜ「The Beginning」なのだろうと訝しく思ったが、それはシリーズの前日譚と言える内容だから。物語はまだ剣心が「人斬り」だった時代から始まる。そしてラストがのちのシリーズへと繋がる。のちのシリーズを観てきた後だからこそ、この物語の奥深さがわかる。『スター・ウォーズ』シリーズも時間の順序を変えることで一層の味わいを見せていたが、映画はこういうことも可能であると改めてわかる。

これ一作で判断するというものではない。シリーズを通して、その集大成として本作があるわけであり、単体で評価できるものではない。そういう意味で、シリーズを通して心底楽しめる映画である・・・


第3位:『望み』

望み.jpeg

息子が事件に巻き込まれた一家の過酷な物語。果たして我が子は加害者なのか被害者なのか。生きて加害者として世間の非難を浴びるのか、あるいは死んで被害者として世間の同情を浴びるのか。どちらにしても家族には辛い現実。映画だからいいようなものの、実際には体験したくない。だが、たとえ映画の世界の話としても、子を持つ親には感情移入すると辛いものがある。

深く心に突き刺さってくるという意味では、印象深い映画である。

本数は少ないが、例年になく質の面で充実した3ヶ月であった。これから季節が暖かくなる。むしろ熱い夏へと向かう。季節を楽しみながら、次の3ヶ月で出会う映画を楽しみたいと思うのである・・・



posted by HH at 00:00| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年03月26日

【キャッシュトラック】My Cinema File 2528

キャッシュトラック.jpeg

原題: Wrath of Man
2021年 アメリカ・イギリス
監督: ガイ・リッチー
出演: 
ジェイソン・ステイサム:H
ホルト・マッキャラニー:ブレット
ジェフリー・ドノヴァン:ジャクソン
ジョシュ・ハートネット:ボーイ・スウェット・デイヴ
ニーヴ・アルガー:デイナ
スコット・イーストウッド:ジャン
エディ・マーサン:テリー
ダレル・デシルヴァ:マイク
リン・ルネー:調達屋カースティ
ポスト・マローン:強盗
アンディ・ガルシア:FBI大物エージェント

<映画.com>
********************************************************************************************************
「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」『スナッチ』のジェイソン・ステイサムとガイ・リッチー監督が、『リボルバー』以来16年ぶりにタッグを組み、2003年製作のフランス映画「ブルー・レクイエム」をリメイクしたクライムアクション。ロスにある現金輸送専門の警備会社フォルティコ・セキュリティ社では、特殊な訓練を受け、厳しい試験をくぐり抜けた警備員たちが現金輸送車=キャッシュトラックを運転していた。そこに新人のパトリック・ヒル、通称“H”が警備員として採用された。採用試験の成績はギリギリ合格というレべルだったHだが、ある時、トラックを襲った強盗を驚くほど高い戦闘スキルで阻止し、周囲を驚かせる。そして、彼の乗るトラックがふたたび強盗に襲われると、Hの顔を見た犯人たちはなぜか金も奪わずに逃げてしまう。周囲がHの正体に疑心を抱く中、全米で最も現金が動くブラック・フライデーにフォルティコ・セキュリティ社に集まる1億8000万ドルの大金を狙う強奪計画が進行していた。
********************************************************************************************************

LAにある現金輸送専門の警備会社フォーティコ・セキュリティ社に1人の男が採用試験を受けにやってくる。男の名はパトリック・ヒル。その前はヨーロッパのセキュリティ会社に勤めていたとの触れ込み。そして射撃等の実技試験を受けるが、結果はなんとかギリギリの及第点で合格。試験官を担当した教育係のバレットはパトリックに“H”というニックネームを付ける。

Hはさっそくバレットとデイブとともに初仕事に臨み、無事に終える。その後も順調に仕事をこなしていく。しかし、ある日の現場で、バレットが強盗に襲われ現金を奪われそうになる。ここでHがそれを阻止する。冷静に強盗たちの動きを観察し、一瞬の隙をつき素早く射撃し、バレットを救う。とても試験でギリギリの及第点だったことは感じさせられないが、ジェイソン・ステイサムなら当然であろう。

フォーティコに戻ったHは、一応刑事の事情聴取を受ける。そして5カ月前の現金輸送車襲撃事件の監視カメラ映像を見せられ、今回の事件との関連性を聞かれる。Hは食い入るように映像を見つめると、「関連性は何もない」と告げる。事情聴取を終えた刑事たちは、FBIの大物エージェントへ連絡をし、Hを見つけたことを伝えるが、大物エージェントは、Hをマークから外し放置するように命じる。

自宅に戻ったHに情報屋兼調達屋のカースティがやってくると、Hにフォーティコの社員に関する資料や検視結果報告書などが入った封筒を渡す。やはり何か目的があっての行動であり、繰り返される5ヶ月前の現金輸送車襲撃事件が何か関係しているのだと観る者に思わせる展開である。それは無口ながら高い戦闘スキルを窺わせるHに唯一の女性社員デイナが興味を持った時に判明する。

男勝りのデイナはHを自宅に誘い一夜と共にする。ところが、深夜目を覚ましたデイナは、Hに銃を突き付けられる。デイナが大金を隠し持っており、それを見つけたHはその出どころを厳しく問う。警備員の給料で貯められる額ではない。Hが本気だと知ったデイナは、その現金は酒屋から盗み出したものだと白状する。それを聞いたHは銃を下ろす。どうやら想定していた答えと違っていたようである。

Hの目的はやがて明らかになる。事件はその5カ月前。息子のドギーと水入らずで休日を過ごしていたHはドギーを車で送ろうとしていたところに部下と思われる者から電話がかかってくる。現金輸送車の情報提供を求めるもので、息子と過ごしているからと一旦は断るHだが、せっかくの計画が見送りになると懇願されてやむなく引き受ける。しかしその現金輸送車が強盗団によって襲撃され、あろうことかHの目の前でドギーは数発の銃弾をあびせられてしまう。自らも撃たれたHは、薄れゆく意識の中で犯人の顔を脳裏に刻みつける。

こうして、Hの目的が復讐であると判明する。さらにH自身も犯罪シンジケートのボスという裏の顔を持つ。謝罪する部下たちへ犯人を捜し出すことを命じ、自らもFBIの大物エージェントと会い、決定的な証拠がないまま暗礁にのりあげていた容疑者リストを受け取り、Hなりの方法で犯人を捜すことを期限付きで同意を得る。しかし、FBIからのリストに沿って容疑者をしらみ潰しに拉致、拷問するが犯人の情報はつかめず、現金輸送会社の関係者による関与の可能性を考え、Hがパトリック・ヒルとなってフォーティコの内部に潜入したのである。

ジェイソン・ステイサムが登場するということは、当然ながらの骨太のアクション展開となる。犯人グループは元軍人。そしてまた大きな山を狙う。メインはガンアクション。派手なガンファイトが展開される。Hの息子ドギーが巻き添えになった事件の事情がイマイチ飲み込めなかったが、そこはご愛嬌だろう。周到な計画を立てて全米で最も現金が動く日、ブラック・フライデーを狙う犯人グループ。重武装した犯人グループに1人立ち向かうジェイソン・ステイサム。

期待に違わぬ展開。派手なアクション映画を観たい時には、この人の映画を観ればハズレはない。ド派手の展開にスカッとする復讐劇。現金輸送車だから「キャッシュトラック」という安易な邦題を除けば、満足のいくアクション映画である・・・


評価:★★★☆☆








posted by HH at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | アクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年03月25日

【21ブリッジ】My Cinema File 2527

21ブリッジ.jpeg

原題: 21 Bridges
2019年 アメリカ
監督: ブライアン・カーク
出演: 
チャドウィック・ボーズマン:アンドレ・デイビス
シエナ・ミラー:フランキー・バーンズ
ステファン・ジェームズ:マイケル
キース・デヴィッド:スペンサー
テイラー・キッチュ:レイ
J・K・シモンズ:マッケナ警部

<映画.com>
********************************************************************************************************
『ブラックパンサー』のチャドウィック・ボーズマンが主演・製作を務めたクライムミステリー。マンハッタン島で強盗事件が発生し、銃撃戦の末に警察官8人が殺害された。捜査に乗り出したのは、警察官だった父を殺された過去を持つデイビス刑事。マンハッタンを全面封鎖して犯人の行方を追うが、事件の真相に迫るうちに思わぬ事実が浮かび上がる。孤立無援となったデイビス刑事は、事件の裏に潜むニューヨークの闇に立ち向かうが……。共演は『アメリカン・スナイパー』のシエナ・ミラー、「ビール・ストリートの恋人たち」のステファン・ジェームズ、『セッション』のJ・K・シモンズ。製作には『アベンジャーズ』シリーズのアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟監督が名を連ね、「ゲーム・オブ・スローンズ」などテレビドラマを中心に手がけてきたブライアン・カークがメガホンをとった。
********************************************************************************************************

映画はある警官の葬儀から始まる。厳かな雰囲気の中、優秀な刑事だった父親が讃えられるが、少年アンドレ・デイビスはただただ泣いている。そして19年後、父の後を継いで刑事になったデイビスは、捜査中の容疑者殺害で調査を受けている。容疑者殺害については正当性を堂々と主張するデイビス。必要であれば犯人射殺も厭わないというスタンスは、やはり父親の事件の影響かと思わされる。

深夜のマンハッタン。マイケルとレイは知り合いのトリアノから依頼を受け、ワイン貯蔵庫にあるコカインを盗み出そうする。首尾よく隠してあるコカインを見つけるが、その予想外の量の多さに驚く。マイケルは中止しようと言うが、レイは取り合わない。量が多すぎるということは、裏に控える組織がでかいという意味で、バレれば命はない。君子危うきに近寄らずが正解だろう。しかし、レイは無視して強行する。

そこへ警官が到着する。店主を訪ねてきたようだが、店内の異常さを発見したことから2人と銃撃戦になる。小銃で武装していたレイは警官を圧倒し、数人を射殺して2人は逃亡する。しかし、逃走中に信号無視をして監視カメラに撮影され身元が警察にわかってしまう。ニューヨーク市警85分署のマッケナ警部は部下の死を嘆きつつ、デイビスを事件の担当につけると共に麻薬取締班のフランキー刑事をパートナーに指名する。

警察は監視カメラに映った不審な車の所有者を突き止める。デイビスとフランキーは、コカインの多さから巨大な犯罪と考え、犯人逮捕のため、午前5時まで市内の21ある橋を封鎖することを主張し、認められる。こうしてデイビスの長い夜が始まる。逃走したレイとマイケルは、チャイナタウンで依頼主のトリアノに会う。2人はコカイン量が多いことから割り増しの報酬を要求し、リーダーのホークから100万ドルの報酬を受け取る。その頃、デイビスは犯人の身元を特定し、メディアに公表する。

こうして、逃げるレイとマイケルをデイビスが追う展開で物語が進んでいく。警官を殺害してコカインを奪って逃走するレイとマイケル。その実態はあまりにも心もとないコンビ。しかし、マッケナ警部配下のニューヨーク市警の刑事が追い詰めたトリアノを不必要に射殺してしまう。このあたりから何やらきな臭さが漂い始める。そして隠されていた驚愕の事実が判明する。

初めは単なる警官殺しの凶悪犯を追う物語かと思っていたら、背後に蠢く意外な組織が絡んでくる。盗人にも三分の理とはよく言われることであるが、自らが正しいと思い込んでしまうと、その異常さにも気がつかない。デイビスはやがてその真実に気がつく事になるが、こうしたストーリー展開は予想外のものであり、なかなか見せてくれる。最後の最後まで何か起こりそうな感を強く漂わせている。

主演は、『ブラックパンサー』のチャドウィック・ボーズマン。黒人だが、ヒーロー的な役がよく似合う。そして癖のあるJ・K・シモンズ。ストーリーももちろんであるが、役者陣だけでも見どころ十分である。正義に溺れた者の末路が、何かを語りかけてくるような映画である・・・


評価:★★☆☆☆








posted by HH at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 刑事・探偵・推理ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年03月23日

【水曜日が消えた】My Cinema File 2526

水曜日が消えた.jpeg
 
2020年 日本
監督: 吉野耕平
出演: 
中村倫也:“7人の僕”
石橋菜津美:一ノ瀬
中島歩:新木
休日課長:高橋
深川麻衣:瑞野
きたろう:安藤

<映画.com>
********************************************************************************************************
中村倫也が、曜日ごとに入れ替わる7つの人格を持った男を演じた主演作。幼い頃の交通事故により、曜日ごとに性格も個性も異なる7人が入れ替わる「僕」。彼らは各曜日の名前で呼び合っているが、中でも「火曜日」は一番地味で退屈な存在で、他の曜日から家の掃除など面倒なことを押し付けられる損な役回りだった。しかし、ある時、1日を終えてベッドに入った「火曜日」が、水曜日に目を覚ます。僕の中の「水曜日」が消え、「火曜日」は水曜日を謳歌するが、その日常は徐々に恐怖へと変わっていく。中村が7つの人格を持つ主人公を演じるほか、石橋菜津美、元「乃木坂46」の深川麻衣、きたろう、中島歩、「ゲスの極み乙女。」の休日課長などが顔をそろえる。MVやCM、短編作などで注目される吉野耕平の初の長編監督作。
********************************************************************************************************

1人の少年が交通事故に遭うシーンから物語は始まる。その少年は成長し、今は一人暮らしをしている。ある朝目覚めた青年は、隣に見知らぬ女が寝ているのに気がつき、慌てて女を追い返す。おそらく昨夜の夜とまったく違う態度をとる男に対し、女は怒ってハイヒールを青年に投げつけて帰っていく。部屋はタバコの吸い殻や酒瓶が散乱し、自堕落な様子である。青年はブツブツと文句を言いながら後片付けに追われる。

その日は火曜日。青年はいつものように病院へ通い、担当医と話をする。道中にある図書館は火曜日が休館日。このあたりで、青年は少年の頃の事故の影響で7人の人格を有しているということがわかってくる。7人の人格は1日ごとに入れ替わり、それは常に同じ曜日である。よって7人はそれぞれを互いに曜日で呼び合う。7人の人格はそれぞれまったく異なり、この映画の中心となる「火曜日」は、旅サイトを見ることと一人卓球の壁打ちをすることくらいしかしない地味な性格である。

異なる7人の人格が同居する主人公は、不便を強いられている。目が覚めればまったく前日の記憶はない。それゆえに夜は24時より前にベッドに入らなければならず、宿泊を伴う旅行にも行けない。互いに毎日行動日誌とメッセージを書いたメモを残してコミュニケーションをとっている。家の中のスペースは人格に合わせて7つに区切られ、衣類や食器もそれぞれ別のものを使っている。考えてみれば面白いかもしれない。そしてそんな青年には、同級生の一ノ瀬が頻繁に遊びに来ている。

また「火曜日」が目覚めるが、何かが違う。部屋がきれいに片付いていて、青年はすぐにその日が水曜日だという事に気づく。そして図書館へ向かうと、当然ながら開館しているが、それは「火曜日」にとって奇跡的な出来事。念願の図書館に初めて入った「火曜日」は、そこで朝出会った女性が働いているのに気づく。瑞野というその女性はどうやら「水曜日」とは顔見知りの様子。本の取り寄せを瑞野に頼み、「火曜日」は機嫌よく帰宅し、その夜、「水曜日」の筆跡を真似てその日の日誌を書く。

次に「火曜日」が目覚めると、それは翌週の火曜日。またまた前夜はハメを外して遊んだ気配にうんざりしつつ後片付けに追われる。そしていつものように病院に向かうが、その途中でめまいを起こして倒れてしまう。病院では、担当医の安藤の前で歩行実験をするものの、いつものようにうまく歩くことができない。その場には若手の医師新木が新たに加わっている。

そして翌日の水曜日。目覚めたのは「火曜日」。ここに至り、どうやら「火曜日」の人格が水曜日にも現れるようになったことがわかる。ここに至り、『水曜日が消えた』というタイトルの意味が判明する。「火曜日」には一ノ瀬がそばにいて、すぐに水曜日なのに「火曜日」の人格が表れていると見抜く。一ノ瀬との関係もやがてわかってくる。なぜ突然、「水曜日」が消えたのか。中心となる「火曜日」は、初めこそ物珍しい水曜日を楽しむが、やがて原因不明の意識喪失が起こり、自分の体に異変が起きている事に気づく。

曜日ごとに異なる人格が現れるというのも面白い人物設定である。一ノ瀬だけがすべての人格と知り合いであり、いつも寄り添っている。自分だったら何曜日がいいだろうかと想像してみる。土曜日や日曜日なら働かなくてすみそうであるが、月曜日から金曜日までの人格だったら休みなく働き続けなればならない。土日ならラッキーかもしれないが、働く喜びを味わうことはできない。なかなか難しそうである。

やがて「水曜日」が消えた影響は少しずつ表れていく。次第に消えていくそのほかの曜日。本来、人格が統合されるのは喜ばしい事であるが、いったいどの曜日が残るべきなのかは難しいところ。そして体の異変は症状が悪化していく。気がつけばいつの間にか物語の世界に浸り込んでいる。どんな結末が待っているのか。なかなか楽しませてくれる。

主演は娘がファンである中村倫也。それぞれ違う人格を演じ分けているのは、演技派な感じがする。意外なラストもあって、楽しませてくれるストーリーの映画である・・・


評価:★★☆☆☆








posted by HH at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | ファンタジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年03月20日

【ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット】My Cinema File 2525

ジャスティス・リーグ-ザック・スナイダーカット.jpeg

原題: Zack Snyder's Justice League
2021年 アメリカ
監督: ザック・スナイダー
出演: 
ベン・アフレック:ブルース・ウェイン/バットマン
ヘンリー・カヴィル:カル=エル/クラーク・ケント/スーパーマン
ガル・ガドット:ダイアナ・プリンス/ワンダーウーマン
ジェイソン・モモア:アーサー・カリー/アクアマン
エズラ・ミラー:バリー・アレン/フラッシュ
レイ・フィッシャー:ビクター・ストーン/サイボーグ
エイミー・アダムス:ロイス・レイン
ジェレミー・アイアンズ:アルフレッド・ペニーワース
ダイアン・レイン:マーサ・ケント
コニー・ニールセン:ヒッポリタ女王
リサ・ローベン・コングスリ:メナリッペ
ウィレム・デフォー:ヌイディス・バルコ
J・K・シモンズ:ジェームズ・ゴードン
キアラン・ハインズ:ステッペンウルフの声
ジェシー・アイゼンバーグ:レックス・ルーサーJr.
アンバー・ハード:メラ
ジョー・モートン:サイラス・ストーン
ジャレッド・レト:ジョーカー

<映画.com>
********************************************************************************************************
バットマン、スーパーマン、ワンダーウーマンなど、DCコミックのスーパーヒーローが集結したアクション大作『ジャスティス・リーグ』。2017年に公開された同作の製作を途中で降板したザック・スナイダー監督が、当初思い描いていた構想を実現させるため、追加撮影も行って完成させた新バージョン。2017年に公開された劇場公開版には使われなかった大量の蔵出し映像や新規撮影の映像も加え、再編集を施し、約4時間にわたる大ボリュームで描かれる。スーパーマンの犠牲を無駄にしてはいけないと考えたブルース・ウェインはダイアナ・プリンスと組み、迫りくる脅威から世界を守るため超人たちのチームを作ることを決意。一筋縄ではいかない個性的なヒーローたちは、それぞれに過去を抱えながらも、チームとしてひとつにまとまっていくが……。2017年公開版には出番のなかったジャレッド・レト演じるジョーカーや、同じく初登場となる悪役マーシャン・マンハンターなど、新たなキャラクターも多数参戦。アクアマン、フラッシュ、サイボーグらヒーローたちのサイドストーリーも多く盛り込まれる。
********************************************************************************************************


物語は前作にあたる『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』(My Cinema File 1621)でのスーパーマン、バットマン、ワンダーウーマンと怪物“ドゥームズデイ”との死闘シーンの振り返りから始まる。ドゥームズデイを倒すも、スーパーマンも命を落とす。その最後の叫び声が地球規模で広がり、海底王国アトランティス、アマゾン族の秘境セミッシラ、「S.T.A.R.ラボ」の3ヶ所に眠る、3個の“マザーボックス”を起動させてしまう。

その頃、ブルース・ウェインは極寒の寂れた港町を訪れ、アクアマンと接触する。そしてやがて訪れる危機に、スーパーマンの死を伝えて仲間になるよう要請する。しかし、アクアマンはこれを拒否する。クラーク・ケントの母マーサは、借金から家と農場を手放す。ロイス・レインは、クラークを失った哀しみから立ち直れず、仕事にも復帰できずにいる。

一方、とある銀行に武装強盗が押入る。そしてその銀行に社会科見学に来ていた小学生らを人質に取って立て籠もる。そこに現れたのがワンダーウーマン。実は強盗団の実態がテロリスト集団であり、目的は金ではなくこの街を壊滅させることにあると聞き出し、瞬く間にテロリストたちを叩きのめして街の危機を救う。しかしその頃、セミッシラではヒッポリタ女王が数千年の時を超えて目覚めたマザーボックスに対して警戒を強化する。

すると、マザーボックスに反応し、上空からステッペンウルフが配下の魔物パラデーモンたちを引き連れて飛来してくる。アマゾン族の戦士たちはこれに応戦するが、ステッペンウルフは無敵の強さをほこり、アマゾン族戦士の奮闘虚しく、マザーボックスを奪われてしまう。ヒッポリタ女王は、ワンダーウーマンに危機を知らせるべく、警告の火の矢を人間界に向けて放つ。

ゴッサムに戻ったブルース・ウェインとアルフレッドは、メタヒューマンを探す。そして見つけたのが、超高速で動く能力を持つフラッシュことバリー・アレン。その頃、クリプトン星の宇宙船などの地球外生命体のテクノロジーを研究しているS.T.A.R.ラボがパラデーモンに襲撃され、研究者や職員たち8名が連れ去られる。科学者のサイラス・ストーンは、マザーボックスを息子のサイボーグことビクター・ストーンに預けている。

地球上にあるマザーボックスは全部で3個。かつてステッペンウルフの主君である闇の支配者ダークサイドが、地球を侵略しに現れた時、人類とアトランティス軍、アマゾン族は、ゼウスとその息子アレス、グリーンランタンと協力し合い、これを撃退させている。マザーボックスは三位一体となって初めて真の力を発揮することから、3個のマザーボックスは人類、アトランティス、アマゾン族によって3ヶ所に封印され、厳重に管理されてきたが、アマゾン族についでアトランティスも保管していたマザーボックスを奪われてしまう。

地球に保管されている3つのマザーボックスを巡り、ステッペンウルフと人間・アマゾン・アトランティス連合が争うというストーリー。人間はブルース・ウェインが中心となって仲間を集める。DC版スーパーヒーロー大集合であるジャスティス・リーグであるが、それぞれのヒーローにそれぞれのドラマがあり、この「ザック・スナイダー版」はそれを丁寧に描いていくから、とにかく長い物語になっている。前後編で4時間はなかなか見応えがある。

地球側の切り札であるのはスーパーマン。はっきり言って、ステッペンウルフにかろうじて対応できそうなのは、ワンダーウーマンとアクアマンくらい。何せバットマンに至っては、中身は人間である。そのあたりがちょっと苦しい。頼みのスーパーマンを復活させる方法として、マザーボックスを起動させることに至るが、それはマザーボックスのありかをステッペンウルフに知らせてしまう諸刃の剣。そしてリスクを負って復活させたスーパーマンは記憶を失っており、なんとジャスティス・リーグの面々と対峙するという最悪の展開となる。

そして長い物語は、クライマックスへ向かう。スーパーマンの記憶を取り戻させたのは、他にはいないだろうという人物。ステッペンウルフとの戦いもスーパーマン頼みではなく、バットマンもワンダーウーマンもアクアマンもサイボーグもそしてフラッシュもそれぞれの能力をフル活用してステッペンウルフに対抗していく。スーパーマンだけでは地球側は敗北していたであろう。

よくわからなかったのが、途中で登場する謎のスーパーヒーローマーシャン・マンハンター。どうやら敵ではないのだが、なぜ頻繁に登場したのかはわからない。そしてエピローグではブルース・ウェインは夢を見る。それはパラデーモンに侵略され、荒廃した世界。そこでジョーカーとバットマンが謎かけのような会話をする。レックス・ルーサーJr.は脱獄し、バットマンに恨みを持つ傭兵デスストロークことスレイド・ウィルソンと手を組む。まだまだ続編があるということなのだろうが、よくわからない。

スケールが限りなく拡大していくのは、『アベンジャーズ』シリーズと同じだが、こちらはまだまだ続きそうである。どうなっていくのか。興味を持って観ていきたいと思うシリーズである・・・


評価:★★★☆☆








posted by HH at 00:00| 東京 ☔| Comment(0) | スーパーヒーロー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする