
原題: The Suicide Squad
2021年 アメリカ
監督: ジェームズ・ガン
出演:
マーゴット・ロビー:ハーレイ・クイン
イドリス・エルバ:ブラッドスポート
ジョン・シナ:ピースメイカー
ジョエル・キナマン:リック・フラッグ
ピーター・カパルディ:シンカー
デヴィッド・ダストマルチャン:ポルカドットマン
ダニエラ・メルキオール:ラットキャッチャー2
マイケル・ルーカー:サバント
アリシー・ブラガ:ソル・ソリア
ピート・デヴィッドソン:ブラックガード
シルベスター・スタローン:キング・シャーク
ヴィオラ・デイヴィス:アマンダ・ウォーラー
<映画.com>
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「バットマン」や「スーパーマン」を生んだDCコミックスに登場する悪役たちがチームを組んで戦う姿を描いたアクションエンタテインメント。デビッド・エアー監督により映画化された『スーサイド・スクワッド』を、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズで大きな成功を収めたジェームズ・ガン監督が新たに描く。ジョーカーと別れて彼氏募集中の身になり、ますますクレイジーになったハーレイ・クインを筆頭に、最強スナイパーのブラッドスポート、虹色のスーツに身を包んだ陰キャのポルカドットマン、平和のためには暴力もいとわないという矛盾な生き様のピース・メイカー、ネズミを操って戦うラットキャッチャー2、そして食欲以外に興味のないキング・シャークという、いずれも強烈な個性をもった悪党たちが、減刑と引き換えに、危険な独裁国家から世界を救うという決死のミッションに挑む。出演は、前作に続いてハーレイ・クイン役を演じるマーゴット・ロビーほか、イドリス・エルバ、ジョン・シナ、ジョエル・キナマンら。サメの姿をしたキャラクター、キング・シャークの声をシルベスター・スタローンが担当した。
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スーパーヒーローのオールスターチームを作って活躍させるというのは、マーベルもDCコミックもそれぞれやっているが、スーパーヒーローに対する悪役をチームにしてしまおうというアイディアはDCコミックならではである。そんな悪のチーム通称『スーサイド・スクワッド』を主役にした『スーサイド・スクワッド』の続編である。
独裁者ルナ将軍率いる南米の国コルト・マルテーゼでは、ナチス時代の研究所ヨトゥンヘイムで何やら秘密の実験を行っている。その情報を掴んだ米国政府は、ヨトゥンヘイムの破壊計画を立案する。その危険なミッションを実行する部隊として白羽の矢が立ったのは、刑務所に収監されている極悪犯罪者たちを集めたチーム。犯罪者たちは首にマイクロ爆弾を仕込まれ、命令に違反すればそれを爆破させるという脅しを受けチームに参加させられる。
そうして結成されたタスクフォースX(通称スーサイド・スクワッド)を率いるのはリック・フラッグ大佐。唯一の犯罪者でない軍人である。そうして上陸作戦が開始されるが、内通者がいたために作戦は筒抜け。上陸チームは待ち伏せ攻撃を受けてしまう。ここでチームは壊滅状態となり、生き残ったフラッグ大佐とハーレイ・クインは捕虜となってしまう。新たにチームに加わった犯罪者は、ほとんど馴染みのない顔ぶれ。前作『スーサイド・スクワッド』に登場したのはハーレイ・クインとキャプテン・ブーメランくらい。しかし、そのキャプテン・ブーメランもあっさり黒焦げになってしまう。
しかし、政府高官のアマンダ・ウォーラーは、密かに別のチームを派遣している。そのチームを率いているのは、スーパーマンに重傷を負わせた経歴を持つ最強の暗殺者ブラッドスポート。以下、凄腕殺人マシーンのピースメイカー、色とりどりの水玉<ポルカ・ドット>を身体から噴射させ敵を倒すポルカ・ドットマン、ネズミを自在に操るラットキャッチャー2、そしてサメ男ナナウエというメンバー。イタチ男にサメ男というのは、何か仮面ライダーの怪人みたいでおふざけ感が強い。
主人公は「ジョーカーの元恋人」ハーレイ・クインということになるが、これがまた強い。一見、頭のイかれた女なのであるが、格闘技術の方も優れたものがある。上陸時に敵の軍隊に囲まれ捕虜となるが、ルナ将軍には「反米の象徴」として歓迎される。プロポーズまでされるが、なんとあっさりこれを殺してしまう。当然再び捉えられてしまうが、拷問に耐えた挙句、隙をついて戒めを解くと警備兵を次々と薙ぎ倒して1人で脱出する。これだけの腕前なのになんで逮捕されたのかと思ってしまう。
ヨトゥンヘイムで行われていたのは、NASAが宇宙で遭遇した生命体の実験。これが一つ目のヒトデの化け物。これもおふざけ感が強い。次々と分身を放出してはその分身が人の顔に張り付くというエイリアンもどきの繁殖をする。スーサイド・スクワッドは、このヒトデの姿をした巨大な宇宙生命体と戦うことになる。悪役がいつの間にか人類代表として戦うというのもまたありなのであろう。
前作から引き続き登場するのは主役のハーレイ・クインとリック・フラッグ大佐、そしてブーメラン男くらいで、ほとんどが新メンバー。悪役だからだろうか、どのヒーローと対決していたのかもわからず、オールスター戦という感じはあまりしない。そのあたりがどうしても苦しいところ。まだまだ続編がありそうなエンディング。これはこれで、ほどほどに楽しみたいと思うシリーズである・・・
評価:★★☆☆☆