
原題: Deadpool & Wolverine
2024年 アメリカ
監督: ショーン・レビ
出演:
ライアン・レイノルズ:ウェイド・ウィルソン/デッドプール
ヒュー・ジャックマン:ローガン/ウルヴァリン
エマ・コリン:カサンドラ・ノヴァ
モリーナ・バッカリン:ヴァネッサ
ロブ・ディレイニー:ピーター
レスリー・アガムズ:ブラインド・アル
アーロン・スタンフォード:パイロ
マシュー・マクファディン:パラドックス
ダフネ・キーン:ローラ/X-23
ジョン・ファブロー:ハッピー・ホーガン
ジェニファー・ガーナー:エレクトラ
ウェズリー・スナイプス:ブレイド
チャニング・テイタム:ガンビット
クリス・エバンス:ジョニー・ストーム
ヘンリー・カビル:カヴィルリン
<シネマトゥデイ>
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ライアン・レイノルズ演じるデッドプールとヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンが共闘を繰り広げるアクション。世界の命運を左右する、あるミッションをめぐって、鍵を握るウルヴァリンにデッドプールが助けを要請する。監督を『ナイト ミュージアム』シリーズや『フリー・ガイ』などのショーン・レヴィが務める。
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前作の最後にケーブルのタイムトラベル装置を使って過去に戻ったデッドプールは、ガールフレンドのヴァネッサの命を救った後、神聖時間軸・アース616へと移動する。何を思ったのか、アベンジャーズへ加入すべくハッピー・ホーガンとの面接に望む。しかし、人格的な問題なのか、面接に落とされる。命を救ったヴァネッサとの関係も悪化し、破局してしまう。ウェイドはヒーローを引退し、中古車セールスマンとして平凡な生活を送っている。
その日、ウェイドの誕生日パーティーが催されるが、そこへ時間変異取締局(通称TVA)のエージェントが現れ、ウェイドを連行する。TVAエージェントはドラマシリーズの『ロキ』を観ていたので馴染みがあったが、そうでないと意味不明かもしれない。連行したのはミスター・パラドックス。彼によれば、将来的な危機から神聖時間軸を守るためにウェイドを招聘したのだという。その最中、ウェイドたちが暮らす時間軸がもっとも主要な存在「アンカー」であったウルヴァリンが死亡したため、ゆるやかな滅亡へ向かっていると知る。
分岐時間軸の剪定をやめたTVAに痺れを切らしているパラドックスは、デッドプールがTVAの仲間になった後に彼の時間軸の滅亡を加速させ、すぐにでも消し去る計画を語るが、デッドプールは拒絶しパラドックスのタイム・パッドを奪うと、数々のマルチバースを訪れて代わりとなるウルヴァリンを探し始める。最終的にバーで酔いつぶれているウルヴァリンをTVAに連れ帰るが、パラドックスによればこのウルヴァリンは自身の世界を失望させるほど酷い行いをしたため、アンカーとしての適性はないという。デッドプールはパラドックスの魂胆を見抜くが、ウルヴァリン共々剪定され、虚無の世界に送られてしまう。
この虚無の世界もいきなり出てきたのでは、わからないのではないかと思えてならない。TVAによって元の時間軸から剪定された者たちが生き残りをかけて生活している場所で、そこで喧嘩になったウェイドとウルヴァリンが戦っていると、一人の男が現れる。それはファンタスティック・フォーのメンバー、ジョニー・ストーム/ヒューマン・トーチ。3人は虚無で人攫いを行うミュータントたちの襲撃で捕獲され、カサンドラ・ノヴァの要塞に連行される。強力なテレキネシスとマインドコントロールの能力を持つミュータント、カサンドラ・ノヴァは、チャールズ・エグゼビアの妹である。
能力も飛びぬけ最強の存在として虚無の世界に君臨するカサンドラ。まずは元の世界に戻るためデッドプールとウルヴァリンは共闘する。デッドプールは相変わらずのマシンガントーク。X−MENシリーズではどこか亜流感のあるデッドプールであるが、ようやくX−MENの主流であるウルヴァリンとタッグを組む。しかし、この2人、事あるごとに対立し派手に殺し合う。と言っても、両者は不死身の再生能力を持っているために死ぬ事はなく、互いに気を失うまで戦い続ける事になる。そして本作では、ブレイド、エレクトラ、ガンビット、そして『LOGAN ローガン』(My Cinema File 1796)に登場したローラ/X-23が登場する。オールスターとは言わないが、隅からかき集めてきた感がある。
『LOGAN ローガン』(My Cinema File 1796)では、能力が衰えて死亡したウルヴァリンであるが、マルチバースの概念を導入した事により、もう「何でもあり」である。ブレイドなどすっかり忘れた存在だったが、「昔の名前で出ています」的な登場である。そして最後には様々な世界のデッドプールが登場する。女性から骸骨だけのもの、あるいは犬のデッドプールも登場し、もう笑ってしまう。あまり広げ過ぎない方がいいように思うが、何とも言えない。
今後、アベンジャーズとの共闘はあるのだろうか。X−MENの世界はどうなるのだろうか。マルチバースはせっかく一つの世界として完結した『LOGAN ローガン』(My Cinema File 1796)を無にしてしまうものであると言える。製作者の意図はわからねど、それもいかがなものかと思わざるを得ない一作である・・・
評価:★★☆☆☆