2025年02月20日

【あなたの顔の前に】My Cinema File 2971

あなたの顔の前に.jpg

原題: 당신 얼굴 앞에서/In Front of Your Face
2021年 韓国
監督: ホン・サンス
出演: 
イ・ヘヨン:サンオク
チョ・ユニ:ジョンオク
クォン・ヘヒョ:ソン・ジェウォン
キム・セビョク:店の主人

<映画.com>
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韓国の名匠ホン・サンスがベテラン女優イ・ヘヨンを主演に迎え、ひとりの中年女性の心の旅を描いたヒューマンドラマ。長い間アメリカで暮らしていた元女優のサンオクは、突然韓国に帰国し、妹ジョンオクのもとを訪れる。母を亡くして以来ずっと疎遠になっていた家族と再会するサンオクだったが、帰国の理由を明かそうとせず、その内面には深い葛藤が渦巻いていた。思い出の地を巡り、捨て去った過去と向き合いながら、心の拠りどころを見いだしていくサンオクの1日の出来事を描き出す。共演は『技術者たち』のチョ・ユニ、「夜の浜辺でひとり」のクォン・ヘヒョ、『はちどり』のキム・セビョク。ホン監督の公私にわたるパートナーである女優キム・ミニがプロダクションマネージャーを務めた。
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高層マンションの一室。サンオクは、ベッドで眠る妹のジョンオクを静かに見つめているところからドラマは始まる。起き上がったジョンオクは、サンオクに「久しぶりね」と声をかける。どういう事だろうかと訝しく思う。何気ない姉妹の会話。ジョンオクはそれまで見ていた夢の話をするが、具体的な内容については正午過ぎまで話せないと姉に告げる。姉妹は朝食をとりに川沿いのカフェに向かう。2人の平凡な会話が続いていく。

2人の会話からサンオクがどうやらアメリカから帰ってきたらしいとわかる。2人は公園内を歩きながら話に興じる。途中でサンオクとジョンオクは、通りすがりの女性に写真を撮ってほしいとお願いする。写真を撮ってくれと頼まれた女性は、サンオクに向かって昔テレビドラマに出ていなかったかと問う。それほど顔が売れているわけではないのに通りすがりの人がわかったという事に驚く2人。

2人の散歩は続く。話の内容はとりとめもない事。そして2人はジョンオクの息子の婚約者が働く店に行きお茶を飲む。息子もやってきて伯母に挨拶をする。礼儀正しく良い息子である。やがて姉妹は別れ、サンオクは旧知の映画監督と会う。居酒屋のような店で、店主も鍵を預けてどこかに行ってしまう。監督はサンオクに映画を撮ることを提案する。しかも、短いロードムービーのような内容で、2人で旅をしながら撮ろうという。

どういう映画だと観ながら思うも、サンオクも「私と寝たいのか」とはっきり聞く。ほぼ会話だけで成り立っているこの映画、何となく同じように会話だけで成り立っていた『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』(My Cinema File 2812)のような感じであるが、この映画は言ってみればもっと退屈である。その退屈感は最後まで消えない。一体この映画で何を訴えたいのだろう。

映画通の人だとこの映画の意味を見出し、素人にはわからない価値がわかるのだろう。ただ、映画を単純に面白いか否かで観る私にとっては心に訴えかけてくるものがなかったと言える。監督のホン・サンスは名匠だとの事、それであればつまらない映画を作るはずもなく、根底に込められた意図があったり、撮り方なども玄人にしかわからない素晴らしさがあるのだろう。ただ、素人の私にはわからない。ただ退屈なだけの映画であった。

タイトルであるが、映画の中でサンオクが語る。「もし顔の前にあるものだけを見ることができたら何も怖くない」と。実はサンオクは医者に余命宣告を受けている。人は普通だれでも余命などわからない。それが突然、目の前に突きつけられる。そういうところを鑑みると、深い意図がありそうにも思うし、おそらくそういうところを含んだタイトルなのだろう。しかしながら、全体としてはどうにも眠気を抑えにくいものである。

この映画を「素晴らしい」と評価できる眼を自分も持ちたいと思うが、現状それはかなわない。それが残念な映画である・・・


評価:★★☆☆☆








posted by HH at 22:12| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 韓国映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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