2020年12月15日

【イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり】My Cinema File 2325

イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり.jpg

原題: The Aeronauts
2019年 イギリス・アメリカ
監督: トム・ハーパー
出演: 
フェリシティ・ジョーンズ:アメリア・レン
エディ・レッドメイン:ジェームス・グレーシャー
フィービー・フォックス:アントニア
ヒメーシュ・パテル:ジョン

<映画.com>
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『博士と彼女のセオリー』のフェリシティ・ジョーンズとエディ・レッドメインが再共演し、気球で前人未到の高度世界記録に挑んだコンビを演じる、実話ベースのアドベンチャードラマ。1862年、ビクトリア朝時代のロンドン。当時では予測不可能と考えられていた天気の予測が可能であると唱えていた気象学者のジェームズは、荒唐無稽だと揶揄され、実験の資金も集められずにいた。そんな中、気球操縦士のアメリアに頼み込み、ジェームスは彼女の気球飛行に同乗することを許される。最愛の夫を亡くしたアメリアにとって、その気球飛行は悲しみから立ち直るための決意の飛行でもあった。正反対の性格から対立ばかりしていたアメリアとジェームスは、飛行していく中で次第に心を通わせていくが、前人未到の高度7000メートル超えに成功した2人に想像を絶する自然の脅威が待ち受けていた。アメリア役をジョーンズ、ジェームス役をレッドメインがそれぞれ演じる。
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時は1862年のロンドン。気象学者のジェームズ・グレーシャーは、気球による気象観測飛行に挑もうとしている。大勢の見物客が訪れる中、友人の科学者ジョン・トリューは天候を不安視しているが、期待に胸を膨らませるジェームズは意に介さない。そこへ操縦士のアメリア・レンがやって来る。途中、過去の記憶が脳裏を過ぎり吐いてしまうが、観客を前にすれば、そんな胸中を吹き飛ばすパフォーマンスで気球に乗り込む。

この時代、気球自体も珍しかったのだろう、飛び上がるところを見に大勢の観客が詰めかけている。映画は、こういう時代の空気を見事に描いて見せてくれる。アメリアは、愛犬ポージーを気球に乗せる。そして離陸すると、何とポージーを空中に放り出す。思わず悲鳴が上がる会場。ところがパラシュートが開き、ポージーは悠然と降りてくる。これには観客も拍手喝采である。

気球に乗り込んだアメリアとジェームズは、それまでの最高高度7,010mの世界記録の更新を目指す。なにせ気球のこと、気球はゆっくりと上昇して行く。実は、アメリアはかつて夫婦で気球のパイロットをしていたが、2年前に夫のピエールを気球からの落下事故で亡くしている。さらに高度が上がると、天候が悪化し、気球は激しく揺さぶられジェームズは転倒して頭部を負傷する。2人の最初の試練である。

そして映画は、2人の出会いへと遡る。事故から2年が経ち、家に引き籠っていたアメリアは姉のアントニアに強引に誘われて参加したパーティーでジェームズと出会う。ジェームズは時計職人の父を持ち、天気を正確に予測するための気象観測実験をやりたいと考えているが、それには気球とそのパイロットが必要になる。コネのないジェームズは、必死にアメリアを口説き落とし、今回の飛行にこぎつけたのである。

高度5,000mを超え雲の上を飛行する気球に蝶の群れが押し寄せる。とても想像のできない世界。映画ではリアルに映像で見ることができる。ジェームズは、昆虫は気流に乗って移動するとの説を唱えたジョンは正しかったと興奮気味に語る。そしてとうとう高度は前人未到の7,010mを超える。さらに気球は上昇を続けるが、アメリアはジェームズが積載量を気にして防寒着を持ってきていないことに気付く。アメリアは戻ろうと告げるが、せっかくの機会を無駄にしたくないジェームズはこれを拒む。

気象のデータを取るのに夢中で危険性に鈍感なジェームズと、夫を亡くし空の危険性を熟知しているアメリアの考え方の対立の根底はそこにある。実は夫の死は、アクシデントで気球のバランスを取るために重量を軽くする必要に迫られ、アメリアを生かすために夫は飛び降りたのである。そんな経験を経たアメリア。そして高度の上昇につれて気温も急激に下がり、ジェームズは酸欠状態に陥る。2人を次なる試練が襲う。

ここに至り、高度を下げるためアメリアは気球のガス抜き弁のバルブを開こうとするが、バルブは寒さで凍りついてしまい開かない。ここでアメリアのとった方法がすごい。体に命綱を括り付けると、なんと気球の上に登り始める。高所恐怖症でなくても目も眩むような高高度の極限状態の中、アメリアは何とかバルブをこじ開けるが、気を失って滑り落ち、宙吊り状態になってしまう。気球の高度は成層圏を超えて最終的に未曽有の11,280mに達する。

このシーンはなかなか凄いと思う。初めは楽しそうだなと思っていたが、もしも今後気球に乗る機会に恵まれたとしても、このシーンを思い出して躊躇しそうである。ようやく気球の高度が下がり始めるが、最後の最後まで危機は訪れる。この話は実話ではあるが、細部にはフィクションもあるだろう。どこまでがそうかはわからないが、エンターテイメントとしては、うまくストーリーが作られている。

2人のこの飛行によって、気球の最高高度記録を塗り替え、またジェームズの取った観測データから大気が何層かに分かれていることがわかり、後の天気予報の発展に多大に寄与したという。人類はこうした先駆者によって科学技術を発達させてきたのだと改めて思う。そしてそれをエンターテイメントという形であっても伝えられる映画の良さを改めて実感させられる映画である・・・


評価:★★☆☆☆








posted by HH at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | 実話ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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