2022年07月15日

【バケモノの子】My Cinema File 2566

バケモノの子.jpeg
 
2015年 日本
監督: 細田守
出演
役所広司:熊徹
宮崎あおい:蓮・九太 / 少年期
染谷将太:蓮・九太 / 青年期
広瀬すず:楓
山路和弘:猪王山
津川雅彦:宗師
リリー・フランキー:百秋坊
大泉洋:多々良

<映画.com>
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「おおかみこどもの雨と雪」の細田守監督が同作以来3年ぶりに送り出すオリジナル長編アニメーション。渋谷の街とバケモノたちが住まう「渋天街(じゅうてんがい)」という2つの世界を交錯させながら、バケモノと少年の奇妙な師弟関係や親子の絆を描く。脚本も細田監督が自ら手がけ、声優には、渋天街のバケモノ・熊徹に役所広司、人間界の渋谷から渋天街に迷い込み、熊徹の弟子となって九太という名前を授けられる主人公の少年に宮崎あおい(少年期)と染谷将太(青年期)、ヒロインとなる少女・楓に広瀬すずと豪華キャストが集結している。第39回日本アカデミー賞の最優秀アニメーション作品賞を受賞。
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はじめに物語の世界が語られる。この世は人間界の他にバケモノの世界がある。そこもいくつかの街に分かれており、その一つである渋天街(じゅうてんがい)は、宗師が長年束ねてきたが、引退して神様に転生すると宣言し、新しい宗師を選ぶことになる。そこで名前が挙がったのが、猪王山。冷静沈着、勇猛果敢、大勢の弟子を抱え、一郎彦と二郎丸という2人の息子の父親であり、人々も次の宗師に違いないと噂する。

そして、もう一人の候補が熊徹。その名の通り熊のごとき容姿であり、底なしの体力で力だけなら猪王山をも凌ぐともっぱらの評判。ところが熊徹は、粗暴、傲岸不遜、手前勝手で弟子の一人もいないく、息子どころか家族もいない。宗師に跡目を目指すなら弟子を取れと言われる。一方、その頃、人間界では9歳の少年・蓮が家を飛び出す。両親は離婚し、父と離ればなれとなり、母と2人で暮らしていたが、その母を交通事故で失う。

親戚が一族の跡取りとして引き取ろうとするが、それに反発して家を飛び出す。その場の雰囲気から、良家の娘と結婚した父は一族から疎まれており(おそらく結婚にも反対された)、厄介払いされたと思われる。そんな父に対する親族の嫌悪感を子供の蓮が敏感に感じ取ったのであろう。あてもなく飛び出した蓮は、夜の渋谷の街をさまよい、小さな生物を拾う。そして弟子を探しにきた熊徹と出会う。バケモノの世界では熊徹の弟子になど誰もなりたがらない。そこで熊徹は人間界へ来たのである。

突然、バケモノに声をかけられた蓮は当然の如く驚く。呆気に取られている間に熊徹は何処かへと姿を消す。そして警官に補導されそうになった連は、渋谷の街を逃げ回るうちに、狭い路地に入っていく熊徹の後ろ姿を見かける。蓮は意を決してその跡を追う。すると、渋谷と思えない迷路のような路地を抜け、いつの間にバケモノの街・渋天街に来てしまう。バケモノでひしめき合う通りで蓮は狼のバケモノに絡まれ、百秋坊と名乗る豚のバケモノに助けられる。

親切に元の世界に送り届けようとした百秋坊とともに歩き始めた蓮は、熊徹と再会する。そして熊徹は、そのまま蓮を弟子にすると宣言して、蓮を自宅に連れて行く。疑心暗鬼の蓮は熊徹に名前を教えない。そんな蓮が9歳だと知った熊徹は蓮を「九太」と名付ける。そして2人の生活が始まる。それまでとはまるで異なる生活。蓮は熊徹に気を許してはおらず、朝ごはんとして出された卵かけご飯をも生臭くて食えないと反抗する。弟子は好き嫌い禁止だという熊徹と弟子になったつもりはないという九太とはたちまち口論となる。

こうして九太と熊徹の師弟関係は始まる。しかし、バケモノの世界では、人間に対する警戒感がある。バケモノと人間が棲む世界を異にしているのは、人間はひ弱ゆえに胸の奥に闇を宿らせることがあり、もし闇につけ込まれたら手に負えなくなるという問題があるのである。熊徹はそれゆえに人間の子供を弟子にすることはやめろと猪王山に警告されるが、弟子を取らざるを得ない熊徹は応じない。諍いはそのまま2人の直接対決へと発展する。

物語はこうして、宗師の座を巡る熊徹と猪王山の対立、熊徹と九太との師弟関係を絡めて進んでいく。九太以外に弟子になる者がいない熊徹。そして人間界には戻る場所もなく、人間ゆえに熊徹のところ以外に行く先のない九太。反発し合うも利害は一致。そしていつしか九太は熊徹の技を吸収していく。熊徹も天涯孤独に育ち、師匠もなく我流で技を身につけたゆえに教え方がわからなかったりする。いつしか熊徹と九太は教え合い学び合う間となっていく。

そして8年の時は流れる。偶然、例の路地裏に迷い込んだ九太は渋谷の街に戻る。そこで、久太は高校生の楓と図書館で出会う。物語はまたもう一つの進展をもたらす。楓との出会いによって、渋天街と渋谷を行き来しながら、今まで知らなかった新しい世界や価値観を教えてもらう九太。心身ともに成長していく。そして人間の心に巣食う闇との対決。物語は最後の展開へと繋がる。

その存在は知っていたが、なんとなくタイトルで観るのを躊躇ってきた映画であったが、もっと早くに観ておけばよかったと後悔する羽目になる。戦いや少年の成長や友情などが絡み合い、いつしか物語の世界に引き込まれている。声優はメジャー俳優が務めており、大半は聞いただけで誰だかわかる。そうした面白さもある。アニメだから子供が観ても面白いだろうし、教育的効果も高そうだと感じる。

やはり、日本のアニメはレベルが高いなと改めて感じさせられる映画である・・・


評価:★★★☆☆








posted by HH at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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