
2019年 日本
監督: 今泉力哉
原作
角田光代
出演:
岸井ゆきの:テルコ
成田凌:マモル
深川麻衣:葉子
若葉竜也:ナカハラ
江口のりこ:すみれ
<MOVIE WALKER PRESS解説>
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直木賞作家・角田光代による同名恋愛小説を「パンとバスと2度目のハツコイ」の今泉力哉監督が映画化。28歳のOLテルコは仕事も友情もそっちのけで、片思いするマモルのことを最優先にしている。しかしマモルはテルコを都合のいい女としか見ておらず……。恋愛映画の旗手・今泉力哉監督が、おかしくて苦い一方通行の恋と向き合う。振り向いてもらえない相手を追いかけるテルコを「おじいちゃん、死んじゃったって。」の岸井ゆきのが、彼女が片思いするマモルを「チワワちゃん」の成田凌が演じる。
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主人公はごく普通のOL山田テルコ。半年前にあまり親しくない知人の結婚式で知り合った田中マモルに思いを寄せている。その日、マモルから連絡がある。風邪をひいて寝込んでおり、朝から何も食べていないので、まだ会社にいるなら帰りがけに何か差し入れて欲しいと言う。もうすでに家にいたテルコだが、今から帰るところと偽り二つ返事であれこれと買い込んでマモルの家に向かう。
甲斐甲斐しくおかゆを作り、挙句に風呂掃除までするテルコだが、マモルは満足すると深夜にもかかわらず、テルコを帰らせる。テルコも後先考えないタイプなのか、タクシーで帰るにも財布に数百円しか残っておらず、慌てて友人の葉子に連絡して家に転がり込み、タクシー代の支払いをしてもらう。突然押しかけられた葉子も年下のナカハラが部屋にいたが、これを理由に帰るように言う。
テルコは思い込んだら一途なのか、マモル一筋に突っ走る。仕事中もマモルの事を考えて上の空。金曜日は呼び出される可能性が高いからと必要もない残業をして時間をつぶす。しかし、とうのマモルにはそれほどテルコに対する思いがあるようには思えない。ある夜、いつものように呼び出されたテルコはマモルと朝まで飲み明かし、挙句に誘われるまま肉体関係を持つが、それでもマモルはテルコを恋人とは見なしていない。
そんなテルコに葉子は再三警告をする。マモルの態度が気に食わない葉子はテルコにマモルと付き合うのはやめろと言うが、テルコは聞く耳持たず。そんな葉子もナカハラをいいように呼び出しては使っている。マモルに夢中になったテルコは、とうとう会社をクビになる。それでもテルコにとっては大きな事ではない。なのにマモルからの連絡が途絶え戸惑うテルコ。やむなく再就職先をさがすも、マモルから連絡があると、再就職もそっちのけでマモルの下へと駆けつける・・・
相手に夢中になると、すべてを相手に向けてしまうタイプの者がいるが、テルコもナカハラもそんな典型的なタイプ。そうしてそれをうまく利用する者もまたいる。マモルも葉子もそんな典型で、マモルはテルコを便利な女としか思っていない。暇な時に呼び出して好きにやれる女がいれば、男は本命とは別にキープしておきたいと思うものだろう。そんな都合のいい女になっているテルコはそんな立場に気付いているのだろうか。それでも「付き合ってくれ」と言われていないことは自覚している。
挙句にマモルは年上のすみれという女性に好意を寄せ、あろうことかテルコにもすみれを紹介する。すみれはタバコも吸うし、がさつでマモルの事もなんとも思っていない。それでもテルコはスミレに対する反感を抑え、マモルが喜ぶのでスミレと一緒に会ったりする。ここまでくると異常なのであるがテルコの異常さはさらにスケールアップしていく。男の立場に立てばマモルの考えはよくわかるが、たとえばテルコの家族の立場に立てば許せないとなるだろう。
そんな思いが交錯する中、マモルに対する思いを募らせるテルコは突拍子もない行動に出る。そこまでするかと思うも、それだから映画になるのかもしれない。男としてはマモルの気持ちはよくわかるが、テルコに感情移入は難しい。そのあたりが複雑な気持ちにさせられる映画である・・・
評価:★★☆☆☆

