
原題: The Con Artists
2014年 韓国
監督: キム・ホンソン
出演:
キム・ウビン:ジヒョク
イ・ヒョヌ:ジョンベ
コ・チャンソク:グイン
キム・ヨンチョル:チョ社長
チョ・ユニ:ウナ
<Movie Walker解説>
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『チング 永遠の絆』のキム・ウビン主演、「共謀者」のキム・ホンソン監督によるサスペンス・アクション。40分という制限時間内に1500億ウォンを盗み出す犯罪プロ集団の壮大な強奪計画を描く。共演は「シークレット・ミッション」のイ・ヒョヌ、「ハロー!?ゴースト」のコ・チャンソク、「甘い人生」のキム・ヨンチョル、『共謀者』のチョ・ユニ。
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冒頭、警戒厳重なビルに1人の泥棒が忍び込む。鮮やかな手口で最上階に侵入すると、金庫を開けて保管されていた鳳凰の頭の象を盗み出す。気づいた警備員たちに追われるも、軽やかな身のこなしで難なく逃走する。怪盗ルパンのような感じだろう。その男ジヒョクは、入念な下調べと周到な策を練りそして、時間をかけて下準備を行い実行に移す。常に冷静さを失わず、余裕の態度で危機的状況も擦り抜ける。そんなジヒョクはグインを相棒にしている。
ジヒョクはさらに盗んだ鳳凰の頭の象を3Dコピーし、弱みを握った専門家に偽の鑑定を作らせオークションで売る。その額5億ウォン。稼いだ金を元手に今度は偽札作りと忙しい。そして、ダイヤを盗む計画を立てる。この仕事には腕利きのハッカーが必要であり、グインの紹介でジョンベを仲間に引き入れる。ジヒョクは画廊に務めるウナという女性に接触。ウナのブルーダイヤのネックレスを査定する口実で、狙う店の貴賓室へ入り警備状況を確認し、作戦を決行する。
ジヒョクは見事、金庫を破りダイヤを手にするが、この仕事ぶりに中華街を牛耳るマフィアのボス、チョが目をつける。チョは政治家が貯め込んでいる裏金を奪おうと計画しており、腕の立つ金庫破りを探していたのである。チョはジヒョクらのアジトを襲撃し、自らの配下に加わるよう脅す。ご丁寧に身内を調べられ、盾に取られる始末でありジヒョクらに選択の余地はない。こうしてアジアで最高レベルの警備体制を誇るインチョン税関の金庫を破ることになる・・・
腕利きの犯罪者が、組織のボスと対立し、困難な仕事を引き受けさせられるというのは、なんとなく既視感のあるストーリーである。最新の警備システムをいかに突破するかが見所になるのであるが、なんとなくピリッとしたものを感じない。その理由は3つあって、一つはアジアで最高の警備レベルと言っても、何だかだだっ広い倉庫にポツンと置いた金庫がターゲットで、とても「アジア最高」という感じがしないことだろう。もう少し工夫が欲しかったところだ。
二つ目はトリックだ。弱みを握られ、渋々盗みを働くのだが、無事に終わっても解放される保証はない。そんな中でチョを欺くのだが、1500億ウォンもの金をチョの目をかすめるには、ちょっと稚拙であった。「なるほど〜」と膝を打たせるものが欲しかった。最後の一つは、何と言っても主役のキム・ウビンだ。主人公の役柄としては、スマートな怪盗で金庫破りの腕も一流で頭も良い。なら「ヘビ顔」はどうかと思わざるを得ない。卑劣な悪役の方がよく似合うと思う。
何となくやりたかったことはわかるような気がするが、3つの残念があってどうも締まりのないものになってしまった感がある。唯一ヒロインが美人だったのだけが救いだろうか(相棒のグインはどことなくマサ斎藤に似ていて個人的にはOKだったが)。全体的には残念だった映画である・・・
評価:★★☆☆☆