
原題: No Time to Die
2021年 アメリカ
監督: キャリー・ジョージ・フクナガ
出演:
ダニエル・クレイグ:ジェームズ・ボンド
ラミ・マレック:サフィン
レア・セドゥ:マドレーヌ
ラシャーナ・リンチ:ノーミ
ベン・ウィショー:Q
アナ・デ・アルマス:パロマ
ナオミ・ハリス:イヴ・マネーペニー
レイフ・ファインズ:M
ロリー・キニア:タナー
ジェフリー・ライト:フェリックス・ライター
ビリー・マグヌッセン:ローガン・アッシュ
ダリ・ベンサーラ:プリモ
クリストフ・ヴァルツ:エルンスト・スタヴロ・ブロフェルド
<映画.com>
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ジェームズ・ボンドの活躍を描く「007」シリーズ25作目。現役を退きジャマイカで穏やかな生活を送っていたボンドのもとに、CIA出身の旧友フィリックス・ライターが助けを求めにやってきたことから、平穏な日常は終わりを告げる。誘拐された科学者を救出するという任務に就いたボンドは、その過酷なミッションの中で、世界に脅威をもたらす最新技術を有した黒幕を追うことになるが……。ダニエル・クレイグが5度目のボンドを演じ、前作『007 スペクター』から引き続きレア・セドゥー、ベン・ウィショー、ナオミ・ハリス、ロリー・キニア、レイフ・ファインズらが共演。新たに「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」のアナ・デ・アルマス、『キャプテン・マーベル』のラシャーナ・リンチらが出演し、『ボヘミアン・ラプソディ』のフレディ・マーキュリー役でアカデミー主演男優賞を受賞したラミ・マレックが悪役として登場する。監督は、「ビースト・オブ・ノー・ネーション」の日系アメリカ人キャリー・ジョージ・フクナガ。
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ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドもはや15年。とうとうこれが最後ということである。前作『007 スペクター』で秘密結社「スペクター」を壊滅させ、「スペクター」の首領であり、義理の兄でもあるブロフェルドを捕らえたジェームズ・ボンドはMI6を引退している。年齢的にもいつまでもできる仕事ではないだろう。そして引退したボンドは、「スペクター」の幹部で殺し屋だった父親を持つマドレーヌ・スワンと共に静かな毎日を過ごしている。
マドレーヌとイタリアを訪れたボンドは、マドレーヌとの未来を考え、かつて『007カジノロワイヤル』(My Cinema File 6)で出会い、愛しあった女性ヴェスパーの墓参りに行く。男としてのケジメだろう。しかし、ヴェスパーの墓には「スペクター」の指輪が置かれており、突然墓が爆発する。かろうじて難を逃れたボンドを謎の集団が襲う。間一髪でマドレーヌのいるホテルに逃げ帰ったボンドは、自身の動きが筒抜けだったことからマドレーヌの裏切りを疑う。
謎の集団の追撃をかわしたボンドは、マドレーヌを強引に列車に乗せ、別れを告げる。それから5年。とあるウィルス兵器の研究所が襲われる。強引に手引きをさせられたロシア人科学者のヴァルド・オブルチェフだけが唯一生き残って連れ去られる。一方、マドレーヌと別れたボンドは、ジャマイカで優雅に暮らしていたが、そこへCIAの友人でもあるフェリックス・ライターが、アメリカ総務省のアッシュと共に現れる。そこでフェリックスは、誘拐されたオブルチェフの捜索をボンドに依頼する。場所はキューバ。そこにはイタリアでボンドを襲ったスペクターの残党が集まるとも知らされるが、ボンドは引退した身であることを理由に断る。
フェリックスたちと別れたボンドの前に現れたのは、ノーミと名乗る黒人女性。実は、ノーミはMI6の諜報員で、現在の「007」である。「永久欠番だとでも思った?」という挑発的なセリフ。それに対し、ボンドは「たかが数字だ」と答える。このやり取りは後に出てくるが、ウィットに富んでいる。ノーミは、一連の事件が「ヘラクレス計画」と関係があることを伝え、ボンドに協力を求めるが、ボンドは再び断る。しかし、そうは言っても「ヘラクレス計画」は、Mが携わっていた計画でもあり、気になったボンドはフェリックスの誘いを受けキューバに向かう。
キューバに向かったボンドを迎えたのは、CIAの新人局員パロマ。これがなかなかの美人。2人でスペクターの残党が集まるパーティーに潜入するが、ボンドの潜入はバレており、集会会場に毒ガスが噴射される。ところが、ボンドには何の影響もなく、逆に周囲のスペクターの残党が次々と倒れていく。戸惑うボンドだが、会場にいたオブルチェフを見つけると、ボンドはパロマと共にオブルチェフを捕まえる。
引退したとは言え、その腕前は健全。新登場のパロマは、美女ながらも見事な格闘アクションを見せてくれる。なかなかの見せ場に満足のいくストーリー展開である。オブルチェフを捕らえたボンドは、フェリックスとアッシュと合流するが、アッシュの裏切でフェリックスは命を落とし、オブルチェフは連れ去られてしまう。オブルチェフから得たデータをQが解析したところ、「ヘラクレス計画」は、ナノボットを使い特定のDNAにウィルスを流し込むことで、感染者が触れただけでウィルス感染が広がるというもの。これがちょっとわかりにくい代物。
そんな化学兵器を手中にしたのが今回の黒幕とでもいうべき敵。その目的はスペクターの壊滅。それなら放置しておけばいいが、危険な化学兵器の存在がそれを許さない。やがてボンドはマドレーヌと再会する。新たな007が絡み、物語はスケールアップして展開していく。ボンドと別れたマドレーヌは、密かに娘マティルドを産んでいる。ノーミから「007」のナンバーを戻されたボンドは最後の任務へと向かう。かつて肉体派アクションに転向しかけたボンドだが、ここではまた本来のスタイルに戻っている。
そしてダニエル・クレイグのボンドは最後の時を迎える。一時はどうなるかと思ったが、最後はボンドらしくホッとした。ラストはボンドが美女と去っていくのがお馴染みであるが、本作ではストーリーの流れからそれを封印。いよいよこれでジェームズ・ボンドシリーズも終わりかと思いきや、エンディングではお馴染みの“James Bond will return”が表示される。今度はどんなボンドがどういう筋書きで登場するのだろう。
新たなボンドに期待したいと思うのである・・・
評価:★★★☆☆

