
原題: PERFUME: THE STORY OF A MURDERER
2006年 ドイツ
監督: トム・ティクヴァ
出演: ベン・ウィショー/ レイチェル・ハード=ウッド/アラン・リックマン/ダスティン・ホフマン
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18世紀、パリの魚市場で産み落とされたグルヌイユは驚異的な嗅覚を持っていた。
青年に成長したある日、赤毛の少女が発する至福の香りに出会うが、夢中になるあまり彼女を殺してしまう。
死と共に香りも消えてしまうことを知った彼は、香りを永遠にとどめておく方法を探るため調香師に弟子入りし、さらなる技を求めて職人の街グラースへ向かう。
途中、自分自身に体臭がないことに気づき衝撃を受けるが、やがて運命の香りと再会する・・・
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香水の文化はフランスで発達したそうだ。
というのも当時の人々はみんな臭かったのでそれを隠すためだったらしい。
映画というものは最近はどんな表現であろうと可能となってきている。
しかし、それでも表現できないものは「香り」である。
その「香り」がテーマであるこの映画、その限界としては肝心の「香り」を直接観る者に体験させられないということだろう。
冒頭、18世紀初頭のパリは悪臭に満ちていたとの解説。
そしてその代表格である市場が映し出される。
もちろん、匂いは伝わってこないが映し出されるシーンによりその匂いが想像できてしまう。
この手腕はさすがだと思う。
そのグロテスクな匂いが想像できる市場の片隅で主人公のグルヌイは産み落とされる。
こんな環境では鼻がバカになるかと思いきや異常な嗅覚の持ち主として成長する。
わずかな金のために売られ劣悪な環境下で働かされる。
映画の本筋とは関係ないが、当時はこんなの当たり前だったのだろうか、だったらひどいものだと思わざるを得ない。
グルヌイの嗅覚のすごさは犬並みである。
なにせ匂いであとを辿っていけるのである。
そして最初の殺人。
もっとも興味は街で見かけたその女性の匂いなのであるが、誤って殺したとたんその匂いが消えてしまい愕然とする。
どうしたら匂いを保存できるのか。
やがて潰れかけた香水調合師バルディーニ(これがダスティン・ホフマンなのだ)と出会い、その答えを得るために、彼の元で本格的に「匂い」を作ることにのめり込んでいく。
なにせバラなどはともかくとして銅や鉄、そして猫などからも香りを抽出しようとする。ここから香りに対するグルヌイの異様さが際立ってくる。
それが高じて人間から匂いを抽出しようとするようになるのである。
一つのものにのめり込み、そしてその是非の判別もつかなくなる。
天才とはこういうものなのかもしれない。
やがてそんな行き過ぎた行為も終わりを迎える。
究極の(?)香りを完成させるが捕まってしまうのだ。
大量殺人ゆえに当然死刑。
しかし、その処刑方法がすごい。
十字架に貼り付けておいて鉄の棒で12回ぶんなぐり、その上で絞首刑にするという。
じわじわと苦しみを与えながら殺すという残忍な方法だ。
ストーリーに引き込まれてここまできたところが、ラストでわけがわからなくなる。
何か芸術的な意図があるのかどうかはわからない。
どう感じるかは個人の好みの世界だろうが、終盤で★一つ落としたと言えよう。
理解不能の展開で終わってしまった。
どういう事なのか、まったくわからない。
「残忍な処刑方法で最後を遂げながらも自らが作り出した究極な香りをばら撒き、処刑人ともども恍惚の中で息絶える」とでもしたら、あるいは満足のいくエンディングだったかもしれないと思ったりもする。
冒頭で成功した匂い体験であるが、やはり究極の香りだけは伝えきれない。
いつか匂いも体験できる映画ができるのだろうか・・・
評価:★★☆☆☆



