2014年12月30日

【永遠の0】My Cinema File 1366

永遠の0.jpg

2012年 日本
監督: 山崎貴
出演: 
岡田准一:宮部久蔵
三浦春馬:佐伯健太郎
井上真央:松乃
吹石一恵:佐伯慶子
風吹ジュン:清子
夏八木勲:賢一郎
橋爪功:井崎
濱田岳:青年期の井崎
山本學:武田
三浦貴大:青年期の武田
田中泯:景浦
新井浩文:青年期の景浦
染谷将太:大石
平幹二朗:長谷川

<シネマトゥデイ>
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零戦搭乗員の悲劇を描いた百田尚樹のベストセラーを、『ALWAYS』シリーズなどの監督・山崎貴が映画化した戦争ドラマ。祖父の歴史を調べる孫の視点から、“海軍一の臆病者”と呼ばれたパイロットの真実の姿を、現代と過去を交錯させながらつづっていく。主人公の特攻隊員役に、『天地明察』『図書館戦争』などの岡田准一。現代に生きる孫に三浦春馬がふんするほか、井上真央や夏八木勲など若手からベテランまで多彩な俳優が共演する。生と死を描く奥深い物語はもちろん、サザンオールスターズによる心にしみる主題歌にも注目。
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百田尚樹の原作小説の映画化作品。
原作を読んで感動して以来、いつ映画化されるかと楽しみにしていた経緯がある。
以前は期待できなかったが、最近の映像技術の進歩により、零戦の空戦シーンなど小説では味わえない部分も期待できるようになっているところが嬉しい。

物語はほぼ原作通りに進む。
司法試験浪人をしている佐伯健太郎は、祖母の葬儀の時に、実は弁護士をしている祖父は血のつながりがないと聞かされる。そしてライターをしている姉を手伝い、太平洋戦争で戦死した実の祖父の事を調べる事になる。

戦友会から紹介され、祖父の戦友を訪ね歩く健太郎と姉の慶子。
しかし、戦友たちは口を揃えて二人の祖父宮部久蔵を臆病者と断言する。
祖父について調べるのをやめようとしていた時、末期癌で入院していた井崎という戦友から、それまで語られなかった意外な祖父の話を聞く。
祖父はすご腕の零戦パイロットであったという事である。

そして時は1941年に遡る。
海軍パイロットの宮部久蔵は、零戦に乗り真珠湾攻撃に参加する。
大戦果に湧きたつ仲間たちを尻目に、空母がいなかった事に宮部は一人行く末を危惧する。
そしてミッドゥェーの海戦で日本軍は大敗北を喫し、ラバウル航空隊に配属された宮部は、長距離飛行しての空戦という無謀な作戦に従事する。

国の為に死ぬのが当然とされた時代、家族を愛し生きて帰ろうと最後まで努めた男がなぜ最後に特攻に志願したのか。映画は小説を忠実に再現していく。長い小説を短い映画にした場合、よくありがちな“ダイジェスト版”的になる事を回避し、うまく映画化されていると感じる。最後のヤクザさんのエピソードが中途半端なのがちょっと残念であった。

概ね、映画化は成功と言えるだろう。
ストーリーの良さはもともとであるが、映像が加わって別の楽しみ方ができたと言える。
昔の戦争映画と言えば、いかにも“模型”という感じの戦闘機が出てきたものであるが、ここでは本物を使っているのかと思うほどの零戦が飛び回る。“模型”だったら間違いなく興醒めしていただろう。

原作が良かっただけに、映画化に失敗してほしくなかったが、出来栄えには満足できた一作である。


評価:★★★☆☆



    



posted by HH at 20:03| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦争/戦場ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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