2017年03月18日

グランド・ジョー

グランド・ジョー.jpg

原題: Joe
2013年 アメリカ
監督: デビッド・ゴードン・グリーン
出演: 
ニコラス・ケイジ: ジョー
タイ・シェリダン: ゲイリー
ゲイリー・プールター: ゲイリーの父
ロニー・ジーン・ブレビンズ: ウィリー

<映画.com>
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ニコラス・ケイジが主演し、過去の犯罪歴に振り回されながらも真面目に生きようとする男と、父親の暴力に耐える少年が織り成す交流と苦難を描いた人間ドラマ。アメリカ南部の田舎町で暮らす男ジョーには複数の前科があったが、現在は森林伐採業者として真面目に働き、周囲の人々からも慕われていた。ある日彼は、仕事が欲しいという15歳の少年ゲイリーを雇うことに。ゲイリーは酒に溺れて働こうとしない父親の暴力に耐えながら、母や妹を養っていた。一緒に働くうちに親子のような関係を築いていくジョーとゲイリーだったが、そんな2人に過酷な運命が待ち受けていた。『ツリー・オブ・ライフ』のタイ・シェリダンがゲイリー役を繊細に演じ、第70回ベネチア国際映画祭で新人俳優賞を受賞した。監督は『スモーキング・ハイ』のデビッド・ゴードン・グリーン。ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち 2016」上映作品。
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 物語の舞台となるのは、アメリカ南部の田舎町。主人公のジョーは、黒人たちを使いながら森林伐採を行っている。といっても、ジョーの役柄はいわば現場監督であり、自分のおんぼろの車にみんなを乗せて森へと向かう。そして伐採というのも正確ではなく、正確に言えば「枯らす」作業である。なんでも普通の木を切ってはいけないらしく、枯れ木ならそれが認められているようで、よって一本一本鉈で傷をつけては除草剤のような毒液を木にかけ、あとで伐採できるように枯らしていくのである。

一方、飲んだくれの父親の下で暮らす家族4人。15歳の息子ゲイリーが父をたしなめるも、父親は聞く耳持たず。生活費を稼ぐべく、ゲイリーはジョーに頼み込んで働かせてもらうことにする。なんとなく察した時ジョーはゲイリーを雇い、ゲイリーも喜んで一生懸命働く。しかし、ジョーが気を利かせて父親も一緒に雇うが、父親はサボってばかり。息子の健気さとは対照的である。

ゲイリーは、ジョーの下で一生懸命働く。しかし、働いたお金は父親が暴力で奪い取り、酒代に消える。そんなある日、ゲイリー親子は、ジョーに恨みを持つ男と知り合う。ゲイリーは男を殴り倒すが、ジョーを恨む男はジョーを銃撃する。このあたり、その後のきな臭い展開を匂わせるところがある。

ジョーが毎日仕事場へ仲間を運ぶ車はボロボロであり、いつも仲間たちから「買い換えろ」と言われている。しかし、そんな車をゲイリーは欲しがる。そしてジョーに900ドルで譲ってもらう約束をし、懸命にお金を貯め始める。そんなゲイリーにジョーは目をかける。老人と少年との交流、そして車がそれに絡むとなると、なんとなくクリント・イーストウッドの『グラン・トリノ』を連想してしまう。事実、この映画は知ってか知らずしてか『グラン・トリノ』とかぶる部分が多い。

映画自体は、実に静かなストーリー。ノースリーブのシャツが南部の雰囲気を伝えてくれているような気がしてくる。そして飲んだくれのゲイリーの父親。なんと本物のホームレスだというが、本当にダメな飲んだくれの親父である。ゲイリーのやるせなさ。もう少し年齢を経れば、殴り返せる体力もついて負けないのであろうが、まだそこまではいかず、家族の中で唯一の働き手であるにもかかわらず、金を親父に取られてしまう・・・そんなやるせなさが、よく伝わってくる。

ニコラス・ケイジも本当に色々な役をやるものである。ここでは、クリント・イーストウッドに十分対抗していたと思う。何か夢があるでもなく、目的があるわけでもない。働いてはいるものの、家族がいない身では誰のために働くでもない。娼館で憂さを晴らすのがせいぜい。保安官の友人がいるから、飲酒運転など多少の目溢しは得られる程度。そんな男がゲイリーに目をかけたのは、自分の息子のような感情を持ったのかもしれない。

そんな愛情をかけられたゲイリーが、映画の後で果たしてどんな大人になっていくのか。ちょっと想像してみたくなってしまう映画である・・・


評価:★★☆☆☆






posted by HH at 00:00 | 東京 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ
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