2017年07月08日

素晴らしきかな、人生

素晴らしきかな、人生.jpg

原題: Collateral Beauty
2016年 アメリカ
監督: デヴィッド・フランケル
出演: 
ウィル・スミス:ハワード
エドワード・ノートン:ホイット
ケイト・ウィンスレット:クレア
マイケル・ペーニャ:サイモン
ヘレン・ミレン:ブリジット
ナオミ・ハリス:マデリン
キーラ・ナイトレイ:エイミー
ジェイコブ・ラティモア:ラフィ
アン・ダウド:サリー・プライス

<シネマトゥデイ>
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『プラダを着た悪魔』などのデヴィッド・フランケル監督が手掛けたヒューマンドラマ。愛する者を失い仕事も私生活も行き詰まった男が、クセのある舞台俳優たちとの交流を経て人生を見つめ直す。『幸せのちから』などのウィル・スミスを筆頭に、ケイト・ウィンスレット、キーラ・ナイトレイ、エドワード・ノートン、ヘレン・ミレンら豪華俳優陣が出演。温かなストーリー、女優たちが身にまとう華麗なファッションの数々に注目。
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 タイトルを見て、てっきり古き良き名作『素晴らしき哉、人生!』(原題:It's a Wonderful Life)のリメイクだと思ったのだが、内容はまったくの別物。原題が同じなら仕方がないが、これも全くの別物。なのになんで同じ邦題をつけたのか、まったくもって理解不能な一作。とは言え、それは映画の製作者には全く関係ない事ゆえ、堪えることにしたい。

物語は、ニューヨークの広告代理店の一室から始まる。共同代表で同社のカリスマである主人公ハワードは、まさに絶頂の時を迎え、余裕の笑みで社員一同に向かってスピーチをする。しかし、すぐに画面は3年後となり、憔悴しきったハワードを映し出す。それはとても冒頭でスピーチをしていた人物と同一人物とは思えない。画面で一目見て何があったのだろうと思わせる。これぞ映画ならではの表現力であろう。

そのハワードは、実はこの間に最愛の娘を亡くし、以来2年間気力を失い抜け殻のようになってしまっている。仕事にも当然支障をきたし、有力クライアントから取引を切られ、会社はまさに存亡の危機に瀕している。共同パートナーのホイット、顧問のサイモン、そして顧客担当重役のクレアは、同僚としてそして友人としてハワードを案じているが、心を閉ざしたハワードをどうすることもできない。

ホイットらは会社の危機に際し、身売りを決意する。しかし、それには株式の60%を保有するハワードの同意が必要。しかし、話をすることすら困難であり、やむなく探偵を雇いハワードの意思能力喪失を主張しようとする。そしてハワードが投函した宛先を「愛」「時間」「死」とした手紙を発見する。そして偶然知り合った3人の舞台俳優に、それぞれ「愛」「時間」「死」としてハワードに接触するよう依頼する・・・

この映画の原題は、『Collateral Beauty』。映画の中では「幸せのオマケ」と訳されているが、不幸中の幸いとでもいうのか、不幸の中にあってもそれでも少しだけ生まれる幸せを意味している。ハワードのみならず、登場人物たちにはみな不幸と呼べる状況がある。ホイットは自身の不倫が原因で離婚し、最愛の娘との関係がギクシャクしている。サイモンは末期がん、クレアは独身だが子供が欲しいと強く願っていて精子バンクの資料を取り寄せている。そしてみんなそれぞれに「幸せのオマケ」がもたらされる。

季節はクリスマス。年に一度奇跡が起こっても不思議ではない季節。名作『素晴らしき哉、人生!』との唯一の共通点とも言える。そしてホイットたちの企みは、意外な結末を迎える。ハワードはハワードで子供を失った親たちの会に参加し、そこで主催者のマデリンと出会う。この二人の関係もラストで驚きを見せてくれる。

観終わって、何でかつての名作と同じタイトルをつけたのか、その理由がわかる。やっぱり、辛いことがあっても人生は素晴らしいのである。その判断を正しいとは思わないが、そういう気持ちになることだけは確かである。奇跡が起こっても不思議ではない季節に、みんなに訪れた「幸福のオマケ」。それをしつかりと噛みしめることになる。気が付けば、大物俳優が大挙登場している。まるで物語に引き寄せられたかのようである。
思わず、そんな評価をしたくなってしまう映画である・・・


評価:★★★☆☆





posted by HH at 00:00 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ
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