2017年07月23日

岸辺の旅

岸辺の旅.jpg

2015年 日本・フランス
監督: 黒沢清
出演: 
深津絵里:薮内瑞希
浅野忠信:薮内優介
小松政夫:島影
村岡希美:フジエ
奥貫薫:星谷薫
赤堀雅秋:タカシ

<シネマトゥデイ>
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『アカルイミライ』がパルムドールにノミネートされた経験もある黒沢清監督が、湯本香樹実が2010年に上梓した小説を映画化。3年間行方をくらましていた夫がふいに帰宅し、離れ離れだった夫婦が空白の時間を取り戻すように旅に出るさまを描く。脚本は『私の男』などで知られる宇治田隆史が黒沢監督と共同で担当。『踊る大捜査線』シリーズなどの深津絵里と、『バトルシップ』『マイティ・ソー』シリーズなどでハリウッド進出も果たした浅野忠信が夫婦愛を体現する。
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なんとも不思議な物語。主人公の瑞希は、ピアノの家庭教師をしている。のんびりとした性格の主人公は、深津絵里のイメージによくあう。どうやら一人暮らしの瑞希の前に、突然1人の男が姿を表す。それも家の中で、靴を履いたままで、だ。その男優介は瑞希の夫であり、そして祐介が語るには、すでに自分は死んで海の底なのだと。

現れた夫は幽霊であるというが、実態もあって歩けば足音もする。実に不思議な設定である。そして瑞希は、夫に見せたいところがあるからと思い出の地をめぐる旅に出ようと誘われる。電車に乗って辿り着いた最初の街で、ふたりは新聞配達業に携わる老人、島影の店を訪ねる。優介は過去に島影の下で働いていたとのことであるが、実は島影もまた死者であるという。では配っている新聞はいつのものだと突っ込みたくなりつつ、ストーリーを追う。

次にふたりが訪れたのは、夫婦の経営する食堂。今度は生きている夫婦らしいが、ここでも死者であるはずの夫も普通の存在。これなら死ぬのも悪くはなさそうである。やがて瑞希は2階に残されたピアノを見つけ、それをめぐる妻フジエと死別した妹との思い出を聞かされる。そしてそこに現われる死んだ妹・・・

旅を続ける2人は優介が過ごした時間を追体験して行く。最後に訪れた山奥の農村では、優介は私塾を開いていて、そこで久しぶりの講義を行う。そしてそこでも一家の働き手であった男が、死後再び妻の前に現れたりする。それぞれの物語は静かに進んで行くが、どうもこの物語の設定に馴染めない自分には、どこか物語に入り込めない。やはり死者はもう少し死者らしくあってほしいのである。

この映画に対する違和感は、やはりそこに尽きる。生きている人間と変わりない幽霊の姿は、どこか興ざめである。生きている人間と変わらず実態を持つから、当然夫婦間にはセックスもある。こうなると妄想は勢いが止まらない。そんなリアリティのないスートリーの世界には入っていけず、どこか醒めた目で映画を観てしまっていた。人の感覚はそれぞれだから一概にはいえないが、自分にとってみれば映画の世界に入っていけない映画はそこまでである。

いい映画かどうかは別として、自分にとっては、受け入れにくい映画であった・・・


評価:★★☆☆☆





posted by HH at 00:00 | 東京 ☀ | Comment(0) | ドラマ
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