2017年09月15日

【シン・ゴジラ】My Cinema File 1795

シン・ゴジラ.jpg

2016年 日本
監督: 庵野秀明
出演: 
長谷川博己:矢口蘭堂(内閣官房副長官・政務担当)
竹野内豊:赤坂秀樹(内閣総理大臣補佐官・国家安全保障担当)
石原さとみ:カヨコ・アン・パタースン(米国大統領特使)
高良健吾:志村祐介(内閣官房副長官秘書官[防衛省])
大杉漣大:河内清次(内閣総理大臣)
柄本明:東竜太(内閣官房長官)
余貴美子:花森麗子(防衛大臣)
市川実日子:尾頭ヒロミ(環境省自然環境局野生生物課長補佐)
國村隼:財前正夫(統合幕僚長)
平泉成:里見祐介(農林水産大臣)
松尾諭:泉修一(保守第一党政調副会長)

<映画.com>
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「ゴジラ FINAL WARS」(2004)以来12年ぶりに東宝が製作したオリジナルの「ゴジラ」映画。総監督・脚本は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の庵野秀明が務め、『のぼうの城』「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」の樋口真嗣が監督、同じく「のぼうの城」「進撃の巨人」などで特撮監督を務めた尾上克郎が准監督。14年のハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』に登場したゴジラを上回る、体長118.5メートルという史上最大のゴジラをフルCGでスクリーンに描き出し、リピーターが続出するなど社会現象とも呼べる大ヒットを記録。興行収入は81.5億円に上り、第40回日本アカデミー賞では作品賞、監督賞ほか7部門で最優秀賞を受賞した。ある時、東京湾アクアトンネルで崩落事故が発生。首相官邸で開かれた緊急会議では、地震や海底火山の噴火など事故原因をめぐって議論が紛糾する。そんな中、内閣官房副長官の矢口蘭堂は、海底に正体不明の巨大生物が生息し、それが事故の原因ではないかと推測するが……。矢口役の長谷川博己、内閣総理大臣補佐官・赤坂秀樹役の竹野内豊、米国大統領特使カヨコ・アン・パタースン役の石原さとみをメインに総勢328人のキャストが出演し、狂言師の野村萬斎がゴジラのモーションキャプチャーアクターとして参加した。
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「ゴジラ」映画は、近年いろいろと創られているイメージがある。それはハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』の登場で、「ついにそこまできたか」と思ったものであるが、本家がさらに追撃してきたのがこの作品。しかし、この映画はいままでの「ゴジラ」ものとはちょっと趣が異なっていた。

東京湾羽田沖で大量の水蒸気が噴出する。また、同時に海底を通る東京湾アクアラインでもトンネル崩落事故が発生する。政府は原因を海底火山か熱水噴出孔の発生と見て対応を進める。しかし、主人公の矢口蘭堂内閣官房副長官は、ネット上の一般人による配信動画や目撃報告から、巨大生物に起因している可能性を主張するが、突拍子もない意見は受け入れられない。

やがて巨大な尻尾部分がテレビ報道されたため、政府は巨大生物説を採用せざるを得なくなる。出現した巨大生物は、多摩川河口から東京都大田区内の呑川を這いずるように遡上し、蒲田で上陸、さらに周辺の建物を破壊しながら進んでいく。政府はこの事態に対し、自衛隊に害獣駆除を目的とした出動を要請する。

今回のゴジラの登場は、当初ゴジラとは似ていなく、しかも歩行せずに這う形で移動するので、てっきりゴジラと戦う怪獣なのかと思っていたら、実は進化の途中でこれがのちになじみのあるゴジラへと進化して行くのだとわかる。このあたりは、なぜゴジラが誕生したのかという理由の説明にもなっていて、ストーリーをしっかり作っているという感じがする。

観ていくうちに、いつもの「ゴジラ映画」としての違和感を覚えていく。というのも、描かれていくのは、矢口内閣官房副長官を中心とした官僚、政治家の行動で、ゴジラはその材料を提供しているに過ぎないからである。予期せぬ緊急事態の発生に政府はどのように行動するのか、各官僚の報告の様子、政治家の反応がそれぞれ興味深い。

こうした事態に対し、場合によっては立法手続きも必要となる。巨大生物を駆除するとなり、自衛隊に出動を要請するが、場所は東京の市街地の中であり逃げ遅れた市民がいる可能性もある。そうした中で攻撃命令は簡単に下せない。総理大臣も大きな判断を求められるわけで、こうした緊迫したやり取りが面白い。

ゴジラの進化が最終形になると、自衛隊だけでは手に負えず、米軍の出動となる。米国より大統領次席補佐官および大統領特使が極秘裏に来日し、独自に取得していた情報をもたらす。被害地域で微量の放射線量の増加が確認され、ゴジラが放射線源だと判明する。米軍のF35が攻撃を開始するが、ゴジラの反撃にあって全滅する。口から炎を吐き、背びれから熱線を発し、飛来するものをすべて破壊してしまう。このあたりはゴジラ映画を踏襲している。

事態は国連安全保障理事会にまで上げられ、そこで重大な決定がなされる。米国と日本との一見対等ながらいまだに「占領政策」が続いている問題も描かれ、ゴジラ映画という範疇には当てはまらない。どちらかというと、国家の緊急事態を扱ったパニック映画という意味合いが強い。そしてそこからは、我が国の政府組織の姿が見て取れて興味深い。そこにはリアリティがあるのである。

ゴジラ映画でありながら、主役をゴジラではなく政府官僚ら人間においたところがこの映画のミソであろう。映像の迫力もさることながら、人間ドラマがこの映画の魅力だろうと思う。そういう意味で、単なる「怪獣映画」に分類したくない、実に面白い一作である・・・


評価:★★★☆☆





posted by HH at 00:00 | 東京 ☁ | Comment(0) | パニック
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