2007年08月21日

【ALWAYS 三丁目の夕日】My Cinema File 103

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2005年 日本
監督: 山崎貴
出演: 
堤真一:鈴木則文
吉岡秀隆:茶川竜之介
小雪:石崎ヒロミ
薬師丸ひろ子:鈴木トモエ
堀北真希:星野六子
小清水一揮:鈴木一平
須賀健太:古行淳之介
三浦友和:宅間史郎先生

<シネマトゥデイ>
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昭和33年の古きよき日本を舞台に、家族の触れ合いを描いた心温まる人情ドラマ。下町の住民たちには、吉岡秀隆、堤真一、小雪、薬師丸ひろ子ら豪華メンバーが集まり、昭和の雰囲気を存分にかもし出している。『Returner リターナー』などVFXを使用した作品の多い山崎貴監督が、本物に引けを取らないほど美しい夕焼けを作り出すことに成功した。ほかにも建設途中の東京タワーなど、当時の日本が忠実に再現されている。
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昭和33年の東京。
短気だが情の厚い則文が営む鈴木オートに、集団就職で六子がやってきた。小さな町工場にがっかりした六子を、一家のやんちゃ坊主・一平は、「もうすぐテレビがくる」と慰める。鈴木オートの向かいで駄菓子屋をする茶川は、芥川賞の選考に残った経験がありながら、今は少年誌に冒険小説を投稿する日々。ある日茶川は、淡い思いを抱く飲み屋のおかみ、ヒロミに頼まれ、身寄りのない少年、淳之介を預かることに・・・

昭和33年といえば戦後13年。
まだほとんどの人が戦争=欠乏を経験をしており、それゆえ平和の中で世の中が少しずつ良くなっていくのを実感していた時代・・・
そんな時代を映像で再現したのがこの映画の見所の一つ。
これぞ映画の醍醐味。

時間の経過を徐々に出来上がっていく東京タワーと重ね合わせているのが印象的。
親から聞いていた時代のはなし。
きっとこういう風だったんだろうなと感じる。

だが、そんな映像だけがこの映画の魅力ではない。
物のない時代。
だけど心は豊かな時代。
そんな時代の物語が大きな魅力。

小説で身を立てることを夢見ながら駄菓子屋を経営する茶川さん。
戦争で生き残りでっかい会社にすることを夢見る鈴木オート社長とそれを支える奥さん。
飲み屋のヒロミさん。
集団就職で青森から出てきた六子。
身寄りがなくて転々と預けられる淳之介・・・

登場人物のエピソードの一つ一つが「豊かな」現代と対比させられる。
「豊かさ」とは何かと考えざるを得ない。

「電気」冷蔵庫を買って喜ぶ鈴木オートのおくさん。
冷蔵庫はそれまで氷を入れて冷やしていたのだ。
当時豊かさの象徴と言われた三種の神器、テレビ・冷蔵庫・洗濯機。
今ではあるのが当たり前。
冷蔵庫を買って喜ぶ人などいない・・・
逆に言えば冷蔵庫を買って素直に嬉しいと思えたのだ。
そう考えると現代に生きる我々はかなり「心の豊かさ」を失っているように思われる。

現代では大した事ではないことに素直に喜びを感じることができた「心の豊かさ」溢れる時代。
何よりも個性的な登場人物たちの人を思う心が胸を打つ。
涙腺のゆるい人は覚悟が必要だろう。
こういう映画に素直に感動できる自分でいたいと思う。




評価:★★★★★


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posted by HH at 23:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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