
原題: BABEL
2006年 アメリカ
監督: アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演: ブラッド・ピット/ケイト・ブランシェット/ガエル・ガルシア・ベルナル/役所広司/菊地凛子/アドリアナ・バラッザ
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壊れかけた夫婦の絆を取り戻すために旅をしているアメリカ人夫婦のリチャードとスーザン。
バスで山道を走行中、どこからか放たれた銃弾が、スーザンの肩を撃ち抜く。
なんとか医者のいる村までたどり着くが、応急処置がやっと。
彼は英語がなかなか通じない村の住人たち、対応が遅いアメリカ政府に苛立ちを露わにするが…。
同じころ、東京に住む聴覚に障害を持った女子高生のチエコは、満たされない日々にいら立ちを感じていた…
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「バベル」とは旧約聖書に出てくる町の名前。
傲慢になった人類が天に届く塔(バベルの塔)を建てようとして神の怒りに触れ、罰として言葉を分けられてしまう。
以来、人類は様々な言語を有するようになったという逸話である。
そんなタイトルがぴったりのドラマである。
登場人物たちは、モロッコの地で少年ユセフが放った一発の銃弾によって複雑に絡み合う。
その銃弾を偶然受けてしまうスーザンと夫リチャードのアメリカ人夫婦。
その事件の影響で人生が狂っていくベビーシッターのアメリア。
意外なつながりを持った東京のチエコ親子。
そして事件が大きくなるにつれ悲劇に見舞われるユセフ親子。
まるで見えざる神の手にかかったかのように彼らは運命の奔流にさらされていく。
うまくいかないコミュニケーション。
思い通りにならない出来事。
どうにもならない流れの中から抜け出てみると、リチャード夫妻は悪化していた夫婦関係が改善へと向かい(たぶん)、彼らの子供たちのベビーシッターだったアメリアは息子の結婚式という喜びから一転して生活基盤を失う。
ユセフ親子には大きな不幸が訪れ、チエコ親子は関係改善へと向かう(たぶん)。
そこには何の法則もなく、出会う人々によって変わる可能性のあった偶然と必然のみ。
神の身業の前に翻弄される人々のドラマを淡々と追う映画である。
この映画で大きな話題となったのが米映画批評会議賞新人女優賞を受賞した菊地凜子。
しかし、どうなんだろう?
個人的にはあまりこれといったものを感じない。
むしろモロッコの少年ユセフの方が強いインパクトがあった。
お馴染みの役所広司が出ていて親近感が湧くものの騒ぐほどではない感じである。
登場人物たちに起こった出来事の意味を考えてみても意味はない。
それに何かの意味を持たせようとするのが人間なのかもしれない。
そして起きてしまった事は元に戻せない。
まさに「運命のいたずら」なのだろう。
ちょっと哲学的になってしまう映画である。
評価:★★☆☆☆



