
原題: Black Adam
2022年 アメリカ
監督: ジャウム・コレット=セラ
出演:
ドウェイン・ジョンソン:ブラックアダム/テス・アダム
オルディス・ホッジ:ホークマン/カーター・ホール
ノア・センティネオ:アトム・スマッシャー/アル・ロススタイン
サラ・シャヒ:アドリアナ
マーワン・ケンザリ:イシュマエル/サバック/アクトン王
クインテッサ・スウィンデル:サイクロン/マクシーン・ハンケル
モー・アマー:カリーム
ボディ・サボンギ:アモン
ピアース・ブロスナン:ドクター・フェイト/ケント・ネルソン
<映画.com>
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『ワイルド・スピード』 『ジュマンジ』シリーズなど数々の大ヒット作で人気のドウェイン・ジョンソンが、DCコミックスが生み出したアンチヒーロー、ブラックアダムに扮したアクションエンタテインメント。原作ではシャザムの宿敵として登場したブラックアダムを主人公に、その誕生秘話を描く。
5000年の眠りから目覚めた破壊神ブラックアダム。かつて彼の息子は自らの命を犠牲にして父を守り、その力を父に託した。ブラックアダムの力は、息子の命と引き換えにして得られたものだった。そのことに苦悩と悔恨を抱えるブラックアダムは、息子を奪われたことに対する復讐のため、その強大な力を使って暴れまわり、破壊の限りを尽くす。そんなブラックアダムの前に、彼を人類の脅威とみなしたスーパーヒーローチーム「JSA(ジャスティス・ソサイエティ・オブ・アメリカ)」が立ちはだかる。
ブラックアダムと対峙するヒーローチーム「JSA」のメンバーで魔術師ドクター・フェイト/ケント・ネルソン役を、「007」シリーズの5代目ジェームズ・ボンドで知られるピアース・ブロスナンが務めた。JSAのリーダーで空の王者ホークマン役にオルディス・ホッジ、嵐を操るサイクロン役にクインテッサ・スウィンデル、巨大化する能力を持つアトム・スマッシャー役にノア・センティネオ、物語の鍵を握る女性アドリアナ役にサラ・シャヒ。『ジャングル・クルーズ』でもドウェイン・ジョンソンとタッグを組んだジャウム・コレット=セラ監督がメガホンをとった。
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SFは前提条件の説明から入ることが多いが、この物語も同様。ただしちょっと長い。アン=コット王の支配下にある5,000年前のカンダック。世界四大文明よりも古い。王は身につける者に大きな力を与えるといわれる「サバックの冠」を作るため、奴隷たちにその材料となる魔法の結晶「エテルニウム」を探す過酷な労働を強いている。そしてある日、ついにある奴隷がエテルニウムを発見する。ところが、それを受け取った監視兵は褒美を要求するその奴隷を刺殺してしまう。
それを目の当たりにしたとある少年は監視兵からエテルニウムを奪うと、奴隷たちに自由を獲得しようと呼びかける。しかし、少年はすぐに捕えられ、斬首刑に処されることに。ところが、まさに剣が振り下ろされようとした瞬間、少年は異世界でシャザムの力を与えられ、カンダックの英雄テス・アダムに変身すると、アン=コット王を殺し、その支配を終わらせる。ところが英雄は、そのまま消息を絶ってしまう。そして5,000年の歳月が流れる・・・
現代のカンダック。そこは、ギャングによって軍事支配されている。その街にやって来た考古学者のアドリアナ・トマズは、弟のカリム、助手のサミールとイシュマエルの協力を得て、山に隠されていた遺跡へサバックの王冠を探しにやってくる。ところが、どこで情報が漏れたのか、ギャングは後をつけてきていて、サミールは殺されてしまう。アドリアナはなんとか王冠を見つけるが、ギャングに取り囲まれてしまう。咄嗟に足元に刻まれていた呪文「シャザム」を唱えるとアダムが現代に復活する。
このアダムの能力が半端ではない。空を飛び、小銃の銃弾にもびくともせず、RPGのロケットも手でつかんでしまう。ギャング団が何をしても太刀打ちできず、あっという間に全滅する。しかし、ギャングの1人が撃ち込んだエテルニウムの入ったロケットをキャッチするが、その爆発で負傷して気を失う。この時点でこの映画の主役であるスーパーヒーローブラック・アダムの能力が明らかになるが、なんだかスーパーマンのようである。クリプトナイトをエテルニウムに置き換えればほとんど同じではないかと思ってしまう。
アドリアナに運ばれ、息子アモンの部屋で目覚めたアダム。ドアを開けるという事を知らず、壁をぶち破って移動する。人間をみな嫌悪するかの如く唯我独尊に振る舞う。その頃、政府高官のアマンダ・ウォーラーは、ヒーローチーム「ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ(JSA)」の面々に、アダムを拘束するよう連絡する。このJSAがまた能力者の集団である。ドクター・フェイトは魔法を駆使し、ホークマンは空を飛び、サイクロンは風を操り、アトムスマッシャーは巨大化して一丸となってアダムに襲い掛かる。
これもまた突然出てきたヒーロー軍団に戸惑う。DC版アベンジャーズなのか。ヒーロー軍団とブラック・アダムとの街を破壊しながらの戦い。その戦いの合間を縫ってアドリアナとアモンはサバックの王冠を持って逃げ惑う。そこへ現れたのが調査チームに同行していたイシュマエル。再会を喜ぶのもつかの間、実はイシュマエルはギャング団のリーダーで、密かに王冠を狙っていたとわかる。イシュマエルはアモンを捕まえ、飛行バイクで逃走する。すると、アダムはアドリアナに頼まれ、アモンを助けに行く・・・
あちらこちらと場面展開が早い。アダムとヒーロー軍団とイシュマエル軍団との戦い。近未来兵器も登場し、なんだかあちこちから取り寄せた既視感のある具材で料理を出されたようなストーリーである。唯一、アダムの正体の意外性だけが一ひねりを感じられたところである。それにしても、アダムになるのも戻るのも「シャザム」という呪文が関係する。それは同じDCコミックの『シャザム!』(My Cinema File 2195)と関係あるのだろうかと、観ながら頭に「?」マークを浮かべていたが、どうやらその通りで、シャザムの敵役らしい。しかし、この映画ではその片鱗も見せない。
アダムを演じるのは、もはや「ロック様」もすっかり過去となったドウェイン・ジョンソン。その肉体美は健在でブラックアダムのにじみ出る迫力はさすがである。さらにドクター・フェイトを演じるのは、5代目ジェームズ・ボンドのピアース・ブロスナン。すっかりいいお爺さんになっている。役者陣に不満はないが、何となく二番煎じ感が漂い、続編を観たいという気になれない。ラストで御大スーパーマンが登場する(マーベルのようにエンドクレジットの途中でだ)が、今後どういう絡みの展開があるのだろうか。そこは楽しみな部分はあるが、単体ではちょっと辛いかもしれない。
ヒーローが量産されて溢れかえっている現代。続編を観たくなるかどうか、微妙な一作である・・・
評価:★★☆☆☆





