2025年03月05日

【ヴェノム ザ・ラストダンス】My Cinema File 2977

ヴェノム ザ・ラストダンス.jpg

原題: Venom: The Last Dance
2024年 アメリカ
監督: ケリー・マーセル
出演: 
トム・ハーディ:エディ・ブロック/ヴェノム
キウェテル・イジョフォー:ストリックランド将軍
ジュノー・テンプル:テディ・ペイン博士
リス・エバンス:マーティン
ペギー・ルー:ミセス・チェン
アラナ・ユーバック:ノア
スティーブン・グレアム:マリガン刑事
クラーク・バッコ:セイディ
アンディ・サーキス:ヌル
クリスト・フェルナンデス:バーテンダー

<シネマトゥデイ>
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トム・ハーディが主人公を続投し、マーベルコミックに登場するキャラクター、ヴェノムを描く『ヴェノム』の第3弾。ヴェノムの秘密が明らかになり、それを狙う地球外生命体のシンビオートとの激しいバトルを映し出す。監督などを務めるのは、前2作で脚本などを担当したケリー・マーセル。『死の谷間』などのキウェテル・イジョフォーのほか、ジュノー・テンプル、リス・エヴァンスらがキャストに名を連ねる。
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『ヴェノム』(My Cinema File 2159)『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(My Cinema File 2581)に続くシリーズ第3弾。どこか宇宙の果てで物語は始まる。ヌルと呼ばれる存在が閉じ込められている。自由になるためには「コーデックス」という鍵が必要であり、それを探し求めて怪物ゼノファージを放つ・・・

そんなことは露とも知らないエディ・ブロックは、本業はどこへやら。ヴェノムとともにメキシコのバーで酔っ払っている。しかし、少々状況はややこしい。サノスによって人類の半分が消失した5年間があったとバーテンダーが語る。ところがそのバーテンダーが変わる。と言っても別人というより同じ人物だが別の同一人物。このところマーベルはいくつもの次元を取り入れているのでややこしいが、別の世界のバーテンダー(あるいはエディが別の次元に飛んだのか)のようである。

ヴェノムは触手を伸ばし、ノリノリで勝手なカクテルを作る。ふとニュースを見ると、エディは指名手配犯になっている。前作でパトリック・マリガン刑事を殺害した容疑である。いつの間にかエディが殺害したことになっている。酔ったままバーを出て、夜の町を歩き、いつの間にか倉庫のようなところに来ている。たくさんの犬が檻に入れられており、いつのまにか良からぬ風体の連中に囲まれている。しかし、エディとヴェノムの力を借り、相手を倒してしまう。

一方、エディがいたバーにレックス・ストリックランドが現れ、バーテーブルに残っていたヴェノムの一部を回収し、去っていく。そして、エリア51の軍施設に来るとレックス・ストリックランドはシンビオートのサンプルをサディ・クリスマスに渡す。そこにはテディ・ペインという科学者もいる。ペインは幼い頃に双子の兄を亡くし、それが心の傷となっている。その施設には、なんとパトリック・マリガンも運び込まれている。生きてはいるが、シンビオートに寄生されている。

ヌルの求めていた「コーデックス」は、シンビオートが宿主を蘇らせた時に作られるものだという。実はヴェノムがエディを蘇らせた時に作られており、ヴェノムの姿の時にそれが現れる。そして怪物ゼノファージは、それを感知して襲ってくる。このゼノファージは不死のような強さをもっていて、地球上では無敵のヴェノムやシンビオートが束になっても倒せない。そのゼノファージがヴェノムのコーデックスを感知する。今度の物語はエディ+ヴェノムとゼノファージとの戦いとなる。

宇宙人が運び込まれているという噂のあるエリア51だが、表向き廃止が宣言されるが、その地下ではシンビオートの研究が秘密裏に行われている。さまざまなシンビオートが捕獲されていて、それが後半では意外な形でゼノファージと対峙する。それにしても、よくわからないのがコーデックス。宿主を蘇らせた時に作られるのであれば、もういくつも作られていそうな気もする。特にマリガンは蘇ってはいないのだろうかと疑問符がつく。

ストリックランドとゼノファージという2つの勢力に追われることになったエディ+ヴェノム。1匹でも手ごわいゼノファージが次々に現れる。ヴェノムは知恵も動員して最後の勝負に挑むが、このシリーズはこれで終わりなのだろうかというエンディング。終わりと見せかけてまた復活するのだろうか。それはよくわからないが、終わるのも惜しい気がする。まだまだ続いてほしい一作である・・・


評価:★★☆☆☆








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2024年12月31日

【デッドプール&ウルヴァリン】My Cinema File 2950

デッドプール&ウルヴァリン.jpg

原題: Deadpool & Wolverine
2024年 アメリカ
監督: ショーン・レビ
出演: 
ライアン・レイノルズ:ウェイド・ウィルソン/デッドプール
ヒュー・ジャックマン:ローガン/ウルヴァリン
エマ・コリン:カサンドラ・ノヴァ
モリーナ・バッカリン:ヴァネッサ
ロブ・ディレイニー:ピーター
レスリー・アガムズ:ブラインド・アル
アーロン・スタンフォード:パイロ
マシュー・マクファディン:パラドックス
ダフネ・キーン:ローラ/X-23
ジョン・ファブロー:ハッピー・ホーガン
ジェニファー・ガーナー:エレクトラ
ウェズリー・スナイプス:ブレイド
チャニング・テイタム:ガンビット
クリス・エバンス:ジョニー・ストーム
ヘンリー・カビル:カヴィルリン

<シネマトゥデイ>
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ライアン・レイノルズ演じるデッドプールとヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンが共闘を繰り広げるアクション。世界の命運を左右する、あるミッションをめぐって、鍵を握るウルヴァリンにデッドプールが助けを要請する。監督を『ナイト ミュージアム』シリーズや『フリー・ガイ』などのショーン・レヴィが務める。
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前作の最後にケーブルのタイムトラベル装置を使って過去に戻ったデッドプールは、ガールフレンドのヴァネッサの命を救った後、神聖時間軸・アース616へと移動する。何を思ったのか、アベンジャーズへ加入すべくハッピー・ホーガンとの面接に望む。しかし、人格的な問題なのか、面接に落とされる。命を救ったヴァネッサとの関係も悪化し、破局してしまう。ウェイドはヒーローを引退し、中古車セールスマンとして平凡な生活を送っている。

その日、ウェイドの誕生日パーティーが催されるが、そこへ時間変異取締局(通称TVA)のエージェントが現れ、ウェイドを連行する。TVAエージェントはドラマシリーズの『ロキ』を観ていたので馴染みがあったが、そうでないと意味不明かもしれない。連行したのはミスター・パラドックス。彼によれば、将来的な危機から神聖時間軸を守るためにウェイドを招聘したのだという。その最中、ウェイドたちが暮らす時間軸がもっとも主要な存在「アンカー」であったウルヴァリンが死亡したため、ゆるやかな滅亡へ向かっていると知る。

分岐時間軸の剪定をやめたTVAに痺れを切らしているパラドックスは、デッドプールがTVAの仲間になった後に彼の時間軸の滅亡を加速させ、すぐにでも消し去る計画を語るが、デッドプールは拒絶しパラドックスのタイム・パッドを奪うと、数々のマルチバースを訪れて代わりとなるウルヴァリンを探し始める。最終的にバーで酔いつぶれているウルヴァリンをTVAに連れ帰るが、パラドックスによればこのウルヴァリンは自身の世界を失望させるほど酷い行いをしたため、アンカーとしての適性はないという。デッドプールはパラドックスの魂胆を見抜くが、ウルヴァリン共々剪定され、虚無の世界に送られてしまう。

この虚無の世界もいきなり出てきたのでは、わからないのではないかと思えてならない。TVAによって元の時間軸から剪定された者たちが生き残りをかけて生活している場所で、そこで喧嘩になったウェイドとウルヴァリンが戦っていると、一人の男が現れる。それはファンタスティック・フォーのメンバー、ジョニー・ストーム/ヒューマン・トーチ。3人は虚無で人攫いを行うミュータントたちの襲撃で捕獲され、カサンドラ・ノヴァの要塞に連行される。強力なテレキネシスとマインドコントロールの能力を持つミュータント、カサンドラ・ノヴァは、チャールズ・エグゼビアの妹である。

能力も飛びぬけ最強の存在として虚無の世界に君臨するカサンドラ。まずは元の世界に戻るためデッドプールとウルヴァリンは共闘する。デッドプールは相変わらずのマシンガントーク。X−MENシリーズではどこか亜流感のあるデッドプールであるが、ようやくX−MENの主流であるウルヴァリンとタッグを組む。しかし、この2人、事あるごとに対立し派手に殺し合う。と言っても、両者は不死身の再生能力を持っているために死ぬ事はなく、互いに気を失うまで戦い続ける事になる。そして本作では、ブレイド、エレクトラ、ガンビット、そして『LOGAN ローガン』(My Cinema File 1796)に登場したローラ/X-23が登場する。オールスターとは言わないが、隅からかき集めてきた感がある。

『LOGAN ローガン』(My Cinema File 1796)では、能力が衰えて死亡したウルヴァリンであるが、マルチバースの概念を導入した事により、もう「何でもあり」である。ブレイドなどすっかり忘れた存在だったが、「昔の名前で出ています」的な登場である。そして最後には様々な世界のデッドプールが登場する。女性から骸骨だけのもの、あるいは犬のデッドプールも登場し、もう笑ってしまう。あまり広げ過ぎない方がいいように思うが、何とも言えない。

今後、アベンジャーズとの共闘はあるのだろうか。X−MENの世界はどうなるのだろうか。マルチバースはせっかく一つの世界として完結した『LOGAN ローガン』(My Cinema File 1796)を無にしてしまうものであると言える。製作者の意図はわからねど、それもいかがなものかと思わざるを得ない一作である・・・


評価:★★☆☆☆







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2024年07月14日

【アクアマン 失われた王国】My Cinema File 2878

アクアマン 失われた王国.jpg

原題: Aquaman and the Lost Kingdom
2023年 アメリカ
監督: ジェームズ・ワン
出演: 
ジェイソン・モモア:アーサー・カリー/アクアマン
パトリック・ウィルソン:オーム
アンバー・ハード:メラ
ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世:デイビッド・ケイン/ブラックマンタ
ニコール・キッドマン:アトランナ
ドルフ・ラングレン:ネレウス王
ランドール・パーク:シン博士
テムエラ・モリソン:トム・カリー

<シネマトゥデイ>
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海底王国アトランティスの末裔であるアクアマンが主人公のアクション『アクアマン』の続編。海洋生物と意思の疎通ができるアクアマンが、世界存亡の危機に立ち向かう。監督を手掛けるのは『ソウ』 『インシディアス』シリーズなどに携わってきたジェームズ・ワン。前作でアクアマンを演じたジェイソン・モモアが続投し、『エッジ・オブ・バイオレンス』などのパトリック・ウィルソン、『ロンドン・フィールズ』などのアンバー・ハード、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世、ニコール・キッドマンらが出演する。
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現在スーパーヒーローは二つの派閥に分かれているが、アクアマンはDC所属のスーパーヒーローである。ここは抑えておきたい。冒頭、とある大型貨物船が海賊に襲われる。船員たちではなす術もないが、そこに海の中からシードラゴンに乗ってアクアマンが現れる。そして海賊たちをちぎっては投げと投げ倒す。まずはあいさつ代わりの活躍はこの手のヒーローモノの常である。そんなスーパーヒーローのアーサーだが、陸にあがると育児に奮闘する新米パパの顔を見せる。愛妻メラとの間に産まれたアーサーJr.のオムツを替えるが、その瞬間に顔面に放尿される。

一方その頃、前作で父を失ったブラック・マンタは、アクアマンに復讐すべく南極での調査を進めていた。マンタの下で調査に携わっているのはシン博士。地震で出来た氷の割れ目に落ちるも、そこに現れた巨大な触手に襲われる。その正体を突き止めようとした調査団は、そこに古代遺跡が眠っているのを発見する。その遺跡は、失われた王国ネクラス。ブラックシティの異名を持つネクラス王国は、高度なテクノロジーで頂点に君臨したものの、自らの力の強さに飲み込まれて暗黒に閉じ込められていた。

ブラック・マンタは、そこで2つに折られたトライデントを見つける。導かれるように合わせてみると、不思議な光を放ち、再び1つになる。それは閉じ込められた邪悪な力。かつて失われた王国を支配していたその力は、復活を目指してブラック・マンタの瞳に宿る。やがて地上では温暖化がすすみ、奇妙な疫病が流行する。アーサーは、海の王として地上へコンタクトを取り、いまこそ陸と海が協力して地球を守る時だと感じるが、長年、陸の世界と一線を画してきたアトランティス王国評議会のメンバーはそれを許さない。そこには地上人たちに対する警戒感が根強くある。

喧々諤々の議論の最中を狙ったかのように、タコ型戦闘艇に乗り込んだブラック・マンタの軍隊が、貯蔵庫に眠るエネルギー鉱石「オリカラクム」を狙って襲い来る。アトランティス王国軍も応戦し、アーサーもこれに加わるが、ブラック・マンタ軍はソニック砲を駆使して攻撃をし、なんとか撃退させるも、妻のメラが負傷する。ブラック・マンタを阻止するため、アーサーは、前作で打ち破り収監した弟・オームの力を借りることにする。ところがそれはたやすい事ではなく、アーサーは、母アトランナと義理の父ネレウス王の協力のもと、オームを脱獄させるためにサハラ砂漠の地下牢獄へと向かう・・・

アクアマンとブラック・マンタの第2戦ともいうべき本作。ブラック・マンタは古の王国の邪悪な王の力を身につけている。この手のストーリーもよくあるもの。邪悪な力を身につけ、アクアマンのトライデントに対抗するかのようなブラック・トライデントを手にしたブラック・マンタの力は強力で、アクアマンは前作で対立した弟のオームと力を合わせてこれに立ち向かうというのが全体のストーリー。時代設定は現代であるが、海底王国アトランティスの科学技術は高度に進んでおり、観ているだけでも夢を感じる。

実際の戦闘は現代の映像技術を反映して迫力あるものになっている。このあたりは肩の力を抜いて楽しめる。前作からの豪華な出演陣はそのまま登場する。この手の映画は安心して楽しむことができる。今後も続編が作られていくのだとしたら、迷わず観たいと思う一作である・・・


評価:★★☆☆☆








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2024年02月24日

【ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー】My Cinema File 2820

ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー.jpeg

原題: Black Panther: Wakanda Forever
2022年 アメリカ
監督: ライアン・クーグラー
出演: 
レティーシャ・ライト:シュリ
ルビタ・ニョンゴ:ナキア
ダナイ・グリラ:オコエ
ウィンストン・デューク:エムバク
ドミニク・ソーン:リリ・ウィリアムズ/アイアンハート
フローレンス・カサンバ:アヨ
ミカエラ・コール:アネカ
テノッチ・ウエルタ・メヒア:ネイモア
メイベル・カデナ:ナモーラ
マーティン・フリーマン:エヴェレット・K・ロス
アンジェラ・バセット:ラモンダ
マイケル・B・ジョーダン:エリック・“キルモンガー”・スティーヴンス

<映画.com>
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マーベル・シネマティック・ユニバースの一作として世界的大ヒットを記録し、コミックヒーロー映画として史上初めてアカデミー作品賞を含む7部門にノミネート、3部門で受賞を果たした『ブラックパンサー』の続編。主人公ティ・チャラ/ブラックパンサーを演じたチャドウィック・ボーズマンが2020年8月に死去したが、代役を立てずに続編を製作した。
国王ティ・チャラが病により命を落とし、悲しみに包まれるワカンダ。先代の王ティ・チャカの妻であり、ティ・チャラの母でもあるラモンダが玉座に着き、悲しみを乗り越えて新たな一歩を踏み出そうとしていた。そんな大きな岐路に立たされたワカンダに、新たな敵となる海の帝国タロカンの脅威が迫っていた。
監督・脚本は前作から引き続きライアン・クーグラーが担当。ティ・チャラの妹シュリ役のレティーシャ・ライト、母ラモンダを演じるアンジェラ・バセットをはじめ、ルピタ・ニョンゴ、マーティン・フリーマン、ダナイ・グリラ、ウィンストン・デューク、フローレンス・カスンバら前作キャストが再登場。海の帝国タロカンを率いるネイモア役で、「フォーエバー・パージ」などで知られるテノッチ・ウエルタが参加した。第95回アカデミー賞では計5部門にノミネートされ、衣装デザイン賞を受賞。アンジェラ・バセットが助演女優賞にノミネートされ、MCU作品で初めて俳優部門にノミネートを果たした。
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主役が死亡してしまうという事態を受け、通常なら別の役者で再スタートとなりそうなものである。スパイダーマンは死亡したわけでもないのに、3人も主役が交代している。しかしながらこの映画はそうしない。なんと前回主役を務めたチャドウィック・ボーズマンの死亡を受け、それをそのままストーリーに反映させる。冒頭、ワカンダの王ティ・チャラが重体に陥り、妹シュリの懸命なる治療のかいもなく、王はこの世を去ってしまうのである。王の座は母ラモンダが引き継ぐ。それから1年。国連ではワカンダがヴィブラニウムを独占していることを取り上げ、その解放を迫る。しかしラモンダ女王は断固これを拒否する。ヴィブラニウムが軍事利用される懸念があるためである。

一方、CIAは独自にヴィブラニウムの探査機を作り、ワカンダ以外にヴィブラニウムが存在していることを突き止める。しかし発掘のため海底に向かった小隊は突如現れた青い肌の謎の集団に襲われ、皆殺しにされてしまう。青い肌の集団は、海の帝国タロカンの軍隊。ワカンダと同じくヴィブラニウムを保有し、誰からも知られることなく独自の文化を築いている。タロカン帝国の王ネイモアは、CIAの動きに懸念を抱き、ヴィブラニウムの探査機を作った科学者を抹殺しようと考える。その探査機を作ったのは、なんとまだMITの学生のリリ・ウィリアムズであった。

シュリはオコエを引き連れリリの下へ行く。そしてリリを保護するためにワカンダへ連れて帰ることにする。ところが、その途中でタロカンの軍隊が出現。シュリとリリは捕まってしまう。タロカンに連れて行かれたシュリは、ワカンダの王女として丁重に迎え入れられる。王のネイモアからタロカンの海底都市を案内されたシュリは、タロカンの過去についても教えられる。タロカンの民は海中に眠るヴィブラニウムにより、肌は青く深海でも生きることができる身体となっている。そしてネイモアは同じヴィブラニウムを所持する国同士で手を組もうとシュリに迫る。

一方、ラモンダはシュリを救出するためにティ・チャラの元恋人でもあったナキアに協力を仰ぐ。ナキアはシュリが身につけているヴィブラニウムの反応から居場所を突き止め、シュリとリリを無事救出することに成功する。これに怒ったネイモアはワカンダへ攻め入る。圧倒的な科学力を誇るワカンダであるが、同じ科学力を持つタロカンはワカンダの防御網を難なく突破する。そしてリリを護ろうとした女王ラモンダは、タロカンの攻撃の中、命を落としてしまう。復讐を誓ったシュリは、自らブラックパンサーになることを決意し、その儀式を行う・・・

マーベルの一連のヒーローものであるが、本作はブラックパンサーの単独作品。ところが、その主役の死亡で物語がスタートする。正義のワカンダと対立するのは、同等かそれ以上の力を持つタロカンという国。主役の不在でワカンダは窮地に追い込まれるが、前ブラックパンサーの妹シュリが新たなブラックパンサーとなってワカンダの先頭に立つ。さらに学生ながら優秀な頭脳でヴィブラニウムの探索装置を作ったリリがシュリと共同で作成したスーツであるアイアンハートを身にまとい、ネイモア王を向こうに回して戦う。その姿はアンアイマンそのものである。

観ていて飽きない展開。マーベルのシリーズの特徴として敵が異常に強いということ。本作でも敵の首領ネイモアの強さはブラックパンサーを上回っているとも言える。最後は勝利するとしても、アイアンハートの協力があってこそであるだろうし、今や絶対ヒーローが悪を倒すというよりも正義が連係プレーで勝利するということが重視されるようになってきているように思う。これで終わりということはないだろう。とすると、今後はブラックパンサーは女性になって続いていくということであろう。それはそれとしてこれからも楽しんでいきたいと思う一作である・・・


評価:★★☆☆☆








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2023年12月08日

【ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス】My Cinema File 2779

ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス.jpeg

原題: Doctor Strange in the Multiverse of Madness
2022年 アメリカ
監督: サム・ライミ
出演: 
ベネディクト・カンバーバッチ:ドクター・ストレンジ/スティーヴン
エリザベス・オルセン:ワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチ
ベネディクト・ウォン:ウォン
レイチェル・マクアダムス:クリスティーン・パーマー
キウェテル・イジョフォー:バロン・モルド
ソーチー・ゴメス:アメリカ・チャベス
トミー・マキシモフ:ジェット・クライン
ビリー・マキシモフ:ジュリアン・ヒルヤード

<シネマトゥデイ>
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『パワー・オブ・ザ・ドッグ』などのベネディクト・カンバーバッチが、元天才外科医の魔術師を演じた『ドクター・ストレンジ』の続編。マルチバースと呼ばれる狂気の扉が開いた世界を映し出す。メガホンを取るのは『スパイダーマン』シリーズなどのサム・ライミ。前作同様ベネディクト・ウォン、レイチェル・マクアダムス、キウェテル・イジョフォーが続投するほか、『アベンジャーズ』シリーズなどでスカーレット・ウィッチを演じたエリザベス・オルセンらが出演する。
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マーベルの一連のスーパーヒーローが一つの世界で活躍するシリーズ。冒頭からストレンジととある少女が、怪物から逃げる。そこは何処ともわからない世界。目指すは何者をも破壊できる「善の書」。しかし怪物の力はストレンジの予想よりも強く、追い詰められたストレンジは少女を殺害し力を奪おうとするが失敗、怪物に殺される。いきなり訳のわからない展開だが、どうやらこの少女が何かの力を持っているらしいことはわかる。そして怪物の目的はこの少女。ストレンジが守りきれなかった少女が怪物に襲われそうになった瞬間、星型のポータルが開き少女とストレンジは吸い込まれていく。

うなされて目を覚ましたストレンジ。どうやら夢だったらしい。サノスによる指パッチンでストレンジが消失していた5年間で、クリスティーンは新たな恋人を見つけてしまった様子。その日、ストレンジはクリスティーンの結婚式に参列する。心境はいかがなものかと思う。ところがその式の最中、夢で見た少女がタコ型の怪物に襲われている現場を目撃する。すぐに駆け付け、魔術師仲間のウォンとともに怪物を撃退する。ストレンジが夢で見た少女は、アメリカ・チャペスと名乗る。

少女から事情を聞くストレンジとウォン。アメリカは、多次元間(マルチバース)を移動する能力を持っていという。しかし、その能力を使いこなすことはできず、アメリカが恐怖を感じた時のみ、マルチバースを行き来するポータルを作り出せるとのこと。そしてその能力を狙った何者かに彼女は行く先々で襲われていることを知る。そしてアメリカは、冒頭で殺された別の次元のストレンジの死体を見せる。ストレンジは別次元の自分自身を埋葬する。

悪の手からアメリカを守ることを決めたストレンジは、アメリカを魔術師の聖域「カマー・タージ」へと連れて行き、ウォンに預ける。そして自身は、ウエストビューで住民を洗脳した咎を背負い1人農園で過ごすワンダのもとを訪ねて援護を依頼する。しかし、実はこのワンダこそがアメリカの能力を狙い各次元に怪物を送り込んでいた真犯人であることに気づく。ワンダは過去の戦いで家族全員を失い、別次元の自分が子供と共に幸せに生きていることに強い憧れを抱いており、アメリカの力を手中に収めてマルチバースを自分のものにしようとしていたのである。

こうして悪の正体が判明し、善と悪との対決へと物語は進む。このマーベルの世界は常に悪が圧倒的に強い。この映画でもワンダの能力は圧倒的で、魔術師が大挙して守るカマー・タージを襲撃し、その勢いを止めることはできない。別事件の宇宙という概念は、既に『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(My Cinema File 2558)でも登場しているが、いろいろと便利に解釈ができそうである。

今回はそうして別次元に飛んだストレンジとアメリカは、そこでその次元の宇宙で地球を守護する組織「イルミナティ」の面々と相対する。そのリーダーがなんとチャールズ・エグゼビア。今度はX−MENの面々が登場するのだろうか。次から次へと次元を移るストレンジとアメリカ。敵はワンダだけではなく、別次元のストレンジ自身であったりする。結局、無敵のワンダの力を抑えたのも別次元のワンダ自身。かくして地球にまたひと時の平和が訪れる。

次はどの次元なのか、あるいはどのヒーローなのか。とてもフォローしきれないが、フォローしていこうと思えるシリーズである・・・


評価:★★☆☆☆








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