
原題: The Amateur
2025年 アメリカ
監督: ジェームズ・ホーズ
出演:
ラミ・マレック:チャーリー・ヘラー
ローレンス・フィッシュバーン:ヘンダーソン
レイチェル・ブロズナハン:サラ・ヘラー
カトリーナ・バルフ:インクワライン
マイケル・スタールバーグ:ショーン・シラー
ホルト・マッキャラニー:ムーア
ジュリアンヌ・ニコルソン:サマンサ・オブライエン
ダニー・サパーニ:ケイレブ・ホロヴィッツ
ジョン・バーンサル:ジャクソン・オブライエン
エイドリアン・マルティネス:カルロス
<シネマトゥデイ>
********************************************************************************************************
『ボヘミアン・ラプソディ』などのラミ・マレック主演・製作によるアクションサスペンス。殺しのスキルを持たないCIAの分析官が、妻の命を奪ったテロ組織にたった一人で復讐する。メガホンを取るのは『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』などのジェームズ・ホーズ。『ジョン・ウィック』シリーズなどのローレンス・フィッシュバーンが出演する。
********************************************************************************************************
主人公はCIAの暗号分析課に勤めるチャーリー・ヘラー。デスクワークが中心である。その朝、妻のサラは4泊5日の出張のためロンドンへと発つ。妻を見送って出社したチャーリーは、上層部にも秘密裏に通信を行っている協力者「インクワライン」からの情報で、チーフのムーアが過去に多数の犠牲者を出したテロや事故を米国の利益のために引き起こし揉み消した証拠を見つけてしまう。しかし、チャーリーは単なる分析官でしかなく、事を荒立てる必要もないかと見なかったふりをすることを決める。
デスクワークの仕事であるが、チャーリーの分析能力は高く、かつてその力で諜報員のジャクソンの命を救ったこともあり、いまも感謝されている。しかし、翌朝いつものように出社したチャーリーは、ムーアとCIA長官のサマンサからサラがロンドンでテロに巻き込まれ死亡したことを告げられる。我が耳を疑ったチャーリーだが、事実は変わらず。遺品を受け取ったあと、自宅での療養を勧められる。しかし、事件の調査は遅々として進まず、じっとしていられなくなる。
そこはCIAの有能な分析官でもあるチャーリーは、自ら能力をフル稼働させてサラを襲ったテロリストを突き止めムーアに報告する。しかし、ムーアはその報告を聞いても静観を貫くことを決め、逆にチャーリーをカウンセリングへ通わせることにする。そこには何か裏がある臭いが漂う。チャーリーはムーアのオフィスを訪ねると、サラを殺害した4人のテロリストがムーアが過去に行った極秘作戦の関係者であることを指摘した上で、すべての汚職の証拠と引き換えに自身がテロリストを殺害するための訓練の斡旋をムーアに求める。
上司であるムーアを脅すという点と、分析官であるにもかかわらず自ら実行部隊に志願するという二重の無謀な行動に出るチャーリー。ムーアは表面上は条件を呑み、諜報員兼教官のヘンダーソンを紹介する。しかし、その裏ではチャーリーが持つ証拠を確保するため、CIAを総動員させる。それでもチャーリーの方が一枚上手であり、ムーアも思い通りにはいかない。そこでムーアはヘンダーソンにチャーリーの殺害を命じる。
肝心のチャーリーは、爆弾作りでは頭脳的な工作で才能を見せるものの、銃の扱いは一向に上達しない。ヘンダーソンもそんなチャーリーに人を直接殺害することには向かないと言い切る。実弾をこめた銃を差し出し撃つように迫る。それができないチャーリーには善人であるという致命的な欠点がある。ムーアを信用していないチャーリーは、ムーアのオフィスに仕込んだ盗聴器でその動きを察知すると、ヘンダーソンをも欺いてその下を去る。こうして分析官にしか過ぎない男が、たった一人で組織に逆らい復讐計画を実行に移していく・・・
タイトルのアマチュアとは、殺しの実行力を持たないチャーリーを「アマチュア」と称したもの。サラを殺した1人目のテロリストのグレッチェンの居場所を監視カメラの映像から得意の分析力でフランスのパリと特定したチャーリーは、発見したグレッチェンを尾行し、強いアレルギーを持っていることを突き止めるとグレッチェンの通う病院に忍び込み、高濃度の花粉を浴びせて他のテロリストの居場所を聞き出そうする。結局、情報は得られなかったが、もみ合う内に逃げ出したグレッチェンは車に轢かれて死んでしまう。
アマチュアゆえに数々の映画で活躍するCIAの工作員のように敵を殺せない主人公。自ら可能なのは分析官として培った能力と爆破技術だけ。それでも1人でできるものではなく、長年秘密裏に連絡を取ってきた「インクワライン」になりふり構わず助けを求める。その意外な正体に驚きつつ「インクワライン」の助けを借りていく。なるほど、通常のCIA工作員のような優れた格闘能力も殺傷能力もないが、アマチュアなりに頭脳を使った行動で復讐を果たしていく。その意志はチャーリーを殺すミッションを与えられたヘンダーソンを動かし、ジャクソンも密かに手を差し伸べる。
アマチュアならではの復讐劇。演じるのはアクションとはほど遠いイメージのラミ・マレック。ほど遠いイメージゆえに役柄とピッタリマッチする。何もマッチョだけがヒーローになれるわけではない。最後の最後まで直接的な殺人ができない主人公。それゆえに巧妙な手段で目的を果たしていく。ローレンス・フィッシュバーンや「パニッシャー」ジョン・バーンサルが脇を固める。最後に立っていたのはチャーリー。ようやく愛する妻を静かに悼む時を得られたチャーリーの姿が悲しくも安堵感をもたらす。
アクションのないアクション映画と言える映画である・・・
評価:★★☆☆☆





