2025年11月02日

【アマチュア】My Cinema File 3083

アマチュア.jpg

原題: The Amateur
2025年 アメリカ
監督: ジェームズ・ホーズ
出演: 

ラミ・マレック:チャーリー・ヘラー
ローレンス・フィッシュバーン:ヘンダーソン
レイチェル・ブロズナハン:サラ・ヘラー
カトリーナ・バルフ:インクワライン
マイケル・スタールバーグ:ショーン・シラー
ホルト・マッキャラニー:ムーア
ジュリアンヌ・ニコルソン:サマンサ・オブライエン
ダニー・サパーニ:ケイレブ・ホロヴィッツ
ジョン・バーンサル:ジャクソン・オブライエン
エイドリアン・マルティネス:カルロス

<シネマトゥデイ>
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『ボヘミアン・ラプソディ』などのラミ・マレック主演・製作によるアクションサスペンス。殺しのスキルを持たないCIAの分析官が、妻の命を奪ったテロ組織にたった一人で復讐する。メガホンを取るのは『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』などのジェームズ・ホーズ。『ジョン・ウィック』シリーズなどのローレンス・フィッシュバーンが出演する。
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主人公はCIAの暗号分析課に勤めるチャーリー・ヘラー。デスクワークが中心である。その朝、妻のサラは4泊5日の出張のためロンドンへと発つ。妻を見送って出社したチャーリーは、上層部にも秘密裏に通信を行っている協力者「インクワライン」からの情報で、チーフのムーアが過去に多数の犠牲者を出したテロや事故を米国の利益のために引き起こし揉み消した証拠を見つけてしまう。しかし、チャーリーは単なる分析官でしかなく、事を荒立てる必要もないかと見なかったふりをすることを決める。

デスクワークの仕事であるが、チャーリーの分析能力は高く、かつてその力で諜報員のジャクソンの命を救ったこともあり、いまも感謝されている。しかし、翌朝いつものように出社したチャーリーは、ムーアとCIA長官のサマンサからサラがロンドンでテロに巻き込まれ死亡したことを告げられる。我が耳を疑ったチャーリーだが、事実は変わらず。遺品を受け取ったあと、自宅での療養を勧められる。しかし、事件の調査は遅々として進まず、じっとしていられなくなる。

そこはCIAの有能な分析官でもあるチャーリーは、自ら能力をフル稼働させてサラを襲ったテロリストを突き止めムーアに報告する。しかし、ムーアはその報告を聞いても静観を貫くことを決め、逆にチャーリーをカウンセリングへ通わせることにする。そこには何か裏がある臭いが漂う。チャーリーはムーアのオフィスを訪ねると、サラを殺害した4人のテロリストがムーアが過去に行った極秘作戦の関係者であることを指摘した上で、すべての汚職の証拠と引き換えに自身がテロリストを殺害するための訓練の斡旋をムーアに求める。

上司であるムーアを脅すという点と、分析官であるにもかかわらず自ら実行部隊に志願するという二重の無謀な行動に出るチャーリー。ムーアは表面上は条件を呑み、諜報員兼教官のヘンダーソンを紹介する。しかし、その裏ではチャーリーが持つ証拠を確保するため、CIAを総動員させる。それでもチャーリーの方が一枚上手であり、ムーアも思い通りにはいかない。そこでムーアはヘンダーソンにチャーリーの殺害を命じる。

肝心のチャーリーは、爆弾作りでは頭脳的な工作で才能を見せるものの、銃の扱いは一向に上達しない。ヘンダーソンもそんなチャーリーに人を直接殺害することには向かないと言い切る。実弾をこめた銃を差し出し撃つように迫る。それができないチャーリーには善人であるという致命的な欠点がある。ムーアを信用していないチャーリーは、ムーアのオフィスに仕込んだ盗聴器でその動きを察知すると、ヘンダーソンをも欺いてその下を去る。こうして分析官にしか過ぎない男が、たった一人で組織に逆らい復讐計画を実行に移していく・・・

タイトルのアマチュアとは、殺しの実行力を持たないチャーリーを「アマチュア」と称したもの。サラを殺した1人目のテロリストのグレッチェンの居場所を監視カメラの映像から得意の分析力でフランスのパリと特定したチャーリーは、発見したグレッチェンを尾行し、強いアレルギーを持っていることを突き止めるとグレッチェンの通う病院に忍び込み、高濃度の花粉を浴びせて他のテロリストの居場所を聞き出そうする。結局、情報は得られなかったが、もみ合う内に逃げ出したグレッチェンは車に轢かれて死んでしまう。

アマチュアゆえに数々の映画で活躍するCIAの工作員のように敵を殺せない主人公。自ら可能なのは分析官として培った能力と爆破技術だけ。それでも1人でできるものではなく、長年秘密裏に連絡を取ってきた「インクワライン」になりふり構わず助けを求める。その意外な正体に驚きつつ「インクワライン」の助けを借りていく。なるほど、通常のCIA工作員のような優れた格闘能力も殺傷能力もないが、アマチュアなりに頭脳を使った行動で復讐を果たしていく。その意志はチャーリーを殺すミッションを与えられたヘンダーソンを動かし、ジャクソンも密かに手を差し伸べる。

アマチュアならではの復讐劇。演じるのはアクションとはほど遠いイメージのラミ・マレック。ほど遠いイメージゆえに役柄とピッタリマッチする。何もマッチョだけがヒーローになれるわけではない。最後の最後まで直接的な殺人ができない主人公。それゆえに巧妙な手段で目的を果たしていく。ローレンス・フィッシュバーンや「パニッシャー」ジョン・バーンサルが脇を固める。最後に立っていたのはチャーリー。ようやく愛する妻を静かに悼む時を得られたチャーリーの姿が悲しくも安堵感をもたらす。

アクションのないアクション映画と言える映画である・・・


評価:★★☆☆☆








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2025年10月18日

【ハボック】My Cinema File 3077

ハボック.jpg

原題: Havoc
2025年 イギリス・アメリカ
監督: ギャレス・エバンス
出演: 
トム・ハーディ:パトリック・ウォーカー
フォレスト・ウィテカー:ローレンス・ボーモント
ジャスティン・コーンウェル:チャーリー・ボーモント
クエリン・セプルヴェダ:ミア
ゼリア・メンデス=ジョーンズ:ジョニー
ジム・シーザー:ウェス
ルイス・ガスマン:ラウル・バスケス
ティモシー・オリファント:ヴィンセント

<映画.com>
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『ヴェノム』 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のトム・ハーディが主演を務めるサスペンスアクション。人生に疲れ果てた刑事が、裏社会に支配されかけた街で、ある政治家の息子を救出するため壮絶な戦いを繰り広げる。
心に傷を抱えながらも、街を牛耳ろうとする裏社会と闘っている刑事ウォーカー。ある日、一件の麻薬取引が失敗したことをきっかけに、報復を企む犯罪組織、汚職政治家、さらには警察内部の裏切り者からも命を狙われることになる。混迷する状況の中、ウォーカーは絶縁状態にある政治家の息子を救い出そうと奔走。やがて街を覆う汚職と陰謀の深い闇を暴いていき、その過程で自らの過去とも向き合うことになる。
共演はテレビシリーズ「JUSTIFIED 俺の正義」のティモシー・オリファント、『ラストキング・オブ・スコットランド』のアカデミー賞俳優フォレスト・ウィテカー。監督は『ザ・レイド』のギャレス・エバンス。Netflixで2025年4月25日から配信。
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物語は、クリスマスの夜、マスクを被った男たち4人が麻薬を積載したトラックを強奪して逃走するところから始まる。パトカーの一団が後を追うも大型トラックでもあり止められない。激しいカーチェイスの末、トラックの荷台にいた男は、積んでいた洗濯機を追走するパトカーに投げつける。パトカーは大破し、運転していた刑事のコルテスは意識不明の重傷を負う。強奪犯たちは逃げおおせ、トラックに載せていた麻薬を強奪の依頼主であるマフィアのツィとチンの元に届ける。ところが、直後に謎の集団がその場を襲撃し、ツィもその場で射殺される。

現場を担当することになったのは、主人公である殺人課の刑事ウォーカー。防犯カメラの映像からその場に町の有力者であるローレンス・ボーモントの息子チャーリーがいたことを確認する。ウォーカーは、かねてよりローレンスから裏で汚い仕事を請け負っていたが、家族のために裏社会との決別する決意をする。一方、ローレンスは市長選に立候補している大事な時期。ウォーカーはローレンスに決別を宣言するが、最後の仕事としてチャーリーを保護して連れ帰ることを約束させられる。

その頃、チャーリーは恋人のミアとともに海外逃亡を企て、ミアの叔父であるラウルにパスポートの偽造を依頼する。ウォーカーは相棒のエリーとは別に独自の情報網より捜査を進めていくが、容疑者がチャーリーであることが周囲に露呈したこととそれを知っていながら報告していなかったことを問題視され、上司よりエリーとのコンビ解消と捜査から外れるように命令を受けてしまう。それでもウォーカーはエリーに懇願し、ラウルの情報を入手して独自に行動を続ける。

一方、息子であるツィを殺された中国マフィア「三合会」を率いるフォンは、自ら報復のために部下を引き連れてチンの元にやってくる。フォンは部下たちに車でローレンスを白昼堂々襲撃させ、拉致する。ウォーカーは目論見通りクラブにやってきたミアと接触し保護しようとするが、そこにチャーリーを追う麻薬課のヴィンセント、ジェイク、ヘイズの3人が現れ、更に中国マフィアが多数やってくる。そして始まる三つ巴の激しい銃撃戦。多数の死者が出るが、ウォーカーはチャーリーとミアを連れて何とか逃げ伸びる・・・

主役のウォーカーを演じるのはトム・ハーディ。最近は、アクション俳優としての立場が確立しつつあるように思う。されどドラマ的な役柄でも数多く出演しているし、アクション一辺倒というわけではない。本作では市長を狙うローレンスに金をもらう形で裏の仕事を様々にこなしてきた男が、そこから足を洗うにあたり、最後に頼まれた仕事をする姿が描かれる。決して清廉潔白なヒーローではない。ローレンスも影で暗躍しているが、妻を亡くした際の行動で息子のチャーリーに恨まれている。

中国マフィアが絡み、汚職警官が加わり、欲望と暴力が交じり合う中で、ウォーカーはうまく生き残って足を洗えるのか。銃撃戦はなかなかの迫力。後に残ったのは虚しさだけかもしれない。そんな大混戦の中で最後まで生き残った1人がウォーカーの相棒のエリー。脇役であまり目立たないが、実は密かにタフな女性警官で、その存在感が最後に光っていた。終わってみれば正義がどこにもない。生き残った者にも虚しさだけしか残らない。重い空気を最後まで漂わせる映画である・・・


評価:★★☆☆☆








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2025年10月12日

【アンダーニンジャ】My Cinema File 3074

ダーケスト・マインド.jpg
 
2025年 日本
監督: 福田雄一
原作: 花沢健吾
出演: 
山崎賢人:雲隠九郎
浜辺美波:野口彩花
間宮祥太朗:加藤
白石麻衣:鈴木
山本千尋:山田美月
宮世琉弥:蜂谷紫音
坂口涼太郎:瑛太
長谷川忍(シソンヌ) :担任
木南晴夏:川戸愛
ムロツヨシ:大野
岡山天音:猿田
平田満:主事
佐藤二朗:吉田昭和

<映画.com>
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『アイアムアヒーロー』などで知られる漫画家・花沢健吾が、現代社会に潜む忍者たちの姿を描いた人気コミック「アンダーニンジャ」を実写映画化。「銀魂」「聖☆おにいさん」など数々の話題作を手がける福田雄一が監督・脚本、「キングダム」「ゴールデンカムイ」の山ア賢人が主演を務めた。
太平洋戦争終結後、日本へ進駐したGHQが最初に命じたのは「忍者」組織の解体だった。それにより、忍者の存在は消滅したかに見えた。しかし彼らは世界中のあらゆる機関に潜伏し、現代社会でも暗躍を続けていた。忍者組織「NIN(ニン)」の末端に所属する忍者の雲隠九郎は、暇を持て余していたある日、重大な任務を言い渡される。それは、戦後70年以上にわたり地下に潜り続けている、「アンダーニンジャ」と呼ばれる組織の動向を探るというものだったが……。
主人公の雲隠九郎を山アが演じ、忍者たちの戦いに巻き込まれていくヒロインの女子高校生・野口彩花役を浜辺美波が務めた。そのほか間宮祥太朗、白石麻衣、岡山天音、山本千尋、宮世琉弥、坂口涼太郎、平田満、木南晴夏、長谷川忍らに加えて、福田作品常連のムロツヨシ、佐藤二朗も変わらず参加。
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現代の日本には今も忍者がいるというのは、外国人が信じそうな話であるが、それを前提にした映画。しかも数人、数十人という規模ではなく、数十万人というのはいかがなものかと個人的には思う。そんな忍者がいる日本で物語は始まる。青いパーカーを着た外国人が夜道を歩いていると、OL風の女性鈴木と遭遇する。互いに何かを感じたのか、瞬時に戦いが始まる。両者の動きは尋常ではない。ハイヒールに仕込んだ手裏剣を投げ、カード型拳銃を撃ち、鞄で防ぐ。そんな攻防を物陰から見ている者がいる。

外国人は強く、鈴木は劣勢になる。するといずこからか放たれた吹き矢が外国人に刺さる。現れた雲隠九郎が外国人と格闘し、関節技で気絶させる。雲隠は鈴木に後を任せるといずこかへと去っていく。この雲隠九郎が主人公。殺風景なアパートの何もない部屋で暮らしている。暇を持て余しながら何気なく天井に向けて吹き矢を放つ。吹き矢といっても爪楊枝とストローという簡単なもの。されどそれだけでタダ者ではない感が漂う。

そこに宅配業者に紛した加藤が荷物を持って来る。加藤は抜け忍の見回りをしており、脱獄した者を抹殺する。そして雲隠に講談高校に潜入せよと任務を与える。「アンダーニンジャ」という組織が同校で暗躍しているという情報を受けての指示である。現代の忍者は手裏剣だけが武器ではない。加藤は雲隠にパーカーを置いていくが、それは透明化するもの。攻殻機動隊の光学迷彩のようである。しかし、パーカーは上着だけであり、上半身だけしか消えないのは雲隠九郎ならずとも疑問に思うところである。

同じアパートに住んでいる住人は変わり者ばかり。トイレに入っていた1階の川戸愛が、雲隠にトイレットペーパーを取ってくれと頼む。トイレットペーパーはトイレ内にあるが、便器から離れているというのがその理由。しかし、女性なのに男にトイレに入ってきてトイレットペーパーを取れと言うのも変わっている。雲隠の部屋は隣の大野の部屋と押し入れを通じて繋がっている。雲隠は大野の部屋の冷蔵庫からビールを取って来て川戸と飲む。勢いで全部飲んでしまうが、文句を言ってきた大野とのやり取りはコメディそのものである。

雲隠が通うことになったのは、練魔区立講談高校。そして補習に来た野口とともに雲隠は編入試験を受ける。受からなければ任務も何もない。そこで組織も雲隠をサポートする。床に試験の解答が5色米を使った暗号で置かれている。しかし、米であるがゆえに、虫と間違えて野口が騒ぎ、箒で掃き出されそうになる。雲隠は「水遁の術」と称して小便を漏らしその場をごまかすが、高校生でお漏らしはその後の高校生活に支障をきたしそうに思う。どうやらこの映画の基本はコメディのようである。

前半は野口やアパートの住人たちとのくだらないやり取りが中心。雲隠は屋根の上で野口とビールを飲みながら、学校内の話を聞いて情報収集する。うっかり足を滑らせて屋根から落ちる野口を雲隠が庇って落下するが、パーカーにエアバックが内蔵されていて無傷で済む。透明化だけではパーカーも無用の長となりそうであるが、これは便利である。そしていよいよ暗躍していたアンダーニンジャが姿を表す。後半はシビアなバトルが展開される。しかしながら全身透明化するスーツに身を包み、技術力はアンダーニンジャ側が優位に立っているようである。

アンダーニンジャ側のトップは意外な人物。敵方のボスであるのにそんな雰囲気は微塵もない。雲隠九郎との格闘バトルがラストの見せ場となるが、主人公のはずの雲隠は圧倒的に劣勢である。ラストの展開は少々わかりずらかったが、原作漫画は長くしっかり描かれるところ、映画はダイジェスト版なので、途中を端折った感が強い。何らかの結末をつけなければならないゆえにやむをえないのだろう。果たして雲隠はどうなったのかが最後にちょっと気になった。原作漫画はどんなものかにも興味をそそられる。

これはこれで軽く楽しむ映画と言える。次は原作漫画を読んでみたいと思わせてくれる映画である・・・


評価:★★☆☆☆








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2025年10月10日

【ビーキーパー】My Cinema File 3072

ビーキーパー.jpg

原題: The Beekeeper
2024年 アメリカ
監督: デビッド・エアー
出演: 
ジェイソン・ステイサム:アダム・クレイ
エミー・レイバー=ランプマン:ヴェローナ・パーカー
ジョシュ・ハッチャーソン:デレク・ダンフォース
ボビー・ナデリ:マット・ワイリー
ミニー・ドライバー:ジャネット・ハーワードCIA長官
フィリシア・ラシャド:エロイーズ・パーカー
ジェレミー・アイアンズ:ウォレス・ウエストワイルド
テイラー・ジェームズ:ラザラス
ジェマ・レッドグレーブ:ジェシカ・ダンフォース
デビッド・ウィッツ:ガーネット
メーガン・レイ:アニセット

<シネマトゥデイ>
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『トランスポーター』シリーズなどのジェイソン・ステイサムが主演を務めたリベンジアクション。組織的詐欺集団によって恩人が死に追いやられたことから、ビーキーパーと呼ばれる男が悪党たちへの復讐に立ち上がる。監督は『スーサイド・スクワッド』などのデヴィッド・エアー、脚本は『リベリオン』などのカート・ウィマーが担当。共演には『ハンガー・ゲーム』シリーズなどのジョシュ・ハッチャーソン、オスカー俳優のジェレミー・アイアンズらが名を連ねる。
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ところはアメリカの片田舎。主人公のアダム・クレイは養蜂家として生計を立てている。タイトルのビーキーパーとはすなわち養蜂家のこと。ただ者でないことはジェイソン・ステイサムが演じていることからもわかる。独身であるクレイは、元教師で慈善団体の理事エロイーズ・パーカーに納屋を借りている。その日も何気ない会話を交わし、夕食を食べに来いと誘われる。しかし、それまでの間、パソコンに向かっていたエロイーズは表示された警告に驚き、すぐに電話をかける。パソコンに疎いエロイーズは、言われるがままにパソコンを操作するが、これがなんとフィッシング詐欺。あっという間に自身の財産と、管理していた慈善団体の資金を全て奪われてしまう・・・

そんなことを露とも知らぬクレイは取れた蜂蜜を手に夕食にやってくる。ところがすぐに室内の異常に気づく。そして見つけたのはエロイーズの変わり果てた姿。そこへ娘であるFBI捜査官ヴェローナが現れ、クレイはその場で逮捕される。何ら動じることなく、言葉を発することもなく逮捕されるクレイ。しかしまもなくクレイは釈放される。クレイから射撃残渣は検出されず、逆に銃にエロイーズの指紋があったことから自殺と断定されたのである。そしてクレイを一番に疑ったヴェローナだが、母親のパソコンを調べてフィッシング詐欺に遭ったのだと知り、クレイにその事実を告げて謝罪する。

エロイーズはアメリカ海兵隊に所属していたヴェローナの亡き兄に似ていたからクレイに良くしたのだろうとクレイに語る。エロイーズにフィッシング詐欺を行った犯人は、FBIのサイバー犯罪担当が2年も捜査していて名前すら不明であり、起訴は難しいと言っていることを話す。それを聞いたクレイは、ある組織の女性に電話を掛けて調査を依頼する。女性は戸惑いながらも内緒で調べてくれる。エロイーズを騙した詐欺組織は「ユナイテッド・データ・グループ(UDG)」であり、その組織の拠点を突き止める。犯罪を訴追するとなると、証拠が必要だろうが、そうでなければ証拠は不要。クレイはUDGのビルに正面から臨む。

ここからがジェイソン・ステイサムの真骨頂。入口にいた警備員2人を一瞬にして制圧すると、ガソリンタンクを持ってUDGの部屋へ入っていく。その前に受付の女性にほかの企業の社員を避難させろと指示する。そして電話をしていたその場にいた者に「もう二度と盗まない」と言わせる。クレイがガソリンを撒き始めるとUDGの社員たちはパニックになって逃走する。その場のリーダーでありエロイーズを騙した張本人のミッキー・ガーネットも警備員4人とともに現れるが、これも一瞬にしてなぎ倒す。そして次の電話がかかってきた瞬間、火花が散りビルは全焼する。

目の前でビルを燃やされたガーネットは、組織のボスにすぐさまそれを報告する。その人物はボストンにある「ダンフォース・エンタープライズ」という企業のCEOであるデレク・ダンフォース。これを受けてダンフォースは直近の案件の関係者を調べるよう命じる。すぐにエロイーズの名前が上がり、ガーネットは武装した男3人を引き連れて、エロイーズの家に向かう。
そこで見つけた養蜂家・クレイを尾行し、ビルを燃やされた仕返しとしてミツバチの巣箱を破壊した上で、作業場である納屋を襲撃する。しかし、飛んで火に入る夏の虫。クレイは武装した男たちを1人ずつ仕留めていく・・・

主人公のクレイであるが、実は「ビーキーパー」という極秘プログラムの元一員。それゆえに特殊訓練を受けていてその腕前は並大抵ではない。一方、思わぬ形で蜂の巣をつついてしまった黒幕のデレク・ダンフォースだが、実は公にできない力を有している。隠れ蓑となっているダンフォース・エンタープライズの警備主任であるウォレス・ウエストワイルドは元CIA長官。当然「ビーキーパー」の存在も知っている。そんなウォレスは現CIA長官のジャネット・ハワードに事態の収拾を依頼する。なんとジェイソン・ステイサムは今度は国家を敵に回すことになる。

映画の見どころは当然ながらジェイソン・ステイサムのゴツゴツアクションなのであるが、相手もただのゴロツキだけでなく、クレイの後任者の現役ビーキーパーだったりするからアクションの質もハイレベルとなる。ウォレスも威信をかけて元陸海軍の特殊部隊員で構成された私兵部隊を雇い、クレイを迎え撃つ。デレクの正体は予想外の人物で、ストーリー的にも盛り上がる。アメリカ合衆国vsジェイソン・ステイサムの激突は見応え十分である。気が付けば似たようなアクションばかりのような気もするが、本作品も裏切られることはない。勧善懲悪のストーリーは日頃のストレスも発散させてくれる。

ただのアクションだけではなく、ストーリーも面白い。アクション映画を観たい時には、お勧めしたい一作である・・・


評価:★★☆☆☆








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2025年06月14日

【ザ・マザー 母という名の暗殺者】My Cinema File 3021

ザ・マザー 母という名の暗殺者.jpg

原題: The Mother
2023年 アメリカ
監督: ニキ・カーロ
出演: 
ジェニファー・ロペス:母
ルーシー・パエス:ゾーイ
オマリ・ハードウィック:ウィリアム・クルーズ
ジョセフ・ファインズ:エイドリアン・ラヴェル
ガエル・ガルシア・ベルナル:エクトル・アルヴァレス
ポール・レイシー:ジョーンズ
ジェシー・ガルシア:ヤニル・ゴンザレス

<シネマトゥデイ>
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『ハスラーズ』などで女優としても活動するジェニファー・ロペスが、娘を守るために戦う殺し屋を演じるアクション。軍隊出身で殺し屋の主人公が、生まれてすぐ安全のために手放した娘の危機に立ち上がる。監督は『クジラの島の少女』や『ムーラン』などのニキ・カーロ。ジョセフ・ファインズ、ガエル・ガルシア・ベルナルなどが共演する。
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インディアナ州リントンで物語は始まる。閑静な住宅街のとある家でFBI捜査官の男たちがフードを被った女性を尋問している。その女性は写真を見ながら、「エクトル・アルヴァレス」「エイドリアン・ラヴェル」と淡々と答える。さらに質問に答えていくが、女性は突然、ここは危険だと尋問者に告げる。居場所はバレている、監視されているのこちらだと。FBIの拠点でもあり、安心しきっていた捜査官は次の瞬間、撃たれて倒れる。もうひとりの捜査官も窓際に近づいた瞬間に撃たれる。

敵の襲撃を予測し、女はすぐさま家にあるものを使って手製の爆弾を作ると、隠れて敵を待つ。驚いたことに女は妊娠している。入って来たのはエイドリアン。男は女を見つけると容赦なく腹を刺す。しかし、その刹那、爆発が起きてエイドリアンは火だるまになる。そして女は救助され、治療室で目覚める。腹を刺されたにも関わらず子供は無事に産まれる。しかし、無情にもFBIは産んだ子どもは証人保護プログラムで守られるので、親権を放棄しろと告げる。女に選択肢はなく、渋々書類にサインする。せめてもの抵抗として、女は生き残った捜査官クルーズに「良い里親を見つけて定期的に連絡してほしい」と条件を出す。

そして女はアラスカにある人里離れた森の中にある小屋に居を構える。案内したジョーンズは旧知の仲間。他人のふりをしてほしいと頼んで孤独な生活に入る。そして12年の歳月が流れる。女はすっかり狩猟生活に馴染んでいる。ヘラジカを仕留め、野生のオオカミに出くわしても動じない。静かに銃を向けるが、そのオオカミには子どもがいるのがわかるとそっと立ち去る。そんな女の下にジョーンズが現れ、手紙を置いていく。それは秘密の連絡。そして女はオハイオ州シンシナティの地に降り立つ。

女を迎えに来たのは命を助けた捜査官クルーズ。実はアルヴァレスの手下を逮捕したところ、女の娘を見張っている証拠を掴んだとの事。毎年、娘の誕生日に写真が送られてきていたが、女は娘の名前を知らされていない。はじめてそこでゾーイという名前を教えられる。女はその日からゾーイを見守る生活に入る。ごく普通のティーンエイジャーとして成長しているゾーイ。しかし、その平穏は突然破られる。

ある日、公園で遊んでいる姿を駐車場ビルから監視していた女は不審な車両を発見する。狙撃ライフルを手に様子を伺う女。首にタトゥーがある男が指示し、怪しげな男たちが娘に近寄る。明らかな様子に女は一人の男を狙撃する。それでも死角を突かれ、ゾーイは男たちに拉致され、バンで連れ去られる。何にも代えがたい娘を拉致された女は捜査官クルーズとともにゾーイを取り返しに行く。まず向かったのはキューバ。捜査官クルーズも同行し、首にタトゥーのある男を追って行く・・・

最近は女性アクションは珍しくないが、冒頭で出てきた女は妊婦。いきなり腹を刺されるという衝撃から始まるが、襲ってきたのはかつて所属していた組織の男。どうやら子供の父親のようである。女との関わりはわからないが、妊娠した女が組織を裏切り、裏切られた組織は報復のため女の娘を狙う。そして女はやむなく、娘を守るために組織と戦うという物語。FBI捜査官を相棒にして組織と戦う女。女と組織の関係は次第に明らかになっていく。タイトルにある通り、どこまでも娘を守る母親の物語である。

主人公の女には名前がない。ないわけではないだろうが、物語の中では明らかにされない。それはまるで実の娘に対して名乗り出る事は許されぬ影の存在である事を象徴しているかのよう。演じるのはジェニファー・ロペス。あまり出演作品を観ていないが、アクションモノは『アトラス』(My Cinema File 2899)に次いで2作目。何となく「アクション女優」というイメージが固まりそうな気もする。本作のアクションも見応え十分である。

あまり深く考えず、アクション映画を観てスカッとしたい時には適した映画かもしれない。ジェニファー・ロペスにはこれからも注目したいと思わされる一作である・・・


評価:★★☆☆☆







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