
2023年 日本
監督: 北野武
出演:
ビートたけし:羽柴秀吉
西島秀俊:明智光秀
加瀬亮:織田信長
中村獅童:難波茂助
木村祐一:曽呂利新左衛門
遠藤憲一:荒木村重
勝村政信:斎藤利三
寺島進:般若の佐兵衛
桐谷健太:服部半蔵
浅野忠信:黒田官兵衛
大森南朋:羽柴秀長
六平直政:安国寺恵瓊
大竹まこと:間宮無聊
津田寛治:為三
荒川良々:清水宗治
寛一郎:森蘭丸
副島淳:弥助
小林薫:徳川家康
岸部一徳:千利休
<シネマトゥデイ>
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『アウトレイジ』シリーズなどの北野武監督が自身の小説を原作に、本能寺の変を描く時代劇。北野監督が脚本などのほか羽柴秀吉役も務め、天下取りを狙う織田信長、徳川家康、さらに明智光秀ら戦国武将たちの野望を映し出す。『ドライブ・マイ・カー』などの西島秀俊、『それでもボクはやってない』などの加瀬亮のほか、中村獅童、浅野忠信、大森南朋、遠藤憲一らがキャストに名を連ねる。
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天正6年、織田家臣・荒木村重が突如謀反を起こしたところから物語は始まる。孤軍奮闘の村重は、反織田勢力である毛利の援軍を頼りにしていたものの、ついに援軍が送られることはなく、立て篭もる有岡城は落城する。しかし、張本人の村重は城を抜け出して逃げおおせてしまう。この事態に信長は激怒。かくなる上は、1番功績のあった人間を跡取りにすると羽柴秀吉、明智光秀、丹羽長秀、滝川一益ら一同に宣言し、光秀に村重の追跡を命じる。
さらに信長は裏切った村重への制裁のため、村重の家臣や親族を女子どもを含め全員斬殺する。追跡を命じられた光秀だが、もともと村重と親交があったため、織田家中では村重の謀反に関わっているとも噂され、光秀は窮地に立たされる。ところが当の村重は抜け忍の曽呂利新左衛門によって捕らえられてしまう。それと知らぬ光秀は千利休の茶会に招かれ、その場で村重を引き渡される。光秀は村重を亀山城へ連れ帰り、密かに匿うことにする。
一方、曽呂利からその情報を得た秀吉は、曽呂利を召し抱える代わりに遂行不可能と思える二つの命令を下す。曽呂利は旅の途中で、首級を挙げた友人を殺害し侍大将に成り上がろうとした農民・茂助を仲間に加えると、かつて自身が抜けた忍びの里・甲賀に立ち寄る。そこは光源坊という不気味な男が仕切るところ。曽呂利は信長が信忠に送った密書を買い取るという任務を完遂し、次に亀山城に忍び込んで光秀と村重の肉体関係を目撃する。しかし、光秀は間者の存在に気づき、間者が甲賀の人間であると知ると里を襲撃して光源坊を含む里の人間全てを殺害する。
秀吉のもとに戻った曽呂利は、密書を秀吉に見せる。そこには信長が家臣に家督を継がせる気など毛頭なく、信忠に継がせた上で邪魔な家臣を殺害するように記されており、秀吉は激怒する。一方、秀吉の軍師・黒田官兵衛は逆に光秀と密書を利用してある計略を思いつき、秀吉に進言する。秀吉はその計略の実行を命じる。その頃、光秀は村重を匿いつつ、彼を追う任務をしている振りをする危うさから、村重が徳川家康のもとに逃げ込んだように見せかける策を村重自身から提案される・・・
世は織田信長が破竹の勢いで勢力を伸ばしている時代。中心となるのは羽柴秀吉と明智光秀。冒頭から荒木村重の反乱が波乱を加え、村重と光秀とが男色関係にあることが描かれる。信長と森蘭丸との男色関係は知られているが、村重と光秀との関係は創作だろうと思う。それにしてもこの映画では信長が魔王として狂気の様が描かれる。短刀に饅頭を刺し、それを村重に食べさせる。刃が口の中に入っているにもかかわらず、それをひねるので饅頭を加えた村重の口は血だらけになる。
信長は反乱を起こした村重の一族郎党を女子供も含めて見せしめのために殺害する。『レジェンド&バタフライ』(My Cinema File 3051)では、ちょっとドジなところもあるいい男に描かれていたが、この映画ではただの狂人。いろいろな解釈があっていいと思うが、ちょっと振れすぎているようにも思う。様々な登場人物が入り乱れる物語。この時代、相手の首を上げることが手柄になったため、競って殺した敵の首を切り落とす。極めて残酷なのであるが、やはり野蛮な時代であったと言えるのだろう。
いろいろな映画やドラマや小説などで描かれてきた歴史上の戦国武将たちのまた別の解釈の物語。基本的な史実は変わらないが、人物像などは解釈によって随分と異なる。たけし監督ならではの解釈なのであろうが、それぞれ独自の解釈を楽しみたい。個人的には遠藤憲一演じる荒木村重が異彩を放っていてユニークであった。これはこれとして楽しめた映画である・・・
評価:★★☆☆☆





