2017年08月11日

クラウン

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原題: Clown
2014年 アメリカ
監督: ジョン・ワッツ
出演: 
アンディ・パワーズ:ケント
ローラ・アレン:メグ
ピーター・ストーメア:カールソン
エリザベス・ウィットメア
イーライ・ロス

<シネマトゥデイ>
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『ホステル』シリーズなどで知られるイーライ・ロスが製作を手掛け、呪われたピエロの衣装を着たことから子食いの怪物へと変貌していく男の運命を描くホラー。2010年、無名のフィルムメーカーがジョークで作った偽ホラー映画の予告編クレジットにロスの名前を勝手に入れてYouTubeに投稿したところ、すぐにロス本人から企画を持ち掛けられ、まさかの映画化が実現した。出演はテレビドラマ「TAKEN テイクン」などのアンディ・パワーズ、『キック・オーバー』などのピーター・ストーメアらが出演。
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何となく予告が面白そうで観てみようと思った映画であるが、それもそのはず、この映画はもともとフェイクで創った予告が基になって映画化されたのだという。そんな経緯だが、中身は意外に怖がらせてくれた映画である。

主人公のケントは不動産の販売をしている。息子の誕生日のお祝いに手配していたピエロが来られなくなったと聞いた時、たまたま管理していた古い家でピエロの衣装を見つける。そしてそれを着て息子の誕生日パーティに駆け付ける。子供たちは大喜びでパーティは終わるが、ケントが衣装を脱ごうとしたところ、かつらは頭に張り付き、鼻も取れなくなり、何と衣装すら脱げなくなる。

無理に剥がした鼻のあとは皮膚を傷めてしまい、異常を感じたケントは屋敷の持ち主を調べる。しかし、屋敷の持ち主は既に亡くなっており、連絡が取れた持ち主の弟は、兄の死を知ると「ピエロの衣装に触ってはいけない」と警告する。だが、既に身につけてしまっているケント。慌てて弟のカールソンを訪ねると、その衣装にまつわる悪魔の伝説を聞かされる。その悪魔は毎月5人の子供を食べていたという・・・

こうしてピエロの衣装が取れなくなってしまったケント。何せピエロの恰好では仕事にも支障がでる。穏やかならぬ話を聞いてしまうが、カールソンは解決策としてケントの首を切り落とそうとする始末。やがて、ケントは体に異変が生じ、悪魔の姿に変化し始め焦り始める。一方、そんな夫の異変に気付いた妻のメグも、その事実を知ることになる。

こうして悪魔の衣装が脱げなくなった主人公。体の変化に伴い、子供を殺して食べるようになる。最初の子供はアクシデントで死なせてしまうが、その「味」に気がつくと次には息子をいじめていた友達を襲う。そしてさらに次の子供を求めていく。なかなか面白いストーリーである。

何気なく着た衣装が脱げなくなるという発想も面白いし、ピエロはもともと道化ではなかったという由来の真偽は定かではないが、子供を食べるがゆえに子供を惹きつける必要がある=道化になるという理屈付けも面白い。そして実はカールソンもかつて衣装を着てしまっていたという過去があり、医師をしていた兄が悪魔と取引し、病院で死を待つ子供5人と引き換えに弟を助けたという事実を知る。

そして4人食い殺した悪魔にあと1人差し出せばケントを返すと言われた妻メグは、パニックになったゲームセンターで1人きりの子供を目で追う・・・自分だったらどうするだろうという、まさに悪魔のささやき・・・そんな心理戦も面白い。最近、ホラーが怖くないと感じていたが、これはほどほどに怖がらせてくれる。手軽に楽しむにはいいかもしれない。

やはり、得体のしれないモノには手を出さないようにしないといけない。子供が見たら素直にそう信じそうな映画である・・・


評価:★★☆☆☆




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2017年02月18日

NY心霊捜査官

NY心霊捜査官.jpg

原題: Deliver Us from Evil
2014年 アメリカ
監督: スコット・デリクソン
出演: 
エリック・バナ:ラルフ・サーキ
エドガー・ラミレス:ジョー・メンドーサ神父
オリヴィア・マン:ジェン・サーキ
ショーン・ハリス:サンティノ
ジョエル・マクヘイル:バトラー
ルル・ウィルソン:クリスティーナ・サーキ
オリヴィア・ホートン:ジェーン・クレンナ

<シネマトゥデイ>
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霊感がある刑事が特殊能力を駆使して、人間ではない邪悪な存在が引き起こす怪事件の捜査に挑むサスペンスホラー。元ニューヨーク市警巡査部長のラルフ・サーキの実体験をつづった手記を基に、ヒットメーカーのジェリー・ブラッカイマー製作、『エミリー・ローズ』などのスコット・デリクソン監督が映画化した。事件捜査を通じて常識を超えた異様な世界を目の当たりにする主人公には『トロイ』などのエリック・バナ、共演に『カルロス』などのエドガー・ラミレス。
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 冒頭、イラクの戦場で偵察中の部隊が、何やら遺跡のような洞窟を発見する。暗闇の中で兵士たちが叫び、パニックになる・・・なんとも言えないイントロである。そして物語はニューヨークへと移る。主人公のラルフ・サーキは、ニューヨーク市警の警察官で特別班に配属されている。なんと実在の(と言っても今は退職されているらしい)警察官。この物語は、実在の事件にヒントを得て作られたものだという。つまり、登場人物は実在だが、物語はフィクションということのようである。

 サーキは、「何かありそうな事件」を察知する独特の感、相棒のサンティノ曰く“レーダー”の持ち主。その“レーダー”に引っかかって来たのは、家庭内DV事件。現地に駆けつけたサーキとサンティは、イラク帰還兵の夫を逮捕する。さらに次は、自分の子供をライオンの檻に投げ込んだ母親の事件の通報を受け、動物園へと向かう。そこにいたのは気が狂った女と謎のフードの男。男を追いかけたサーキは、危うくライオンに襲われそうになる・・・

 気が狂った女を保護したサーキは、その母親の後見人と称するジョー・メンドーサ神父に出会う。サーキは、その後も“レーダー”に反応する事件を担当する。ある家では、地下から以上な音が発すると通報を受ける。現場の家ではなぜか電球が交換しても次々と消えてしまう。原因となる地下室に向かったサーキは、そこで腐乱死体となった塗装工を発見する・・・

 この手のオカルトモノは、前半の「焦らし」が物語を盛り上げる。ここでは、何やらイラクから持ち帰った何かが原因とわかってくる。“レーダー”を持つ主人公には、相棒に聞こえない無線の雑音や子供の声が聞こえ、見えないモノが見える。腐乱死体や、部屋の中を這い回るゴギブリ、壁に貼り付けられた猫の死体・・・「焦らし」としては、ちょっと気色悪い。

 物語のキーとなるのは、途中から登場したメンドーサ神父。およそ神父らしさはまるでなく、それもそのはず、かつては薬物依存症で死の一歩手前まで行ったという経歴の持ち主。そしてサーキに、目の前の事件に絡むある存在の可能性を告げる。そしてクライマックスとなるのであるが、ここに来てなんだか凡庸な展開になってしまう。できることならもう一捻り欲しかった気がする。

 映画の元となったのは、主人公サーキの本らしい。そちらの方は、「事件にヒントを得た」ものではなくて、もっと生々しい実例であるのだろうと思う。それを素直に映画にした方が良かったのではないかと思わされる。「策士策に溺れる」と言ったところなのかもしれない。次は原作本を是非とも読んでみようと思う。

 それはそれとして、せっかくのエリック・バナの主演であるが、映画としてはちょっと残念な気がする一作である・・・


評価:★★☆☆☆




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2016年12月07日

死霊館

死霊館.jpg


原題: The Conjuring
2015年 アメリカ
監督: ジェームズ・ワン
出演: 
ヴェラ・ファーミガ:ロレイン・ウォーレン
パトリック・ウィルソン:エド・ウォーレン
リリ・テイラー:キャロリン・ペロン
ロン・リビングストン:ロジャー・ペロン
シャンリー・カズウェル:アンドレア・ペロン
ヘイリー・マクファーランド:ナンシー・ペロン
ジョーイ・キング:クリスティーン・ペロン
マッケンジー・フォイ:シンディ・ペロン
カイラ・ディーヴァー:エイプリル・ペロン

<シネマトゥデイ>
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『ソウ』シリーズなどで有名なジェームズ・ワン監督が、アメリカで実際に起きた出来事を基に描くオカルトホラー。不可解な怪現象に悩まされる一家の相談を受けた心霊学者の夫妻が、調査に赴いた館で壮絶な恐怖を味わう。実在の心霊学者ウォーレン夫妻には、『インシディアス』などのパトリック・ウィルソンと『マイレージ、マイライフ』などのヴェラ・ファーミガ。そのほか『きみがぼくを見つけた日』などのロン・リヴィングストン、『I SHOT ANDY WARHOL』などのリリ・テイラーが共演。
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ロジャーとキャロリン夫妻は5人の娘とともにある古い屋敷に引っ越してくる。しかし、入居した翌日から奇怪な現象が次々と発生するようになる。夜中に娘は足を引っ張られ、末娘は拾ったオルゴールの中の鏡に見えない友達を見つける。娘にせがまれてかくれんぼに付き合ったキャロリンは、娘の確かな気配に洋服ダンスを開けるが、そこには誰もいない。

さらに目の前で額縁が次々と落ちて割れるなどの実害もあって、キャロリンは、超常現象研究家として名高いウォーレン夫妻に助けを求める。夫のエドはカトリック教会が唯一公認した非聖職者の悪魔研究家であり、妻のロレインは透視能力を持っている。調査の結果、その一軒家には戦慄すべき悪霊が住み着いている事が判明する・・・

よくある「幽霊モノ」なのであるが、この映画の迫力の根源は、「実話に基づいている」というところであろう。助けを求めるペロン夫妻も、助けに入ったウォーレン夫妻もともに実在の人物である。「実話に基づく」とは言え、多少の脚色はあると思うが、興味深いのは「どこまで真実なのか」だろうか。映画では、娘が悪霊に髪の毛を引っ張られるシーンが出てくるが、実際にこんなことあったのだろうかと疑問に思う。

悪霊はさらに勢いを増し(まぁこの手の映画では大抵エスカレートしていくものであるが)、ついにはキャロリンに憑依する。映画としては面白いが、「実話」という先入観が脳裏を頻繁によぎり、「このシーンは本当か」と何度も頭の中で呟くことになる。エドとロレインは悪魔払いを決意するが、これには教会の許可が必要だとのこと。さらにその教会も大本のバチカンに許可を求めるといった大仰なもの。「なんでだろう」と思わずにはいられない。

個人的に心霊の類は信じていないため、恐怖という点では思わず目を覆うといったことなく、冷静に観ていられたが、どうしても「どこまで本当か」にこだわってしまう。何はともあれ、実話という迫力もあって、そこそこ楽しめた映画である。そしてそもそもこの映画を観ようと思ったのは、これも実在の事件として有名な「エンフィールド事件」を扱った続編の存在である。スピンオフもあるようであるが、あとは続編を観て考える予定である。

いろいろな意味で、興味深かった映画である・・・


評価:★★☆☆☆






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2016年08月12日

残穢-住んではいけない部屋-

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2016年 日本
監督: 中村義洋
出演: 
竹内結子:私
橋本愛:久保さん
佐々木蔵之介: 平岡芳明
坂口健太郎: 三澤徹夫
滝藤賢一: 直人

<シネマトゥデイ>
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「屍鬼」などで知られるベストセラー作家・小野不由美の本格ホラー小説「残穢」を、『予告犯』などの中村義洋監督が映画化。読者の女子大生から「今住んでいる部屋で、奇妙な音がする」という手紙を受け取ったミステリー小説家が、二人で異変を調査するうちに驚くべき真実が浮かび上がってくるさまを描く。主人公には中村監督とは5度目のタッグとなる竹内結子、彼女と一緒に事件の調査に乗り出す大学生を、『リトル・フォレスト』シリーズなど橋本愛が演じる。
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 普段、ホラー映画にあまり心は動かないのであるが、「竹内結子主演」というその一点の理由をもって観ることにした映画。

 竹内結子演じる「私」は小説家で、ある雑誌でホラーの連載を持っている。そこで読者から寄せられた投書に興味をそそられる。それはとあるマンションに住む女子学生久保さんからのもので、「部屋で奇妙な音がする」というものであった。畳の部屋で、箒で掃くような音がするという。実はそのマンションでは、他の部屋でも同様の現象が起きており、さらにかつて住んでいた人が転居先で自殺したり事件を起こしたりしているという。

 興味を持った「私」は現地を訪れ、久保さんとともに原因を調べ始める。奇妙な音は、どうやら着物を擦るような音らしく、久保さんが一瞬垣間見たものから、首を吊った着物姿の女性のイメージが浮かぶ。まず疑うのは、その部屋で過去に自殺や事件があったのではということ。それは不動産屋も否定し(ちなみに不動産屋には法律でこの手の事故物件については告知義務がある)、また他の部屋でも不思議な現象が起きていることから、二人はそもそもマンションができる前に注目する。

 マンションができる前は駐車場。その片隅にあったゴミ屋敷では住人が奇怪な行動をとった挙句、孤独死をしていた。さらに駐車場以前の住人たちについて聞き込みをしていくと、ある旧家があり、そこの夫人が子供の結婚式の当日、着物姿で首吊り自殺していたことがわかる。さらにその夫人が、赤ん坊が次々と下から湧いてくると語っていたという。そして久保さんの前住人も、転居して自殺する前、赤ん坊の夜泣きに悩まされていたことが疑われる。

 こうして、「私」と久保さんが調査を始めていくうちに、次々と過去の事件が浮かび上がる。それは一つの原因ではなく、事件が事件を呼び、それがまた次の事件を呼ぶといった連鎖。それがついには九州にまで行く。これまでのホラーだと、原因を追究してそこに恐るべき根本の原因が発見されて、それに対してどうするとなるものだが、この映画は「さらにその原因、そのまた原因」という面白さがある。「残穢」というタイトルも実に意味深なタイトルである。

 肝心のホラー度であるが、それほど心底冷やしめられるというほどではない。ただ、原作は小説らしいが、こちらの方がどうも本格的に怖いようである。映画はどうしてもダイジェスト感が強くなってしまうので、これは致し方ないのかもしれない。それでも目的は、「竹内結子」であり、その意味では十分目的は達成された。おまけに、久保さんを演じるのは橋本愛。この人は今の所映画でしか見ない女優さんだが、これまでよりちょっと大人になって、髪も長くなって登場。竹内結子とのコンビは、ビジュアル的に言うことない。

 ストーリーとしては、「面白い要素」が満載であるが、どうもインパクトが弱かった。それは作り方、見せ方なのかはわからない。ただ、原因が原因を呼ぶ連鎖は確かに恐ろしいし、「残穢」という考え方も恐怖を煽る。そうした題材をこの映画は生かしきれていないような気がする。原作が面白そうだ、怖そうだと感じる所以である。まあ、目的が目的なだけに、不満はない。

 原作にちょっと興味をそそられた映画である・・・


評価:★★☆☆☆




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2016年07月30日

MAMA

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原題: Mama
2013年 スペイン・カナダ
監督: アンドレス・ムシェッティ
出演: 
ジェシカ・チャステイン: アナベル
ニコライ・コスター=ワルドー: ルーカス/ジェフリー
ミーガン・シャルパンティエ: ヴィクトリア
イザベル・ネリッセ:リリー
ダニエル・カッシュ: ドレイファス博士
ハビエル・ボテット:ママ

<シネマトゥデイ>
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ゆがんだ母性愛を持つ霊の狂気を描いた新感覚ホラー。アルゼンチン出身の新鋭アンディ・ムスキエティ監督が手掛けた短編作品を、『パンズ・ラビリンス』などで知られるギレルモ・デル・トロ監督の製作総指揮により長編化。謎多き失踪事件から5年ぶりに保護された幼い姉妹を引き取った叔父とその恋人が、不可解な恐怖に襲われる。『ゼロ・ダーク・サーティ』などのジェシカ・チャステイン、『オブリビオン』などのニコライ・コスター=ワルドーらが出演。
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普段あまりホラー映画を観ることはないのだが、なんとなく予告に惹かれて観た映画。ホラー映画を観ないのは、「怖い」からと言うよりも、「怖くないから」といった方が正しい。かつて観た『エクソシスト』のように、心底肝を冷やしめさせるような映画であれば、もっと積極的に観るであろう。(たぶん・・・)
そんなわけで、ホラー映画をあえて観ようとするからには、それなりに期待できそうであるからに他ならないが、この映画はそういう意味でまずまず及第点と言っていい映画であった。

投資仲介会社を営むジェフリーは、共同経営者と妻を殺害し、3歳と1歳の娘たちを連れて逃走する。パパに連れられながら、子供心に何か異変が起こっているとは分かりながら、パパについていくしかない。1歳のリリーはともかく、多少理解できる3歳のヴィクトリアの健気さが哀れを誘う。動揺するジェフリーは、運転を誤り事故を起こす。そして森をさまよう中で、一軒の小屋を見つける。世をはかなんだジェフリーは、心中しようとしたのであろう、娘たちを手に掛けようとするが、何者かによって彼自身が殺されてしまう・・・

それから5年後、ジェフリーの弟ルーカスは、行方不明となった兄と娘たちを探し続け、そしてようやく捜索人の手によって小屋の中で生き延びていた姉妹を発見する。姉妹は社会と隔離されて育っており、精神科医ドレイファス博士が対処する。そして博士の協力を得て、ルーカスは恋人アナベルとともに姉妹と暮らし始める・・・

ドレイファス博士の調査によると、姉妹たちは「ママ」という架空の存在を作り出し、たびたび「会話」しているとする。子供は得てしてそういう想像上の遊びをしがちなもの。しかし、ホラー映画ではそれで終わらない。すぐにアナベルは家の中で、得体の知れない何者かの存在を感じ始める。そしてルーカスは、壁から飛び出した何者かのために階段から落下し、意識を失って入院してしまう・・・

要所要所で観ている者の肝を冷やす演出がなされる。不意を突かれることしばしばで、観る者の背筋を寒くする仕掛けが充実していて、なかなかである。やはり選んで正解であったというのが、途中までの感想。姉妹たちが慕う「ママ」の存在もだんだんとわかってくる。ただ、それが姿を表すと、どうにも盛り上がったムードがトーンダウンしてしまう。恐怖の正体としては、なんとも迫力がない。ただ妙にグロテスクなだけなのである。個人的にはこんな姿なら、最後までぼやかしていた方が良かったのではないかと思う。

成り行きとは言え、恋人の子供と3人で暮らすことになったアナベル。刺青をしたロックバンドのミージシャンであるアナベルは、女性とは言え子育てとは無縁の雰囲気。しかし、次第に姉妹と心を通わせていく。特に狼に育てられた少女のごとく、姉のヴィクトリアにしかなつかなかったリリーが、アナベルに心を許す場面はちょっと心が温かくなる。そんなこともあって、姉妹を守る主役がいつの間にかアナベルになっていく。

そしてラストでは、予想外の展開。ハリウッド映画とは異なるテイストにちょっと驚くが、よくよく見ればヨーロッパの映画であり、それでかと納得。ハッピーエンドとは言えないラストにこの映画の渋さが漂う。かえすがえす、霊の正体が残念であった映画である・・・


評価:★★☆☆☆





posted by HH at 18:55 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ホラー・オカルト・悪魔