
2023年 日本
監督: 橋本一
原作: モンキー・パンチ
出演:
玉山鉄二:次元大介
真木よう子:アデル
真木ことか:水沢オト
さとうほなみ:瑠璃
永瀬正敏:川島武
草笛光子:矢口千春
<シネマトゥデイ>
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モンキー・パンチのコミックを実写映画化した『ルパン三世』で、次元大介を演じた玉山鉄二が再びルパン三世の相棒にふんし、彼を中心とした物語を描くアクション。日本を訪れた天才ガンマンの次元が、ある少女と出会ったことから、悪の組織との戦いに挑むことになる。真木よう子や真木ことか、永瀬正敏、草笛光子などが共演し、監督を『相棒』シリーズや『探偵はBARにいる』シリーズなどの橋本一が担当する。
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次元大介と言えば、ルパン三世の相棒で早撃ちのガンマン(今となってはその設定に時代を感じさせるものがある)。その次元大介を主人公としたスピンアウト作品である。
冒頭、次元大介は何者かと古き良き西部劇の決闘スタイルで対峙する。あいさつ代わりに早撃ちを披露し、相手を倒す。しかし、どこかがおかしい。愛用のコンバット・マグナムの調子がおかしいと次元はメキシコへと飛ぶ。そこでガンスミス(銃の整備士)ケリーを訪ねて射撃の違和感の正体を探ろうとするが、ケリーには問題点を見つけることができず、代わりに世界一のガンスミスが日本にいることを次元に告げる。
そして次元は日本に舞い戻り、飲み屋と風俗と違法賭博の街であり“悪の最果て”とまで呼ばれる「泥魚街」を訪れる。そこはどこか異国風情の架空の街。次元は、飲み屋「山富」で金城という男と会う。泥魚街は犯罪者の巣窟。有名人である次元の行動は、この街を仕切る「鯉のぼり」と呼ばれる組織に筒抜けだと金城は次元に警告する。そして、探しているガンスミスは、矢口という商店街の時計屋を訪ねろと教える。
ガンスミス矢口の正体は老女。次元は矢口にコンバット・マグナムを見せるが、矢口は既に引退した身であると銃の修理を拒否する。一方その頃、泥魚街に住んでいた悠也と恭子は大金になると言われる少女を「鯉のぼり」から奪い逃走する。「鯉のぼり」のトップは車椅子の謎の女性アデル。ヤクザの猪田は、悠也を捕らえて尋問し、アデルが子どもの血液を原料に「違法薬物」を作っているのを突き止めており、アデルに高圧的に権利を要求する。
車椅子の身でありながら、アデルはあっという間に猪田を射殺し、周りにいたヤクザの一味を全員射殺する。ただ一人連れていた護衛川島もこれに加担する。アデルは悠也を殺害し、恭子が連れている少女を探すように川島に命じる。その少女は矢口時計店にとある時計を持ち込む。それは、かつて身籠った自身の子どもをアデルに奪われた恭子に、銃代わりとして矢口が授けたもの。再び矢口の店を訪ね、偶然その場に居合わせた次元。恭子が危機的状況であると察した矢口は、コンバット・マグナムの修理を行う代わりに、次元に協力を求める。こうして物語は動いていく。
スピンアウトでもあり、この映画にはルパン三世他の仲間たちは登場しない。銃の修理のために訪れた泥魚街で事件に巻き込まれる次元。自身の愛用のコンバット・マグナムを修理してもらうために話すことのできない少女・オトと恭子を助ける羽目になり、そして必然的に悪の組織と対立する事になる。次元大介と言えば、早撃ちのガンマン。必然的に物語は、悪の組織と次元との銃撃戦を中心とした対決が見どころとなる。
西部劇の時代から現代はリボルバーよりもオートマが主流になっている。普通に考えれば、装弾数も多く、一々撃鉄を起こさなくても良いオートマの方が圧倒的に有利だとは思うが、そこは次元大介のこだわり。そして破壊力の大きいコンバット・マグナムが威力を存分に発揮する。悪役の撃つ山のような弾は数撃てど当たらず、次元の撃つ弾は面白いように相手を倒していく。時には一発で複数を倒す。そこはアニメの世界のようでもある。
アデルに付き添う川島は変幻自在に姿を変え、アデルも異次元の動きをする。最後の「勝負」もガンファイトではお約束である。こういう映画はあまり真面目に観すぎてもいけない。「そういうもの」だと思ってみるのが正しい鑑賞方法である。そして正しい鑑賞方法に従って鑑賞するのであれば、それなりに楽しめる映画であると言える。もともとアニメが原作であるし、細かいツッコミは抜きにして、あるがままを受け入れて楽しむ映画である・・・
評価:★★☆☆☆