2024年12月16日

【次元大介】My Cinema File 2943

次元大介.jpg
 
2023年 日本
監督: 橋本一
原作: モンキー・パンチ
出演: 
玉山鉄二:次元大介
真木よう子:アデル
真木ことか:水沢オト
さとうほなみ:瑠璃
永瀬正敏:川島武
草笛光子:矢口千春

<シネマトゥデイ>
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モンキー・パンチのコミックを実写映画化した『ルパン三世』で、次元大介を演じた玉山鉄二が再びルパン三世の相棒にふんし、彼を中心とした物語を描くアクション。日本を訪れた天才ガンマンの次元が、ある少女と出会ったことから、悪の組織との戦いに挑むことになる。真木よう子や真木ことか、永瀬正敏、草笛光子などが共演し、監督を『相棒』シリーズや『探偵はBARにいる』シリーズなどの橋本一が担当する。
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次元大介と言えば、ルパン三世の相棒で早撃ちのガンマン(今となってはその設定に時代を感じさせるものがある)。その次元大介を主人公としたスピンアウト作品である。

冒頭、次元大介は何者かと古き良き西部劇の決闘スタイルで対峙する。あいさつ代わりに早撃ちを披露し、相手を倒す。しかし、どこかがおかしい。愛用のコンバット・マグナムの調子がおかしいと次元はメキシコへと飛ぶ。そこでガンスミス(銃の整備士)ケリーを訪ねて射撃の違和感の正体を探ろうとするが、ケリーには問題点を見つけることができず、代わりに世界一のガンスミスが日本にいることを次元に告げる。

そして次元は日本に舞い戻り、飲み屋と風俗と違法賭博の街であり“悪の最果て”とまで呼ばれる「泥魚街」を訪れる。そこはどこか異国風情の架空の街。次元は、飲み屋「山富」で金城という男と会う。泥魚街は犯罪者の巣窟。有名人である次元の行動は、この街を仕切る「鯉のぼり」と呼ばれる組織に筒抜けだと金城は次元に警告する。そして、探しているガンスミスは、矢口という商店街の時計屋を訪ねろと教える。

ガンスミス矢口の正体は老女。次元は矢口にコンバット・マグナムを見せるが、矢口は既に引退した身であると銃の修理を拒否する。一方その頃、泥魚街に住んでいた悠也と恭子は大金になると言われる少女を「鯉のぼり」から奪い逃走する。「鯉のぼり」のトップは車椅子の謎の女性アデル。ヤクザの猪田は、悠也を捕らえて尋問し、アデルが子どもの血液を原料に「違法薬物」を作っているのを突き止めており、アデルに高圧的に権利を要求する。

車椅子の身でありながら、アデルはあっという間に猪田を射殺し、周りにいたヤクザの一味を全員射殺する。ただ一人連れていた護衛川島もこれに加担する。アデルは悠也を殺害し、恭子が連れている少女を探すように川島に命じる。その少女は矢口時計店にとある時計を持ち込む。それは、かつて身籠った自身の子どもをアデルに奪われた恭子に、銃代わりとして矢口が授けたもの。再び矢口の店を訪ね、偶然その場に居合わせた次元。恭子が危機的状況であると察した矢口は、コンバット・マグナムの修理を行う代わりに、次元に協力を求める。こうして物語は動いていく。

スピンアウトでもあり、この映画にはルパン三世他の仲間たちは登場しない。銃の修理のために訪れた泥魚街で事件に巻き込まれる次元。自身の愛用のコンバット・マグナムを修理してもらうために話すことのできない少女・オトと恭子を助ける羽目になり、そして必然的に悪の組織と対立する事になる。次元大介と言えば、早撃ちのガンマン。必然的に物語は、悪の組織と次元との銃撃戦を中心とした対決が見どころとなる。

西部劇の時代から現代はリボルバーよりもオートマが主流になっている。普通に考えれば、装弾数も多く、一々撃鉄を起こさなくても良いオートマの方が圧倒的に有利だとは思うが、そこは次元大介のこだわり。そして破壊力の大きいコンバット・マグナムが威力を存分に発揮する。悪役の撃つ山のような弾は数撃てど当たらず、次元の撃つ弾は面白いように相手を倒していく。時には一発で複数を倒す。そこはアニメの世界のようでもある。

アデルに付き添う川島は変幻自在に姿を変え、アデルも異次元の動きをする。最後の「勝負」もガンファイトではお約束である。こういう映画はあまり真面目に観すぎてもいけない。「そういうもの」だと思ってみるのが正しい鑑賞方法である。そして正しい鑑賞方法に従って鑑賞するのであれば、それなりに楽しめる映画であると言える。もともとアニメが原作であるし、細かいツッコミは抜きにして、あるがままを受け入れて楽しむ映画である・・・


評価:★★☆☆☆








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2024年10月15日

【イコライザー THE FINAL】My Cinema File 2922

イコライザー THE FINAL.jpg

原題: The Equalizer 3
2023年 アメリカ
監督: アントワン・フークア
出演: 
デンゼル・ワシントン:ロバート・マッコール
ダコタ・ファニング:エマ・コリンズ
デビッド・デンマン:フランク・コンロイ
ガイヤ・スコデッラーロ:アミーナ
レモ・ジローネ:エンツォ
エウジェニオ・マストランドレア:ジョルジョ
アンドレア・スカルドゥッツィオ:ヴィンセント

<シネマトゥデイ>
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元CIA工作員が、闇の仕事請負人として悪を抹消する『イコライザー』シリーズの最終章となる第3弾。ある田舎町を安住の地に定めた主人公が、その町を恐怖に陥れる強大な悪に立ち向かう。前2作に続き『トレーニング デイ』などのアントワーン・フークアがメガホンを取り、本シリーズなどでフークア監督と組んできたリチャード・ウェンクが脚本などを担当。オスカー俳優デンゼル・ワシントンがシリーズを通して主人公を演じ、デンゼル主演作『マイ・ボディガード』などのダコタ・ファニングらが共演する。
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『イコライザー』(My Cinema File 1482)シリーズの第3弾。邦題には『THE FINAL』という言葉があり、これが最後という意味なのだろうと思うが、本当なのかと思う。原題には『3』となっているだけで「THE FINAL」という言葉はない。これで終わって欲しくないという気持ちもあって、最後という邦題には抵抗感がある。

物語はイタリア、シチリア島のとあるワイナリーで始まる。ワイナリー主のロレンゾが孫であろう幼い少年を伴ってワイナリーにやって来る。緊張感に包まれた部下に迎えられて銃を持って中に入るロレンゾ。孫には車で待つように告げる。案内されて中に入ったロレンゾを迎えたのは、あちこちに転がる多くの死体。そして辿りついた部屋には銃を構えた部下とそこに座らされているロバート・マッコール。盗まれた物を取り返しに来たと語るマッコールは、例によって9秒とつぶやく。

不利な体勢から一瞬にしてその場にいた全員を射殺する。相変わらずの腕前である。そして目的の物をリュックに詰めてその場を離れる。車に残っていたロレンゾの孫に目を向けるも、相手が子どもであるからか、背を向けて自分の車に向かう。次の瞬間、銃声が響き、驚いたマッコールが振り向くと、そこにはいつの間にか銃を構えた孫がいる。自分が撃たれた事に気づくも、反撃はしない。そのまま車を走らせるが、とある小さな町アルトモンテまでたどり着いて意識を失う。

そんなマッコールを発見したのはイタリアの国家憲兵のジオ。すぐに町医者のエンゾの下に連れて行く。察する事があったのか、エンゾは警察に連絡することもなくマッコールを治療する。やがて回復したマッコールは、CIA専用のコールセンターに連絡し、応対したエマ・コリンズにロレンゾのワイナリーに関する情報を伝える。ロレンゾはナポリを拠点とする巨大マフィア、カモッラの一味で、ワイナリーに大量のドラッグや現金を隠し持っていたのである。その情報と惨状にシチリアに着いたコリンズは驚く。

コールセンター担当からそのまま事件を担当することになったのか、コリンズはドラッグが国際テロリストの活動資金源になっているとして捜査を開始する。一方、傷が癒えたマッコールは、愛用の腕時計を寝室の机にしまい、療養を兼ねた生活に入る。町のカフェに行き、鮮魚店で買い物をし、アルトモンテの町の人たちとの交流を楽しむ。しかし、同時に嫌なものも目に入ってくる。マフィアのヴィンセント・クアランタとその弟マルコらが、鮮魚店のアンジェロを脅してショバ代を奪うのである。

ヴィンセントは小さなショバ代が目当てではなく、この地に巨大リゾート地を建設する事を計画している。そのためには住んでいる住民が邪魔であり、強引に追い出して地上げを行う。警察も買収されていて何もしてくれない。住民たちの間には諦めが漂う。そして支払いが遅れていたアンジェロは店を放火される。監視カメラの映像で犯人を追っていたジオもマルコ一味に家族の前で暴行され、捜査を止めるよう脅される。それを静かに見ているマッコール。どこでどう調べたのか、マッコールに接近するコリンズだが、その行動すらマッコールはお見通しである。

第一弾では薄幸の売春婦を助けたマッコール。相手はロシアンマフィアであった。第二弾でも娘を誘拐された母親を助けていた。自分の利害はともかく、目の前に困っている人がいれば、危険を顧みずに助けるマッコールは、この第三弾でも同じである。冒頭でなぜワイナリーで相手を全滅させたのかも同じ理由である。傷ついた自分を助け、癒してくれた町の人たちを苦しめるマフィアにマッコールの視線は向かう。この第三弾の見どころはマフィアのヴィンセント一家との対決。

「9秒」と告げてその時間内に相手をせん滅するマッコール。しかし、どこか圧倒的な強さの裏に一見投げやりなところも感じさせる。弟のマルコを殺されて怒り狂ったヴィンセントは、町の住民たちに犯人を差し出せと人質を取って脅す。マッコールは丸腰で相手の銃の前に立ち、自分を殺すよう迫る。そこをエンゾが銃を持って抵抗し、触発された町民たちはスマホで撮影しながらこれを支える。その勢いにたじろいだヴィンセントは止む無く立ち去るが、もしすぐに引き金を引いていたらマッコールの命はなかったはずである。

圧倒的な格闘技術を持ちながら、そんな危うさが漂うマッコール。今回も町の人たちを救い、そしてとある老夫婦を救う。心地良い格闘アクション。満足させられる正義感。これで終わりにはして欲しくないとつくづく思う。最後まで満足感に浸れるシリーズ第三弾である・・・


評価:★★☆☆☆








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2024年08月30日

【タイラー・レイク 命の奪還2】My Cinema File 2903

タイラー・レイク 命の奪還2.jpg

原題: Extraction II
2023年 アメリカ
監督: サム・ハーグレイブ
出演: 
クリス・ヘムズワース:タイラー・レイク
ゴルシフテ・ファラハニ:ニック・カーン
アダム・ベッサ:ヤズ・カーン
ティナティン・ダラキシュヴィリ:ケテヴァン
トルニケ・ゴグリキアーニ:ズラブ
オルガ・キュリレンコ:ミア
イドリス・エルバ:謎の黒人男

<映画.com>
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クリス・ヘムズワース扮する凄腕の傭兵タイラー・レイクの過酷な戦いをリアルなアクション演出で描き、Netflixで大ヒットを記録した『タイラー・レイク 命の奪還』の続編。
前作のラストでかろうじて命を取り留めたオーストラリア人の傭兵タイラー・レイクが、刑務所に監禁されているジョージアの残忍なギャングの家族を救出するという新たな任務に就き、再び命をかけた危険な戦いに身を投じていく。
『アベンジャーズ エンドゲーム』などでスタントコーディネーターを務め、前作で長編初メガホンをとったサム・ハーグレイブが今作でも監督を務め、ヘムズワースと再タッグ。同じく前作から引き続き、『キャプテン・アメリカ』 『アベンジャーズ』シリーズや「グレイマン」を手がけたアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟が製作、ジョー・ルッソが脚本を担当。共演は前作から続投のゴルシテ・ファラハニのほか、「モスル あるSWAT部隊の戦い」のアダム・ベッサ、『007 慰めの報酬』 『ブラック・ウィドウ』のオルガ・キュリレンコら。Netflixで2023年6月16日から配信。
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シリーズ第二弾であるが、物語は前回のラストから始まる。橋の上の戦闘で撃たれたタイラーは、意識を失って橋の上から川に落ちる。そしてとある村に流れ着いたところで救助され、そのままドバイに運ばれる。そこで医師団よる懸命な治療により、なんとかタイラーは意識を取り戻す。その間、ニックが献身的に付き添う。意識を取り戻したものの、タイラーは満足に動ける状態ではなく、回復に向けて厳しいリハビリ生活を送る。

一方で物語は水面下で動いていく。ジョージアのとある農家に知事がやってくる。目的はズラブとの面会。その前にズラブの下にカチリ刑務所に収容されている弟ダヴィッドの刑期が伸びたという知らせが入っており、どうやらズラブが知事を呼び出したようである。ダヴィッドはDEAの捜査員を殺害して収容されているが、なんとかしろというのがズラブの要請。しかし、知事の権限では無理だと答える知事。すると、ズラブは知事の首を農具で刺してその場に埋めてしまう。

ズラブはナカジと称するマフィアを組織している。その力によって弟ダヴィッドは、刑務所の中にいる事は避けられないが、妻と子供2人を同じ刑務所内に住ませている。妻ケテヴァンと子供たちは、収容房の中にいて子どもによくない環境だとデヴィッドに訴えるが、デヴィッドは一顧だにしない挙句には殴られる有様で、ケテヴァンには不満が募っている。唯一、長男サンドロだけがナガジに憧れ、父との暮らしに満足している。

厳しいリハビリ生活を乗り越えたタイラーは退院し、ニックから自然に囲まれた山小屋を用意される。そこでのんびり静養生活を送るが、そこに見知らぬ男が姿を表す。聞けば仕事の依頼だと言うが、タイラーはこれを断ろうとする。しかし、依頼人は元妻のミアだと言われると、断るわけにはいかない。そしてミアの依頼とは、妹ケテヴァンが子ども2人と刑務所に住んでいて、そこから彼女らを連れ出すこと。危険な匂いがプンプン漂う。

依頼を引き受ける事にしたタイラーはさっそくトレーニングに取り掛かる。パートナーは
ニックとニックの弟ヤズ。チームを組んでカチリ刑務所へと向かう。あらかじめ看守の1人を買収しておき、その手引きを受けてタイラーは刑務所内に進入する。そしてケテヴァンと子ども2人を探し出し、脱出を試みる。ところが、息子サンドロが父親が一緒でないことに不安を訴える。それでダヴィッドの仲間にバレることになり、刑務所内が騒がしくなって暴動が始まりまる・・・

前作で主人公のタイラー・レイクの活躍を目にし、さすがにNETFLIXで評判になるだけの事はあると思い、続編も迷わず観る事にしたもの。タイラー・レイクのアクションはゴツゴツしたイメージであるが、今回もそれを踏襲する。前作と同様、今回もか弱い依頼人の救出に関わる。ケテヴァンとその子ども2人である。家族と一緒にいたいという夫ダヴィッドの思いは、一見家族思いであるが、それが刑務所の中となるともはや異常である。家族としてはたまったものではない。その脱出を今回タイラーは引き受ける。

しかし、すなおに脱出できれば面白味はない。家族が連れ出されたことはすぐにダヴィッドにつたわり、仲間たちが妨害に走る。この場面の目玉は、激しい暴動の中を突っ切るところだろう。次から次へと襲いかかってくる囚人たちを片っ端からなぎ倒す。銃を持っていても数の前には無力である。撃ち倒したすぐあとに飛び掛かられるとタイラーも肉弾戦で応じるしかない。そしてタイラーには守らなければならない者たちがいる。

さらに刑務所から脱出して終わりではない。武装したナガジのメンバーが車を追ってくる。防弾装備の車であるが、ナガジ側はRPGも装備していて、そうなると防弾車でも耐えきれない。さらにはヘリも持ち出す。列車に乗り替えて逃げるタイラー一行だが、ナガジ武装団は列車にも乗り込んでくる。接近戦となるが、ナガジも防弾チョッキを装備していて、撃ち倒しても終わりではない。このあたりの攻防戦も見応えがある。

まるで軍隊のようなナガジであるが、獅子身中の虫は息子のサンドロ。父親を崇拝するがゆえに、その父から逃げようとする母に反抗し、タイラー一行の隙を見て伯父のズラブに連絡する。逃げ切ったと安心していたタイラーたちに再び完全武装のナガジたちが襲い掛かってくる。とにかく激しいバトルが続く。この迫力がこのシリーズの見どころの一つだろう。最後はメデタシメデタシであるが、ラストで再びタイラーの前に仕事を依頼した男が現れ、新たな仕事を依頼する。それは次の作品の暗示なのだろうか。そうだとすれば、楽しみにして待ちたいと思わされる一作である・・・


評価:★★☆☆☆








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2024年03月16日

【ジョン・ウィック コンセクエンス】My Cinema File 2830

ジョン・ウィック コンセクエンス.jpeg

原題: John Wick: Chapter 4
2023年 アメリカ
監督: チャド・スタエルスキ
出演: 
キアヌ・リーブス:ジョン・ウィック
ドニー・イェン:ケイン
ビル・スカルスガルド:ヴィンセント・ビセ・ド・グラモン侯爵
イアン・マクシェーン:ウィンストン
ローレンス・フィッシュバーン:バワリー・キング
真田広之:シマヅ・コウジ
リナ・サワヤマ:アキラ
シャミア・アンダーソン:トラッカー/ミスター・ノーバディ
ランス・レディック:シャロン
スコット・アドキンス:キーラ
マルコ・サロール:チディ
ナタリア・テナ:カティア
クランシー・ブラウン:告知人
ジョージ・ゲオルギウ:首長

<シネマトゥデイ>
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キアヌ・リーヴス演じる伝説の殺し屋ジョン・ウィックの死闘を描くアクションシリーズの第4弾。裏社会のおきてを破ったことで粛清の対象になったジョンが、組織と決着をつけるべく動きだす。監督は前3作と同じくチャド・スタエルスキ。主演のキアヌ、ローレンス・フィッシュバーン、ランス・レディック、イアン・マクシェーンらおなじみのキャストに加え、『イップ・マン』シリーズなどのドニー・イェン、『IT/イット』シリーズなどのビル・スカルスガルド、真田広之、リナ・サワヤマらが新たに出演する。
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『ジョン・ウィック』シリーズも4作目となる。“聖域”と呼ばれる《コンチネンタルホテル》にて殺しをおこなって《主席連合》から賞金首となったジョン。《主席連合》の若き高官グラモン侯爵は、これまでジョンを守ってきたニューヨーク・コンチネンタルホテルを爆破すると、ジョン殺害のための刺客を呼び寄せる。それはジョンの旧友である盲目の殺し屋ケイン。ケインは既に裏組織を引退していたが、娘を盾に脅されやむを得ずジョンの刺客となる。旧友であるがゆえにジョンの行動をも理解するケインは、日本の大阪へと向かう。

その時、ジョンは友であるシマヅを頼り、大阪・コンチネンタルホテルを訪ねている。既に組織からの手配は回っており、危険を承知でジョンを温かく迎えるシマヅ。シマヅの娘アキラが心配した通り、主席連合がやってくる。聖域であったはずの大阪・コンチネンタルホテルで容赦なく戦いが始まる。ここでこのシリーズの見どころでもあるガン・フーバトルが展開される。シマヅも自ら日本刀を持って戦いに参戦する。娘のアキラも父を助ける。しかし、多勢に無勢、次から次へと襲いかかる敵にアキラが傷を負い、シマズも最強の刺客ケインの前に倒れる。

激闘の末、何とかその場を逃れたジョン。日本を後にしたジョンは、ニューヨーク・コンチネンタルホテルの支配人だったウィンストンと落ち合う。ウィンストンはジョンに、主席連合から自由になるためにある提案をする。それは、連合の古いルールを上手く利用し、一対一の決闘を申し込むこと。ただし、組織同士の全面戦争を防ぐため設けられたこのルールは、決闘者が連合が認めたファミリーに属していることが条件であり、どこの組織にも属していないジョンには資格がない。そこでジョンは、ベルリンを拠点とする古巣《リスカ・ロマ》を訪ねる。

リーダーのカティアは、そう簡単には受け入れてはくれないが、何とか試練ともいうべき依頼をこなしたジョンは再びファミリーとして認められる。それを盾にして主席連合にグラモン侯爵との一騎討ちを申し込むジョン。運命共同体となる介添人はウィンストン。勝てばウィンストンはニューヨーク・コンチネンタルホテルの支配人へと返り咲き、負ければジョンとともに死ぬことになる。決闘の時間と場所、武器を決める。そしてグラモン侯爵は自らの代理人としてケインを指名する・・・

このシリーズは、何と言ってもアクションが見どころ。その期待を裏切ることなく、ジョン・ウィックは戦いを繰り広げる。日本人的には大阪・コンチネンタルホテル(実際の場所があるわけではない)で真田広之とともに《主席連合》軍団との戦いが嬉しいところ。双方とも防弾衣(ジョンはビジネススーツ、軍団は鎧のような全身スーツ)に身を包み、殴る蹴る撃つ斬ると目まぐるしい戦いが展開される。一体、ジョン・ウィックは何人殺しているのだろうとくだらない事を考えてしまう。

さらにショッカーの戦闘員よろしくただバッタバタとなぎ倒されるだけの《主席連合》軍団だけだと面白くもないのであるが、《主席連合》軍団も座頭市のような(アメリカ的にはデアデビルか)盲目の殺し屋ケインに愛犬とペアの凄腕殺し屋トラッカーも参戦する。いずれもジョン・ウィックに引けを取らない腕前である。この盲目の殺し屋ケインを演じるのは、『イップ・マン』(My Cinema File 870)シリーズのドニー・イェン。盲目でありながら、健常者以上の動きをしてしまう。

ラストの決闘シーンもなかなかのもの。これでシリーズは終わりという形である。しかし、本当にそうなのだろうかと疑問が残る。ハリウッド映画ゆえに、都合の良い復活はあるのかもしれない。個人的にはまだまだ観たいと思うアクションシリーズ。続くなら歓迎したい一作である・・・


評価:★★★☆☆








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2024年02月11日

【インディ ジョーンズと運命のダイヤル】My Cinema File 2814

インディ ジョーンズと運命のダイヤル.jpeg

原題: Indiana Jones and the Dial of Destiny
2023年 アメリカ
監督: ジェームズ・マンゴールド
出演: 
ハリソン・フォード:インディ・ジョーンズ
フィービー・ウォーラー=ブリッジ:ヘレナ・ショー
マッツ・ミケルセン:ユルゲン・フォラー
アントニオ・バンデラス:レナルド
ジョン・リス=デイヴィス:サラー
トビー・ジョーンズ:バジル・ショー
ボイド・ホルブルック:クレーバー
シャウネット・レネー・ウィルソン:メイソン
イーサン・イシドール:テディ
トーマス・クレッチマン:ウェーバー大佐
オリヴィエ・リヒタース:ハウケ
カレン・アレン:マリオン・レイヴンウッド
マーク・キリーン:ポンティマス
ナセル・メマルツィア:アルキメデス

<シネマトゥデイ>
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ハリソン・フォードが考古学者の冒険家を演じる『インディ・ジョーンズ』シリーズで、宇宙開発競争が盛んだった1969年を舞台に繰り広げられるアクションアドベンチャー。アメリカとロシアの間で陰謀を企てるナチスの残党を阻止すべく、インディ・ジョーンズが立ち上がる。これまで監督を務めてきたスティーヴン・スピルバーグはジョージ・ルーカスと共に製作総指揮、『フォードvsフェラーリ』などのジェームズ・マンゴールドが監督を担当。フィービー・ウォーラー=ブリッジやジョン・リス=デイヴィス、マッツ・ミケルセンなどが共演する。
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この『インディ・ジョーンズ』シリーズは、『スター・ウォーズ』三部作と並んでハリソン・フォードの代表作だと思う。しかし、ハリソン・フォードもいいお爺さん。いつまでもインディ・ジョーンズではないよねというのが正直なところ。どんな内容なのかととりあえず観ることにしたもの。

時に1944年から物語は始まる。もともと第1作はナチスとの対決だったが、同じ時代背景とは、と思わされる。インディアナ・ジョーンズと、友人であるオックスフォード大学の考古学教授バジル・ショーは、「ナチスが『ロンギヌスの槍』を略奪した」という話を聞き、槍を取り戻すべく行動を開始する。「ロンギヌスの槍」とは、磔刑に処されたイエス・キリストを突いたとされる聖なる槍。敗戦間際のナチスだが、ヒトラー総統に忠誠を尽くすヴェーパー大佐と学者ユンゲル・フォラーはロンギヌスの槍を手に入れ、ベルリンへ搬送しようとする。

インディはロンギヌスの槍を取り戻すべく単身ドイツ軍の将校に扮してナチスの要塞に侵入する。しかし、あっさりと捕まってしまいスパイだと疑われ拘束されてしまう。インディは、自力でナチスの要塞から脱出すると、ロンギヌスの槍を載せた列車に飛び乗る。そして列車を舞台にしたナチスとの争奪戦。しかし、なんと槍は複製品だと判明する。その事実に気づいたフォラーだが、ロンギヌスの槍と一緒に見つけた『アンティキティラのダイヤル』の部品は本物だとわかる。

この「アンティキティラのダイヤル」とは、シチリア島の都市シラクサ出身の天才数学者であり、同時に傑出した発明家・エンジニアでもあったアルキメデスが作り上げたとされる逸物。紀元前213年。「ローマの剣」といわれた共和政ローマ期の政治家・将軍のマルケルスが率いるローマ軍がシラクサの街を包囲した時、アルキメデスは巨大な凹面鏡を作り、太陽エネルギーを集めてローマ軍の軍船を焼き払ったと言われている。そんなアルキメデスの発明品の一つである「アンティキティラのダイヤル」は、“人類の歴史を変える力”を持つとされる究極の秘宝とされている。

インディは同じく捕えられていたバジルを救出すると、2つ分かれていた「アンティキティラのダイヤル」をフォラーから奪い脱出する。そして戦争は終わり、いつしか時は過ぎ1969年のニューヨークへと舞台は移る。ニューヨーク市立大学で教鞭を執っていたインディは定年退職を迎える。冒頭では以前と変わらぬ姿だったインディ・ジョーンズも今の年齢に近くなっている。こういう設定なら観る前に感じていた違和感はない。そしてそんなインディの前に、彼が名づけ親となったバジルの娘ヘレナが現れる。

ヘレナは、既に無くなっていた父バジルが死の間際まで「アンティキティラのダイヤル」の研究に取り憑かれていたこと、そして遺したノートに記されていた内容を話す。そして「アンティキティラのダイヤル」の残り半分を一緒に探そうと持ち掛ける。実はバジルの研究資料により「アンティキティラのダイヤル」には「“時間の裂け目”を予測する方法」が秘められているとわかっている。そしてそれを探しているのは、かつての宿敵フォラーも同じであり、2人の前に手下たちをともなって現れる・・・

こうして今度は「アンティキティラのダイヤル」を巡り、インディとヘレナとフォスターの争奪戦が展開されることになる。エジプトの発掘屋サラーの助けを得てインディはモロッコ・タンジェへと向かう。秘宝を求めて世界各地へ向かうというのは、このシリーズもそうであるが、『ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記』(My Cinema File 410)『ジャングル・クルーズ』(My Cinema File 2723)『アンチャーテッド』(My Cinema File 2754)などすべてに共通する王道パターンである。タンジェでは、市内でボロ車で激しいカーチェイスを展開し、ダイヤルのもう半分を巡る争奪戦はカサブランカ、アテネ、そしてエーゲ海へと移っていく。

ダイヤルに秘められた魔力とは。目まぐるしく展開されるストーリーの合間には、インディと妻マリオンの息子が、父への反抗心ゆえに軍に入隊し、戦死したことが語られる。それが原因で結婚生活が破綻したこともわかり、物語に厚みが加わる。ハリソン・フォードの年齢的にもインディ・ジョーンズシリーズはこれで最後なのだろうと思わされる。ストーリーもそんな事を感じさせるエンディングを迎える。間違いなく、映画史に足跡を残したと言えるインディ・ジョーンズシリーズ。最後まで楽しませてくれた映画である・・・


評価:★★★☆☆







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