2017年03月24日

ミケランジェロ・プロジェクト

ミケランジェロ・プロジェクト.jpg

原題: The Monuments Men
2014年 アメリカ
監督: ジョージ・クルーニー
出演: 
ジョージ・クルーニー: フランク・ストークス
マット・デイモン:ジェームズ・グレンジャー
ケイト・ブランシェット:クレール・シモーヌ
ビル・マーレイ:リチャード・キャンベル
ジョン・グッドマン:ウォルター・ガーフィールド
ジャン・デュジャルダン:ジャン=クロード・クレルモン

<シネマトゥデイ>
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『オーシャンズ』シリーズなどのジョージ・クルーニーが、製作・監督・脚本・主演をこなした実録サスペンス。第2次世界大戦末期を背景に、ナチスドイツに奪われた美術品を取り戻す命令を下された者たちの姿を活写していく。『ボーン』シリーズなどマット・デイモン、『アビエイター』などのケイト・ブランシェット、『ロスト・イン・トランスレーション』などのビル・マーレイら、実力派スターが共演。彼らが繰り出す重厚で濃密な物語もさることながら、戦下での壮絶な戦闘を描写したアクションも見もの。
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 第二次世界大戦と言えば、スターリングラード戦とかノルマンディー上陸とかバルジの戦い、エルアラメインの戦いなど戦闘行為に注目がいく。しかしその陰でナチス・ドイツは支配下に置いた各地域から、絵画や彫刻などの美術品を密かに収集していた。さらに勝利を目指す連合軍による攻撃で、モンテ・カッシーノの修道院等歴史的建造物の破壊などが起こっており、それを危惧したハーバード大学付属美術館長のフランク・ストークスは、それらの保護をフランクリン・ルーズベルト大統領に直訴する。

 話を聞いたルーズベルト大統領は、ストークス自身に若い美術学者を率いて美術品を保護する役割を担うよう要請する。それを受けたストークスは、アメリカ各地を回ってジェームズ・グレンジャー、リチャード・キャンベル、ウォルター・ガーフィールド、ドナルド・ジェフリーズ、プレストン・サヴィッツ、ジャン=クロード・クレルモンの6人の美術専門家を招集し、美術品救出作戦を実行する部隊「モニュメンツ・メン」を結成する。

 一行の身分は軍人となるため、イギリスの英軍基地で新兵訓練を受ける。兵士には向かない年齢、体型の一行は慣れない訓練に戸惑いつつ、ノルマンディーからヨーロッパに上陸する。その頃ナチス・ドイツが占領するパリでは、美術館で働くクレール・シモーヌは上司のシュタールに嫌悪感を抱きつつも秘書を務めている。忠実な秘書のふりをしながら、美術品の行方に目を光らせていたシモーヌだったが、レジスタンス運動を行っていた弟が美術品を積んだナチスのトラックを盗もうとして射殺されてしまう。そしてシュタールは、シモーヌの目の前で美術品を列車に積み込み、いずこかへと消えてゆく・・・

 こうして美術品を巡り、モニュメンツ・メンたちの追跡劇が物語となる。史実に基づいているとはいえ、映画はフィクションなのでそこそこ盛り上がるシナリオにはなっているのだろうが、命のやり取りをしている最前線では「美術品より人の命」なわけであり、モニュメンツ・メンの面々も大歓迎というわけではない。たぶん、史実もそうだったのではないかと思わされる。

そもそもであるが、戦争中に美術品に目が行くのは、それだけ戦況にゆとりがあった証拠なのかもしれないと思ってみたりする。米軍は日本でも京都に対する爆撃は避けたというし、そんなゆとりがあったから戦争に勝ったのか、勝っていたからゆとりがあったのか、われらが祖先の日本軍はどうだったのか詳しくは知らないが、いずれにしても彼我の差を感じさせるエピソードである。

 主演は、監督も兼任するジョージ・クルーニー。特別ミッションのチームを率いるリーダーであるが、この人は『オーシャンズ』シリーズとか『スリーキングス』とか似たようなリーダー役が多い気がする。たぶん、その雰囲気がそうさせているのだろうが、ここでもリーダー役が良く似合う。

 そしてマット・デイモンもアクションを封じて参加。その他ビル・マーレイやジョン・グッドマンなどのお馴染みの役者さんや、ケイト・ブランシェットなど豪華出演陣も飽きさせない内容。戦争映画であるものの、戦闘行為に主眼が置かれていないからあまり戦争映画らしくはない。戦争映画と位置付けるかどうかは微妙なところである。

 まぁ、こういう映画もいいなと思わされる映画である・・・


評価:★★☆☆☆




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2016年05月04日

勇者たちの戦場

勇者たちの戦場.jpg

原題: Home of the Brave
2006年 アメリカ
監督: アーウィン・ウィンクラー
出演: 
サミュエル・L・ジャクソン:ウィル・マーシュ
ジェシカ・ビール:ヴァネッサ・プライス
ブライアン・プレスリー:トミー・イェーツ
カーティス・ジャクソン:ジャマール・アイケン
クリスティーナ・リッチ:サラ
チャド・マイケル・マーレイ:ジョーダン・オーウェンズ
ヴィクトリア・ローウェル:ペネロープ・マーシュ

<映画.com>
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「五線譜のラブレター/DE-LOVELY」のアーウィン・ウィンクラー監督が、イラク戦争から帰還したアメリカ人兵士たちの苦悩を描いた戦争ドラマ。イラクで人道的任務に就いていた兵士たちが、帰国直前に反米勢力による襲撃を受けた。熾烈な戦いの末に1人が死亡し1人が重傷、残る面々も心に大きな傷を負う。その傷は故郷へ帰っても癒えることはなく……。出演はサミュエル・L・ジャクソン、「ステルス」のジェシカ・ビールほか。
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何となく面白そうだと思い、出演陣もそれなりに名の知れた俳優陣だし、と観てみることにした映画。2006年ともう10年前の作品なのになぜ今まで知らなかったのだろうという疑問もふと脳裏をよぎる。

物語はイラク戦争下のイラクで始まる。軍医のウィル。輸送部隊のバネッサ。歩兵のトミー、ジャマールらは帰国命令が下る。そしてその前に人道支援物資を輸送する命令が下る。部隊がある街に入る。すると現地人のトラックが荷下しのために停車し、部隊は停止せざるをえなくなる。そして予想通りの襲撃。

反撃に出る兵士たち。しかし輸送部隊のバネッサは、路上に仕掛けられた爆発物が爆発し、隣の席に座っていた上官が爆死。自身も右腕の先を失う負傷をする。トミーは共に応戦していた親友のジョーダンが目の前で戦死する。ジャマールは建物内で誤って現地女性を射殺、軍医のウィルは懸命に負傷兵の応急処置を行う。

やがてそれぞれ帰国を果たす。しかし、右腕を失ったバネッサは義手と格闘する生活の中で、恋人との間に距離を置くようになる。トミーは職場への復帰を断られ、映画館で働きながら親友を失った悲しみから逃れなれない。ジャマールは恋人の冷たい態度や周りにイライラをぶつける。ウィルは不眠症に陥り、妻や子供との関係がギクシャクする。

いわゆる戦闘後のPTSDを扱った映画である。2006年といえばまだイラク戦争も完全には終結していない時期で、この時期に既にこう言う映画が作られていたということにちょっとした意外性を感じる。戦争によるPTSDについては、既にベトナム戦争で採り上げられており、スタローンの『ランボー』が個人的にはその最初だったと記憶している。そんなこともあって、PTSDについてはテーマとしては「手垢がついた」感がある。

軍医のウィルは、反抗的な息子との関係に悩む。反戦を主張する息子について、「自分が反戦的だったらあいつは志願するだろう」と語ったところは十分頷ける。親子関係がただでさえ難しい時期に、ウィルもPTSDに悩まされているとなると、それはそれで苦労だろう。しかしながらイラク戦争については、「石油が狙いなんだろう」と息子に語らせていて、早くもこの時期にそうした見方が出ていたのかと思わせられる。。映画自体も十分反戦メッセージを伝えているわけであるが、その標的は兵士ではない。

いろいろと考えさせてくれる要素は満載だが、エンターテイメントとして如何なものかと問われたら、「イマイチ」というほかない。これまでこの映画の存在すら知らなかったのも多分そこに原因がある。メッセージも重要であるが、伝わらないと意味がない。映画という形をとるのであれば、エンターテイメント性というのも重要であるように思う。

製作者の意図としては、大きな問題として捉えているのかもしれないが、それは「戦争を仕掛けた国」の問題であり、それはそれとして、映画としては「1度観れば十分」という評価をせざるをえないのもやむを得ない映画である・・・


評価:★★☆☆☆




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2016年03月22日

スターリングラード 史上最大の市街

スターリングラード.jpg

原題: Сталингра́д
2014年 ロシア
監督: フョードル・ボンダルチュク
出演: 
ピョートル・フョードロフ:グロモフ
マリヤ・スモルニコワ:カーチャ
トーマス・クレッチマン:カーン
ヤニナ・ストゥディリナ:マーシャ
セルゲイ・ボンダルチュク:アスターホフ
ドミトリー・リセンコフ:チュヴァノフ
アンドレイ・スモリャコフ:ポリャコフ
アレクセイ・バラバシュ:ニキフォロフ
オレグ・ボルク:クラスノフ

<映画.com>
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第2次世界大戦下のソ連で起きた大規模な市街戦、スターリングラード攻防戦を、ソ連軍の視点から描いたロシア製戦争アクション。1942年11月、ソ連領内のスターリングラード市内では、ナチスドイツをはじめとする枢軸軍とソビエト赤軍が激しい攻防を繰り広げていた。そんな中、枢軸軍が占領した地区の建物に立てこもったソ連兵たちは、そこでドイツ兵に殺されそうになっていたユダヤ人の少女を救い出す。ドイツ将校役に「戦場のピアニスト」のトーマス・クレッチマン。監督は「プリズナー・オブ・パワー 囚われの惑星」のフョードル・ボンダルチュク。
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最近ロシア映画を観る機会が多くなっている。
ハリウッド映画にも引けを取らない内容であり、結構満足度が高い。
そんなロシア映画で、「スターリングラード」とくれば、期待度は嫌が応にも高まるというもの。
かつて同名の映画『スターリングラード』(ただし原題は違う)を観たが、あれは実在のスナイパーを主人公としたものであった。
今回は、「史上最大の市街戦」というサブタイトルも付いていて、「そういう内容」を期待したのだが・・・

物語は東日本大震災から始まる。
いきなり日本語のナレーションで、再生言語を間違えたかと思ってしまう。
被災地入りしたロシアの救助チームのある男が、被災者を励ますにあたり、「五人の父親」について語る。
なんとなく違和感たっぷりの被災地のシーンである。
五人の父親とは、というところから、時間は1942年へと遡る。

ヴォルガ川を渡ったロシアの斥候チームがあるアパートを占拠する。
ドイツ兵は目と鼻の先。
そのアパートには、もともとそこに住んでいたカーチャという少女が今もまだ住んでいる。
ロシアの斥候チーム6人は、カーチャとともにアパートの維持という任務に就く。

一方、対峙するドイツ軍は、将校カーンが指揮をとる将軍の下、不満を抑えて戦っている。
偶然見つけた妻に似たロシア女性に密かに食料を届けている。
そして将軍にそれがバレ、ロシア軍の斥候が占拠するアパートの奪還を命じられる。
かくして一軒のアパートを巡り、両軍が激突することになる。

なんとなく「史上最大の市街戦」というタイトルに、両軍による激しい攻防戦の展開を期待したのであるが、どうも予想とは視点がずれてしまい、違和感を抱く。
激戦地にありながら、双方に二人の女性が登場し、それぞれの兵士たちとの人間ドラマに物語の主軸が置かれる。

後から見れば、「史上最大の市街戦」というのは、日本で勝手につけた邦題であり、例によって内容無視のいかがわしきものだと判明する。
戦闘シーンは、もちろん迫力があって良かったのであるが、人間ドラマならそういう余計な期待を起こさせるような邦題をつけるのはやめてほしいものである。

東日本大震災のシーンとか、五人の父親とか、少々ストーリーに無理があったところはあるが、戦闘シーンの迫力と瓦礫の中での人間ドラマとは、そこそこ見応えがあったのは事実である。
これだけの史実であり、今度はドイツ側の視点から描かれた映画を観てみたいと密かに思ってみたりする。

邦題にはげんなりさせられたが、内容にはまずまず、そして次にも期待したいロシア映画である・・・


評価:★★☆☆☆



posted by HH at 19:58 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 戦争/戦場ドラマ

2015年08月15日

プラトーン

プラトーン.jpg

原題: Platoon
1986年 アメリカ
監督: オリバー・ストーン
出演: 
チャーリー・シーン:クリス・テイラー
トム・ベレンジャー:ボブ・バーンズ2等軍曹
ウィレム・デフォー:エリアス・グロージョン3等軍曹
ケヴィン・ディロン:バニー
フォレスト・ウィテカー:ビッグ・ハロルド
ジョン・C・マッギンリー:レッド・オニール
フランチェスコ・クイン:ラー
デイル・ダイ:ハリス大尉
ジョニー・デップ:ガーター・ラーナー

<映画.com>
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ベトナム戦争の最前線を舞台に、地獄のような戦場と兵士達の赤裸々な姿を描く。
製作はアーノルド・コペルソン、エグゼクティヴ・プロデューサーはジョン・デイリーとデレク・ギブソン、監督・脚本は『ミッドナイト・エクスプレス』、「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」の脚本を執筆したオリヴァー・ストーン、撮影はロバート・リチャードソン、音楽はジョルジュ・ドルリューが担当。
出演はチャーリー・シーン、トム・ベレンジャーほか。
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アカデミー賞作品賞に輝き、オリバー・ストーン監督の名前を知らしめたこの作品も、早や30年前のものとなりつつある。
この時期、機会があれば過去の作品を観るようにしているが、今回選んだのはこの作品。
観るのは、実に28年ぶりである。

舞台は、ベトナム。
今ではイラク戦争が主流となりつつあるが、当時はまだベトナムだ。
しかも、従来戦争映画と言えば、好戦的なものが多かった中で、『ディア・ハンター』が出て、ベトナム戦争の暗部が描かれ、その流れに沿ったものとして登場したのが本作品。
オリバー・ストーン監督自身がベトナム帰還兵でもあり、その実体験に基づいているというのも、売り文句であった。

そのベトナムに一人の新兵が降り立つ。
その男クリスは、裕福な白人家庭出身でありながら、貧しい地域の出身者たちがベトナムに送られている現実に憤り、志願してきたのである。
現代にも通じる「経済的徴兵制」の一端がここにうかがえる。

やってきたベトナムのジャングルは、しかしそんなクリスの意気込みに対し、想像以上に過酷。
そして周りにいる兵隊たちも、下層階級の出身者らしく、その言動は荒っぽい。
ドラッグと酒が蔓延し、規律もかろうじて保たれている感じがする。
クリスが配属された部隊は、カンボジア国境付近の小隊。
そこは、バーンズ軍曹とエリアス軍曹が、それぞれの部隊を率いている世界。

ジャングルの中での戦闘。
ちょっと前まで冗談を言っていた者が、戦闘で命を落とす。
物語のターニングポイントとなるのは、ある村での出来事。
ベトコンの滞在地を発見した部隊は、しかし仕掛け爆弾で仲間を失い、そして姿を消した仲間が首を切られて死んでいるのを見つける。
そんな流れの中で村に入ったバーンズ軍曹の部隊は、隠されていた武器を発見する。

無抵抗の村民をへらへら笑っていることに腹を立てて、銃で殴り殺す。
ベトナム語で抗議してきた女性を射殺する。
冷静に見ればとんでもないことであるが、仲間を惨殺された怒りが画面からも伝わってきて、兵士たちの心情も理解できる。
そしてここで、バーンズの無法行為に腹を立てるエリアス。
両者は決定的な対立をする。

映画は全編ジャングルの中。
クライマックスの戦闘シーンを含め、ほぼ全編にわたってジャングルでのパトロール、戦闘の連続。
そこに描かれるのは、勇猛果敢な戦闘ではなく、人間の汚い側面。
戦場はいかにきれいごとではないと言っても、やっぱりこんな現実は見たくない。
だが、考えてみればこんなことは実際たくさんあったのだと思う。

こんな経験をしたのに、アメリカはいまだに世界で戦争を起こしている。
軍産複合体の影響による目に見えない力のせいかもしれないが、学んでいないと思わざるを得ない。
若き日のチャーリー・シーンに、トム・べレンジャーにウィレム・デフォーが迫力ある共演。
そしてなんと若かりしジョニー・デップも端役で出演しているのを見つけてしまった。

30年経っても色褪せない。
戦争の姿をリアルに伝える、オスカーも納得の一作である・・・


評価:★★★☆☆




posted by HH at 01:15 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 戦争/戦場ドラマ

2015年05月09日

誰が為に鐘は鳴る

誰が為に鐘は鳴る.jpg

原題:  For Whom the Bell Tolls
1943年 アメリカ
監督: サム・ウッド
原作: アーネスト・ヘミングウェイ
出演: 
ゲイリー・クーパー:ロバート・ジョーダン
イングリッド・バーグマン:マリア
エイキム・タミロフ:パブロ
カティナ・パクシノウ:ピラー
ウラジミル・ソコロフ:アンセルモ
ジョゼフ・カレイア:エル・ソルド
アルトゥーロ・デ・コルドヴァ:アグスティン

<映画.com>
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アーネスト・ヘミングウェイ(「破局」)の同名の長篇小説を色彩映画化した1943年作品。
B・G・デシルヴァが製作指揮し、「アパッチ族の最後」のサム・ウッドが製作、監督に当たった。
脚色は「駅馬車(1939)」のダドリー・ニコルズ、撮影は「ネブラスカ魂」のレイ・レナハン、音楽は「旅愁」のヴィクター・ヤングの担当である。
主演は「ダラス」のゲイリー・クーパーと「白い恐怖」のイングリッド・バーグマンで、以下エイキム・タミロフ、「情炎の海」のアルチュロ・デ・コルドヴァ、「ヴァレンチノ」のジョセフ・カレイア、「渡洋爆撃隊」のウラジミル・ソコロフ、本作品でアカデミー助演賞を得たカティナ・パクシヌーらが助演する。
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中学生の頃、『武器よさらば』を読んで感動し、アーネスト・ヘミングウェイの本を続けて読んだ。
たしか、『日はまた昇る』とともに、この映画の原作も読んだと思うのだが、ともにもう内容は忘れてしまっている。
そんなこともあって、ストーリー含め新鮮な気持ちで観ることとなる。

舞台は1937年のスペイン。
当時のスペインはフランコ率いる反政府軍と政府軍との間で内乱となっており、ナチスドイツのファシズム勢力がフランコを支援し、ソ連などが政府軍を支援。
きたるべき第2次世界大戦の前哨戦の様相を呈していた。

物語はそんなスペインで、政府軍(共和国側)を支援するために戦いに馳せ参じていたアメリカ人のロバートが主人公。
冒頭では列車を爆破したロバート。
そのロバートは、次の任務として山間の峡谷にかかる橋の爆破を命じられる。

ロバートはアンセルモという同志を連れて現地に赴く。
そしてそこで地元のゲリラと合流する。
ゲリラのリーダーは、パブロ。
しかし、このパブロ、リーダーとしては過去の経験から行動は慎重。
というよりも、安全第一で、ロバートの行動には非協力的。
ところが夫人のピラーの方が闘争的で、パブロに取って代わってゲリラのリーダーとなる始末。

爆破の期限が迫る中、内部分裂あり反乱軍との交戦ありと、物語は紆余曲折を経ていく。
その一方で、ロバートはゲリラに匿われている女性マリアに心惹かれていく。
マリアはゲリラに両親を殺された挙句、見せしめに髪を切られ、傷心を癒していたが、同じようにロバートに惹かれ、人生に新たな希望を見出していく。

戦闘とロマンスとの組み合わせは、『武器よさらば』もそうであったが、ドラマチックな物語の王道パターンだ。
髪の毛を切られて坊主にされたことを、今の感覚からすると異様に気にするマリア。
そのあたりは、時代を感じさせるシーンだが、王道パターンといい、古い映画の雰囲気を感じさせるものがある。

この映画が製作されたのは、1943年。
第2次世界大戦の真っ只中。
深刻な戦争の真っ最中だったはずだが、こんな映画を創ってしまうアメリカの奥深さを感じてしまう。

主人公たちの活躍にも関わらず、内戦はフランコ率いる反政府軍の勝利に終わる。
そんな歴史的事実を踏まえて観ていると、映画の余韻もより一層深まるのかもしれない。
もう一度、『武器よさらば』を読んでみたいという気持ちにさせられた映画である・・・


評価:★★☆☆☆



    
     
posted by HH at 16:47 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 戦争/戦場ドラマ