
原題: Glass
2019年 アメリカ
監督: M・ナイト・シャマラン
出演:
ブルース・ウィリス:デヴィッド・ダン
サミュエル・L・ジャクソン:ミスター・ガラス
ジェームズ・マカボイ:ケヴィン・ウェンデル・クラム
アニヤ・テイラー=ジョイ:ケイシー・クック
スペンサー・トリート・クラーク:ダンの息子
シャーレイン・ウッダード:ミスター・ガラスの母
サラ・ポールソン:精神分析医
<映画.com>
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M・ナイト・シャマラン監督がブルース・ウィリス&サミュエル・L・ジャクソン共演で送り出した「アンブレイカブル」のその後を描いたサスペンススリラー。同じくシャマラン監督作でジェームズ・マカボイ主演の『スプリット』とも世界観を共有する。フィラデルフィアのとある施設に、それぞれ特殊な能力を持つ3人の男が集められる。不死身の肉体と悪を感知する力を持つデヴィッド、24人もの人格を持つ多重人格者ケヴィン、驚くべきIQの高さと生涯で94回も骨折した壊れやすい肉体を持つミスター・ガラス。彼らの共通点は、自分が人間を超える存在だと信じていること。精神科医ステイプルは、すべて彼らの妄想であることを証明するべく、禁断の研究に手を染めるが……。「アンブレイカブル」でデヴィッドを演じたウィリス、ミスター・ガラスを演じたジャクソン、『スプリット』でケヴィンを演じたマカボイが同役を続投。
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登場人物の1人デヴィッド・ダンは、妻を5年前に亡くし、今は息子のジョセフと共にフィラデルフィアで家庭向けのセキュリティー器具を売る店を営んでいる。しかし、ダンはその裏で息子の助けを借りながら密かに人々を犯罪から守っている。実はダンは、不死身の肉体と悪を感知する力を有していて、常人にはできないことが可能なのである。最近は散歩と称し、連続する監禁事件について探っている。
その連続監禁事件の犯人は「群れ」と称される男で、実は『スプリット』(My Cinema File 2085)に登場した解離性同一性障害の男ケヴィンである。今回もまた学生チアガールを誘拐して監禁している。息子とともにそれまでの行動パターンから監禁場所と思われる倉庫街を割り出し、「散歩」していたダンは偶然ケヴィンとすれ違いざまに肩が触れあう。その瞬間、ダンにはケヴィンが犯人で、監禁されている女性たちの姿が脳裏に浮かび上がる。
すぐにケヴィンのアジトに行き、監禁されていた女性達を救出したダンだが、そこにケヴィンが戻ってくる。そして24ある人格のうちもっとも強力な強さを誇る「ビースト」が現れる。対するダンも超人的な力を有し、2人の戦いは人間の常識を超えた激しいものとなる。その激しい戦いは決着がつく前に終わる。現れた警官隊に包囲され、2人の「野獣」は拘束されてフィラデルフィアの精神病院に送り込まれる。そこで待ち受けていたのはエリー・ステイプル医師。
ステイプル医師は2人の弱点を心得ている。ダンは水に弱いため、独房内には強力なスプリンクラーが設置されていて、何かあれば放水してダンの力を奪うことができる。ケヴィンについては、厄介なのはビーストであり、強力な照明装置の点灯により人格を切り替えてしまうことによってその力を封じてしまうのである。ステイプル医師は自分がスーパーヒーローであると妄想を抱く人々の治療を専門としており、2人の治療を開始する。
一方、そのステイプル医師のカウンセリングを受ける男がもう1人いる。それは、フィラデルフィアでの列車事故の首謀者「ミスター・ガラス」と呼ばれるイライジャ・プライス。ガラスと称される通り、イライジャの体は弱く、それまでに94回の骨折をしており、歩くのもままならないのか車椅子である。しかし、その明晰な頭脳はずば抜けており、実は監禁されつつも密かに厳重に施錠された部屋から抜け出て病院内の設備を掌握している。そしてある計画を胸に秘めている。
4人目の登場人物は、『スプリット』(My Cinema File 2085)でケヴィンに誘拐されたケイシー。ケイシーは恐ろしい目にあったにもかかわらず、病院にやってきてケヴィンとの面会を求める。当初は反対されたものの、ケヴィンと話をさせるとケヴィン内の様々な人格とうまく話ができる事が判明する。監禁された際のやり取りの成果なのだろう。この成果はステイプル医師も認めざるを得ず、継続的にケイシーに話をさせることにする。時にフィラデルフィアでは最も高いオオサカタワー開業のニュースが流れている・・・
この映画は三部作の最終作だという。「アンブレイカブル」も『スプリット』(My Cinema File 2085)も観ているが、どちらも連作という認識はまったくなかった。それが突然融合された感じで、よほど意識していないとわからない。しかし、前2作を観ていなくとも、あるいは観ていてもシリーズだとわからなくとも一応観ることはできる。実はステイプル医師は、精神科医ではなく、ある組織から派遣されていた女。その組織の目的は、超人の存在を世の中から隠す事。ミスター・ガラスはその計画を破綻させようと目論む。
超人と言っても力が強いだけというもの(ダンには「察知力」があるようであるが)。氾濫するスーパーヒーローモノから比べるとかわいいものだと言えるだろう。それゆえに人間によって制圧されることも可能である。この映画はスーパーパワーを持つスーパーヒーローの物語というよりも、常人よりも優れた能力を持つ者を封じ込めようとする人間とのドラマと言える。世間に見せては不都合な真実をこの世から葬ろうとする勢力とそれに抗う者との物語である。
そういう意味では、単純に観て楽しめる映画という範疇に収まるものではない。それにしても連作だとわかっていたら、せめて「アンブレイカブル」はもう一度観ていたと思う。時間も経ちすぎていてもはや内容もあまり記憶にない。わかっていたらもう少し意味がわかって面白味が増していたかもしれない。それでも名優ががっぷり四つに組んだ見応えのある一作である・・・
評価:★★★☆☆





