2017年08月19日

天空の蜂

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2015年 日本
監督: 堤幸彦
原作: 東野圭吾
出演: 
江口洋介:湯原
本木雅弘:三島
仲間由紀恵:赤嶺
綾野剛:雑賀
柄本明:室伏
國村隼:中塚
石橋蓮司:筒井
竹中直人:芦田
向井理:高彦(成人)

<シネマトゥデイ>
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人気作家・東野圭吾が原子力発電所を題材に1995年に発表した傑作小説を、堤幸彦監督が映画化した社会派サスペンス。最新鋭の大型ヘリを手に入れたテロリストが、日本全国の原発の停止を求め稼働中の原発上空でホバリングさせるテロ事件を描く。困難な直面に立ち向かうヘリコプター設計士を江口洋介、原子力機器の設計士を本木雅弘が演じ、初めての共演を果たす。東日本大震災による原発事故を経験した日本において、改めて社会と人間の在り方を問う衝撃作。
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東野圭吾の本は、新刊が出るとすぐ読むようにしている。そのため映画化されても大抵は「原作を読んだ後」になる。これもその1つ。原作を読んでみて印象深かったのは、「3.11」の後だったからだろう。まさに「3.11」で起こる原発の問題を予告しているかのような内容だったからである。それがどう映画化されるかは、楽しみにしていたところである。

主人公の湯原は、錦重工業の設計士で、今まさに小牧工場から自衛隊に納入する巨大ヘリコプター「ビッグB」の試験飛行見学のため家族を連れて工場にやって来る。家庭を顧みなかった湯原は妻とも折り合いが悪く、息子の高彦との関係もぎくしゃくしている。慌ただしく準備が進む中、高彦は第三格納庫内の「ビッグB」を見つけ中に入り込む。ところが突然、「ビッグB」は始動し、無人のまま飛び立ってしまう。

「ビッグB」は、何者かにコントロールされ、遠隔操縦によって高速増殖炉「新陽」の上へとやってきて、そこでホバリングしながら停止する。さらに日本政府へ脅迫状が届き、そこには現在稼動中や建設中の原発の発電タービンを全て破壊せよと記されている。機内には大量の爆薬を満載しているということも判明し、関係者一同騒然とする。要求が満たされなければ「ビッグB」を「新陽」に墜落させるという脅迫は、国土の大半を人の住めない場所にしてしまう可能性を秘めている。

「ビッグB」が上空にホバリングしていることの出来る時間は8時間。原発への落下を阻止しなければならない上、機内には湯原の息子高彦が取り残されていて、救助しなければならない。政府は、犯人との交渉で原発の一時停止を受け入れる代わりに子供を救出する許可を得る。原発の稼働が止まった各地では、節電要請が出され、工場の稼働が抑えられエアコンや電灯などの使用が控えられる。まさに「3.11」後の状況が現出される。リスクと利便性との対立になるのであるが、これを「3.11」の前に書いているのがすごいところである。

物語は、このテロ行為を仕掛けた犯人と湯原らとの対立、対決へと続く。ストーリーももちろん面白いしろいし、映画ならではの映像は迫力あるものになっている。小説とはまた違った見所があるというものである。懸念していたのは、原作本は厚みのある内容で、映画化しきれるのかという部分であった。だが、幸いストーリーも自然に溶け込んでいて、「省略感」も少なくて済んだ。これなら映画化も悪くないと思う。

小説は小説、映画は映画で、一粒で二度美味しい一作である・・・


評価:★★☆☆☆





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2017年08月18日

【サイバー・ストーカー】

サイバー・ストーカー.jpg

原題: Ratter
2015年 アメリカ
監督: ブランデン・クレイマー
出演: 
アシュリー・ベンソン:エマ
マット・マクゴーリ:マイケル
レベッカ・ナオミ・ジョーンズ:ニコール
ケイリー・バーノフ:エマのママ

<KINENOTE解説>
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女性に忍び寄るネットストーカーの恐怖を描いたサスペンススリラー。ニューヨークで初めてのひとり暮らしをすることとなった大学院生・エマ。同級生のマイケルとつき合い始めた頃から、無言電話や悪質なハッキング被害に遭うようになり…。
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舞台は、アメリカ・ニューヨーク。ウィスコンシン州からやってきたエマは、荷解きをし、新しい部屋の様子を家族にネット通話で見せながら話をしている。その楽しそうな様子を家族はPCの画面を通じてみているわけであるが、もう1人それを見ている人物がいる。冒頭でエマのネット回線にアクセスした人物で、以降PCやスマホの画面を通してエマの生活を見ていく形で映画は進む。

今やスマホはすっかり日常生活の一部となり、スマホやPCのみならず、テレビまでネットに接続される時代であり、そんな時代の技術を悪用し、ネット回線を通じて持ち主の様子をスートキングする者もいるという。そういうアプリもあるようであるが、この映画は何らかの方法でエマの回線に忍び込んだ男が、エマの生活を観察していく物語となっている。

男はスマホやPCや、たぶんネットに接続しているテレビの画面を通じてエマの日常生活を観察していく。大学へ出かけると、スマホの画面からエマの様子がわかる。部屋に帰ると、下着姿で歩き回ったり、趣味のバレエの練習をしたりする様子がすべて見られている。さらにPCに保存していた写真もすべて閲覧され、何枚かの写真は消去されてしまう。

シャワーを浴びるエマの様子も見られている。脛の毛を処理する様子を観察していた男は、同じカミソリをエマに送る。エマには心当たりはないが、損するものでもなく受け取る。男はパソコンから突然音楽を流し、出前を取る時に住所を聞き取ってしまう(位置情報でわかるような気もするが・・・)。考えてみれば実に恐ろしい事である。

当然、本人にはまったくわからない。ところが、こういう男は顕示欲が強いのか、観察だけでは飽き足らず、次第に自らの存在感を示していく。夜中に突然ドアを叩くシーンは、エマならずとも驚かされる。そしてさらにエマの留守中に部屋に侵入し、もっとエスカレートすると、就寝中にベッドのそばに立っていたりする。この映画はホラー映画ではないのだが、下手なホラーより恐ろしいかもしれない。

便利な生活も、知らないところで新たな恐ろしい脅威を生み出しているのかもしれない現代。単なる映画だからと安心してもいられない気がする。一般ユーザーは、このエマのように危機そのものに気付かないかもしれない。そういう事態への警鐘という意味が、この映画にはあるのかもしれない。
あまり期待して観たわけではなかったが、思いがけずいろいろと考えてしまった映画である・・・


評価:★★☆☆☆





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2017年07月22日

チャイルド44 森に消えた子供たち

チャイルド44 森に消えた子供たち.jpg

原題: Child 44
2015年 アメリカ
監督: ダニエル・エスピノーサ
出演: 
トム・ハーディ:レオ・デミドフ
ゲイリー・オールドマン:ネステロフ将軍
ノオミ・ラパス:ライーザ・デミドワ
ジョエル・キナマン:ワシーリー
パディ・コンシダイン: マレヴィッチ
ジェイソン・クラーク:ブロツキー
バンサン・カッセル:クズミン少佐

<シネマトゥデイ>
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トム・ロブ・スミスのベストセラー小説を基にしたサスペンスミステリー。1950年代のソ連を舞台に、子供ばかりをターゲットにした連続猟奇殺人事件の真相を暴こうとする秘密警察捜査官の姿を追う。メガホンを取るのは、『デンジャラス・ラン』などのダニエル・エスピノーサ。主演を務める『マッドマックス 怒りのデス・ロード』などのトム・ハーディを筆頭に、ゲイリー・オールドマン、ヴァンサン・カッセルらが顔をそろえる。謎が謎を呼ぶ展開に加え、演者たちが織り成す緊迫感に満ちたストーリー展開に引き込まれる。
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時は1933年、スターリン体制下のソビエト連邦。ウクライナの飢饉で孤児となった少年は、孤児院から脱走し、とある軍人に保護される。軍人は少年に「レオ」という名前を与え養子にする。そして時は流れ、1945年のベルリン。成長したレオ・デミドフは、戦友のアレクセイ、部下のワシーリーと戦火の中。激しい戦闘におびえるワシーリー。レオはソ連国旗を国会議事堂の建物屋上から掲げることになり、その写真が報道され戦場の英雄となる。

そしてさらに時を経た1953年、MGB(ソ連国家保安省)の捜査官となっていたレオは、スパイの容疑がかけられている獣医のブロツキーの捜索のため、部下を引き連れて一軒の農家を訪ねる。レオはブロツキーを逮捕するが、部下のワシーリーは見せしめと称して匿っていた農夫と妻を2人の娘たちの前で射殺してしまう。レオは激昂し、ワシーリーを叱り飛ばす。ここから2人の因縁が生まれる。

そして事件が起こる。アレクセイの息子の死体が、線路脇の森で見つかる。死体は明らかに殺人であったが、スターリンの唱える「理想社会」に「殺人」はあり得ず、クズミン少佐によって事件は列車事故として処理される。殺人事件だと主張するアレクセイに対し、体制に逆らえば家族の安全すら危うくなることから、レオは強引に説得し納得させる。

戻ったレオに対し、クズミン少佐は逮捕したブロツキーが銃殺刑に処せられる前に他のスパイたちの名前を自白し、そのリストにはレオの妻のライーサの名前も挙がっていることを知らされる。ライーサがスパイである証拠を見つけ出して彼女を告発しろと命じられたレオだが、そんな証拠は見つけられない。さらにライーサが妊娠したと知らされたレオは、告発を拒否するが、その結果、レオは降格され地方へと左遷させられる。そしてそこで、アレクセイの息子と類似した手口で殺された少年の死体が発見される・・・

当初は、一体どんな物語なのだと訝しく思っていたが、やがてそれはある連続殺人を主軸とし、主人公が息苦しい体制の中で捜査をして行くものだとわかってくる。前半の長々とした物語は、体制の息苦しさを表すもの。どこまでが事実かわからないが、スターリン体制下、「理想社会に殺人はない」と捜査もされない。妻を告発するかどうか迫られ(しかも無実の罪でだ)、断れば体制内での地位を失う。実に恐ろしい社会である。ある程度は真実なのだと思うが、映画はそんな真実を垣間見せてくれる。

妻を告発するかどうか迷うレオ。我々の常識ではそんなことできるわけがないが、困惑して相談したレオに対し、養父は「『誰も売らなかった』という満足感を抱いて一家4人死ぬか、1人だけ死ぬかだ」と、暗に告発を促す。自分だったらと考えると実に恐ろしい。「幸いなことに」レオは、民警に降格され地方へ左遷されることで済む。一方で、妻にかけられたスパイ容疑は、レオに対する忠誠度のテストだったのではないかとの話もあり、旧ソ連の体制を垣間見る思いである。

連続殺人事件は、レオが地元のネステロフ将軍の協力を得て、執念で追って行く。一方で、そんなレオを追い詰めるワシーリー。連続殺人は44人もの少年たちが犠牲になるという痛ましいもの。そんな追いつ追われつで物語は盛り上がる。
旧ソ連の物語とはいえ、出演陣は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のトム・ハーディやゲイリー・オールドマン、ヴァンサン・カッセルらの純正ハリウッド映画。一応、ロシア語訛りの英語が聞かれたりしたが、アメリカ人はこういうのはあまり違和感を抱かないのだろう。

いろいろと考えさせるところもあり、スリリングなストーリーが面白かった映画である・・・

評価:★★☆☆☆




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2017年07月16日

ホーンズ 容疑者と告白の角

ホーンズ 容疑者と告白の角.jpg

原題: Horns
2013年 アメリカ
監督: アレクサンドル・アジャ
出演: 
ダニエル・ラドクリフ:イグ・ペリッシュ
ジュノー・テンプル:メリン・ウィリアムズ
マックス・ミンゲラ:リー・トゥルーノー
ジョー・アンダーソン:テリー・ペリッシュ
ケリ・ガーナー:グレンナ
ジェームズ・レマー:デリック・ペリッシュ

<シネマトゥデイ>
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スティーヴン・キングの息子でもある作家ジョー・ヒルの小説を実写化したサスペンスホラー。出会った者に真実を語らせる力を秘めた角を生やした青年が、恋人を殺害した犯人を捜し出していく。メガホンを取るのは、『ミラーズ』『ピラニア3D』などのアレクサンドル・アジャ。主演は『ハリー・ポッター』シリーズなどのダニエル・ラドクリフ。その脇を『シン・シティ 復讐の女神』などのジュノー・テンプルら、実力派が固めている。奇怪なストーリーもさることながら、頭に角を生やしたダニエルの姿も見もの。
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イグと恋人のメリンは甘い関係。冒頭から仲睦まじい様子。ところが、画面は一転すると、酒に酔ったイグを映し出す。一歩外へ出れば、イグに対する憎しみの声を上げる人々とテレビのレポーター。実はメリンが殺され、イグにその容疑がかかっているのである。必死に否定しても疑惑は拭えず、唯一味方してくれるのは幼馴染で弁護士のリーだけ。しかし鑑識のラボが放火され、遺体に付着していた犯人の生体サンプルが焼失してしまう事態となり、イグの立場はますます悪くなっている。

お酒に溺れたイグは、やはり無実を信じて味方になってくれる幼馴染のグレンナと寝てしまう。その翌朝、目覚めるとイグの頭から小さな角が生えている。動揺するイグだが、グレンナはその角を見ても大して驚かず、それどころか太りたいからドーナツを食べてもいいか?と本音を露わにしてくる。イグはそんなグレンナを後にして病院に向かうが、診察した医者も、手術をすると言いいイグに麻酔をかけながら、手術そっちのけで看護師とセックスしている・・・

さらに仕方なく実家に帰ったイグだが、いつもは同情してくれる両親からも犯人扱いされてしまう。どうやらイグに生えた角は、人々に隠している本音を語らせてしまうという効果があるとわかってくる。するとそれを逆手に取り、うるさくつきまとう芸能レポーター同士を争わせ、冷たい街の人々が狂気の行動に出るのも放置する。さらにイグは、この角の力を使って犯人を見つけ出そうと動き出す・・・

映画だからストーリーはなんでも自由だが、この映画のストーリーはなかなか荒唐無稽である。主人公に突然角が生え、それを見た人々は普段心に秘めている本音を語り出すというもの。私などこれをやられたら、日頃心に秘めた妄想をさらけ出し次の日から表を歩けなくなるだろう。物語は、小さな街だからであろう年少時代から共に過ごし、一緒に大人になったイグたちを子供の頃と並行して描いていく。

一体、誰がメリンを殺したのだろうか。その謎解きと、角を見て本音を語り狂う人々とを描いていく。どういうストーリーになるのかと思っていたら、それは何とも荒唐無稽な物語。個人的にはあまりにも設定が唐突すぎて興醒めしたところがある。最後の展開も何だかなぁという感じ。主演は、ダニエル・ラドクリフ。『ハリー・ポッター』シリーズのイメージからは徐々に遠ざかりつつあるが、この映画ではなかなか個性的な役である。

ラストはどう解釈すればいいのだろうか。ちょっとわからなかった。いろいろな物語があっても良いと思うが、個人的には何の角だったのかもう少し説明して欲しかった気がする。そのあたりがちょっと惜しかった映画である・・・


評価:★★☆☆☆





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2016年12月26日

ギリシャに消えた嘘

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原題: The Two Faces of January
2014年 アメリカ・イギリス・フランス
監督: ホセイン・アミニ
出演: 
ヴィゴ・モーテンセン:チェスター・マクファーランド
キルスティン・ダンスト:コレット・マクファーランド
オスカー・アイザック:ライダル
イジット・オツセナー:ヤーヒャ
デイジー・ビーヴァン:ローレン

<シネマトゥデイ>
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パトリシア・ハイスミスの小説「殺意の迷宮」を基にしたサスペンス。1960年代のアテネを舞台に、詐欺を働いて逃れる詐欺師とその妻に出会った青年を待ち受ける運命を見つめる。監督は『ドライヴ』
『47RONIN』などの脚本を手掛けてきたホセイン・アミニ。『イースタン・プロミス』などのヴィゴ・モーテンセン、『メランコリア』などのキルステン・ダンスト、『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』などのオスカー・アイザックと、実力派が集結。
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物語の舞台は1962年のギリシャ。チェスター・マクファーランドとその妻コレットは旅行でアテナイのアクロポリスを訪れる。そこで2人はツアーガイドのライダルと出会う。ライダルはアメリカ人で、父と不仲になったことからギリシャにやってきて暮らしていた。しかし、経済的には恵まれず、観光客から僅かなお金を掠め取っていた。

ライダルと知り合ったマクファーランド夫妻は、ライダルをディナーに招待する。ライダルは密かにコレットに惹かれていく。チェスターは一見金持ちであるが、その実は投資詐欺を行っていて、ギリシャには騙し取った金を持っての逃避行であった。そんなチェスターを私立探偵がホテルの部屋まで追いかけてくる。探偵と揉み合ったチェスターは、探偵を殺してしまう。チェスターが、探偵の遺体を移動させようとしているところへ、忘れ物を届けにきたライダルと鉢合わせする。

ライダルをうまく丸め込んだチェスターは、ライダルにパスポート偽造ができる友人を紹介してもらう。偽造パスポートができるまでの数日間、3人は人目につかないハニアに行くことにする。しかし、3人はハニアに向かうバスの車中で、殺された私立探偵の事件で夫妻の写真が新聞に出ていることを知る。逃亡のプレッシャーに耐えきれなくなったコレットは、あるバス停でバスから逃げるようにして降りてしまう。一緒に降りたチェスターとライダルは、コレットとともにクノッソスの遺跡群に辿り着く・・・

投資詐欺でギリシャに逃げてきたチェスター。そして、やむなく同行しているコレット。そのコレットに一目で惹かれ、夫妻に関わりを持つことになるライダル。この3人の逃亡物語。コレットが美しくなかったら(個人的にはあんまりそう思えないのだが・・・)、ライダルも夫妻とは関わり合いを持たなかっただろう。少なくとも、偽造パスポートの手配をして終わっていたはずである。そこがやっぱり男というものだろう。

チェスターは、男の直感でライダルのコレットに対する興味を見抜いており、本来なら排除するところである。しかし、言葉が通じない国で、しかもパスポートを失ってしまった中で、警察にも頼れない中、出国するにはライダルに力を借りないといけない。そのジレンマの心理が画面を通じてよく出ている。そんな気を知ってかしらずか、コレットはライダルに積極的に接触していく。そんなコレットの態度をチェスターは快く思わない。

チェスターとライダルの男としての心境はよくわかり、細い塀の上を歩いているがごときである。理性的には近寄らないに越したことはないが、近寄らずにはいられない。そんな危うさがドラマの彩りとなっている。そしてラストの展開は、うまくまとまった感じ。やはり最後はそうなるのだろうと思える結末。なかなか堪能させてくれた映画である・・・


評価:★★☆☆☆





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