2017年07月22日

チャイルド44 森に消えた子供たち

チャイルド44 森に消えた子供たち.jpg

原題: Child 44
2015年 アメリカ
監督: ダニエル・エスピノーサ
出演: 
トム・ハーディ:レオ・デミドフ
ゲイリー・オールドマン:ネステロフ将軍
ノオミ・ラパス:ライーザ・デミドワ
ジョエル・キナマン:ワシーリー
パディ・コンシダイン: マレヴィッチ
ジェイソン・クラーク:ブロツキー
バンサン・カッセル:クズミン少佐

<シネマトゥデイ>
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トム・ロブ・スミスのベストセラー小説を基にしたサスペンスミステリー。1950年代のソ連を舞台に、子供ばかりをターゲットにした連続猟奇殺人事件の真相を暴こうとする秘密警察捜査官の姿を追う。メガホンを取るのは、『デンジャラス・ラン』などのダニエル・エスピノーサ。主演を務める『マッドマックス 怒りのデス・ロード』などのトム・ハーディを筆頭に、ゲイリー・オールドマン、ヴァンサン・カッセルらが顔をそろえる。謎が謎を呼ぶ展開に加え、演者たちが織り成す緊迫感に満ちたストーリー展開に引き込まれる。
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時は1933年、スターリン体制下のソビエト連邦。ウクライナの飢饉で孤児となった少年は、孤児院から脱走し、とある軍人に保護される。軍人は少年に「レオ」という名前を与え養子にする。そして時は流れ、1945年のベルリン。成長したレオ・デミドフは、戦友のアレクセイ、部下のワシーリーと戦火の中。激しい戦闘におびえるワシーリー。レオはソ連国旗を国会議事堂の建物屋上から掲げることになり、その写真が報道され戦場の英雄となる。

そしてさらに時を経た1953年、MGB(ソ連国家保安省)の捜査官となっていたレオは、スパイの容疑がかけられている獣医のブロツキーの捜索のため、部下を引き連れて一軒の農家を訪ねる。レオはブロツキーを逮捕するが、部下のワシーリーは見せしめと称して匿っていた農夫と妻を2人の娘たちの前で射殺してしまう。レオは激昂し、ワシーリーを叱り飛ばす。ここから2人の因縁が生まれる。

そして事件が起こる。アレクセイの息子の死体が、線路脇の森で見つかる。死体は明らかに殺人であったが、スターリンの唱える「理想社会」に「殺人」はあり得ず、クズミン少佐によって事件は列車事故として処理される。殺人事件だと主張するアレクセイに対し、体制に逆らえば家族の安全すら危うくなることから、レオは強引に説得し納得させる。

戻ったレオに対し、クズミン少佐は逮捕したブロツキーが銃殺刑に処せられる前に他のスパイたちの名前を自白し、そのリストにはレオの妻のライーサの名前も挙がっていることを知らされる。ライーサがスパイである証拠を見つけ出して彼女を告発しろと命じられたレオだが、そんな証拠は見つけられない。さらにライーサが妊娠したと知らされたレオは、告発を拒否するが、その結果、レオは降格され地方へと左遷させられる。そしてそこで、アレクセイの息子と類似した手口で殺された少年の死体が発見される・・・

当初は、一体どんな物語なのだと訝しく思っていたが、やがてそれはある連続殺人を主軸とし、主人公が息苦しい体制の中で捜査をして行くものだとわかってくる。前半の長々とした物語は、体制の息苦しさを表すもの。どこまでが事実かわからないが、スターリン体制下、「理想社会に殺人はない」と捜査もされない。妻を告発するかどうか迫られ(しかも無実の罪でだ)、断れば体制内での地位を失う。実に恐ろしい社会である。ある程度は真実なのだと思うが、映画はそんな真実を垣間見せてくれる。

妻を告発するかどうか迷うレオ。我々の常識ではそんなことできるわけがないが、困惑して相談したレオに対し、養父は「『誰も売らなかった』という満足感を抱いて一家4人死ぬか、1人だけ死ぬかだ」と、暗に告発を促す。自分だったらと考えると実に恐ろしい。「幸いなことに」レオは、民警に降格され地方へ左遷されることで済む。一方で、妻にかけられたスパイ容疑は、レオに対する忠誠度のテストだったのではないかとの話もあり、旧ソ連の体制を垣間見る思いである。

連続殺人事件は、レオが地元のネステロフ将軍の協力を得て、執念で追って行く。一方で、そんなレオを追い詰めるワシーリー。連続殺人は44人もの少年たちが犠牲になるという痛ましいもの。そんな追いつ追われつで物語は盛り上がる。
旧ソ連の物語とはいえ、出演陣は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のトム・ハーディやゲイリー・オールドマン、ヴァンサン・カッセルらの純正ハリウッド映画。一応、ロシア語訛りの英語が聞かれたりしたが、アメリカ人はこういうのはあまり違和感を抱かないのだろう。

いろいろと考えさせるところもあり、スリリングなストーリーが面白かった映画である・・・

評価:★★☆☆☆




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2017年07月16日

ホーンズ 容疑者と告白の角

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原題: Horns
2013年 アメリカ
監督: アレクサンドル・アジャ
出演: 
ダニエル・ラドクリフ:イグ・ペリッシュ
ジュノー・テンプル:メリン・ウィリアムズ
マックス・ミンゲラ:リー・トゥルーノー
ジョー・アンダーソン:テリー・ペリッシュ
ケリ・ガーナー:グレンナ
ジェームズ・レマー:デリック・ペリッシュ

<シネマトゥデイ>
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スティーヴン・キングの息子でもある作家ジョー・ヒルの小説を実写化したサスペンスホラー。出会った者に真実を語らせる力を秘めた角を生やした青年が、恋人を殺害した犯人を捜し出していく。メガホンを取るのは、『ミラーズ』『ピラニア3D』などのアレクサンドル・アジャ。主演は『ハリー・ポッター』シリーズなどのダニエル・ラドクリフ。その脇を『シン・シティ 復讐の女神』などのジュノー・テンプルら、実力派が固めている。奇怪なストーリーもさることながら、頭に角を生やしたダニエルの姿も見もの。
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イグと恋人のメリンは甘い関係。冒頭から仲睦まじい様子。ところが、画面は一転すると、酒に酔ったイグを映し出す。一歩外へ出れば、イグに対する憎しみの声を上げる人々とテレビのレポーター。実はメリンが殺され、イグにその容疑がかかっているのである。必死に否定しても疑惑は拭えず、唯一味方してくれるのは幼馴染で弁護士のリーだけ。しかし鑑識のラボが放火され、遺体に付着していた犯人の生体サンプルが焼失してしまう事態となり、イグの立場はますます悪くなっている。

お酒に溺れたイグは、やはり無実を信じて味方になってくれる幼馴染のグレンナと寝てしまう。その翌朝、目覚めるとイグの頭から小さな角が生えている。動揺するイグだが、グレンナはその角を見ても大して驚かず、それどころか太りたいからドーナツを食べてもいいか?と本音を露わにしてくる。イグはそんなグレンナを後にして病院に向かうが、診察した医者も、手術をすると言いいイグに麻酔をかけながら、手術そっちのけで看護師とセックスしている・・・

さらに仕方なく実家に帰ったイグだが、いつもは同情してくれる両親からも犯人扱いされてしまう。どうやらイグに生えた角は、人々に隠している本音を語らせてしまうという効果があるとわかってくる。するとそれを逆手に取り、うるさくつきまとう芸能レポーター同士を争わせ、冷たい街の人々が狂気の行動に出るのも放置する。さらにイグは、この角の力を使って犯人を見つけ出そうと動き出す・・・

映画だからストーリーはなんでも自由だが、この映画のストーリーはなかなか荒唐無稽である。主人公に突然角が生え、それを見た人々は普段心に秘めている本音を語り出すというもの。私などこれをやられたら、日頃心に秘めた妄想をさらけ出し次の日から表を歩けなくなるだろう。物語は、小さな街だからであろう年少時代から共に過ごし、一緒に大人になったイグたちを子供の頃と並行して描いていく。

一体、誰がメリンを殺したのだろうか。その謎解きと、角を見て本音を語り狂う人々とを描いていく。どういうストーリーになるのかと思っていたら、それは何とも荒唐無稽な物語。個人的にはあまりにも設定が唐突すぎて興醒めしたところがある。最後の展開も何だかなぁという感じ。主演は、ダニエル・ラドクリフ。『ハリー・ポッター』シリーズのイメージからは徐々に遠ざかりつつあるが、この映画ではなかなか個性的な役である。

ラストはどう解釈すればいいのだろうか。ちょっとわからなかった。いろいろな物語があっても良いと思うが、個人的には何の角だったのかもう少し説明して欲しかった気がする。そのあたりがちょっと惜しかった映画である・・・


評価:★★☆☆☆





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2016年12月26日

ギリシャに消えた嘘

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原題: The Two Faces of January
2014年 アメリカ・イギリス・フランス
監督: ホセイン・アミニ
出演: 
ヴィゴ・モーテンセン:チェスター・マクファーランド
キルスティン・ダンスト:コレット・マクファーランド
オスカー・アイザック:ライダル
イジット・オツセナー:ヤーヒャ
デイジー・ビーヴァン:ローレン

<シネマトゥデイ>
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パトリシア・ハイスミスの小説「殺意の迷宮」を基にしたサスペンス。1960年代のアテネを舞台に、詐欺を働いて逃れる詐欺師とその妻に出会った青年を待ち受ける運命を見つめる。監督は『ドライヴ』
『47RONIN』などの脚本を手掛けてきたホセイン・アミニ。『イースタン・プロミス』などのヴィゴ・モーテンセン、『メランコリア』などのキルステン・ダンスト、『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』などのオスカー・アイザックと、実力派が集結。
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物語の舞台は1962年のギリシャ。チェスター・マクファーランドとその妻コレットは旅行でアテナイのアクロポリスを訪れる。そこで2人はツアーガイドのライダルと出会う。ライダルはアメリカ人で、父と不仲になったことからギリシャにやってきて暮らしていた。しかし、経済的には恵まれず、観光客から僅かなお金を掠め取っていた。

ライダルと知り合ったマクファーランド夫妻は、ライダルをディナーに招待する。ライダルは密かにコレットに惹かれていく。チェスターは一見金持ちであるが、その実は投資詐欺を行っていて、ギリシャには騙し取った金を持っての逃避行であった。そんなチェスターを私立探偵がホテルの部屋まで追いかけてくる。探偵と揉み合ったチェスターは、探偵を殺してしまう。チェスターが、探偵の遺体を移動させようとしているところへ、忘れ物を届けにきたライダルと鉢合わせする。

ライダルをうまく丸め込んだチェスターは、ライダルにパスポート偽造ができる友人を紹介してもらう。偽造パスポートができるまでの数日間、3人は人目につかないハニアに行くことにする。しかし、3人はハニアに向かうバスの車中で、殺された私立探偵の事件で夫妻の写真が新聞に出ていることを知る。逃亡のプレッシャーに耐えきれなくなったコレットは、あるバス停でバスから逃げるようにして降りてしまう。一緒に降りたチェスターとライダルは、コレットとともにクノッソスの遺跡群に辿り着く・・・

投資詐欺でギリシャに逃げてきたチェスター。そして、やむなく同行しているコレット。そのコレットに一目で惹かれ、夫妻に関わりを持つことになるライダル。この3人の逃亡物語。コレットが美しくなかったら(個人的にはあんまりそう思えないのだが・・・)、ライダルも夫妻とは関わり合いを持たなかっただろう。少なくとも、偽造パスポートの手配をして終わっていたはずである。そこがやっぱり男というものだろう。

チェスターは、男の直感でライダルのコレットに対する興味を見抜いており、本来なら排除するところである。しかし、言葉が通じない国で、しかもパスポートを失ってしまった中で、警察にも頼れない中、出国するにはライダルに力を借りないといけない。そのジレンマの心理が画面を通じてよく出ている。そんな気を知ってかしらずか、コレットはライダルに積極的に接触していく。そんなコレットの態度をチェスターは快く思わない。

チェスターとライダルの男としての心境はよくわかり、細い塀の上を歩いているがごときである。理性的には近寄らないに越したことはないが、近寄らずにはいられない。そんな危うさがドラマの彩りとなっている。そしてラストの展開は、うまくまとまった感じ。やはり最後はそうなるのだろうと思える結末。なかなか堪能させてくれた映画である・・・


評価:★★☆☆☆





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2016年10月26日

僕だけがいない街

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2016年 日本
監督: 平川雄一朗
出演: 
藤原竜也: 藤沼悟
有村架純: 片桐愛梨
石田ゆり子: 藤沼佐知子
中川翼: 藤沼悟(少年期)
鈴木梨央: 雛月加代
杉本哲太: 澤田真
及川光博: 八代学

<シネマトゥデイ>
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三部けいによるミステリー漫画を、『ツナグ』などの平川雄一朗監督が映画化。自分の意志に関係なく時間が巻き戻る現象により18年前に戻った主人公が、記憶を封印していた過去の未解決事件と向き合い、時空移動を繰り返しながら事件の解明に挑む。主演は『カイジ』シリーズなどの藤原竜也、彼が心を開くきっかけを作るヒロインに『映画 ビリギャル』などの有村架純。そのほか及川光博、石田ゆり子らがキャスト陣に名を連ねている。
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藤沼悟は売れない漫画家。今はピザ店でアルバイトをして生計を立てている。彼には、何か悪い出来事が起こると時空移動し、原因が取り除かれるまでその時間が繰り返される『リバイバル』が起こるという能力がある。ある日、ピザの配達途中、トラックが暴走して小学生がはねられるシーンが起こる。彼は、小学生を避難させると、トラックの暴走を止めようとするが、逆に別の車にはねられてしまう。

彼が入院したため、母親がアパートにやってくる。そして母親と一緒に外を歩いていると、また時空移動が起こるが、今度は原因がわからない。だが、その夜、彼が帰宅すると母親が何者かに刺されて死んでいるのを発見する。しかも、殺人の疑いが自分に及び、警官に追われている途中、藤沼はまだ小学生だった18 年前の自分に戻っている。それを当時発生した児童連続誘拐事件と関係があると考えた藤沼は、事件の発生を防ぐべく、犠牲者の雛月加代に接近する・・・

なんだか似たようなことは誰でも考えるものだと思う。主人公が体験する「リバイバル」とは、要は過去へのタイムスリップに他ならない。ちょうど映画『アバウト・タイム』と同じである。ここでは主人公は母が殺されるのを防ぐため、過去の自分自身に戻り(といっても時間は自分で指定できないようである)、誘拐事件の発生を防ごうとする。

誘拐されて殺害されたのは、同級生の雛月加代。クラスでも影が薄く、しょっちゅう遅刻してきている。たぶん、当時は気にもかけなかったであろうが、過去に戻った藤沼は改めて雛月加代を観察する。すると体にあざがあることに気が付く。つまり親に虐待されていたわけで、それが雛月加代が影が薄かった理由であったのである。意識は大人であっても、藤沼の体は小学生であり、母に協力を仰ぎながら事件の発生を防ぐ努力をする。

下手に働きかけるとタイムパラドックスが起こる。ただそのあたりはうまくぼかしている。あまり重箱の隅はつつかないのが正解であろう。母親を殺した犯人は誰なのか(観ているうちにだいたいわかってしまうのであるが・・・)、なぞ解きを楽しみながらストーリーを追うことになる。そうしてたどり着いた結末は、ちょっと想定していなかったので、正直虚を突かれたところがあった。

先日の『orange-オレンジ』もそうであったが、タイムトラベルものはいろいろ自由がきき、それでいてストーリーも面白く作れると思う。個人的にも「あの日に戻りたい」なんて日は幾日もあり、そんな願望実現を夢想させるところもある。似たような想定が増えたとしても、まぁ面白ければそれでいいと思う。原作は漫画だというし、興味がないこともないが、映画を楽しんでそれで良しとしたいところである・・・


評価:★★☆☆☆




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2016年10月11日

ザ・バッグマン 闇を運ぶ男

ザ・バッグマン 闇を運ぶ男.jpg


原題: The Bag Man
2013年 アメリカ
監督: デヴィッド・グロヴィック
出演: 
ジョン・キューザック:ジャック/殺し屋
レベッカ・ダ・コスタ:レブカ/娼婦。
ロバート・デ・ニーロ:ドラグナ/ジャックの雇い主。
クリスピン・グローヴァー:ネッド/モーテルの管理人。
ドミニク・パーセル:ラーソン

<シネマトゥデイ>
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『2012』などの演技派ジョン・キューザックと、名優ロバート・デ・ニーロが手を組んだアクションスリラー。中身を知らされぬまま謎のカバンを運ぶことになった主人公が遭遇する予測不能の展開を描写する。『THE LOOP ザ・ループ 〜永遠の夏休み〜』などのレベッカ・ダ・コスタがヒロインを好演。敵味方判別不能のまま衝撃のラストまで突き進む内容に衝撃を受ける。
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殺し屋のジャックは、ボスのドラグナからある鞄を運び届けるよう命じられる。ただし、中身は決して見てはならないと厳命される。次のシーンでは、ジャックは何やら襲撃者に襲われた様子で、左手に銃創を負いながら、殺した相手を車のトランクに押し込み、指定されたモーテルに向かう。癖のある管理人に金を掴ませ、何とか指示された13号室にチェックインする。

外出して部屋に戻ると、浴室に娼婦風の女がうずくまっている。レブカと名乗るその女は、同じモーテルに泊まっている2人組から逃げてきたという。懇願に負けてジャックはやむなく匿うが、カバンを狙ってか女を狙ってか、ジャックの前に次々と追手が現れる。追い詰められつつ、ドラグナに裏切られる可能性もあり、観る者も思わず手に汗を握ることになる・・・

「見るな」と言われれば、見たくなるのが人間の本性というもの。浦島太郎しかり、鶴の恩返ししかり、である。見るなと言われた鞄は、鍵も何もなく開けて見ようと思えば簡単に見ることができる。黙っていれば、見てもわからない。しかしながら、ジャックは真面目なことに中身を見ずにひたすらドラグナを待つ。実は、ドラグナにしてみれば、監視していなくとも中をみたかどうかわかる仕掛けを用意している・・・

自分だったらどうするだろうと、こういう映画を観る時はいつも思う。相手の指定してきたモーテルで、何が入っているかもわからない鞄を守っているのは、いかにも危険な匂い丸出しである。自分だったらそもそもこんな依頼を引き受けないだろう。だが、そんなことを言っていたら映画は成り立たない。せめて違う部屋で待つかと思うも、管理人がグルだったら意味はない。あれこれ考えるも、やっぱり「君子危うきに近寄らず」である。

鞄の中身といい、ストーリーといい、よく考えられているなと思わせられる映画。ロバート・デ・ニーロとジョン・キューザックという大物二人以外にメジャーな役者は出演しておらず、ともすればB級映画になりそうなところ、土俵際で残ったのはストーリーの影響も大きいであろう。最後まで、いい意味でストーリーにくぎ付けにされてしまった。カバンの中身も意外であったし・・・

大作ばかりが映画ではない。大物二人がじっくり見せてくれるこういう映画もいいなと思わせられる作品である・・・


評価:★★☆☆☆




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