2018年05月14日

【ゲノムハザード ある天才科学者の5日間】My Cinema File 1920

ゲノムハザード ある天才科学者の5日間.jpg

原題: Genome Hazard
2013年 韓国・日本
監督: キム・ソンス
出演: 
西島秀俊:石神武人
キム・ヒョジン: カン・ジウォン
真木よう子: 美由紀
浜田学:伊吹
中村ゆり: ハン・ユリ
パク・トンハ
イ・ギョンヨン
伊武雅刀

<シネマトゥデイ>
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意欲的に海外の監督作品にも出演している西島秀俊が、『美しき野獣』のキム・ソンス監督と手を組んだサスペンスアクション。司城志朗原作のミステリー小説「ゲノムハザード」を映画化し、妻の死と奪われた記憶の謎を追う主人公が体験する驚きのてん末を描き出す。共演は、キム・ヒョジンと真木よう子。パワフルな展開はもとより、複雑に絡み合う謎が一気に氷解する衝撃のてん末に言葉を失う。
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何となく予告を観て面白そうだと思えたこの映画。主演は西島秀俊だし、その判断は間違っていなかったとは思うが、なかなか期待通りにはいかなかった映画である。

主人公の石神武人は、とあるデザイン会社でイラストレーターをしている。去年、会社の公募展で入賞したおかげで就職でき、それから美由紀と出会って結婚し、結婚してまだ1か月の新婚。その日は石神の誕生日であり、石神は妻からの誕生日プレゼントを受け取る。そこにはジョニー・エースのCDと、ルービック・キューブのキーホルダーが入っていて、なぜか韓国語のメッセージカードがある。そしてなぜか石神は何の予備知識もないはずなのにそこに書かれたメッセージ『再び巡って来た誕生日、あなたも帰って来ることができたのに 妻より』が読めてしまう。

その夜、石神が帰宅すると、部屋のドアは施錠されておらず、電気がつかない。部屋には多数のロウソクが立てられており、そこでなんと妻の美由紀の死体を発見する。驚く間もなく家の電話に美由紀から電話がかかってくる。美由紀は母の調子が悪いので実家に来ていると告げ、今晩は帰れないと続ける。さらに今度は警視庁・捜査一課を名乗る男2人組が、近くで事件が発生したと言い、突然部屋に入ってくる。

部屋に乗り込んできた男たちだが、奇怪なことに美由紀の死体と血痕が消えている。混乱する石神を男2人は連行していくが、警視庁捜査一課と名乗っていたその2人は、車中で石神に「オ・ジヌ」という男について聞いてくる。当然、石神には心当たりがない。すると男は突然石神に銃を突きつける。警察ではないと気づいた石神は、車中で揉み合いになり、すきを見て逃げ出す。そして韓国の女性報道局プロデューサーのカン・ジウォンの運転する車にはねられる。

こうして偶然遭遇した石神とジウォン。ジウォンは動揺するものの、言動の怪しい石神の言葉に興味を持ち、行動を共にするようになる。非常に面白い出だしに期待感は高まる。死んだ妻の実家へ行くと、旧姓は久保田の筈なのに、表札は西原となっており、家人には怪訝に思われるし、これは「東野圭吾も真っ青」な展開だと感じる。ただ、この期待感は後半に向かって萎んでいく。

確かにしゃべれないはずの韓国語が理解できて、いつの間にか利き腕すら変わっていて、一体何が起こったのかとストーリーにぐいぐい引きずり込まれる。しかし、謎解きはどうも稚拙。ジウォンは、とりあえず日本語を話すものの、どうもセリフが棒読みに聞こえてしっくりとこないし、警察を名乗って襲撃してきた謎の男たちとその雇主の行動もいまいちリアリティに欠けるように思えてしまう。

石神を追う謎の男たち。それに加えて石神自身に本人にもわからない謎がある。無理に韓国と一緒に映画を創らなくても良さそうだと思うが、その無理がセリフなどに違和感をもたらし、映画の魅力を削いでいく。そして結局、どこかで見たような既視感のある真相。残念ながら後半はただただつまらない展開を我慢して観続けることになる。せっかく西島秀俊が頑張っていたのに、どうもその孤軍奮闘は報われず終い。

それにしても改めて「記憶とはその人自身」だと思わされる。ここではウイルスを介して記憶が媒介されるというもので、石神とオ・ジヌの関係もそれによっている。荒唐無稽なストーリーだが、それはそれで構わないのだが、味付けがイマイチだっということだろう。せっかくの韓国映画のテイストも生かされることなく、西島秀俊の孤軍奮闘も報われることなく、残念な結果の映画である・・・


評価:★☆☆☆☆






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2018年04月14日

【キュア 〜禁断の隔離病棟〜】My Cinema File 1904

キュア 〜禁断の隔離病棟〜.jpg

原題: A Cure for Wellness
2016年 ドイツ・アメリカ
監督: 
出演: 
デイン・デハーン:ロックハート
ジェイソン・アイザックス:ヴォルマー
ミア・ゴス: ハンナ

<映画.com>
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「ザ・リング」『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのゴア・ヴァービンスキー監督が『クロニクル』のデイン・デハーンを主演に迎え、恐ろしい秘密を抱える療養所に足を踏み入れた青年の運命を、独特の世界観と映像美で描いたサスペンススリラー。ニューヨークの金融会社で働くロックハートは、アルプスの療養所に出かけたまま戻らない社長を連れ戻すよう会社から命じられる。現地に到着した彼はすぐに社長との面会を求めるが、面会時間が過ぎているらしく会わせてもらえない。仕方なくホテルに戻ることにしたロックハートは、その途中で事故に遭って大怪我を負い、療養所に運び込まれる。治療を受ける中でこの施設に不審感を抱いた彼は、やがて驚きの事実にたどり着く。共演に『ハリー・ポッター』シリーズのジェイソン・アイザックス、「ニンフォマニアック」のミア・ゴス。
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ウォールストリートの金融街のオフィスビルの一室。深夜まで働く男が突然、心臓発作で絶命する。このシーンに何の意味があったのか、よくわからない。そして主人公ロックハートは、通勤電車でしきりに誰かに檄を飛ばす。それが自身の不正行為の隠ぺい工作であったことは、出社して会議に呼ばれて明らかにされる。首になるかと思いきや、重役陣からはあるミッションを言いつけられる。会社の社長がスイスの療養所に行ったまま戻らないため、連れ戻せというもの。ロックハートに拒否権はなく、やむなくスイスへと向かう。

道中、ロックハートは子供の頃の事件を思い出す。自分と同じようにウォールストリートで働いていた父だが、ある日まだ子供のロックハートを車に乗せたまま、父は自動車を降りそのまま橋の上に立ち、身を投げる・・・詳しくはわからないが、たぶん相場の暴落で絶望的な状況に陥ったのであろう。一方で、老人ホームにいる母に会いに行ったことも脳裏を過る。母親はバレリーナの人形を作っていて、帰り際に「また来る」と言い残すロックハートに、母は「お前は戻ってこない」と語る。ロックハートは母が造ったバレリーナの人形を持ち帰る。

スイスに到着したロックハートは、タクシーで療養所に向かう。その道中、運転手から目指す療養所にまつわる話を聞く。200年前ほど前、貴族の血守るため、妹と結婚しようとした貴族が村人たちに焼き殺されたと。療養所に到着したロックハートは、タクシーを待たせたまま社長との面会を申し入れるも、面外時間を数分過ぎていると断られる。ウォールストリート方式で責任者を呼び出すも、面会は果たせず、一旦ホテルへ帰って出直すことにする。しかし、帰り道の道中、突然現れた鹿によって自動車が転倒。気がつくとロックハートは療養所のベッドの上。しかも骨折したらしく足にはギブスがされている。

やむなく、そのまま療養所に入院し治療を受けることにする。館内には同じように治療を受けるたくさんの人々。なぜかみな高齢者。その中で、ロックハートは唯一若き少女ハンナと出会う。さらに館内をくまなく歩きまわるうちに、いろいろと奇妙な事に気がつく。ハンナや館長、その他、数人の関係者は謎の青いボトルから水滴のようなものを摂取している。様々な治療はみな水の中で行われる。要所要所で現れるウナギの幻影・・・やがて、運転手から聞いた200年前に殺された貴族にまつわる話も詳しくわかってくる・・・

スイスの風光明媚な山の上に立つ奇妙な洋館。療養所として金持ちたちがたくさん入所して治療を受けている。タクシーを待たせておいて、社長を連れ帰るつもりだったロックハートは、意に反してそこから出られなくなる。最初は怪我のため。そして段々と明らかになる館の秘密。単なるサスペンスなのか、それとも背筋の凍るスリラーなのか。観ていてどちらに転ぶのか予測がつかない。ご丁寧に意味ありげな怪しげなシーンを随所にちりばめてくれる。

長々と続いたストーリーが終わると胸やけに似た不快感が残る。サスペンスであり、スリラーであり、だけどこんなにヘビーでなくてもいいだろうというのが個人的な感想。ロックハート自身、善人ではないし、過去のトラウマを引きずっているから、それが余計に物語に薄汚れた重みをもたらす。何とも形容のしようのない映画である。ラストでようやく療養所を出たロックハート。その表情が何とも言えなかった映画である・・・


評価:★★☆☆☆





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2018年03月23日

【記憶探偵と鍵のかかった少女】My Cinema File 1893

記憶探偵と鍵のかかった少女.jpg

原題: Mindscape
2013年 アメリカ
監督: ホルヘ・ドラド
出演: 
マーク・ストロング:ジョン・ワシントン
タイッサ・ファーミガ:アナ・グリーン
ブライアン・コックス:セバスチャン
サスキア・リーブス:ミシェル・グリーン
リチャード・ディレイン:ロバート・グリーン
インディラ・バルマ:ジュディス
ノア・テイラー:ピーター・ランドグレン
アルベルト・アンマン:トム・オルテガ

<シネマトゥデイ>
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他人の記憶に入り込める特殊能力を持つ探偵が、謎めいた依頼人の少女の記憶に隠された謎に迫るミステリー。スペインのホルヘ・ドラド監督が、巧妙な伏線がいくつも存在する不穏な空気漂うドラマを構築。『ビトレイヤー』などで存在感を放つマーク・ストロングが初めて単独で映画主演を果たす。彼を翻弄するヒロインに『ブリングリング』などのタイッサ・ファーミガがふんするほか、『ボーン』シリーズなどのブライアン・コックスらが共演。
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 何となくタイトルに惹かれて観てみたいと思った映画。「記憶探偵」とは、他人の記憶の中に入り込み、どのようなことがあったのか探るという能力を持った者であるらしく、それだけでやはり興味を持つ。そんな「記憶探偵」であるジョン・ワシントンは、かつては活躍していたものの、息子を失った悲しみで妻が自殺してしまい、以来仕事から遠ざかり、おまけにアルコール依存症となっていた。

 そんな状態が長く続くわけもなく、いよいよ家族との思い出の家を売らねばならぬほど困窮し、ジョンは仕事への復帰を望む。そんな彼に、上司であるセバスチャンは、16歳の少女アナ・グリーンの案件を担当させる。その少女アナは、裕福な家庭の娘ながら食事をとることを拒否しており、心配した母親が依頼してきたものであった。

 そしてジョンは、グリーン家を訪問する。記憶探偵が記憶に入る方法は、互いに向き合って座り、両手をつなぐというもの。ジョンのリードでアナは目を閉じ、そしてジョンはアナの記憶に入っていく。現実にこういう事ができたらどうだろうか。映画ではあまり詳しく語られていなかったが、どうやらどの記憶に入るかは、入られる本人が選択できる様子。そうでなければ、知られたくない記憶まで見られてしまうことになる。

 アナの記憶に入るジョン。彼女の周りでは同級生が毒物を飲まされたり、性的な写真を撮ったとして逮捕された教師がいることが明らかになる。ジョンは、こうした結果を踏まえ、両親には「入院治療の必要はない」と報告する。ジョン自身、妻の自殺によるショックから立ち直れていない部分もあり、謎の少女アナの記憶調査には危ういところがある。それが最後の展開に現れる。

 興味深かった記憶探偵というテーマであるが、どうも結果的にはイマイチ感が強く残った。もう少し工夫があっても良かったと思うのであるが、「何だかなぁ」と思わざるを得なかった。普段は脇役が多いマーク・ストロングのせっかくの主役だったが、原因はわかりにくさなのかもしれない。結局、ストーリー全体について、アナが何をしたのかがイマイチよく理解できなかったのである。

 ストーリー的にも観る者に対する配慮的にも、もう一工夫欲しかった映画である・・・


評価:★★☆☆☆





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2018年02月06日

【ブラッディ・ホワイト 白の襲撃者たち】My Cinema File 1872

ブラッディ・ホワイト 白の襲撃者たち.jpg

原題: Convergence
2015年 アメリカ
監督: ドリュー・ホール
出演: 
クレイン・クロフォード:ベンジャミン(ベン)
イーサン・エンブリー:ダニエル
ゲイリー・グラッブス:警備員
チェルシー・ブルランド:看護師
ミケルティ・ウィリアムソン:ミラー警部
ローラ・カユーテ:エスター

<WOWOWシネマ解説>
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連続爆破事件の裏に隠された真相とは? 捜査の中で爆発に巻き込まれ、病院のベッドで目覚めた刑事を襲う刺客と謎。予想を超えた展開を見せる犯罪サスペンスアクション。
1999年のアトランタ。市内で発生した爆破事件の捜査を始めた刑事ベンだったが、最初の爆発は人々の注意を集めるための予告に過ぎなかった。間もなく第2の爆発が起こり、巻き込まれたベンは気が付くと病院のベッドの上にいた。看護師がひとりいるだけで静まりかえった院内に不穏なものを感じるベンは、ようやく警備員を見つけるが、その矢先2人は何者かの銃撃を受けてしまう。ベンは院内に潜む敵を追い始めるのだが……。
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 物語は1999年から始まる。何となく「?」と思いながらさして気にせず観て行ったのであるが、この日付が後の伏線になっていると観ているうちにわかってくる。
主人公は、アトランタ市警の刑事ベンジャミン・ウォールズ(通称ベン)は、その日休暇を取ることになっていた。その日はベンの両親の命日であり、ハンナとまだ赤ん坊の娘フィンリーと3人で出かけようとしていた。しかし、そこで最近起こっている爆弾事件が発生し、ベンは現場に呼び出される。

 爆弾事件の特徴は、最初の爆発のあと、救助等の混乱下の油断をついて2度目の爆発を起こし、犠牲者を増加させるという悪質なもの。現場に到着したベンは、上司のサウル警部の指示に従い、武装した3人の警官たちと現場の病院に入っていく。病院の建物内には、まだ救命士が残っている。ベンが救命士に声をかけたところで、大きな爆発が起こる・・・

 やがてベンは、病院で目覚める。付き添っていたサウル警部は、また見舞いに来ると言って立ち去る。ベンは眼鏡がないことに気付き、部屋を出るが病院の廊下はなぜか閑散として人気がない。うろうろしていて見かけた女性看護師に声をかけるが、大きな火災のせいで出払っていると言う。ベンは、とりあえず妻に電話しようと公衆電話を探す。しかし、ハンナに電話するものの電話は繋がらない。

 そこで出会った警備員に案内され、ベンは警備室へと向かう。この時、フロアには一組の夫婦が娘の身を案じている。ここで何とそこへやってきた白衣の男が、夫を刺殺する。妻は逃げ出すが、階段で何者かに捕まる。まったくもってよくわからない展開。警備員室に移動したベンだが、話をしていると何者かが突然襲撃してきて警備員が銃撃される。咄嗟に反撃するベンだが、途中で倒される。危ういところであったが、謎の男は何をするでもなく立ち去っていく・・・

 何とも冒頭からのストーリーのつながりがよくわからず、いったいどんな映画なんだと訝しく思う。アクションなのか、サスペンスなのか、クライムものなのか、先の展開がわからない。だが、黒い霧のような人影が現れ、ホラーなのか宇宙人モノなのかと思ううちに、何となく読めてくる。それは、映画 『アザーズ』や『ハウンター』と同じようなコンセプトである。そうしてその通りにストーリーは展開していく。

 難を言えば、もう少し説明が欲しかったところだろう。サウル警部はなぜ病院にいたのか。また、サウル警部と一緒にいた男女はどういう関係だったのか。ベンを執拗に狙うダニエルの正体も今一つよくわからないところがあったし、行動を共にするナースや怪力男の正体は、といろいろと疑問点が残尿感の如く残る。一から十まで説明しろとは言わないが、もう少し示唆してくれるとスッキリするのにと思う。ベンと牧師をしていたらしい両親の死の関係も今一つわからなかったところである。

 いわゆるB級映画に分類される映画であると思うが、もう少し丁寧に作って欲しかったと思わざるを得ない映画である・・・


評価:★★☆☆☆





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2018年02月03日

【リーガル・マインド〜裏切りの法廷〜】My Cinema File 1870

リーガル・マインド〜裏切りの法廷〜.jpg

原題: The Trials of Cate McCall
2013年 アメリカ
監督: カレン・モンクリーフ
出演: 
ケイト・ベッキンセール:ケイト・マッコール
ニック・ノルティ:ブリッジズ
アナ・アニシモーワ:レイシー
ジェームズ・クロムウェル:サンプター裁判長
マーク・ペルグリノ:ウェルチ刑事

<シネマトゥデイ>
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『アンダーワールド』シリーズなどのケイト・ベッキンセール主演による法廷サスペンス。アルコール依存症が原因でキャリアとまな娘の養育権を失った女性弁護士が、えん罪が疑われる殺人事件の裁判に挑んでいく。『白い刻印』などのニック・ノルティ、『ベイブ』などのジェームズ・クロムウェルら実力派俳優が脇を固める。二転三転する先読みが難しい展開もさることながら、仕事と育児の関係を深く見つめたテーマにも注目。
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 ケイト・ベッキンセールといえば、何といっても『アンダーワールド』シリーズのアクション女優というイメージが強い。美形でもあり、見るだけでもいい女優さんの1人である。そんなケイト・ベッキンセール主演ということで、興味をもった映画である。

 主人公のケイト・マッコールは弁護士。夫と娘がいるものの、日々のストレスからかアルコール依存症に陥り、となると家庭にも影響し、その結果夫は娘と共に家を出てしまっている。それゆえに、ケイトは何とか娘の養育権を取り戻したいと必死に生活を立て直そうとしている。そんなある日、ケイトは殺人事件で有罪判決を受けた女性の弁護を依頼される。刑事事件は好きではなく、断ろうとしたが更生の一環として引き受けざるを得なくなる。

 その被告人レイシーは殺人を犯して収監されているが、収監先で看守からレイプ被害にあっていた。ケイトはレイシーと面談するが、涙ながらに実情を聞いていくうちに、警察と検察による証拠隠滅・ねつ造による冤罪の可能性を感じとる。自身の唯一の理解者ブリッジスの助けを借りて、本格的に調査に乗り出す。一方で、定期的に娘と会い、関係改善を試みる努力をしているが、娘は母親に対して冷たく心を閉ざしている・・・

 主人公のケイトは、『アンダーワールド』シリーズのセリーンと違って穴だらけの人間。アルコール依存症で娘の親権を失っているし、過去には検事としてある被疑者を有罪としたが、実は冤罪であったことがのちに判明し、その被害者から連絡を受け逃げ回っている。そんな主人公が、渋々引き受けた事件に冤罪の可能性を見出し、自らの過去の過ちを償うかのように奮闘していく。

 警察や検察からのプレッシャーを跳ね除け、次第に証拠の隠蔽、偽証等が明らかにされ、恩師でもあるサンプター裁判長の心証を獲得し、見事無罪判決を獲得する。この一連の経緯は、こうした法廷モノの特徴ではあるが、スリリングで面白い。そして実はここから事件は意外な展開を見せていく。弁護士として難事件を争う展開を縦軸に、そして娘の養育権と関係改善に心を砕く母親としての顔を横軸に物語は進んでいく。スリリングな法廷モノとして、そして1人の女性の再生モノとして観ることができる。

 アクションから離れたケイト・ベッキンセールもやっぱり美形でいいと思う。やっぱり見るだけでも得した気になる女優さんである。それにしても、犯罪を裁くというのは難しいことだと思わされる。詳しくは語られなかったが、悪を裁くのに多少の逸脱を良しとしたのかもしれない。それを防ぐために刑事訴訟法があるわけではないが、それが必ずしも完璧でないことが、この映画では如実に表れている。普遍的なテーマだと思うが、改めて考えさせられた。ケイト・ベッキンセールに見とれているばかりではなく、そんな考えるテーマを与えてくれる映画でもある・・・


評価:★★☆☆☆




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