
原題: The Last Thing He Wanted
2020年 アメリカ
監督: ディー・リース
出演:
アン・ハサウェイ:エレナ・マクマホン
ベン・アフレック:トリート・モリソン
ウィレム・デフォー:リチャード・マクマホン
ロージー・ペレス:アルマ
エディ・ガテギ:ジョーンズ
トビー・ジョーンズ:ポール
カルロス・リール:エッパーソン
<映画.com>
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アン・ハサウェイ、ベン・アフレック、ウィレム・デフォーら豪華キャスト共演で、ジョーン・ディディオンの同名小説を映画化した社会派サスペンス。1980年代、アメリカ。敏腕ジャーナリストのエレナは、父が倒れたとの知らせを受けて病院へ向かう。父に頼まれ、中米での武器取引の世界に足を踏み入れた彼女は、恐ろしい陰謀に巻き込まれていく。監督・脚本は「マッドバウンド 哀しき友情」のディー・リース。Netflixで2020年2月21日から配信。
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1982年、ジャーナリストのエレナ・マクマホンはサンサルバドルのエル・モソテで行われた虐殺現場を取材する。目をそむけたくなる虐殺の現場で、発見したのはアメリカ製の銃弾。中南米の戦争にアメリカが関与しているのではないかという疑問が浮かぶ。しかし、正体不明の現地勢力の襲撃を受けると、命辛々空港まで逃げ延び、なんとかアメリカに帰国する。それから2年、エレナは1人娘を寮制の学校に入れ、仕事に没頭している。
ある日、会社の上司からエレナは選挙報道を担当するよう命じられる。そもそも兼ねてから中南米支局への赴任を希望していたにもかかわらずの決定で、抗議するも会社組織にいる以上、組織決定には逆らえない。しかし、それがエレナの行動をよく思わない会社の上層部からの命令で、かつこの命令が政府からの依頼だったことを知ったエレナは、自分の考えの正当性を実感する。
その後、エレナの元に父のリチャードからの電話が入る。父は、エレナが幼かった頃に家を出ており、それによって様々な苦労を経験してきたエレナは、父に対して嫌悪感を抱いている。それでも父に誘われて久しぶりの再会を果たす。そこで父に母が死んだことを伝えると父は狼狽える。エレナはそんな父から母との馴れ初めを聞くと、少しずつ態度を和ませる。
選挙報道の担当になったエレナは、取材のため多くの都市を訪れる。シンシナティで開催されたレーガン陣営のパーティに参加したエレナは、国務長官に中南米の一件をインタビューするものの、あしらわれてしまう。さらにその後、匿名の人物から首を突っ込むなと書かれた手紙を受け取る。しかし、同封されていた写真を軍内部の情報提供者に見せると、どうやらニカラグアに余剰軍事物資が横流しされている疑いが生じる。記者魂に火がついたエレナは、選挙報道そっちのけでこの件について調べ始める。
その矢先、エレナは、父リチャードが入院したとの知らせを受け取る。マイアミの病院を訪れたエレナは、父からとある人物に会い、支払いをするよう頼まれる。彼は貿易関係の仕事に関わっており、多額な借金をして法外な報酬を得られる仕事を請け負っていたようである。怪しげな内容だが、感じるものがあったエレナは、頼みを聞き入れ出国手続きをしない違法ルートでニカラグアに旅立つ。
現地に到着すると、一緒に運ばれた多くの積荷の中身がアメリカからの武器だと判明する。話はついているはずなのに取引相手は条件を変えてくる。交渉をする間に飛行機は飛び立ってしまう。エレナは1人、ニカラグアに取り残されてしまう。コスタリカの都市部、サンホセまで自力で移動したエレナは、新聞社の同僚アルマに電話し、積荷の中身が膨大な量の武器だったことを伝えると、中南米で暗躍している人物の情報を得る・・・
中南米への不正な武器取引を追う新聞記者の主人公。演じるのは美形女優のアン・ハサウェイ。ここでは髪を振り乱して事件を追う新聞記者として登場する。美しいドレスも笑顔も封印。女性ながら男でもビビりそうな中、取材を続けていく。そんな主人公の行動を面白く思わないのが、政府関係者のモリソン。どうやら彼も大きな声では言えないことをしているようである。
以前観た映画『ロード・オブ・ウォー』(My Cinema File 194)でも武器の輸出大国は国連常任理事国5大国だということが示されているが、ここでは正規ルートではない裏ルートであると思うが、やはり陰で暗躍する者がいる。それが個人の私腹を肥やすものか、政治的な裏ルートなのかまでは描かれていなかったが、それを暴こうとするのが主人公である。政情も不安定で治安もよくない国で孤軍奮闘する主人公。乳がんの手術を受けた経験があり、娘を全寮制の学校に入れて働くシングルマザーでもある。映画だからこそ安心して観ていられる展開である。
しかしながら、ラストに至る展開には愕然とさせられる。想定通りの結末を迎えるのもいいが、予想を裏切る意外な結末というのも乙なものである。ラストのエレナの表情が観ている者のそれだったかもしれない。ベン・アフレック、ウィレム・デフォーという出演陣もさすがである。観終わって寄宿学校にいるエレナの1人娘のことが心に残ってしまった映画である・・・
評価:★★☆☆☆





