2017年04月27日

トランス・シューター 早撃ちデス・ゲーム

トランス・シューター 早撃ちデス・ゲーム.jpg

原題: Blunt Force Trauma
2015年 コロンビア
監督: ケン・サンゼル
出演: 
ライアン・クワンテン: ジョン
フリーダ・ピント: コルト
ミッキー・ローク: ゾリンジャー

<映画.com>
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命がけの早撃ちゲームに挑む人々の戦いを、「レスラー」のミッキー・ローク、「ハイネケン誘拐の代償」のライアン・クワンテン、『猿の惑星:創世記』のフリーダ・ピントらの共演で描いたガンアクション。南米コロンビアのボゴタでは、防弾チョッキを着た2人のガンファイターが実弾を用いて至近距離で撃ち合う危険なゲームが行なわれていた。凄腕ガンファイターのジョンは、ゲームの創始者である伝説の男ゾリンジャーを倒して世界一のガンファイターになるべく戦いを続けていた。そんなある日、ジョンは兄の仇を討つためガンファイトの世界に身を投じた女性コルトと出会う。意気投合したジョンとコルトは、それぞれの目的を果たすべく旅を続けるが……。「リプレイスメント・キラー」の脚本家ケン・サンゼルが長編初監督をつとめた。ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち 2016」上映作品。
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 「トランスシューター」とは、なんだかわかったようなわからないようなタイトルである。「早撃ちデスゲーム」というサブタイトルも、間違ってはいないがおどろおどろしくて、この映画の「B級感」を盛り上げる役にしか立っていない。そんな映画をなぜ観ようかと思ったかと言えば、「予告が面白そうだった」からである。実弾を西部劇よろしく撃ち合う様は十分興味をそそられたのである。

 主人公はジョン。冒頭でこのゲームの様子が描かれる。闘鶏場の様なところで、描いた円内に男2人が向き合う。そして防弾チョッキを身につけたまま銃を撃ち合う。撃たれた方は、防弾チョッキをつけているとはいえその衝撃は大きい。思わず円から離れるとカウントが始まる。ボクシングでいうダウンに相当する。カウント内に円内に戻れば試合再開、戻れなければ負け。

 そうすると思わず考えるわけである。「防弾チョッキ以外のところを撃ったら?」と。実際、ゲームで男が足を撃たれてしまう。その瞬間、撃った方は「反則負け」となる。「足ならいいが、頭なら・・・」と思わず考えてしまうが、そういうシーンはない。会場によってゲームのシチュエーションは様々な様である。

 そういうゲームに、ジョンは長けていて、負けなしで来ている。そして伝説の男ゾリンジャーと勝負したいと思っている。そこに現れたのは、女ながらにゲームに参加するコルト。このゲームにふさわしい、銃みたいな名前の女である。コルトはゲームで兄を殺した男を探している。そしてジョンに興味を抱き、一緒に互いの相手を探す旅に出る。

 ジョンもコルトも早撃ち。このゲームは早撃ちが有利なのは、やはり衝撃対抗力。撃たれればその衝撃は大きく、早く撃った方が有利。しかし、中には頑丈なのがいて、撃っても頑張って立っていて倒れないというのもいる。ジョンもこういう男と勝負して危ないところまで追い込まれる。

 紆余曲折を経て、ジョンはゾリンジャーとの勝負の場に立つ。その勝負は実にシリアスなもの。ラストの勝負とエンディングは、B級映画ながら唸らされるものがあった。ゾリンジャー役として登場するのがミッキー・ローク。ハッキリ言ってこんな無名映画に出る様になったのかと思わされるが、ラスト10分くらいの出演ながらこれが秀逸。その存在感はさすがである。

 ストーリー的には、正直言ってイマイチである。しかしながら、この早撃ちゲームという存在が面白さを維持した感がある。合法的にできるものではなく、もしも間違えて(あるいはわざと)頭など撃たれたらという可能性もあるわけで、ロシアンルーレットに匹敵するくらいのインパクトはあると思う。個人的には『ディア・ハンター』で初めてロシアン・ルーレットの存在を知った時に似たインパクトであった。

 そういう意味で、ひと違う級映画なのである・・・



評価:★★☆☆☆





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2017年03月20日

ミュージアム

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2016年 日本
監督: 大友啓史
出演: 
小栗旬:沢村久志
尾野真千子:沢村遥
野村周平:西野純一
丸山智己:菅原剛
大森南朋:沢村久志の父
伊武雅刀:岡部利夫
松重豊:関端浩三
妻夫木聡:カエル男(霧島早苗)

<シネマトゥデイ>
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「ヤングマガジン」連載の巴亮介のサイコスリラー漫画を実写映画化。現場に謎めいたメモを残し雨の日にだけ残忍な猟奇殺人を繰り返すカエル男と、妻子をカエル男に狙われた刑事の攻防をスリリングに描き出す。原作の持つ迫りくるような恐怖と絶望感を表現するのは、『ハゲタカ』や『るろうに剣心』シリーズなどの大友啓史。犯人を追ううちに極限状態に追い込まれていく主人公を、『信長協奏曲』シリーズなどの小栗旬が熱演する。
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主人公は刑事の沢村。仕事熱心で優秀なのだろうが、その反面、家庭を顧みずに仕事に没頭するあまり妻遥は息子将太を連れて家を出てしまっている。ある雨の日、事件が発生する。それは無残にも生きながら空腹の犬に喰い殺された女性の事件。後に犬が吐き出したメモに「ドッグフードの刑」と書かれている。さらにある引きこもりの若者が、部屋に侵入してきた男に拉致され、体の一部を切り取られて殺害される。切り取られたのは生まれた時の体重相当分。現場には「母の痛みを知りましょうの刑」と書かれたメモが残されている。

犯人は、カエルのマスクを被りレインコートを着て雨の日に殺人を行うことがわかる。捜査の結果、被害者がいずれも「幼女樹脂詰め殺人事件」の裁判員制度による裁判員だったという共通点が浮かび上がる。息子を連れて家を出た沢村の妻もその1人であったことから、沢村は慌てて妻に連絡を取ろうとするが、携帯は繋がらない。警察は、「幼女樹脂詰め殺人事件」の犯人として死刑判決を受けたあと自殺した大橋茂の親族による復讐との線で捜査を進める。

しかし、カエルのマスクを被った「カエル男」による犯行は続き、「均等の愛の刑」、「ずっと美しくの刑」、「針千本飲ますの刑」と名付けられたメモとともに次々と関係者が殺されていく。そしてとうとう沢村の妻遥と息子将太も誘拐され、部屋には「お仕事見学の刑」と書かれたメモが残される。沢村は必至に二人の行方を探すが、ギリギリのところで2人を連れ去るカエル男を取り逃がしてしまう。

 当初は観る予定がなかったのだが、何となく観てしまったら意外にも面白かった映画である。雨合羽を着て、カエルの仮面を被った犯人が次々に殺人を犯していき、それを追う刑事の家族も犯人に連れ去られてしまう。いろいろと突っ込みどころはあるのだが、まぁそれにはこだわらないとして、犯人像を一緒に推理させてくれるところが、なかなか面白い。

主人公の刑事沢村も、終始カエル男に翻弄される。うまく推理を働かせて正体を暴くのだが、一人乗り込んでいって逆に監禁されてしまう。カエル男もただ殺しを楽しむだけではなく、その過程を楽しむ。監禁されてからの展開も、なかなかうならせてくれる。このカエル男、なんと演じるのは妻夫木聡。言われてみなければわからなかったが、なかなかの迫力。沢村が翻弄されたのも無理はない。

そして一件落着かと思われたラストシーンは、個人的になかなか重さを感じさせてくれるものであった。それはカエル男の復活を暗示しているかの如くである。原作は漫画だというが、原作と映画とどう違うのだろうと、その違いが気になるところである。最後まで画面に惹きつけられ、印象的なラストと相まってなかなかの映画であった。
 こういう意外性もあるから、事前のイメージで好き嫌いしてはいけないと思わされる映画である・・・


評価:★★☆☆☆




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2017年03月17日

ピエロがお前を嘲笑う

ピエロがお前を嘲笑う.jpg

原題: Who Am I - Kein System ist sicher
2014年 ドイツ
監督: バラン・ボー・オダー
出演: 
トム・シリング:ベンヤミン
エリアス・ムバレク:マックス
ヴォータン・ヴィルケ・メーリング:シュテファン
アントニオ・モノー・Jr:パウル
ハンナー・ヘルツシュプルンク:マリ
シュテファン・カンプヴィルト:マルティン・ボーマー
トリーヌ・ディルホム:ハンネ・リンドベルク

<シネマトゥデイ>
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過激なハッカー集団に加担した天才ハッカーが、いつしか危険な世界へとはまり込んでいくドイツ製サイバースリラー。全編に仕掛けられたトリックが話題を呼び、ドイツ・アカデミー賞6部門にノミネートされたほか世界各地の映画祭でも支持された。メガホンを取るのは、『23年の沈黙』などのバラン・ボー・オダー。主演は『コーヒーをめぐる冒険』などのトム・シリング、共演には『4分間のピアニスト』などのハンナー・ヘルツシュプルンクらが名を連ねる。
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 物語は、主人公のベンジャミンが警察に出頭して取調室でハンネ捜査官から取り調べを受けるところから始まる。回顧シーンではホテルの部屋で無残にも射殺された男たちが横たわる。ベンジャミンはハッカー集団“CLAY”のメンバーで、ハッキング事件を次々と起こしてドイツ中で話題となっていたハッカー。彼のハッキングによって殺人事件まで起こっており、身の危険を感じた彼自身が出頭してきたようである。彼の自白によって物語が始まる。

 ベンジャミンは子供のころからヒーローに憧れるが、それに反して現実には目立たない「透明人間」。修学旅行で置いていかれるほどである。しかし、14歳のときにパソコンを手にしたことで目覚めていく。パソコンの世界では自分もヒーローになれると気づき、そして“MRX”という伝説のハッカーに憧れる。それから数年後、ピザ屋でバイト先するベンジャミンはかつて好意を寄せていた女性マリーと偶然再会する(当然マリーは気がつかない)。

 マリーがその時ふと漏らした言葉から、ベンジャミンは試験問題を盗み出そうとするが警備員にバレてあえなく捕まってしまう。そして実刑免除の代わりに命じられた50日間の社会奉仕活動の最中、マックスという男と運命的に知り合う。マックスもやはりハッキングをしており、シュテファン、パウルを紹介されハッカー集団“CLAY(クレイ)”を結成する。

  “CLAY”はドイツ国内で様々にハッキングを仕掛けて、またたく間に世間の注目を集めることになる。しかし、ベンジャミンの憧れでもある大物“MRX”からは相手にされない。そこで“CLAY”は、ドイツ国内で最も高度なセキュリティを誇るドイツ連邦情報局のハッキングに手を出す・・・

 やがてこれが大きな事件へと繋がっていく。ハッカーの映画は色々とあるが、ほんの遊び心からやがてパンドラの扉を開けてしまうというのもよくあるパターンかもしれない。プログラミングなど素人の自分からしてみると、ハッキングなど遠い世界。そんなに簡単にできるものなのかといつも不思議に思う。だけど映画のようにできたのなら、それはそれは楽しいものなのかもしれない。

 そして人が隠しているものを暴くというのは、人間の密かに持っている欲望。他人のプライバシーは蜜の味。そういうのも背景にあるのかもしれない。それは遊びのうちはいいものの、殺人事件にまで発展するとやばいことになる。ベンジャミンもとうとうそういう領域に踏み込んでしまい、自らの身も危険に晒される。そしてそれを逃れるために警察に駆け込んだというわけである・・・

 最後に見せるどんでん返し。なかなかヒネリが効いている。おどおどしていたベンジャミンが、最後は自信を漲らせる。どんな展開になるのかと思っていたら、なかなかの着地。見応え十分であった。
ジェットコースターに乗ってスカッとしたような映画である・・・


評価:★★☆☆☆





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2017年02月17日

ブラックハット

ブラックハット.jpg

原題: Blackhat
2015年 アメリカ
監督: マイケル・マン
出演: 
クリス・ヘムズワース:ニコラス・ハサウェイ
ワン・リーホン:チェン・ダーワイ大尉
タン・ウェイ:チェン・リエン
ヴィオラ・デイヴィス:キャロル・バレットFBI捜査官
ホルト・マッキャラニー:マーク・ジェセップFBI捜査官
アンディ・オン:アレックス・トラン刑事
リッチー・コスター:エリアス・カサール
ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン:サダック
ウィリアム・メイポーザー:リッチ・ドナヒューNSA局員

<シネマトゥデイ>
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『インサイダー』『ALI アリ』などのマイケル・マン監督が、サイバーテロをテーマに描くクライムアクション。コンピューターやネットワークに対して攻撃するハッカー「ブラックハット」を題材に、ネットワーク不法侵入により世界を脅かす凶悪犯を追跡すべく、獄中から駆り出された元ブラックハットの奔走を活写する。『マイティ・ソー』シリーズなどのクリス・ヘムズワースが主演し、『ラストコーション』などのタン・ウェイとワン・リーホンらが共演。
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中国、香港で稼働していた原子力発電所が悪質なハッカー"ブラックハット"にハッキングを受け、冷却ポンプを破壊された結果、大きな損害を出してしまう。更に大豆の先物市場もハッキングを受け、価格の暴沸が起きる。いずれもハッカーの存在を嗅ぎ取った中国政府は、情報部のチェン・ダーワイ大尉に事態の解決を命ずる。

ダーワイの調査の結果、ハッキングに使われていたコードが、かつてダーワイがアメリカに留学していた際、ルームメイトで親友であった天才ハッカーのニコラス・ハサウェイが作成していたものであることを突き止める。ダーワイはFBIに捜査協力を申し入れ、それが認められると獄中のハサウェイの釈放を依頼する。

ハサウェイは、もともと才能はあったものの、不運から前科がついて就職できなくなり、やむなくカード詐欺の常習犯となり、刑務所に服役している。FBIに対する協力の見返りに釈放を認められると、ハサウェイはダーワイと、その妹リエン、FBIのキャロル、ジェセップらとともにハッカーの逮捕に向けて動きだす・・・

ハッキングによって世の中に混乱をもたらすというのは、映画でもよく使われるネタである。素人にはどこまで真実なのかわかりようがない。新聞では、度々中国によるアメリカに対するサイバー攻撃が話題になる。ここではその米中が手を組む(劇中でも「たまには敵と組むのも悪くない」といったセリフが出てくる)。ここのところ、ハリウッド映画での「米中タッグ」は珍しくない。中国の資本パワーの威力を感じるところである。

獄中の犯罪者が、警察なりFBIなりに協力をするというストーリーはよくある。合理的な考え方だしいいと思うが、「毒を以て毒を制する」は、日本だと無理なんだろうなぁと感じながらストーリーを追う。舞台は香港からインドネシア、マレーシアとアジア各地を巡る。主人公は、マイティー・ソーのクリス・ヘムズワースなのであるが、イケメンのワン・リーホンと『ラストコーション』で何と言っても存在感のあった美女タン・ウェイの存在感も不可欠。

先を読ませない展開にグイグイとひきつけられ、それにも増して驚かされる展開もあり、予想外に面白い。原発事故を引き起こし、大豆の先物市場を混乱させた犯人グループの狙いがついに判明する。そしてそれをハッカーとして対峙する。なかなかのストーリーであった。何よりも中国の存在感を強く感じる映画である。

実際の世界では米中は互いに覇権をめぐってつばぜり合いに入っている。だが、映画の世界でならそれは安心して観ていられる。そこに日本、韓国、インドと加わって欲しいが、日本の映画界に対する不安は大きい。この映画を観たところでは、個人的にはこれからタン・ウェイには注目したいと思うところである。

映画の世界での中国パワーを感じさせてくれる一作である・・・


評価:★★★☆☆





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2016年11月22日

パーフェクト・プラン

パーフェクト・プラン.jpg

原題: Good People
2013年 アメリカ
監督: ヘンリク・ルーベン・ゲンツ
出演: 
ジェームズ・フランコ:トム・ライト
ケイト・ハドソン:アナ・ライト
オマール・シー:カーン
トム・ウィルキンソン:ジョン・ホールデン警部補
サム・スプルエル:ジャック・ウィトコウスキー
アンナ・フリエル:サラ
ダイアナ・ハードキャッスル:マリー・ホールデン

<シネマトゥデイ>
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『127時間』などのジェームズ・フランコ、『あの頃ペニー・レインと』などのケイト・ハドソンが共演したサスペンス。急死した階下の住人が遺した大金を手にした夫婦が、それを機にマフィアや麻薬密売人が絡んだ陰謀に巻き込まれていく。監督は『ハッダーの世界』のヘンリク・ルーベン・ゲンツ。『最強のふたり』などのオマール・シー、『フィクサー』などのトム・ウィルキンソンが脇を固める。息詰まるタッチもさることながら、実力派俳優たちが織り成す白熱したストーリー展開もスリルに拍車を掛ける。
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主人公はトムとアナの夫婦。アメリカ人だが、事業に失敗し、叔母の残した不動産があったことからイギリスに来て暮らしている。仕事をしながら残された屋敷を細々と修繕しているが、家計は苦しく、とうとうローンも払えなくなる。せっかくの屋敷は手放し、住んでいるアパートも立退き勧告を受け、崖っぷちに立たされている。

一方、地元の悪人ジャック・ウィトコウスキーは、フレンチマフィアのカーンの麻薬取引現場を襲撃する。しかし、一時的に雇った男が裏切り、金と麻薬を強奪して逃走する。同時に弟を殺されたウィトコウスキーは、怒り狂って男を探し求める。その男というのが、トムとアナのアパートの階下に住んでいる。その男が、ヤクの過剰摂取で急死してしまう。偶然、それを発見したトムとアナ。そして、片付けている最中に多額の現金を発見する。

それはフレンチマフィアのカーンから強奪した現金22万ポンド。日本円で3,000万円くらいであろうか。金に困っている夫妻の前に突然現れた現金。これがあれば、立退きもしなくていいし、叔母の残した屋敷も手放さなくていいし、アナは念願の不妊治療もできる。しかし、正しき道は警察に届けること。されど悪魔がトムの耳元で囁く・・・

トムは金をポケットに入れることを選択する。1週間経っても誰も来ないし、慎重に使えばバレないだろうと。しかし、警察はトムの銀行口座の動きを密かにチェックし、ウィトコウスキーは男の住所を嗅ぎつける。さらにトムはフレンチマフィアのカーンから呼び出され、心理的なプレッシャーをかけられる。やはり、正しきことをするべきなのだろう。

大金を手にした夫婦とそれを追う地元のギャングとフレンチマフィアと警察の四つ巴の争奪戦。警察も一枚岩ではなく、ウィトコウスキーに買収されているグループと娘を麻薬の犠牲で失い、純粋に悪を憎むホールデン警部補とに分裂している。こじんまりとした映画ながら、なかなか密度の濃いストーリーである。

さらに出演陣が、この手の映画にしては何となく豪華。『オズ、はじまりの戦い』で主演していたジェームズ・フランコは、その他いろいろな映画でバイプレーヤーとしてもお馴染みである。また、『あの頃ペニー・レインと』に出演していたケイト・ハドソンや、『最強のふたり』のオマール・シーなど、そこそこメジャーな出演陣である。普通この手のタイプの映画だと、「主演以外は無名」ということも珍しくないから、ちょっと意外な気もする。まぁ、個人の勝手な思い込みではあるが・・・

「正しいことをしようよ」という教育的なメッセージを持った映画なのかと思ったら、最後はトムとアナにとっては円満なハッピーエンド。まぁそれはそれでいいかもしれない。短いながら小気味好いストーリー。野球に例えれば、三遊間を抜くレフト前ヒットとも言える映画である・・・


評価:★★☆☆☆




posted by HH at 22:57 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | スリリング