2025年11月22日

【ラスト・ダイ・ハード】My Cinema File 3091

ラスト・ダイ・ハード.jpeg

原題: Assassin
2023年 アメリカ
監督: ジェシー・アトラス
出演: 
ブルース・ウィリス:ヴァルモア
ドミニク・パーセル:エイドリアン
アンディ・アロー:マリ
ノムザモ・ムバサ:アレクサ

<概要>
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ヴァルモラ率いる米軍は、他人の体を乗っ取ることができるマイクロチップ技術を発明する。その矢先、最新鋭の兵器を確保した男による世界平和を脅かす陰謀が発覚。ヴァルモラはマイクロチップを使った極秘任務を遂行することに。
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ブルース・ウィリスの引退作品という事で観る事にした映画。『ダイ・ハード』(My Cinema File 89)で一世を風靡し、その後もアクション俳優として活躍してきたブルース・ウィリスだが、実はあまり面白くないB級作品にも多数出演している。そのため、名前だけで観ると危険な俳優のリストに入れてある。この作品もタイトルからしてB級臭が強烈に漂っていたが、あえてラストという事で観ることにした映画である。

主人公はブルース・ウィリスではなく、軍人の女性アレクサ。アレクサには恋人の軍人セバスチャンがいるが、そのセバスチャンはある極秘任務の末、昏睡状態に陥っていて目が覚めない。そこへアレクサにも同じ任務への参加の打診がくる。その任務とは、ある科学者が開発した他人の意識を乗っ取る装置を利用して、とある犯罪組織の壊滅を図ったもの。「クモ」と呼ばれる装置を相手の体内に侵入させ、そのまま意識を乗っ取るというのは、実現すれば恐ろしい気もする。

セバスチャンは組織のボス、エイドリアンの部下の意識に潜り込んで「潜入捜査」を行っていたが、作戦内容を見破られた上に、「クモ」を抜き取られてしまっていた。どうやら潜入中に「クモ」を抜き取られると意識が元に戻らないようで、セバスチャンの意識不明はそれが原因。「クモ」を奪回してセバスチャンの意識を取り戻そうというのが、アレクサが任務を引き受けた理由。ここでチームリーダーとして登場するヴァルモアを演じるのがブルース・ウィリスというわけである。やはりB級映画臭が強くなる。

相手の犯罪組織も普通の犯罪組織ではなく、逆にどうやったのか同じ装置を手に入れたエイドリアンは、反撃に転じる。一般女性がいきなり路上でヴァルモアに殺意むき出しで突進してくる。初めは躊躇していたアレクサも、覚悟を決めて作戦に身を投じる。潜入対象はエイドリアンがお気に入りの絵の作者マリ。マリの意識に潜入したアレクサはエイドリアンに接していく。しかし、作戦遂行には長時間マリの意識に潜入しないといけない。その副作用か、アレクサは自分とマリとの区別が段々とつかなくなっていく・・・

案の定、ブルース・ウィリスはチョイ役で、重要なポジションだとは思うが、エイドリアンの反撃に遭ってあっさり殺されてしまう。どこをどう探しても「ダイハード」的な要素は微塵もない。配給会社がブルース・ウィリスを出汁にして無理やり映画を売り込もうとしたのだろう。SF映画であれば、事前設定がきちんとしていないとわけがわからないが、装置の詳細も敵の組織の規模もその内容もよくわからないまま。なんで敵の犯罪組織は装置を入手できたのか。スパイがいたんだろうなと想像して個人的に補うしかない。

ブルース・ウィリスも最後の作品がこれでいいのかという気もするが、ご本人は有終の美を飾ろうなどという気はないのだろう。そんな映画において主役のアレクサは1人奮闘する。それはそれで評価したいが、いかんせんストーリーも陳腐でどうにもならない。ブルース・ウィリスの最後の作品という意味では残念でしかない映画である。温故知新ではないが、ブルース・ウィリスのB級作品を観るのであれば、もう一度『ダイ・ハード』(My Cinema File 89)を観てみたい。そんな気持ちを強くさせられた一作である・・・


評価:★☆☆☆☆








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2025年10月03日

【ダーケスト・マインド】My Cinema File 3070

ダーケスト・マインド.jpeg

原題: The Darkest Minds
2018年 アメリカ
監督: ジェニファー・ユー・ネルソン
出演: 
アマンドラ・ステンバーグ:ルビー・デイリー
ハリス・ディッキンソン:リーアム・スチュワート
ミヤ・チェフ:スズメ / ズー
ブラッドリー・ウィットフォード:グレイ大統領
マンディ・ムーア:ケイト・ベグビー医師

<映画.com>
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超能力を持つ子どもたちが未来を懸けた戦いに挑む姿を描いた近未来SFアクション。「カンフー・パンダ」シリーズのジェニファー・ユー・ネルソン監督が、アレクサンドラ・ブロッケンのヤングアダルト小説を実写映画化した。全米で謎の病気が流行し、約90%の子どもが死亡した。生き残った子どもたちは超能力を手に入れ、各地で事件が続発する。政府は事態の収拾を図るため、彼らを能力別の5色に色分けして強制的に収容所へ送り込む。その中のひとりである10歳の少女ルビーは、自分が政府に脅威とみなされる「オレンジ」であることを知る。数年後、収容所で厳しい生活を強いられていたルビーは、反政府組織のメンバーであるケイトの助けを得て脱出。政府に追われながらも、同じく超能力を持つ仲間たちとともに戦いに身を投じていく。主演は『ハンガー・ゲーム』のアマンドラ・ステンバーグ。
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SFはさまざまな「前提条件」から成り立っている。その前提条件によって物語の面白さも左右されると考えている。この映画は、原因不明の病によって子供達の90%以上が死亡してしまった世界という前提であるが、これが物語にどう影響しているのかというと、大して影響していない。この前提があってもなくても物語自体には大して影響がない。むしろなんでこんな前提条件をつけたのだろうと首を傾げざるを得ない。そんな映画である。

IAANと名付けられた謎のウィルスによって子供たちが次々と死亡する。主人公のルビーの通う学校のクラスメイトも1ヶ月で半分が死んでしまう。奇跡的に生き残ったルビーは10歳の誕生日を迎え、両親から「ぐでたま」のキーホルダーをプレゼントされ幸福のさなかにいる。その夜、ルビーは眠っている両親のベッドを訪れ、私のことで不安を感じないで欲しいと心から願う。その時、ルビーの瞳がオレンジ色に輝く。

翌朝、目を覚ましたルビーだが、両親はルビーのことがわからない。どこの子供かと訝しがり、見知らぬ子供の存在に動揺した両親は政府に通報し、ルビーは収容所へと隔離されてしまう。どうやら生き残った子供たちを政府は収容所に収容しているようである。そこでは、子供達が能力別に色分けされて管理されている。瞳がグリーンに光る子供達は高度な知能を持ち、ブルーはサイコキネシス、イエローは電気を自在に操り、オレンジとレッドは最も危険だとされている。なぜか生き残った子供たちは超能力を身につけている。

ルビーは色分けの際、収容所の医師にオレンジであると判定される。オレンジは危険分子につきすぐに処分されることになっていて、医師は注射をしようとするが、ルビーには相手の思考を操れる能力がいつの間にか備わっていて、医師を操って自分をグリーンだと信じ込ませる。そうして6年の歳月が過ぎる。16歳になったルビーはグリーンに紛れて労働に徹していたが、グリーンの割には覚えが遅いことを疑問視され精密検査を受けることになる。そしてその結果、オレンジであることがバレてしまう。

マクマナス大尉はこれを受けてルビーを処分しようとするが、担当医として検査に当たった医師のケイトがルビーを連れて収容所から脱走する。ルビーを助けたケイトだが、リーグという反政府組織に属している。同じ組織のロブと合流し、逃走を続けるが、ふとした弾みでロブの腕に触れたルビーは、リーグが政府と同じように子供達を集めている実態がわかってしまう。ルビーには相手の思考を読み取る力がある。ケイトとロブを信用できなくなったルビーはタイミングを見て逃げ出し、偶然居合わせたリーアム、ズー、チャブスの乗るバンに駆け込む。

こうした脱走能力者に対し政府は懸賞金を賭けており、賞金稼ぎが常に後を追っている。リーアムらはその中の1人であるレディ・ジェーンに追われている。何とかケイトとレディ・ジェーンを振り切った4人は、物資調達のため廃モールに立ち寄るが、そこでモールで生活している子供達と遭遇する。そして彼らからスリップキッドをリーダーとして逃亡生活を送っている子供達が集まっているキャンプ「イーストリバー」の話を聞く。ルビーたちは自分たちの安住の地としてイーストリバーへ向かうことにする・・・

結局のところ、IAANというウィルスは、子供を死なせるか超能力を身につけさせるものだったんだろうと推測する。生き残った子供たちにはそれぞれ大小はあるものの、特殊能力が備わっている。ルビーの能力は相手の思考を読み、それを思うようにコントロールするもの。リーアムのそれはテレキネシス。木を引っこ抜いて追手の車にぶつけるなんて芸当ができてしまう。こうした能力者がその能力のゆえに危険視されて迫害される様子は『X−メン』シリーズと同じである。

主人公のルビーは意図せずして最強の能力を持ち、ゆえに危険視されるが、同じような仲間たちと出会い、黒幕と対峙し、出会いと別れがあって成長し、生きる道を見つけていくという物語。どこか既視感あふれるストーリー展開は仕方ないのかもしれない。それにしても子供達と対峙してどうするのだろうと思われていたが、黒幕の子供が出てきてなるほど感はあった。ただ、そのうちすぐに忘れてしまうだろうなと思われる。これといったインパクトがないのが原因であるが、そういう影の薄い映画である・・・


評価:★★☆☆☆







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2025年09月19日

【リバー、流れないでよ】My Cinema File 3065

リバー、流れないでよ.jpg

2023年 日本
監督: 山口淳太
出演: 
藤谷理子:ミコト
鳥越裕貴:タク
永野宗典:番頭
角田貴志:料理長
酒井善史:エイジ
諏訪雅:ノミヤ
石田剛太:クスミ
中川晴樹:スギヤマ
土佐和成:猟師
早織:チノ
久保史緒里:ヒサメ
本上まなみ:キミ
近藤芳正:オバタ

<MOVIE WALKER PRESS解説>
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劇団ヨーロッパ企画の「ドロステのはてで僕ら」に次ぐオリジナル長編映画第2弾。京の奥座敷と呼ばれる貴船を舞台に、雪が降りしきる真冬の季節に、繰り返す「2分間」から抜け出せなくなってしまった人々の混乱を描くタイムループコメディ。劇団代表にして、「夜は短し歩けよ乙女」「四畳半タイムマシンブルース」の脚本が高く評価された上田誠が「ドロステのはてで僕ら」に続いて原案・脚本を手がけ、映像ディレクターの山口淳太が監督を務めた。老舗料理旅館で働く仲居役の藤谷理子をはじめ、ヨーロッパ企画のメンバーが多数出演。鳥越裕貴、本上まなみ、早織、近藤芳正らが共演、乃木坂46の久保史緒里が友情出演している。
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京都・貴船の老舗料理旅館「ふじや」で物語は始まる。仲居のミコトは仕事の合間に貴船川を眺め佇んでいる。そんなミコトを呼ぶ女将の声に、仕事に戻るミコト。番頭と片付けながら、ミコトは番頭の娘がボーイフレンドを連れてくるという話を聞いている。父親としてショックを受けている番頭と談笑するミコト。しかし、次の瞬間、また貴船川の前に佇んでいる。そこに女将の声が聞こえ、仕事に戻るミコトはまたしても番頭と片づけをする。番頭とともに同じ会話をしたことを確認し合う。するとまたしてもミコトは貴船川の前に佇んでいる。

どうやらしばらくすると時間が戻ってしまうらしい。いわゆるタイムループである。さらに事はミコトと番頭だけではなく、女将も仲居のチノも自分たちが陥っている異変に気づく。チノは何度も熱燗を準備しようとしているのに、全然温まらないとパニックになっている。宿泊客のクスミとノミヤは食べている雑炊が全然減らないと戸惑っている。また上の階の宿泊客である作家の先生は何度PCに入力しても消えてしまうとイラついている。番頭とミコトは自分たちもわけがわからないまま宿泊客に状況を説明してまわる・・・

これまでもタイムループの映画はいろいろとあったが、この物語は「2分間」のタイムループである。これまでも「1日」(『恋はデジャ・ブ』、『ARQ: 時の牢獄』(My Cinema File 2070))、「1週間」(『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』(My Cinema File 3010))、「死ぬまで」(『タイムループ』(My Cinema File 1839)『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(My Cinema File 1385))とあったが、この映画は時間が短いのが特徴である。何より2分間しかないので忙しい。またそれぞれの登場人物全員が同じ現象を体験しているというところが面白い。登場人物たちが持ち時間の2分間で次のアクションを起こしていく。幸いループ中も記憶はしっかりある。このあたりがこの物語の味わいポイントである。

この現象は、どうやら貴船の一部地域だけに限定して起こっているという事がわかってくるが、その原因はわからない。原因がわからなければどうやって抜け出せるかもわからない。ループを繰り返す騒動に気づいたのは、休憩室にいた調理場のタク。実はミコトとタクは付き合っていて、さらにタクはフランスに料理修行に行くつもりであるが、まだミコトに話していない。そんなドラマが横軸として展開される。挙句、「時間を止めたのは私だ」とミコトはタクに告白する。

『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』(My Cinema File 3010)でも原因を突き止めてそれを解消するまでのドタバタ顛末が描かれるが、この物語はあっさりとタクがフランスに行ってしまうことに寂しさを感じたミコトが貴船川に「流れないで」と願ったことだという事がミコトの告白で判明する。しかし、タクとミコトの会話をチノに聞かれてしまったことから、他のみんなにも伝わってしまい、フランスに行く前にデートをしようとした2人を捕まえにくる。

ところがそこは2分間ループが続く世界。どんなに逃げても2分後には元に戻ってしまう。そこでもドタバタ劇となる。主人公が1人タイムループに陥るパターンに比べ、全員がタイムループするという設定もなかなか面白い。作家の先生が窓から身を投げて死んでしまうが、2分後には何事もなかったかのように復活している。「一度やってみたかった」と言うのが何とも言えない。自分だったら、もしもタイムループしなかったらと考えるとその勇気は出ないな、などと思いながらストーリーを追う。

基本的にコメディであるから細かいことを気にせず気軽に観るべきであり、その限りでは実に楽しく観ることがでる。ほとんど知らない俳優陣だったが、本上まなみが出演しているのが懐かしい感じであった。何はなくともストーリー的には面白い。短い映画であるが、手軽に楽しめる一作である・・・


評価:★★☆☆☆








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2025年09月17日

【夢の涯てまでも ディレクターズカット】My Cinema File 3064

夢の涯てまでも ディレクターズカット.jpg

原題: Bis ans Ende der Welt - Director’s Cut
1994年 ドイツ・フランス・オーストラリア
監督: ビム・ベンダース
出演: 
ウィリアム・ハート:トレヴァー・マクフィー(サム・ファーバー)
ソルヴェーグ・ドマルタン:クレア・トゥルヌー
サム・ニール:ユージーン・フィッツパトリック
リュディガー・フォーグラー:フィリップ・ウィンター
ロイス・チャイルズ:エルザ・ファーバー
ジャンヌ・モロー:エディス・ファーバー
マックス・フォン・シドー:ヘンリー・ファーバー
チック・オルテガ:チコ
エディ・ミッチェル:レイモンド・モネ
アーニー・ディンゴ:バート
アデル・ルッツ:マキコ
アレン・ガーフィールド:中古車ディーラー
デビッド・ガルピリル:デビッド
笠智衆:森(旅館の亭主)
三宅邦子:森夫人(旅館の女将)
藤谷美和子:旅館の女中
竹中直人:カプセルホテルの従業員

<映画.com>
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『パリ、テキサス』 『ベルリン・天使の詩』のビム・ベンダース監督によるSF大作「夢の涯てまでも」(1991)のディレクターズカット版。1999年、制御不能となった核衛星の墜落が予測され、世界は滅亡の危機に瀕していた。そんな中、ベネチアから車であてのない旅に出たクレアは、お尋ね者のトレヴァーと運命的な出会いを果たす。トレヴァーに心ひかれたクレアは、旅を続ける彼の後を追う。トレヴァーは世界中を巡って映像を集め、父親が発明した装置を使ってその映像を盲目の母親の脳に送り込もうとしていた。キャストには『蜘蛛女のキス』のウィリアム・ハート、「死刑台のエレベーター」のジャンヌ・モロー、「エクソシスト」のマックス・フォン・シドー、『東京物語』の笠智衆ら世界中の名優が集結した。日本では2021年11月、特集上映「ヴィム・ヴェンダース レトロスペクティブ ROAD MOVIES/夢の涯てまでも」(21年11月5日〜、Bunkamuraル・シネマ)で劇場初公開。
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1999年、制御不能になった核衛星の墜落が予測され、世界中が不安に怯えている。そんな中、主人公のクレアは、ヴェネツィアの友人宅からあてもなく車で出発する。途中、前を走っていた車のドライバーが窓から投げ捨てた瓶がクレアの車を直撃し、前の車とともにクラッシュする。前の車には2人の男が乗っており、しかも1人は怪我をしている。車も動かなくなり、やむなくクレアが2人を乗せて次の町へと向かう。男たちは大金を持っており、クレアにその金を指定の場所に届けてほしいと申し出る。多額の分け前を提示され、クレアはこれを引き受ける。

その途中でクレアは何者かに追われているトレヴァーという男を拾ってパリで降ろす。これが運命的な出会い。その後、元恋人の作家ユージーンの許に身を寄せたクレアだが、何故かトレヴァーのことが気になる。そして知り合った私立探偵のウィンターからトレヴァーがお尋ね者であることを聞いたクレアは、トレヴァーの後を追う。ウィンターは何やら万能追跡装置を持っており、たちまちトレヴァーがベルリンにいる事を調べ上げる。分け前の一部を懐にクレアはベルリンに向かう。

ベルリンでトレヴァーと再会したクレアはたちまちトレヴァーに夢中になる。しかし、トレヴァーにはクレアほどの熱意はない。クレアが大金を持っている事を知ると、それを持って姿を消す。そんな目にあっても恋は盲目なのか、クレアはトレヴァーの行方を追う。ウィンターが持っている万能追跡装置でトレヴァーの後を追う。そんなことを露とも知らないトレヴァーは次に東京へ向かう。そしてクレアは東京でトレヴァーを見つける。

実はトレヴァーは、科学者の父ヘンリーが発明したカメラで盲目の母エディスに見せる映像を集めるために世界中を旅しており、その新発明を狙う各国のエージェントに追われていたとわかる。しかし、この装置には欠点があり、映像を集める過程で目に負担がかかり、目が見えなくなってしまうのである。視力を失ったトレヴァーを支え、クレアはとある旅館に宿を取る。そこの主人が薬草を煎じてトレヴァーの手当をするようにクレアに渡す。7日間の治療によってトレヴァーは視力を回復する・・・

主人公はクレアという女性で、クレアが一目ぼれしたトレヴァーという男を追いかけていく不思議な物語。舞台は近未来という事なのであろう、現代の感覚ではちょっと笑ってしまいそうな「未来技術」が出てくる。テレビ電話がその最たる例で、あちこちにテレビ電話タイプの公衆電話があり、登場人物が利用する。公衆電話というところが、当時の発想の限界だったのであろう。さらに追跡装置もこんな万能タイプはまさに空想SFの世界の産物であり、テレビ電話以上に違和感溢れるものである。

クレアはトレヴァーを追って我が国にも来日する。トレヴァーが泊まっていたのはカプセルホテル。外国人には珍しいのだろうかと思って観ていた。視力を失ったトレヴァーを連れてクレアが泊まった旅館の主人が笠智衆。カプセルホテルで騒ぐおかしな客は若き日の竹中直人。日本人的には思わずにんまりしてしまうキャストである。背景にはインドの核衛星が軌道を外れて世界に危機をもたらすというもので、これは現在でも予言的なものをはらんでいる。

そして何よりこの映画の特徴は4時間48分という長さ。これは過去に観た映画の中で最長だった『ヘヴンズストーリー』(My Cinema File 862)を9分上回る。面白ければいいのであるが、残念ながら面白さは映画の長さと比例しない。最後はわけのわからない展開になるし、それまで長くて疲れてしまうし、芸術家の感覚は凡人の想像範囲をはるかに超えてくる。かろうじてウィリアム・ハートの存在が慰めてくれたところがある。クレアを演じたソルヴェーグ・ドマルタンの英語に訛りのあるところも気になったところである。

『パリ、テキサス』『ベルリン・天使の詩』も同じような香りがする。ビム・ベンダース監督の作品は個人的には難しい。そう思わされた映画である・・・


評価:★★☆☆☆








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2025年08月30日

【オールド・ガード2】My Cinema File 3056

オールド・ガード2.jpg

原題: The Old Guard 2
2025年 アメリカ
監督: ビクトリア・マホーニー
出演: 
シャーリーズ・セロン:アンディ
キキ・レイン:ナイル
マティアス・スーナールツ:ブッカー
マーワン・ケンザリ:ジョー
ルカ・マリネッリ:ニッキー
ベロニカ・ンゴー:クイン
ヘンリー・ゴールディング:トゥア
ユマ・サーマン:ディスコード
キウェテル・イジョフォー:ジェームズ・コプリー

<シネマトゥデイ>
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グレッグ・ルッカのグラフィックノベルを原作にした、ある能力を持つ傭兵たちで構成された特殊部隊の戦いを描くアクション『オールド・ガード』の続編。不死身の傭兵が、仲間たちと共に新たな脅威と向き合う。シャーリーズ・セロン、キキ・レイン、キウェテル・イジョフォーらが続投するほか、ユマ・サーマン、ヘンリー・ゴールディングが新たに参加。監督はヴィクトリア・マホーニーが務めている。
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続編の舞台は、前作のラストから数ヶ月後。アンディたちはCIAの情報をもとに、武器商人コンラッドの屋敷に潜入する。そして、激しい銃撃戦と格闘戦の末、アンディたちは一味を制圧し武器を押収する。しかし、コンラッドは武器の買い手ではなく、単なる仲介役だったことが判明する。調べたところ、監視カメラにはブロンドの女性が映っており、ナイルは書物に囲まれた部屋でその女性が男性を殺す夢を見たと語る。

一方、前作で500年前に魔女として海に沈められたクインを何者かが海の底から救い出す。クインも不死であるから海の底で溺死しても蘇る。しかし、蘇っても海の底なので溺死する。それを500年も繰り返してきたのは想像を絶する拷問である。そんなことを知らないアンディ一行は別々に休暇を取る。なぜかジョーの行動を不審に思ったニッキーは密かにジョーの後を追う。それがバレたジョーは仲間から追放されたブッカーと接触していたことを告白する。しかし、仲間とブッカーのアパートを訪れると、そこに彼の姿はなく血痕だけが残されている。

その頃、アンディとコプリーは韓国ソウルを訪れ、2,300年もの時を生きる不死者トゥアを尋ねる。彼は世界各地から収集した膨大な書物をもとに、不死の研究をしていた。トゥアによれば、かつて彼のもとから重要な書物を盗んだ女性ディスコードこそが最初の不死者であるという。ナイルが夢で見たのは、ディスコードとトゥアだったようである。その後、アンディはイタリアで仲間たちと再合流し、ブッカーが姿を消したことを知らされる。しかし間もなく彼から連絡が入り、チームは久々に顔を揃えることに。再会したブッカーは、アンディに「クインが復活した」と伝える。海からクインを引き上げたのは、ディスコードだったのである。

不死のメンバーで構成されたアンディたち。しかし、アンディは傷が治らず不死の力が失われている。それがなぜなのか。ローマでアンディは、クインと500年ぶりに再会を果たす。しかし、クインはアンディに対する恨みを募らせていて再会を喜ぶ雰囲気はない。さらにその場に現れたディスコードはナイルに「あなたは最後の不死者であり、もはや新たな不死者は生まれない」と告げる。不死の謎は謎のままであるが、知恵者トゥアによれば、最後の不死者に傷つけられた者は不死ではいられなくなるということである。

実はナイルはアンディと初めて出会った際、格闘の末にナイフでアンディを刺しており、それでアンディが不死の力を失ったのだろうと推測する。そして、ディスコードはナイルを利用して、不死者たちを根絶しようとしているのではないかと考える。さらにトゥアは、たとえ不死の力を失ったとしても、本人の意思があればその力を他者に譲ることができるともブッカーに伝える。そしてブッカーは、ひとりで剣の訓練をしていたナイルの相手を務める中、意図的に彼女に傷を負わされる。

その頃、クイン率いる部隊がジャカルタ近郊にあるスルポン原子力施設を襲撃する。コプリーが入手した映像には、クインが原子炉の炉心に爆弾を設置する様子が記録されており、アンディたちにはそれが自分たちをおびき寄せるためのディスコードの罠だとわかるが、それでもチームは爆破を阻止すべく現地へ向かう。しかし、罠は仕掛ける方が有利である。巧妙な分断作戦により、チームは次々にディスコードの策略にはまっていく。どうなっていくのかとその先の展開に思いをはせる・・・

結果的に結末は第3弾へと持ち越される。不死の行方がどうなるのかはお楽しみとなる。それにしても主演のシャーリーズ・セロンだが、いったいいくつ何だろうかと気になってしまう。20年前の『イーオン・フラックス』(My Cinema File 172)とまったく変っていないように見える。対するディスコード役はなんとユマ・サーマン。こちらは『キル・ビル』で強烈な印象を受けた美女であるが、この美女対決は個人的に嬉しい限りである。

思いもかけず3部構成だとわかった作品だが、内容といい美女軍団といい、満足度の高い一作である・・・


評価:★★☆☆☆








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