2017年09月10日

【ゴースト・イン・ザ・シェル】

ゴースト・イン・ザ・シェル.jpg

原題: Ghost in the Shell
2017年 アメリカ
監督: ルパート・サンダース
出演: 
スカーレット・ヨハンソン:ミラ・キリアン少佐
ピルウ・アスベック:バトー
ビートたけし:荒巻
ジュリエット・ビノシュ:オウレイ博士
マイケル・カルメン・ピット:クゼ
チン・ハン:トグサ
ダヌシア・サマル:ラドリヤ
ラザルス・ラトゥーエル:イシカワ
泉原豊:サイトー
タワンダ・マニモ:ボーマ
ピーター・フェルディナンド:カッター
アナマリア・マリンカ:ダーリン
桃井かおり:草薙素子の母

<シネマトゥデイ>
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『スノーホワイト』などのルパート・サンダーズが監督を務め、士郎正宗のSF漫画「攻殻機動隊」を、スカーレット・ヨハンソンやビートたけしらを迎えて実写映画化。近未来を舞台に、脳以外は全身義体の少佐が指揮する捜査組織公安9課の活躍を描く。『イングリッシュ・ペイシェント』などのジュリエット・ビノシュや『シルク』などのマイケル・ピットらが共演。敵と対峙する公安9課を、どのように描くのかに注目。
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『攻殻機動隊』のハリウッド実写版とあって、興味津々で観た映画。主演がスカーレット・ヨハンソンというところも魅力的である。

冒頭、1人の女性が死の間際にあり、かろうじて脳を取り出し義体に組み込まれる。そして彼女は復活し、公安9課に配属される。脳以外は全て義体化されたミラ・キリアン少佐は、ある会合を監視している。そして何者かが会合参加者を襲撃する。芸者型のロボットが登場し、ミラがたちまちのうちに襲撃者を一掃する。ツカミとしては期待値を上回る。

公安9課が追うのはハンカ・ロボティックス社の推し進めるサイバー技術の破壊をもくろんだテロ事件。科学者たちが次々と襲われていく。少佐は同僚のバトーらと共に捜査にあたるが、やがて一連の事件を起こしているのは「クゼ」という男だとわかる。破壊した芸者ロボットに「ダイブ」し、危うく命を落としそうになりながらも、少佐はあるナイトクラブを突き止める。

そこはヤクザが仕切る場所。少佐はたちまちヤクザに目をつけられ、バトーとともに大乱闘。ここでの少佐の電脳アクションがまたいい。そしてクゼが潜んでいる部屋を突き止めるが、逆にトラップにかかり、2人は吹き飛ばされる。バトーをかばった少佐は爆風を受けて「壊れる」がすぐに「修理」される。生身のバトーは両目を失い、トレードマークのゴーグルの義眼になる。

『攻殻機動隊』の実写版と言っても、ストーリーや設定は微妙に違う。何より少佐の名前はミラ・キリアンで草薙素子ではない(その違いの理由は後々明かされる)。ストーリーも微妙に異なる。まあ、あまり同じと考えずに、これはこれで観るのがいいのだろう。

それでも相棒のバトーはちゃんと出ているし、上司の荒巻を演じるのはビートたけしだ。見所は多々ある。荒巻と少佐の会話は、日本語と英語。荒巻が巻き舌の日本語で話し、少佐がそれに英語で答える。来るべき近未来はこんな様相なのかもしれないと、ふと思う。ゴミ収集車に襲撃されるエピソードもしっかり描かれている。

ゴミ収集車のエピソードでは、襲撃者は見事に脳をハッキングされ、記憶を移植されている。結婚したことなどない男なのに、家族の話をしている。記憶とは何なのか。脳だけが生身の体ですべて義体となったら、人と呼べるのか。まったく違う記憶を植えられたらどうなるのか。来るべきAI社会に向けて、人間とは何を持って人間と定義すべきなのか。エンターテイメントながら哲学的な問いかけがなされるのは、オリジナルと変わっていない。

アニメ版とはまた違う趣。今やどんなものでも映像表現できるので、下手なアニメよりも迫力が違う。これはこれで、十分に堪能できる。
満足できる一作である・・・


評価:★★★☆☆





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2017年09月02日

【エイリアン2 完全版】

エイリアン2.jpg

原題: Aliens
1986年 アメリカ
監督: ジェームズ・キャメロン
出演: 
シガニー・ウィーバー: エレン・リプリー
マイケル・ビーン: ドウェイン・ヒックス
キャリー・ヘン: ニュート
ランス・ヘンリクセン: ランス・ビショップ
ポール・ライザー: カーター・バーク
ジェニット・ゴールドスタイン:ジェニット・バスクエス
ウィリアム・ホープ:スコット・ゴーマン中尉

<シネマトゥデイ>
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『タイタニック』『アバター』のジェームズ・キャメロン監督がメガホンを取った、『エイリアン』シリーズ第2弾の完全版。凶悪な生命体から逃れた女性宇宙航海士リプリーが、彼らの巣窟である小惑星に戻ってすさまじいバトルを繰り広げていく。前作に引き続きシガーニー・ウィーヴァーがリプリーを演じ、前作には見受けられなかった彼女の母性やタフさを巧みに体現している。アクション色を増した展開に加え、貨物運搬用パワー・ローダーなどのガジェットにも改めて注目。
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初めて『劇場公開版』を観た時に第一作以上の面白さを感じたのがこの作品。それまで、大抵「ヒット作の続編はコケる」というジンクスが当てはまる映画が多かっただけに、前作以上に面白いというのは『ゴッドファーザーPARTU』以来かもしれないと思ったものである。その『完全版』を遅まきながら観た次第である。

遅くなったのにはわけがあって、実は結構映画の内容を覚えているからである。大抵の映画は細かいストーリーなど忘れてしまうのだが、やはり印象的な映画は割と細部まで覚えている。それでもいずれ観たいと思っていただけに、今回の鑑賞となる。『劇場公開版』の134分に対し、この『完全版』は154分。加わった17分のシーンはウィキペディアによると以下の4点だという。

1. リプリーがバークから娘アマンダの消息を聞かされる場面。
2. ニュートの一家が異星の宇宙船を調査して父親がエイリアンに寄生される場面。
3. セントリーガンに関する描写。
4. リプリーがニュート救出に向かう前にヒックスとファーストネームを教え合う場面。
正直言って、観ていてわかったのは「2」だけであった。他は、「言われてみればそうだな」というところである。

前作のラストでノストロモ号を爆破したリプリーは、ネコのジョンジーとともに脱出艇で冷凍睡眠に入る。その脱出艇は、地球周回軌道を通り過ぎ、危うく宇宙の漂流者になるところで発見・救助される。病院で目覚めたリプリーは、ウェイランド・ユタニ社の社員バークから、57年間も宇宙を漂っていた事を知らされる。そして当時11歳になろうとしていた娘アマンダがつい最近、自分より先に年老いて他界した事を告げられる。

これは、『インター・ステラー』でも描かれていたことで、宇宙を旅していると時間の流れが違っていて、親子の年齢が逆転することもありうるという理論である。そんな時代になったらどうなるのだろうかは、もう想像するしかない。子供を残さず娘は老いて亡くなり、そんな状況がもう一度LV-426を向かうという決意をリプリーにさせたのかもしれない。

会社の査問会ではノストロモ号を爆破した責任を問われ、エイリアンとの遭遇については信じてもらえないリプリー。しかし、会社の方はそれをしっかり受け止め現地に指示を出している。現地ではリプリーの証言に基づいて調査を行い、そして例の宇宙船の残骸を発見する。妻子とともに調査に赴いた担当者は、顔面にエイリアンが張り付いてしまう。このあたりの経緯はこの『完全版』で明らかにされる。これがのちのバークの行動の背景ともなり、物語に厚みをもたらす。

追加されたシーンは、いずれもこの「物語に厚みをもたらす」という意味で十分生きていると思う。154分の長さもまったく苦にならない。原題も前作の“Alien”から、“Aliens”へとなっており、“This time, It’s War”というキャッチフレーズにもある通り沢山のエイリアンと対峙することになる。そのバトルも見所であるが、随所で見られるドラマもまた見所。

今回追加されたリプリーとヒックスがファーストネームを教え合うシーンも良かったし、オリジナルにあったバスケスとゴーマン中尉の自爆シーンも胸を打つ。前作の成功があって、それ以上に仕上げるところはさすが「ジェームズ・キャメロン監督」なのかもしれない。できれば最初から『完全版』を公開してくれていたらと改めて思う。

心に残る映画は何度観てもやっぱり面白い。つくづく、そう思わせてくれる映画である・・・


評価:★★★★☆



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2017年08月15日

カイト/KITE

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原題: Kite
2014年 アメリカ
監督: ラルフ・ジマン
出演: 
インディア・アイズリー:サワ
サミュエル・L・ジャクソン:カール・アカイ
カラン・マッコーリフ:オブリ
カール・ボークス:ソーンヒル
テレンス・ブリジット:スタギー
デオン・ロッツプ:リンズルー
ライオネル・ニュートン:オーティス・ブリードラブ

<映画.com>
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1998年にアダルトアニメとして発表され、海外でもカルト的人気を誇る梅津泰臣監督のエロティックバイオレンスアクション「A KITE」を、サミュエル・L・ジャクソンらの出演で実写映画化。少女たちが売買されるモラルの崩壊した近未来を舞台に、両親を殺され、暗殺者として育った少女サワの戦いや葛藤を描く。少女たちが人身売買組織に性の奴隷として売り買いされる近未来。幼い頃に組織によって両親を殺されたサワは、父の相棒だった刑事アカイに暗殺者として育てられる。組織への復讐のため、娼婦になりすまして男たちを暗殺していくサワは、精神のバランスを保つ薬「アンプ」の副作用で記憶が薄れていくなか、組織のボスに接近していくが、やがて残酷な真実が明らかになる。サワ役は名女優オリビア・ハッセーの娘インディア・アイズリー。「セルラー」「スネーク・フライト」などで知られるデビッド・R・エリスの監督で撮影に入ったが、エリス監督がその途中で死去。ミュージックビデオなどを手がけてきたラルフ・ジマンがメガホンを引き継いだ。
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経済が崩壊し、無法地帯と化した近未来。そこでは少女が「商品」として売買され、そのため各グループは少女の拉致を繰り返している。そんな中、1人の男が赤い髪の女を連れてエレベーターに乗り込む。住人と思しき老婆がエレベーターに乗り合わせ、男に対する蔑視を向ける。忌々し気に老婆を足蹴にする男。そんな男の一瞬のスキを突き、赤髪の女は男を蹴倒すと、銃を抜き男の頭を撃ち抜く。数秒後、男の頭部は破裂し、脳が飛び散る・・・

なかなかいい掴みの映画である。少女が見事な腕前でアクションをこなすというのは、『ニキータ』以降確立されたジャンルだと思うが、この映画でも主人公は少女サワ。不思議な名前だと思っていたら、どうやらオリジナルは日本のアニメだという。それもアダルトアニメだというが、アダルトアニメには接触する機会もなく、当然まったく知らない。よくそんなところまでリサーチしているものだと感心してしまう。

エレベーターの中で頭を吹き飛ばされて死んだ男について、警察は捜査にくる。担当するのは刑事のカール。目撃者の証言から犯人は少女であることされるが、カールはそれを否定して現場を去る。そして、そのまま何とカールはサワを訪ねて行く。そこでカールはかつてサワの父親の相棒であり、父を殺したエミールに復讐しようとしているという事情がわかってくる。サワはアンプというクスリをやっているが、それは一方でサワの記憶を奪うものでもある。

次にサワは、娼婦に変装しエミールの元に乗り込む。うまく紛れ込んだサワは、エミールの父親をベッドへ誘い、油断したところでのどを掻き切る。そこを脱出したサワは、道中、自分のことを呼ぶ青年オブリに声をかけられる。オブリはサワの知り合いだと言うが、アンプの効果で記憶が曖昧になっているサワは思い出せない。それどころか、目の前で殺された両親の顔すら忘れかけている。オブリはそんなサワにアンプを止めろと忠告する・・・

こうしてサワの復讐劇が進んでいく。陰でそれをサポートする刑事カールを演じるのは、あらゆる作品に出演している感があるサミュエル・L・ジャクソン。味方なのにどこか裏がありそうな癖のある刑事は実にピッタリである。少女アクションモノと言っても、その格闘アクションは、それほどの切れ味ではない。切れ味的には『ハンナ』の方がはるかに上だろうと思う。ただし、世紀末的な雰囲気の中で危うげなアクションは、独特の味わいがある。

結局のところ、物語を支えているのは世界観かもしれない。荒廃したとはいえ、『マッドマックス2』の世界よりはまだまし。混沌の中にも一応警察秩序はある。そんな中で、一人の少女がクスリで記憶を失いつつも復讐に燃えて行動する。ラストに至る展開は何となく予想できたが、ストーリーの面白さもあってまずまずである。

残念なのは、もともとアダルトアニメという部分を封印し、無難に実写化したところだろうか。この手のものであるなら、原作に忠実にやってもらっても良かったと思う。密かに、それを期待したい一作である・・・


評価:★★☆☆☆




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2017年08月10日

ゼロの未来

ゼロの未来.jpg

原題: The Zero Theorem
2013年 アメリカ
監督: テリー・ギリアム
出演: 
クリストフ・ワルツ:コーエン・レス
デビッド・シューリス:ジョビー
メラニー・ティエリー:ベインズリー
ルーカス・ヘッジズ:ボブ
マット・デイモン:マネジメント

<シネマトゥデイ>
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『未来世紀ブラジル』などで知られるテリー・ギリアム監督が、コンピューターに支配された世界を舞台に、人間の存在意義と生きる目的を問うSFドラマ。寂れた教会にこもり謎の数式を解こうとする孤独な天才技師の人生が、ある女性との出会いを機に動きだしていくさまを描く。主演は、『イングロリアス・バスターズ』などのオスカー俳優クリストフ・ヴァルツ。共演には『海の上のピアニスト』などのメラニー・ティエリー、『ハリー・ポッター』シリーズなどのデヴィッド・シューリスら実力派がそろう。
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物語の舞台は、近未来。主人公のコーエンは、コンピュータ技師。荒廃した教会に一人で住み、何やら作業をしながら人生の意味を教えてくれる電話が鳴るのを待っている。そんなコーエンが出勤する。外に出るとケバケバしい色彩が溢れた未来社会。コーエンが歩くのに合わせて壁の広告が移動する。今やスマホの位置情報を元に、広告を表示する技術が語られているが、これが実用化されるとこんな風になるのかもしれないと思わされる1シーン。

職場についてコーエンは、スロットマシンのような機械の前に座り、ペダルを漕いでコントローラーを操作する。何やらゲームなのかと思いきや、これがコンピューター操作でコーエンの仕事である。コーエンは、いつかかってくるかもしれない電話を受けるため、上司のジョビーに在宅勤務の申し入れをするが、マネジメントに相談してみるとはぐらかされる。そしてそんなやり取りから、マネジメントが出席するパーティーに参加する様、ジョビーはコーエンに指示する。

パーティーに連れ出されたコーエンは、明らかにパーティー向きの人間ではなく、まわりに馴染めない。しかし、そんな中で、コーエンは魅力的な女性ベインスリーと出会う。さらに逃げ込んだ部屋で偶然マネジメントと会う。そしてそこでコーエンは、マネジメントから直接「ゼロの定理」を求める仕事を指示される。在宅勤務が認められたことから、コーエンはさっそく仕事に取り掛かる。しかし、この仕事は過去に何人も挑戦しては出来ずに終わっているといういわく付きの仕事であった・・・

どんな映画かと期待していたが、「何やら良くわからない映画」というのが正直な感想。古い教会と次々と登場する変わった登場人物。ケバケバしいだけにしか見えない未来ファッションに包まれた人々。中でもマネジメントとして登場するのは、マット・デイモン。なんでこんな映画に出演しているのか不思議であるが・・・

ピカソの絵を見ても一般の人には落書きにしか見えないが、見る人によってはものすごい芸術作品に見えるもの。この映画もそんな「芸術作品」のような感じがする。素直に観れば面白くないのであるが、何かを感じさせる香りが漂っているのは事実である。マット・デイモンもそんな可能性を見て出演したのかもしれない、などと思ってみる。

しかしながら、ピカソの絵と同様、優れた芸術作品と駄作とは紙一重の世界。この映画も微妙である。何かを感じはするものの、単純に映画としてはそんなに面白くはない。もう一度観たいかと問われれば、答えは“No”である。まぁ、素人鑑賞家としてはそれでいいと思っている。
映画は、わかりやすい方がいいと実感させてくれる映画である・・・


評価:★★☆☆☆




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2017年08月03日

本能寺ホテル

本能寺ホテル.jpg

2017年 日本
監督: 鈴木雅之
出演: 
綾瀬はるか:倉本繭子
堤真一:織田信長
濱田岳:森蘭丸
平山浩行:吉岡恭一
田口浩正:大塚
高嶋政宏:明智光秀
近藤正臣:吉岡征次郎
風間杜夫:本能寺ホテル支配人
八嶋智人
:マッサージ師

<シネマトゥデイ>
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『プリンセス トヨトミ』の綾瀬はるかと堤真一、鈴木雅之監督と脚本の相沢友子が再び集結し、元OLと織田信長との「本能寺の変」前日の奇妙な遭遇を描く歴史ミステリー。婚約者の両親に会うために京都を訪れたヒロインが“本能寺ホテル”という宿に泊まり、本能寺の変の前日に、暗殺の標的となっている信長に出会い、信長や森蘭丸と交流するさまが描かれる。元OL役の綾瀬と信長役の堤のほか、濱田岳、平山浩行、風間杜夫などが出演。現代と戦国時代の京都を行き来するヒロインが、歴史的な事件にどう絡んでいくのかに注目。
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織田信長は、人気のある歴史上の人物であり、SFタイムトラベル系の映画などでよく採り上げられているように思える。基本的にその手のドラマは趣向に合わないので見ないから詳しくないが、チラホラ目にしているのは事実である。この映画もそんな「信長モノ」の一つと思ってスルーしようかと思ったが、「綾瀬はるか」、「堤真一」といった出演陣の名前を見て観ることにした次第である。

主人公の倉本繭子は自己主張の少ない女性で、勤めていた会社が倒産したところ、交際している吉岡恭一からプロポーズされ、流されるままにそれを受け入れる。そして繭子は、恭一の両親の金婚式の祝賀パーティーに呼ばれ、京都を訪れる。恭一はここで自分の結婚式の段取りもすべて決めるつもりであり、繭子は流されるままそれを良しと考えている。

しかし、予約していたホテルは手違いで泊まることができず、繭子は途方に暮れながら街をさまよう。そして“本能寺ホテル”という古びたホテルに辿り着く。レトロチックな館内。エレベーターに乗った繭子は、気が付くと大きな屋敷の中にいる。そしてそこで出会ったのは、信長の小姓であった森蘭丸。そしてそこが天正時代の本能寺だとわかる・・・

こうして戦国時代にタイムスリップした現代のOLと天下統一を目前に控えた織田信長とが交流するという物語。荒唐無稽と言えばその通り。しかしこの手の物語はあまり真面目にとらえてはいけない。「そういうものだ」と思って観るのが正しい鑑賞スタンスだと思う。そうでなければとても正視できるものではない。

どうやら本能寺ホテルは、かつての本能寺と同じ場所に位置しているという設定のようで、本能寺ホテルに置かれている天正時代からの置物のネジを巻き、エレベーターの中で信長が好んで食べたこんぺいとうを食べるとタイムスリップし、フロントの受付ベルを鳴らすと戻ってくるというルールがある。これも「そういうものだ」と思って観るのが正しい。

時に天正10年6月1日。それはまさに「本能寺の変」の前日。そこで主人公は織田信長と出会う。ほとんど自分の意思を表に出すこともなく、周囲に流されるまま生きてきた主人公が、天下統一を目指し自らの意思で突き進む織田信長と出会い、影響を受けていく。翌日に死んでいく運命にある織田信長を前にし、歴史的事実を伝えるかどうか主人公は悩む。伝えれば歴史を変えかねない。タイムトラベルものにはタイムパラドックスの問題がついてくるが、そのあたりはさすがに辻褄を合わせてくる。

冷やかし半分で観始めたドラマではあるが、観ているうちにそれなりにドラマの世界に引き込まれていく。それは主役の綾瀬はるかや堤真一、濱田岳といったメンバーの力量なのかもしれない。「意外とつまらなくなかった」というのが正直な感想かもしれない。こういう映画もたまにはいいと思わされる。
細かいところを気にせずに楽しみたい映画である・・・


評価:★★☆☆☆




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