2017年09月17日

【この世界の片隅に】

この世界の片隅に.jpg

2016年 日本
監督: 片渕須直
出演: 
のん:北條(浦野)すず
細谷佳正:北條周作
尾身美詞:黒村径子
稲葉菜月:黒村晴美
牛山茂:北條円太郎
新谷真弓:北條サン
小野大輔:水原哲
岩井七世:白木リン
潘めぐみ:浦野すみ

<映画.com>
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第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞したこうの史代の同名コミックを、「マイマイ新子と千年の魔法」の片渕須直監督がアニメ映画化。第2次世界大戦下の広島・呉を舞台に、大切なものを失いながらも前向きに生きようとするヒロインと、彼女を取り巻く人々の日常を生き生きと描く。昭和19年、故郷の広島市江波から20キロ離れた呉に18歳で嫁いできた女性すずは、戦争によって様々なものが欠乏する中で、家族の毎日の食卓を作るために工夫を凝らしていた。しかし戦争が進むにつれ、日本海軍の拠点である呉は空襲の標的となり、すずの身近なものも次々と失われていく。それでもなお、前を向いて日々の暮らしを営み続けるすずだったが……。能年玲奈から改名したのんが主人公すず役でアニメ映画の声優に初挑戦した。公開後は口コミやSNSで評判が広まり、15週連続で興行ランキングのトップ10入り。第90回キネマ旬報トップテンで「となりのトトロ」以来となるアニメーション作品での1位を獲得するなど高く評価され、第40回日本アカデミー賞でも最優秀アニメーション作品賞を受賞。国外でもフランスのアヌシー国際アニメーション映画祭の長編コンペティション部門で審査員賞を受賞した。
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物語は昭和8年から始まる。主人公の浦野すずは、広島で3人兄弟の真ん中、浦野家の長女として生まれ育つ。天真爛漫でのんびりした性格のすず。それは時代と地域との背景によくマッチしている気がする。街に出て迷子になり人さらいの怪人に会ったり、座敷わらしに出会ったりというエピソードが描かれるが、それが物語でどういう位置付けなのかはよくわからない。

すずは絵を描くことが大好き。されど貧しい家計で、筆箱の中のたった一本残った持てないくらい短い鉛筆を大事に使う様子が、父から聞いた子供の頃のエピソードと重なる。日本全国、同じような光景が見られたのかもしれない。そんなすずも18歳になると嫁入りの話が来る。相手は呉の北條家の長男で、海軍で働く周作。いつの間にかすずを見初めての申し入れであった。これも時代を彩るエピソードである。

祝言を挙げ、嫁いだすず。幸い病弱な姑は穏やかで、すずは嫁姑の苦労は少ない。その代り小姑である周作の姉径子の当たりはきつく、すずは慣れない中、頭にハゲができたりする。夫の死後、実家に帰ってきた径子には長女晴美がおり、すずは一緒に遊んだり、絵を描いたりと楽しく過ごす。

こんなすずの日常がのんびりと描かれていく。そんな物語は、時代を表すエピソードが個人的には興味を引く。砂糖壺を水の中に流してしまったすずは、姑に金をもらい呉の闇市へ行く。時代は既に配給が始まっている。日中戦争の最中であるが、すずの日常に戦争の影は物資の不足ぐらい。闇市も既にあったようである。帰り道には道に迷い、どうやらそこは遊郭なのだが、うぶなすずはそれに気がつかない。

昭和20年になると、いよいよ軍事基地がある呉にも空襲が頻発し、北條家でも防空壕を掘る。義父も空襲で大ケガをして町の病院に入院すると、すずの生活にも戦争が及んでくる。晴美は軍港の艦船を指さし、名前をいい当てたりして無邪気である。そして義父の見舞いに行った帰り道、米軍の空襲に遭遇し、悲劇が起こる・・・

戦時下を描いたアニメというと、『火垂るの墓』が思い起こされる。子供が小さい時に観てしまったため、個人的には衝撃が大きかった映画だが、この映画はそれほどの内容ではない。それでも戦時下の暮らしが垣間見れて興味深い。のんびりしたすずの性格の心地良さもあるかもしれない。実に日本的なアニメ映画である。

穏やかでのんびりした性格のすずが、そのままであれば何の波乱もない人生を歩んでいたのかもしれないのに、否応無しに戦争に巻き込まれて行く。そして好きだった絵も描けなくなってしまう。体ばかりか心にまで傷を負うすず。広島の実家では妹だけがかろうじて生き残るが、すでに原爆症の症状が出ている。直接的には何も訴えないものの、静かなる反戦の声が聞こえてきそうな物語。

世界のほんの片隅でひっそり生きていたはずのすずだが、物語の中では世界の中心。おそらくみんなそんな「片隅」に生きているのだと思う。静かに心に染み入る映画である・・・


評価:★★☆☆☆




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2015年10月21日

宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟

宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟.jpg
 
2014年 日本
監督: 出渕裕
出演(声)
小野大輔:古代 進
菅生隆之:沖田 十三
大塚芳忠:真田 志郎
諏訪部順一:フォムト・バーガー
桑島法子:森 雪
久川綾:新見 薫

<シネマトゥデイ>
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絶大な人気を誇る「宇宙戦艦ヤマト」の新作となる劇場版アニメーション。
イスカンダルで“コスモリバースシステム”を入手した宇宙戦艦ヤマトが、帰路の途中で謎の艦隊“ガトランティス”らとのし烈な戦いに挑む姿が描かれる。
総監督と脚本は、テレビシリーズの総監督でもある出渕裕。
新シリーズでも描かれていないストーリーはファン必見。
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かつて大ヒットし、映画化もされ、さらに近年には 実写化もされた宇宙戦艦ヤマトが、さらにリメイクされたテレビドラマとなり、その出来栄えに喜んでいた。
さらなるおまけとして創られたのが本作。
リメイクされたテレビドラマシリーズのサイドストーリーである。

テレビドラマシリーズで、イスカンダルに到達し、悲願であった“コスモリバース・システム”を受け取った帰路。
ヤマトは新たなる敵「ガトランティス」の艦隊と遭遇する。
未知の兵器「火焔直撃砲」の攻撃をからくもかわし、ヤマトはワープで逃げ切る。

一方、テレビドラマシリーズの山場“七色星団決戦”で敗れ、生き残っていたバーガー少佐率いる空母が宇宙空間を航行している。
すでに本国からはヤマトとの停戦命令が出ているが、復讐に燃えるバーガーは聞く耳を持たない。
同期のリッケ率いる艦隊と合流し、制止を受けるが、その時どこからともなく歌声が聞こえてくる・・・

ドイツのセイレーンの伝説の話は、松本零士原作の漫画ではよく使われているが、ここでも登場する。
バーガー艦隊とヤマトは偶然謎の空間に閉じ込められ、ありえない大陸上のありえないホテルで互いに遭遇する。
ヤマトのクルーをザルツ人と勘違いするエピソードは、テレビシリーズを観ていないとわからない。
(まぁそれを観ないでこの映画を観る人もいないだろうが・・・)

戦闘よりも人間ドラマに重きが置かれるストーリー。
まぁそもそもそれがヒットの要因だとは思うから、やむをえまい。
やや“友情”しすぎるきらいはあるが、許容範囲内だろう。
テレビシリーズでもガミラスが敵対していたガトランティスが、ここでは大いなる脅威として立ちはだかる。
次のシリーズへの布石としては、ファンにはいいプレゼントなサイドストーリーである。

次のシリーズで存在感を発揮するであろう空間騎兵隊も挨拶代わりに登場し、前シリーズのつぎはぎをスムーズにつなげている。
このあたりはリメイク版の強みと言える。
次のシリーズへの期待も高まるというものである。
大いに期待したいと思う。

単体で評価するよりも、「つなぎ」の位置付けとして評価したい作品である・・・


評価:★★☆☆☆




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2015年09月06日

ベイマックス

ベイマックス.jpg

原題: Big Hero 6
2014年 アメリカ
監督: ドン・ホール/クリス・ウィリアムズ
出演(声): 
スコット・アドシット:ベイマックス
ライアン・ポッター:ヒロ・ハマダ
ダニエル・ヘニー:タダシ・ハマダ
T・J・ミラー:フレッド
ジェイミー・チャン:ゴーゴー
デイモン・ウェイアンズ・Jr:ワサビ
ジェネシス・ロドリゲス:ハニー・レモン

<Yahoo!映画解説>
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マーベルコミックスのヒット作「BIG HERO 6」を基に、ディズニーが放つアドベンチャー。
架空の都市サンフランソウキョウを舞台に、並外れた頭脳を持つ少年ヒロが、生前に兄が開発したロボットのベイマックスと一緒に死の真相を暴こうとする。
メガホンを取るのは、『くまのプーさん』のドン・ホールと『ボルト』のクリス・ウィリアムズ。
随所にちりばめられた日本のカルチャーへのオマージュに加えて、白くて大きな体を持つベイマックスの愛らしさにも注目。
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ディズニーのファンタジー・アニメ。
舞台は「サンフランソウキョウ」という名の架空の都市。
しかしながら冒頭描かれる町の様子で、サンフランシスコとトウキョウが融合されている町だとすぐにわかる。
ゴールデンゲートブリッジらしきものがあるが、それは鳥居の形をしていたりするし、町の中は至るところ日本語の看板が溢れかえっているのである。

主人公は14歳の少年ヒロ・ハマダ。
名前も日系だ。
大学に通う兄タダシがいて、どうやら両親とは死別し、おばと暮らしている。
ヒロは兄も認める才能があり、ロボットの違法賭けバトルで稼いでいる。

タダシは、そんなヒロの才能を伸ばそうと、ある日自らが通う大学にヒロを連れていき仲間に紹介する。
そして自分が研究している介護ロボット”ベイマックス”を見せる。
刺激を受けたヒロは、自分も大学に入ろうと、受験のために”マイクロボット”を開発する。
しかし、その時突如起こった火災で兄を失う。

失意の日々を送るヒロだが、ある日偶然ベイマックスを起動させてしまう。
そして火災で焼失したはずのマイクロボットの残りを発見し、ベイマックスとともに行った倉庫の中で、何者かがマイクロボットを量産していることを発見する。
兄の死に疑問をもったヒロは、ベイマックスとともに真相を暴く決意をする・・・

さすがディズニーらしく、不格好だが憎めないベイマックスというロボットを登場させ、雰囲気を和ませる。
ただ、ストーリーは兄の真相を暴こうとするヒロと大学の仲間たちとの冒険というか悪との戦いとなっている。
癒しなのか、活劇なのか。
いろいろ要素を詰め込み過ぎて、何に軸足を置いているかがわからない感じがした。
事実、そうなのだろう。

日本人としては、主人公も日系みたいだし、町の名前や町中のいたるところに日本が溢れかえっていて、何とも心地よい映画である。
たぶん韓国人が観たら面白くないと思うだろう。
そんな架空の町は、たぶんちょっと未来で、ベイマックスなどの技術はちょっと夢が入っている。

主人公の少年が、人間以外の何かと心を通わせるというストーリーは、考えてみれば犬だったり宇宙人だったり、いろいろと相手を変えて創られている。
ここではそれがロボットなわけで、しかもそれは『リアル・スティール』とは違って、戦闘用ではなく看護用というところが今回のミソである。
(そんな看護用を戦わせてしまうところがアメリカっぽい気もするが・・・)

ストーリーは勧善懲悪モノで、子供の視線も意識したもの。
ちょっとほろっとさせる友情シーンも描かれていて、子供にもいいと思う。
エンドクレジットの最後におまけの映像が出てきたが、それが続編を意味するのかどうかはわからない。
家族みんなで観て楽しめる映画である・・・


評価:★★☆☆☆



    
    
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2015年07月26日

風立ちぬ

風立ちぬ.jpg

2013年 日本
監督: 宮崎駿
出演(声): 
庵野秀明:堀越二郎
瀧本美織:里見菜穂子
西島秀俊:本庄
西村雅彦:黒川
スティーブン・アルパート:カストルプ
風間杜夫:里見
國村隼:服部

<映画.com>
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宮崎駿監督が『崖の上のポニョ』(2008)以来5年ぶりに手がけた長編作。
ゼロ戦設計者として知られる堀越二郎と、同時代に生きた文学者・堀辰雄の人生をモデルに生み出された主人公の青年技師・二郎が、関東大震災や経済不況に見舞われ、やがて戦争へと突入していく1920年代という時代にいかに生きたか、その半生を描く。
幼い頃から空にあこがれを抱いて育った学生・堀越二郎は、震災の混乱の中で、少女・菜穂子と運命な出会いを果たす。
やがて飛行機設計技師として就職し、その才能を買われた二郎は、同期の本庄らとともに技術視察でドイツや西洋諸国をまわり、見聞を広めていく。
そしてある夏、二郎は避暑休暇で訪れた山のホテルで菜穂子と再会。やがて2人は結婚する。
菜穂子は病弱で療養所暮らしも長引くが、二郎は愛する人の存在に支えられ、新たな飛行機作りに没頭していく。
宮崎監督が模型雑誌「月刊モデルグラフィックス」で連載していた漫画が原作。
「新世紀エヴァンゲリオン」の監督として知られる庵野秀明が主人公・二郎の声優を務めた。
松任谷由美が「魔女の宅急便」以来24年ぶりにジブリ作品に主題歌を提供。
第70回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に選出され、第86回アカデミー賞では長編アニメーション部門にノミネートされるなど、海外でも高い評価と注目を集めた。
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宮崎駿監督のアニメはよく観ている。
ただし、今回はこれまで観てきた宮崎駿監督のアニメとはちょっと傾向が違う。
それは、実在の人物をモデルにしたという点が大きいかもしれない。
観終わってみると、これもまたいいものだと実感した次第である。

物語は田園風景のどかな田舎に暮らす一人の少年二郎の夢から始まる。
空を飛ぶことを夢見、学校では先生に海外の航空雑誌を借り、英語辞書片手に読む。
夢の中でイタリアの航空機設計家カプローニ伯爵に、近眼でも設計はできると励まされ、夢を育てていく。

やがて東大に入った主人公堀越二郎は、関東大震災の混乱の中で、少女菜穂子とその女中を助ける。
東大生になっても、航空機の設計という夢は変わらず、航空機の設計会社に就職する。
そして上司の厳しいながらも指導と期待を受け、ヨーロッパ視察を経て、海軍の航空機の設計を手掛けていく・・・

少年時代からの夢を追う堀越二郎の物語を縦糸に、そして関東大震災で出会った少女菜穂子との恋愛をサイドストーリーに映画は進んでいく。
解説によると、このサイドストーリーの部分は堀辰雄の小説『風立ちぬ』から着想されているらしい。
純粋なる実話というわけではないようであるが、映画的にはまったく問題ない。

この時代、日本はまだ海外の先進国に後れを取っている。
二郎たちは、ドイツの航空機メーカーユンカースに視察に行くが、コピーを恐れたユンカースの社員が二郎たちに自由に見学させないというシーンが出てくる。
当時世界最先端であったドイツの工業技術。
そしてそれに必死に追いつこうとする我が国の先人たち。
現在の日本の礎を改めて見る思いである。

アニメとはいうものの、空を飛んだり、動きのあるシーンでは、実写と見まがうほどの描写。
アニメも馬鹿にしたものではない。
そしてサイドストーリーの部分でも心を動かされる。
当時死の病と言われた結核に罹っていた菜穂子。
二郎はその身を案じつつも夜遅くまで仕事に打ち込む。
「男は仕事」という時代の、この頃はその先駆けだったのかもしれない。

いつのまにかじっくりと観入ってしまっていた。
実在の堀越二郎氏は零戦の設計者として知られているが、物語はその部分は描かれていない。
いろいろと思うところがあったのかもしれないが、だから不足感があるかというとそんなことはない。

アニメではあるものの、大人も十分に堪能できる内容。
味わい深い映画である・・・


評価:★★☆☆☆





posted by HH at 11:58 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ

2015年05月17日

キャプテン・ハーロック

キャプテン・ハーロック.jpg

2013年 日本
監督: 荒牧伸志
原作総設定:松本零士
脚本:福井晴敏、竹内清人
出演: 
小栗旬:キャプテンハーロック
三浦春馬:ヤマ
蒼井優:ミーメ
古田新太:ヤッタラン
福田彩乃:トリさん
森川智之:イソラ
坂本真綾:ナミ
沢城みゆき:ケイ
大塚周夫:総官

<Movie Walker解説>
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松本零士が生んだ人気キャラクター、宇宙海賊キャプテンハーロックとその世界観を、『APPLESEED アップルシード』の荒牧伸志監督がリブートさせたSFアニメ。
アルカディア号を駈り、大宇宙を駆け抜ける海賊の戦いを壮大なスケールで描き出す。
ハーロックの声を小栗旬が演じるほか、三浦春馬、蒼井優といった豪華俳優が顔を揃えた。
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松本零士は、子供の頃マンガ少年であった私にとって、寺沢武一と並んでもっともお気に入りのマンガ家であった。
「宇宙海賊キャプテン・ハーロック」は、そのマンガの中でも最もカッコいいキャラクターであり、原作のマンガも当然読んでいる。
それはTVアニメにもなったが、あまりにも“お子様向け”だったので観ていないが、忘れた頃にやってきたこの映画は、どうしても観てみようと思っていたものである。

さて、観始めると何やらストーリーが違う。
原作では、遠い未来、地球はマゾーンという紙のように燃える女タイプの宇宙人の侵略に晒され、しかも腑抜けとなった地球人には対処できないという世界だった。
余談だが、原作では、「男がハイヒールを履き化粧をする」絶望的なほど腑抜けた人類が描かれていて、何だか今にして思うと、現代の若者たちはそんな未来に確実に向かっているような気がしてならない・・・

ここでは全宇宙に広がって行った人類が、やがて発展の限界に達し、みな地球に戻ろうとして戦争になった世界が描かれている。
5,000億人にも達した人類を受け入れるだけのキャパシティが地球にはなく、我こそ地球に帰らんとする椅子取りゲーム=カム・ホーム戦争であり、休戦となったものの、地球は崇めるだけで、誰も立ち入らないという一見公平なルールに支配されている。

そんな世界で、指名手配されているキャプテン・ハーロックとその旗艦アルカディア号。
ストーリーは違えども、アルカディア号のクルーであるヤッタランやミーメ、ケイ、トリさんなどのキャラクターは同じで安心する。
ただ、アルカディア号本体のデザインは、原作とは若干異なっていて、あまりカッコいいとは思えない。

そしてアルカディア号に新たに乗り込む若者は、原作にはないキャラクター、ヤマ。
実はヤマは、ガイア・サンクションという人類の統治機構から送られた工作員。
送りこんだのは、ガイア軍の長官であるイソラ。
物語は、ある目的の下にガイア軍を翻弄しつつ宇宙を旅するハーロックたちと、それを追いつめるガイア軍の戦いという図式で進んでいく。
横糸にイソラとヤマ兄弟の葛藤が描かれていく。

「自由の旗の下に」というアルカディア号の理念は、原作通り。
ただ、新たに描かれたストーリーと若干マッチしていない。
原作も尻切れトンボ(松本零士のマンガは尻切れトンボが多い)だから仕方ないと思うが、もともとストーリーよりも世界観を楽しむところがあったから、まぁ良しとしたい。

CGを使ったアニメは、人物もよりリアルで、何よりも戦闘シーンの迫力が凄い。
これだけでも観た価値はあったと個人的には思う。
まぁこのあたりは好みで分かれるかもしれない。
ストーリーはしょぼかったけど、懐かしさと迫力とでカバーできたと思う。
ただ、初めて観た人はどうだっただろうと考えると、満足できたのはオールドファンならではかもしれないという気がする。

それにしても、最近は『SPACE BATTLE SHIP ヤマト』などのように、映像技術の進歩によって、実写化(この映画はCGアニメ)も不自然でなくなってきた。
個人的には喜ばしいことであり、大いに推進してほしいと思う。
松本零士のマンガは、独自の世界観と雰囲気が秀逸であり、尻切れトンボのストーリーをうまく補えばいろいろ面白いと思う。

是非とも実現してほしいと願わずにはいられない映画である・・・


評価:★★☆☆☆





posted by HH at 13:12 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ