2025年09月12日

【モンスター・ホテル】My Cinema File 3061

モンスター・ホテル.jpg

原題: Hotel Transylvania
2012年 アメリカ
監督: ゲンディ・タルタコフスキー
出演: 
アダム・サンドラー:ドラキュラ
アンディ・サムバーグ:ジョニー・人間
セレーナ・ゴメス:メイヴィス・ドラキュラの娘
ケヴィン・ジェームズ:フランケンシュタイン

<MOVIE WALKER PRESS解説>
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ドラキュラの故郷トランシルバニアにある、モンスターたちが休暇をすごすモンスター・ホテル。同所を舞台に、ある日突然、人間の若者が迷い込んだことから起きるおかしな騒動を描くCGアニメ。「スター・ウォーズ クローン大戦」など数々のテレビアニメを手がけてきたゲンディ・タルタコフスキー監督の劇場初長編作となる。
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この物語では、ドラキュラ伯爵がとある事情によって妻を早くに失い、残された一人娘のメイヴィスを育てているという解説から始まる。男親にとって娘は何よりもかわいくて仕方のないもの。経営するモンスター・ホテルの外への外出を禁じて大事に育てている。そしてなぜか人間は恐ろしいものとされていて、ドラキュラ伯爵は人間達では決して立ち入ることはない山奥に、モンスターたちの為のホテルとして「ホテルトランシルバニア(原題)」を建てたのである。

時は流れ、成長したメイヴィスは118歳の誕生日を迎える。人間で言えば成人式くらいの感覚であるように思われる。ホテルでは盛大に誕生日パーティの準備が進む。ホテルの中だけで育ったメイヴィスは、幼少期から人間の恐ろしさについて聞かされていたにもかかわらず、外の世界に行きたいという願望が捨て切れない。人間もそうであるが、吸血鬼にも湧き上がる好奇心があるようである。そんなメイヴィスにドラキュラ伯爵は、118歳になったら外の世界を見に行っても良いと約束して先延ばししてきていた。

そしてとうとう約束の118歳の誕生日になるわけである。前夜、外に行きたいというメイヴィスの申し出をドラキュラは「30分だけ」という約束であっさり許可する。喜び勇んで人間の村にやってきたメイヴィスだが、そこにはドラキュラ伯爵が手を回して用意していた村。住人達は全てドラキュラ伯爵の使用人達が演じており、彼らはメイヴィスに人間として襲いかかる。驚いたメイヴィスは、ホテルに逃げ帰り、2度と人間の世界には行かないと誓う。

してやったりのドラキュラ伯爵だが、灯台下暗し、いつのまにか恐れ知らずの人間の若者ジョナサンがホテルに入り込んでしまう。人間が入れない安全なホテルというイメージが壊れる事を恐れた伯爵は、彼にフランケンシュタインのメイクをさせ、モンスターのふりをさせてごまかすことにする。しかし、パーティの途中ふとした事からメイヴィスとジョナサンが鉢合わせてしまう。2人は一目で互いに好意を抱くが、伯爵はジョナサンをとにかく外に追い出そうとする。

しかしその途中、旧友に会ってしまい咄嗟にジョナサンをパーティのプランナーとしてごまかすことにする。やむなく共にパーティーの準備に取り掛かるが、物怖じしないジョナサンは調子に乗ってパーティを盛り上げる音楽を担当する事になる。ところで、このホテルでは人間の世界と隔離されており、演奏されるのは古典ばかり。眠くなるような音楽に対し、ジョナサンは明るいノリの最新の曲を披露する。モンスターたちは大喜びでノリノリになるが、伯爵は自分の企画が否定され面白くない。

ジョナサンは持ち前のコミュニケーション力で次々とモンスター達と仲を深めて行く。しかし、料理係のカシモドは人間の臭いに気がつき、その正体を捜し始める・・・ドラキュラ伯爵と言えばホラー映画の代表格であるが、ここでは人間の方が恐ろしい存在だということになっている。それも無理からぬ事情があるのであるが、人間との接触を避けてきたドラキュラ伯爵が、娘の誕生日にとうとう娘と人間が仲良くなってしまうという悲劇(喜劇?)のお話。全体的にコメディー映画である。

能力的には蝙蝠に変身して空を飛んだり、魔法のようなものを使えたりとはるかに人間を凌駕する力を有しているドラキュラ伯爵なのであるが、なぜか人間を恐れ、ホテルに人間がいることをみんなに知られるのを恐れる有様。1人娘をかわいがる様子は、従来のドラキュラ伯爵とは180度異なるもの。まぁ、これはこれで楽しみたい。そこへ紛れ込んだ人間との交流。それは娘のメイヴィスだけでなく、ドラキュラ伯爵も変えていく。モンスターたちが大勢登場するが、ホラーとは程遠く、誰も彼もみなユーモラスな存在である。

外側の化粧をはがしてしまうと、それは父と娘の物語。父親は娘の身を案じ、とにかく箱入りにしておきたいと思うものであるが、娘も1人の大人として成長し、いずれ父親の下を去る時が来る。そうした父娘の物語が根底に流れている。親しみやすいキャラクターもあって小さな子供と一緒に観ることもできる。続編も作られており、息抜きに観てみるのもいいかもしれない。それにしても、ドラキュラ伯爵やフランケンシュタインの原作者が観たらどんな風に思うだろうか。ふとそんなつまらないことを考えてみた映画である・・・


評価:★★☆☆☆










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2025年03月19日

【君たちはどう生きるか】My Cinema File 2984

君たちはどう生きるか.jpg
 
2023年 日本
監督/原作: 宮ア駿
出演: 
山時聡真:眞人
菅田将暉:青サギ/サギ男
柴咲コウ:キリコ
あいみょん:ヒミ
木村佳乃:夏子
木村拓哉:勝一
竹下景子:いずみ
風吹ジュン:うたこ
阿川佐和子:えりこ
滝沢カレン:ワラワラ
大竹しのぶ:あいこ
國村隼:インコ大王
小林薫:老ペリカン
火野正平:大伯父

<MOVIE WALKER PRESS解説>
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宮崎駿監督が少年時代に母から手渡された同名小説『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎著)にインスパイアされ、オリジナルの物語に自身の少年時代を重ねた自伝的ファンタジー・アニメーション。舞台は宮崎監督の記憶の中に残る、かつての日本。母を戦火で失った11歳の少年・眞人(マヒト)は、父・勝一とともに東京を離れ、新たな母・夏子とともに庭園家屋で暮らし始める。眞人はそこでサギ男や屋敷に住む7人の老婆たち、漁師の女性・キリコなど魅力的なキャラクターにいざなわれ、生と死が混然となった不思議な世界へと分け入っていく。宮崎駿監督が2013年の『風立ちぬ』公開後に行った引退宣言を撤回し、2016年から7年の歳月を経て製作、ついに2023年に劇場公開された。公開前には、音楽は久石譲であること以外は、内容もキャスト・スタッフも明かされない宣伝戦略がとられた。日本公開から間をおかず世界各国で公開、2024年1月、第81回ゴールデングローブ賞の最優秀長編アニメーション映画賞受賞。さらに2024年3月、第96回アカデミー賞長編アニメ映画賞受賞。ジブリ作品のオスカー獲得は『千と千尋の神隠し』以来、21年ぶり2度目となった。
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物語の舞台は太平洋戦争が始まってから3年目の時代。主人公の眞人は軍需工場の経営者である父親の勝一と母ヒサコとの3人暮らし。その母は入院中であったが、空襲で病院が火に包まれ母を失う。父親はヒサコの実家へ工場とともに疎開し、ヒサコの妹夏子と再婚する。勝一は軍需工場の経営者であり、羽振りが良い。疎開先で眞人は転校先に車で送られて行くが、さっそく周りに眼をつけられて殴られる。手痛い洗礼である。眞人は道端の石で自分の頭を殴って出血を伴う大ケガを負い、屋敷で手当を受けて自室で寝込む。

そんな眞人は友達もできず屋敷で1人過ごす。時折青サギがやって来るのを眺めている。ある日、眞人は青サギに誘われるように敷地内にある古い塔に行く。崩れかけた塔を不思議に思った眞人は、土砂で半ば埋もれている入り口から入ろうとするが、屋敷に仕えるばあやたちに制止される。その晩、眞人は夏子から塔は、大伯父によって建てられ、その後大伯父は塔の中で忽然と姿を消したこと、大水が出たときに塔と母屋をつなぐ通路が落ちて迷路のようなトンネルが見つかり、危ないので入り口が埋め立てられたことを教えられる。

翌朝、それまで眞人の部屋にたびたびやって来ていた青サギを木刀を持って追いかける。すると青サギは言葉を話し、「死んだと言われているが、母親の遺体を見ていないでしょう。あなたの助けを待っていますよ」と話しかけられる。不思議な体験である。眞人のケガを知った勝一は、学校側に苦情を訴える。一方で夏子は妊娠し、つわりに苦しんで床に伏す。そして別の日、眞人は屋敷の窓から夏子が森の中へと歩いていく姿を見かける。特に気に留めず、落ちていた青サギの抜け羽を材料に弓矢を自作するが、ヒサコが眞人のために残した小説『君たちはどう生きるか』を見つけて読み進める。

やがて夏子が失踪したと屋敷中が大騒ぎになる。眞人は使用人のばあやキリコとともに夏子を探しに森へ入ると、塔の裏口にたどり着く。そこで青サギの声に促されるまま足を踏み入れた3人はいつの間にか閉じ込められてしまう。塔内で待ち構えていた青サギに眞人は矢を放つ。矢は青サギの嘴を穿つが、それが青サギの弱点をついたのか、青サギは半分鳥で半分人の姿になり、青サギの姿に戻れなくなってしまう。青サギは塔の最上階の人物に命令されたとし、眞人とキリコばあやは「下の世界」へいざなわれていく・・・

タイトルから『君たちはどう生きるか』の映画化かと思っていたら、内容はまったく関係ないもの。なぜそういうタイトルにしたのか疑問に思う。映画の中で主人公が『君たちはどう生きるか』を読んでいるシーンがでてくるので、意識している事は間違いがないが、なぜまったく別の内容のものにしたのかよくわからない。そして塔の中は別世界。そこはジブリならではのもの。その別世界で眞人は不思議な経験と冒険をするのである。

その塔の中の不思議な世界での体験が何かの意味をもっているならまだしも、そうではない(と自分には思えた)のでなおさらよくわからない。しかし、その不思議な世界で行方不明になっていた大伯父に会った眞人は、自らつけた傷について振り返る。それは少年が成長した証。さらに自分の母になるヒミに会う経験もする。少年の成長という大きな括りでは『君たちはどう生きるか』と通じるものがあるのかもしれない。元の世界に戻った眞人は、きっと立派な青年に成長して戦後の世界を生き抜いたに違いない。

タイトルにこだわらなければジブリ作品ならではの面白さを満載。子供が観ても大人が観ても違和感なく楽しめる一作である・・・


評価:★★☆☆☆









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2025年02月28日

【BLUE GIANT】My Cinema File 2975

BLUE GIANT.jpg
 
2023年 日本
監督: 立川譲
原作: 石塚真一
出演: 
山田裕貴:宮本大
間宮祥太朗:沢辺雪祈
岡山天音:玉田俊二
近藤雄介:宮本雅之
須田美玲:宮本彩花
木下紗華:アキコ

<映画.com>
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2013年から小学館「ビッグコミック」にて連載開始した石塚真一の人気ジャズ漫画「BLUE GIANT」をアニメ映画化。
仙台に暮らす高校生・宮本大はジャズに魅了され、毎日ひとり河原でテナーサックスを吹き続けてきた。卒業と同時に上京した彼は、高校の同級生・玉田俊二のアパートに転がり込む。ある日、ライブハウスで同世代の凄腕ピアニスト・沢辺雪祈と出会った大は彼をバンドに誘い、大に感化されてドラムを始めた玉田も加わり3人組バンド「JASS」を結成。楽譜も読めずただひたすらに全力で吹いてきた大と、幼い頃からジャズに全てを捧げてきた雪祈、そして初心者の玉田は、日本最高のジャズクラブに出演して日本のジャズシーンを変えることを目標に、必死に活動を続けていく。
主人公・宮本大の声を人気俳優の山田裕貴が担当し、沢辺雪祈を間宮祥太朗、玉田俊二を岡山天音が演じる。「名探偵コナン ゼロの執行人」の立川譲が監督、原作の担当編集者でストーリーディレクターも務めるNUMBER 8が脚本を手がけ、「幼女戦記」シリーズのNUTがアニメーション制作を担当。世界的ピアニストの上原ひろみが音楽を手がけ、劇中曲の演奏も担当した。
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漫画を原作としたアニメ映画である。物語は仙台で始まる。冬の広瀬川のほとりで雪が深々と降る中、ひとりの高校生、宮本大はテナーサックスを吹いている。世界一のジャズプレイヤーになるという目標を立て、高校を卒業した大は上京する。と言っても行く当てはなく、高校の同級生・玉田俊二の所に転がり込む。そして最初にやったのは練習場所の確保。広瀬川の河川敷と似た場所を探し周り、とある川の高架下をそこと定める。何が大事なのか、それをきちんとわかっている姿に好感を覚える。

そして次にバイト。稼いだお金の一部を居候先の玉田に渡し、東京のジャズバーを巡って演奏させてくれる場所を探す。たまたま通りかかったジャズバー“TAKE TWO”では、ライブはやっていないものの、店主のアキコが店を紹介してくれる。その店は亡き夫がやっていた店。雨の日にあわせたレコードを聞いた大が、雨の日の雰囲気の曲だと呟き、アキコは大の才能を感じる。もうライブをやる事はないが、設備は整っている。以後、“TAKE TWO”は大たちの練習場所になる。

紹介された店を訪れた大は、凄腕のピアニスト沢辺雪祈と出会う。4歳の時からピアノを弾いてきた雪祈は、高校からサックスを始めた大に共感するものはなかったが、大の演奏を聴いて先入観が吹き飛ぶ。それは3年間の練習が並外れたものである事を示しており、雪祈は大と組むことを承諾する。これでピアノとサックスのデュオが誕生する。しかし、ドラムが足りない。その頃、大の同級生・玉田は、毎日好きなことに全力で取り組む大の姿を羨ましく思っている。そんなある時、大がいつも練習している場所へ玉田が顔を出すと、空き缶と枝でリズムを取ってくれと頼む。

一定のリズムで叩き続ける難しさに戸惑う玉田だったが、いつの間にか気付くと夢中で空き缶を叩いている。ジャズの楽しさに気づいた玉田はドラムの練習を始める。素人の玉田とのレベル差に難色を示す雪祈。そこから玉田の猛特訓がスタートする。雪祈もなんだかんだと言いながら見守る。いつしか3人はバンドとして形になっていき、そして雪祈が作曲した「First Note」を引っ提げ、初めてのライブの日を迎える。客は店員をあわせても4、5人程度。それでもこのステージを一生覚えておこうと言って演奏を始める・・・

音楽を題材にした映画は珍しくない。ジャズをテーマにしたのも、ジャズドラムを学ぶ主人公を描いた『セッション』(My Cinema File 1762)や日本映画でも『坂道のアポロン』(My Cinema File 2594)というのもあった。音楽の中でもジャズは比較的マイナーだと思うが、日本の若者的にもウケるのだろうかと思ってみる。

実際に流れるジャズミュージックがどうかという事はよくわからない。バンド名を“JASS”と名付けた3人は老舗の店舗“So Blue”に出演する事を目標にする。大きな目標を立てて邁進していく若者の姿はまぶしい。特に主人公の大はぶれない。仲間を大事にし、目先の利益よりもその先を見据えて行動する。次第に彼らを応援する人が増えていく。音楽の物語であるが、音楽は主役ではない。3人の“JASS”の成長の物語である。そしてとうとう念願の“So Blue”に出演する事になるが、それは大にとって世界一への1つの過程にしかならない。

タイトルの由来は、「若く熱いプレイヤーのことをブルージャイアントと呼ぶことがある」と語られる。なかなか熱いアニメ映画である・・・


評価:★★☆☆☆







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2025年02月24日

【STAND BY ME ドラえもん】My Cinema File 2974

STAND BY ME ドラえもん.jpg
 
2014年 日本
監督: 八木竜一/山崎貴
原作:藤子・F・不二雄
出演: 
水田わさび:ドラえもん
大原めぐみ:のび太
かかずゆみ:しずか
木村昴:ジャイアン
関智一:スネ夫
萩野志保子:出来杉
三石琴乃:のび太のママ
松本保典:のび太のパパ
田原アルノ:しずかのパパ
妻夫木聡:青年のび太

<映画.com>
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藤子・F・不二雄生誕80周年を記念して製作された「ドラえもん」シリーズ初の3DCGアニメーション。原作から厳選されたエピソードを再構成し、ドラえもんとのび太の出会いから別れまでを描いた。「フレンズ もののけ島のナキ」を手がけた八木竜一と『永遠の0』 『ALWAYS 三丁目の夕日』の山崎貴が共同監督。何をやらせても冴えない少年のび太のもとに、22世紀の未来から、ネコ型ロボットのドラえもんがやってくる。のび太の孫の孫にあたるセワシが、ご先祖様であるのび太の悲惨な未来を変えるために送り込まれたドラえもんだったが、当のドラえもんはあまり乗り気ではない。セワシはそんなドラえもんにやる気を出させるため、のび太を幸せにしない限り22世紀に帰ることができないプログラムを仕込む。かくして仕方なくのび太の面倒をみることになったドラえもんは、のび太がクラスメイトのしずかちゃんに好意を抱いていることを知り、のび太としずかちゃんが結婚できる明るい未来を実現するため、数々の未来の道具を駆使してのび太を助けるが……。トヨタ自動車のCMで大人になったのび太を演じている俳優の妻夫木聡が、青年のび太の声優として参加している。
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「ドラえもん」は息の長いアニメである。初めて漫画を読んだのは小学生の頃だったように記憶している。テレビのアニメも観ていた記憶がある。そんな長寿アニメの映画化作品。何となく子供向けでもう卒業した気分でいたが、どうにも評判が高いので観てみる気になった映画。監督に山崎貴の名前があればそれだけで一見の価値があるだろうと判断。

ある日、勉強もスポーツも何をやらせても冴えない少年のび太の元に、22世紀の未来からのび太の孫の孫にあたるセワシと、ネコ型ロボットのドラえもんが現れる。ご先祖様であるのび太のあまりにも不甲斐ない未来に、その子孫たちにも大きな悪影響があり、その未来を変えようとドラえもんを連れてきたことを伝える。セワシはドラえもんに成果を上げさせるため、「のび太を幸せにしない限り22世紀に帰ることができない」というプログラムをセットして帰って行く。こうして、ドラえもんは、のび太の面倒をみることになる。

毎朝、のび太は寝坊をして先生に怒られて立たされる。スネ夫に嫌味を言われてからかわれるのもいつもの事。しかし、その朝はドラえもんが「どこでもドア」を出してのび太の遅刻を防ぐ。そう言えばこのどこでもドアは心底欲しいなと思ったものである。夜の町をタケコプターで飛ぶ。しずかちゃんやジャイアン、スネ夫などのお馴染みのメンバーとドラえもんのひみつ道具で遊ぶ。しかし、そこには子供の教育にいい事もこっそり含まれている。

のび太はしずかちゃんに憧れているが、成績優秀でスポーツ万能な出来杉を見てしまうと自分との差を見せつけられて落ち込む。そこでドラえもんは、ポケットから「刷り込みたまご」を取り出す。それは動物の「刷り込み」を利用し、たまごから出て最初に目にした相手が好きでたまらなくなる道具。その目論見は失敗するが、人に好かれたいと思ったら道具に頼ってやるものではないという当たり前の事に気付かされる。

「道具に頼り過ぎている」と指摘されたのび太は反省して次のテストに向けての勉強をする。それは結局、その日のテスト内容は「漢字」なのに「算数」の勉強をして失敗するのであるが、自分で何とかしようという意欲は立派である。どんな子でものび太ほど悪くはないだろう。そんなのび太でさえ頑張る姿を見せれば、子供も頑張ろうと思うかもしれない。単なるアニメに終わらず、教育的内容がともなっているのがいい。

物語はいくつかのエピソードを交えて進んでいく。のび太とドラえもんは次に未来に行き、相変わらずふがいない自分の姿を目にする。秘密道具で大人の姿になったのび太は、雪山で遭難しかかっているしずかを助けに行くが、ここでもやっぱりふがいなさが出てしまう。機転を利かせてピンチを脱したのび太。いろいろとあって未来は変わるが、その結果、ドラえもんが帰ることになる。そのエピソードは良く知られているが、やっぱりちょっと感動的である。

単なるアニメではあるが、単なるアニメに終わらない。1つ1つのエピソードに大人でも当てはまる教訓が込められている。単なる子供向けアニメには終わらせられないものがある。なるほど、評判に嘘はない。他の『ドラえもん』の映画版はわからないが、この映画は大人でも観る価値はある。長い年月を「現役」で通用しているだけのことはある。大人も心温まる映画である・・・


評価:★★★☆☆








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2024年02月03日

【JUNK HEAD】My Cinema File 2810

JUNK HEAD.jpeg

2017年 日本
監督: 堀貴秀

<映画.com>
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孤高のクリエイター・堀貴秀が独学で7年の歳月をかけて制作し、カナダ・モントリオールで開催されるファンタジア国際映画祭で最優秀長編アニメーション賞を受賞するなど世界的に高く評価されたSFストップモーションアニメ。原案、絵コンテ、脚本、編集、撮影、演出、照明、アニメーター、デザイン、人形、セット、衣装、映像効果のすべてを堀監督が1人で担当し、総ショット数約14万コマという膨大な作業を経て完成させた。環境破壊が進み、地上はもはや人間が住めないほど汚染された。人類は地下開発のための労働力として人工生命体マリガンを創造するが、自我に目覚めたマリガンが反乱を起こし地下を乗っ取ってしまう。それから1600年後。遺伝子操作で永遠に近い命を手に入れた人類は、その代償として生殖能力を失った。絶滅の危機に陥った人類は、地下で独自に進化を遂げたマリガンの調査を開始。政府が募集した地下調査員に名乗りをあげたダンス講師は、調査中に死と隣り合わせになったことで命を実感し、マリガンたちと協力して人類再生の道を探る。
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未来の地球。環境破壊が進み、地上は人間が住めないほど汚染されてしまう。人類は地下開発のための労働力として人工生命体マリガンを創造するが、自我に目覚めたマリガンが反乱を起こし地下を乗っ取られてしまう。それから1600年後。遺伝子操作で永遠に近い命を手に入れた人類は、その代償として生殖能力を失う。絶滅の危機に陥った人類は、地下で独自に進化を遂げたマリガンの調査を開始する。そんな前提条件が示される。

冒頭、登場したロボットが何やら地下へと送り込む。巨大な穴を落ちていく物体。ところが降下中に地下の住民によって砲撃されてしまう。ばらばらになった物体は、そのまま落下する。頭部を拾ったのは3体のトリオ。何かわからないが、とりあえず研究室の博士のところに持ち込む。博士は周囲にあったモノを寄せ集めて組み立てる。出来上がったのは、キューピー人形のようなロボット。

しかし、ロボットは次第に記憶を回復させる。もともとはバーチャルのダンス講師をしていた男性。ウィルスの蔓延で人口が減少し、仕事が無くなった事から地下の調査員に応募したのである。地下深くに蠢くのは奇怪な生物たち。知能を持つ者もいれば捕食型の生物もいる。そんな生物に襲われたロボットは、またもやばらばらになってさらに下の村に落下する。そこで村のエンジニアによって拾われ、またも体を与えられる。そして職長から「ポン太」と名付けられる。

ポン太は、耳は聞こえるが声は出せない。村では掃除などの雑用をやらされていたが、ある時クノコという得体のしれない食料を取りに行かされる。途中で見知らぬ人に会い、騙されてクノコを巻き上げられるが、騙した者も地下生物に食われてしまう。クノコを取り戻して村へと戻りかけるが、ニコという男に会って助けてもらい、村に帰ってくる。ところが時間が経ちすぎてクノコはダメになってしまう。それどころか、村に凶暴な肉食生物が迫り来る・・・

この映画はストップモーションアニメという事で、実写の人間は出てこない。すべて1人で製作したという事で、実に凄い事である。主人公は一応人間なのであるが、テクノロジーの進化で頭部だけになってしまっている。それが地下へ落ちてそこかしこに点在する地下の村々を渡り歩く形で物語は進んでいく。ストーリー自体はそれほど凝ったものではないが、ロボットの形で変化する主人公の行動と、地下に住む奇怪な人々や捕食生物たちの様子が見どころと言えば見どころなのであろう。

最後は獰猛な捕食生物との戦いになるが、助っ人として雇われたのは、冒頭で登場した3人。おつむの弱さが目立っていたが、その正体は凄腕の地下捕食生物のハンター。専用の薬剤を注射する事で一時的に強靭な肉体に変化し、高度な連携を取りつつ戦う事が出来るというもの。エイリアンとの戦いを見ているような気分である。この映画の特徴であるストップモーションアニメも観るにあたっては実写とアニメとの間のような感覚で、正直言って撮影方法は観ていてもよくわからない。それだけ自然に仕上がっているという事かもしれない。

それにしても捕食生物が人間(?)をパクりとやる様は何とも言えない。実写では血しぶきがとびそうだが、ストップモーションアニメという特性かマイルドに描かれる。それゆえにどこか滑稽でもある。特に主人公からクノコを巻き上げた男(?)が、とんずらするタイミングで捕食生物に上半身を食いちぎられるさまは、むしろ清々しさえ感じられた程である。これはこれで面白いと思える映画である・・・


評価:★★☆☆☆








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