
原題: Hotel Transylvania
2012年 アメリカ
監督: ゲンディ・タルタコフスキー
出演:
アダム・サンドラー:ドラキュラ
アンディ・サムバーグ:ジョニー・人間
セレーナ・ゴメス:メイヴィス・ドラキュラの娘
ケヴィン・ジェームズ:フランケンシュタイン
<MOVIE WALKER PRESS解説>
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ドラキュラの故郷トランシルバニアにある、モンスターたちが休暇をすごすモンスター・ホテル。同所を舞台に、ある日突然、人間の若者が迷い込んだことから起きるおかしな騒動を描くCGアニメ。「スター・ウォーズ クローン大戦」など数々のテレビアニメを手がけてきたゲンディ・タルタコフスキー監督の劇場初長編作となる。
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この物語では、ドラキュラ伯爵がとある事情によって妻を早くに失い、残された一人娘のメイヴィスを育てているという解説から始まる。男親にとって娘は何よりもかわいくて仕方のないもの。経営するモンスター・ホテルの外への外出を禁じて大事に育てている。そしてなぜか人間は恐ろしいものとされていて、ドラキュラ伯爵は人間達では決して立ち入ることはない山奥に、モンスターたちの為のホテルとして「ホテルトランシルバニア(原題)」を建てたのである。
時は流れ、成長したメイヴィスは118歳の誕生日を迎える。人間で言えば成人式くらいの感覚であるように思われる。ホテルでは盛大に誕生日パーティの準備が進む。ホテルの中だけで育ったメイヴィスは、幼少期から人間の恐ろしさについて聞かされていたにもかかわらず、外の世界に行きたいという願望が捨て切れない。人間もそうであるが、吸血鬼にも湧き上がる好奇心があるようである。そんなメイヴィスにドラキュラ伯爵は、118歳になったら外の世界を見に行っても良いと約束して先延ばししてきていた。
そしてとうとう約束の118歳の誕生日になるわけである。前夜、外に行きたいというメイヴィスの申し出をドラキュラは「30分だけ」という約束であっさり許可する。喜び勇んで人間の村にやってきたメイヴィスだが、そこにはドラキュラ伯爵が手を回して用意していた村。住人達は全てドラキュラ伯爵の使用人達が演じており、彼らはメイヴィスに人間として襲いかかる。驚いたメイヴィスは、ホテルに逃げ帰り、2度と人間の世界には行かないと誓う。
してやったりのドラキュラ伯爵だが、灯台下暗し、いつのまにか恐れ知らずの人間の若者ジョナサンがホテルに入り込んでしまう。人間が入れない安全なホテルというイメージが壊れる事を恐れた伯爵は、彼にフランケンシュタインのメイクをさせ、モンスターのふりをさせてごまかすことにする。しかし、パーティの途中ふとした事からメイヴィスとジョナサンが鉢合わせてしまう。2人は一目で互いに好意を抱くが、伯爵はジョナサンをとにかく外に追い出そうとする。
しかしその途中、旧友に会ってしまい咄嗟にジョナサンをパーティのプランナーとしてごまかすことにする。やむなく共にパーティーの準備に取り掛かるが、物怖じしないジョナサンは調子に乗ってパーティを盛り上げる音楽を担当する事になる。ところで、このホテルでは人間の世界と隔離されており、演奏されるのは古典ばかり。眠くなるような音楽に対し、ジョナサンは明るいノリの最新の曲を披露する。モンスターたちは大喜びでノリノリになるが、伯爵は自分の企画が否定され面白くない。
ジョナサンは持ち前のコミュニケーション力で次々とモンスター達と仲を深めて行く。しかし、料理係のカシモドは人間の臭いに気がつき、その正体を捜し始める・・・ドラキュラ伯爵と言えばホラー映画の代表格であるが、ここでは人間の方が恐ろしい存在だということになっている。それも無理からぬ事情があるのであるが、人間との接触を避けてきたドラキュラ伯爵が、娘の誕生日にとうとう娘と人間が仲良くなってしまうという悲劇(喜劇?)のお話。全体的にコメディー映画である。
能力的には蝙蝠に変身して空を飛んだり、魔法のようなものを使えたりとはるかに人間を凌駕する力を有しているドラキュラ伯爵なのであるが、なぜか人間を恐れ、ホテルに人間がいることをみんなに知られるのを恐れる有様。1人娘をかわいがる様子は、従来のドラキュラ伯爵とは180度異なるもの。まぁ、これはこれで楽しみたい。そこへ紛れ込んだ人間との交流。それは娘のメイヴィスだけでなく、ドラキュラ伯爵も変えていく。モンスターたちが大勢登場するが、ホラーとは程遠く、誰も彼もみなユーモラスな存在である。
外側の化粧をはがしてしまうと、それは父と娘の物語。父親は娘の身を案じ、とにかく箱入りにしておきたいと思うものであるが、娘も1人の大人として成長し、いずれ父親の下を去る時が来る。そうした父娘の物語が根底に流れている。親しみやすいキャラクターもあって小さな子供と一緒に観ることもできる。続編も作られており、息抜きに観てみるのもいいかもしれない。それにしても、ドラキュラ伯爵やフランケンシュタインの原作者が観たらどんな風に思うだろうか。ふとそんなつまらないことを考えてみた映画である・・・
評価:★★☆☆☆





