2014年11月17日

おしん

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2013年 日本
監督: 冨樫森
出演: 
濱田ここね:谷村 しん
上戸彩:谷村 ふじ
稲垣吾郎:谷村 作造
岸本加世子:つね
小林綾子:八代 みの
乃木涼介:八代 清太郎
井頭愛海:八代 加代
吉村実子:谷村 なか
満島真之介:俊作
ガッツ石松:松造
泉ピン子:八代 くに

<映画.com>
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NHK連続テレビ小説として放映され、大ブームを巻き起こし、海外でも人気の高い国民的ドラマ「おしん」を映画化。
おしんの少女時代に焦点を合わせ、苦しい家計のためにやむなく奉公に出された彼女がさまざまな苦難に見舞われながらも、たくましく生きていく姿を描く。
おしん役は、オーディションで選出された新星・濱田ここね、母親役に上戸彩、父親役に稲垣吾郎と多彩な顔ぶれが集結。
『星に願いを。 Nights of the Shooting Star』などで知られ山形県出身の冨樫森が監督を務め、極寒の山形県で全てのロケを行った。
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「おしん」と言えば、30年以上前にNHKの朝の連続TV小説でやっていたドラマである。
当時、私は大学受験に敗れ宅浪中だったため、毎朝観ていたものである。
今でも強く印象に残っているが、原作者が橋田須賀子だったということは、改めて知った意外な事実である。

そんなドラマの映画化であり、懐かしさも半分あって観た次第。
当時放映されたドラマは、子供時代からおばあさんに至るまで3人の女優さんが演じる長い物語だったが、映画は一番涙を誘う少女時代。
これも順当な選択であると思う。

時は明治33年、場所は東北の寒村。
7歳のおしんは来年から小学校。
入学を楽しみにするおしんだが、父親から奉公に行くようにと告げられる。
初めは両親と一緒にいたいと嫌がるおしん。
7歳であれば、当然の反応だ。

しかし、貧しい家におしんの母親が妊娠するに至り、親としてもやむを得ない“口減らし”だったのだろう。
嫌がるおしんだが、それを見かねた母親が授かった子供を流産しようと冷たい川に入り、助けられる様子を見て、奉公に行くことを決意する。
子供心に親の困窮を見てとったことであるが、フィクションだとしても観ている方も心動かされる。

そしておしんはいかだに乗って奉公先へと向かう。
TVドラマの名シーンの再現だが、やはり目頭が熱くなる。
着いた奉公先に待っているのは、厳しい生活。
朝早くから起こされ、家事を言いつけられる。
元気なおしんの返事がいじらしい。

何せ明治の時代のこと、お湯など出ないし、米も釜で炊く時代。
家事の一つ一つが重労働。
しかも労働基準法などもなく、優しく手伝ってくれる者もいない。
楽しみの食事も、みんなが食べ終わったあとに米櫃に残った飯をすくうようにして食べる。
それでも帰ることはできない・・・

そして事件が起こる。
女中頭が50銭がなくなった事に気付く。
真っ先に疑われるおしん。
悪い事に、家を出る時に、不憫に思った祖母がおしんになけなしの50銭を持たせていたから、盗みの動かぬ証拠とされてしまう。
ここにきてついに耐えきれなくなったおしんは、奉公先を飛び出していく・・・

貧しいゆえに学校にも行けず、辛くても我慢するしかない。
物語はフィクションであるものの、それが胸に迫るのは、たぶん同じような話が実際にはいくつもあっただろうと思われるからだろう。
そんな中で、二度目の奉公に出た先の加賀屋の女将の心温まる対応に、またまた目頭が熱くなる。
人としてのあり方を考えさせてくれるところである。

最初の厳しい奉公で、おしんは家事についてはみんなが驚くほど万能になっている。
加賀屋の女中たちは、年端もいかぬおしんの高い家事能力に舌を巻く。
ほとんどいじめのような生活でも、身に付いたものはあったわけで、一生懸命やっていることは、けっして無駄にはなっていないわけである。
ちょっと救われるシーンである。

母親が今で言えば水商売のようなことをしなければならなかったり、生まれた子供を手放さなければならなかったり、これでもかと、おしんの家には試練がのしかかる。
一方、おしんと同世代の加賀屋の娘は、我がままに育っている。
観ている方からは、誠にけしからんと思うが、考えてみれば豊かになった現代に生きる我々は、ほとんどがこの娘と同じだと思う。
何かと考えさせられるところは多い。

映画として面白いかと言えば、正直難しいところ。
だが、表面的なストーリーよりも、心に訴えかけてくるものは大きい。
物語の中に入り、「かつてあったかもしれない話」と同化することによって何かを感じる映画なのかもしれない。

豊かになっても忘れてはいけないことがある。
それを思い出させてくれる映画である・・・


評価:★★☆☆☆






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2014年11月11日

31年目の夫婦げんか

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原題: Hope Springs
2012年 アメリカ
監督: デヴィッド・フランケル
出演: 
メリル・ストリープ:ケイ・ソームズ
トミー・リー・ジョーンズ:アーノルド・ソームズ
スティーヴ・カレル:バーナード・“バーニー”・フェルド医師
エリザベス・シュー:カレン
ジーン・スマート:アイリーン
ベン・ラパポート:ブラッド
マリン・アイルランド:モリー
ミミ・ロジャース:キャロル

<Yahoo!映画解説>
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結婚31年目に夫婦の絆を取り戻そうと奮闘する夫婦を、オスカー受賞のメリル・ストリープとトミー・リー・ジョーンズが演じるヒューマンドラマ。
カップルセラピーに振り回されながらも、結婚生活を振り返り、未来のための答えを見つけ出すまでの夫婦の姿を描く。
『プラダを着た悪魔』のデヴィッド・フランケルがメガホンを取り、夫婦に性生活などを指南するセラピスト役で、『40歳の童貞男』などのスティーヴ・カレルが共演。
夫婦だからこその迷いを見事に演じる名優の演技に引き込まれる。
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トミー・リー・ジョーンズとメリル・ストリープが夫婦に扮したドラマである。
アーノルドとケイは、結婚31年目。
冒頭、意を決した表情のケイが、アーノルドの寝室に入っていく。
2人は、アーノルドが腰を痛めたことを契機に、別々の寝室で寝るようになっていたのである。
ちょっと驚くアーノルドに、ケイは勇気を振り絞って「したいの」と伝える。
戸惑うアーノルドは、言い訳をして断る・・・

「夫婦は一体、いつまでするものなのだろうか」とふと思う。
せっかく奥様から誘ってきているのに、断ったらいかんよなぁと思う。
結婚してしばらくはラブラブであっても、やがて子供が生まれ何かと大変になってくると、夫婦はお互いに空気のような存在になってしまう。
この夫婦もそんな関係に危機感をもったケイが、もう一度お互いを大事な存在として考えるようになりたいと試みる物語である。

ちなみに邦題にあるような“夫婦喧嘩”などほとんどない。
喧嘩といえるような対立があるわけでもない。
戸惑いながらも歩み寄ろうとする夫婦の物語である。
内容を観ずに邦題をつけたのだと思うが、いいかげんなタイトルである。
(ちなみに原題の意味もよくわからない。たぶん夫婦でカウンセリングに訪れる土地=Great Hope Springs=と何か関係があるのかもしれないが、英語の教養がなくてわからない)

そんなケイは、書店で見つけた本を頼りに夫婦カウンセリングを申し込む。
突然の妻の申し出に戸惑うアーノルドは、わざわざ休暇を取ってはるばる出掛けていくことを拒否する。
大概、男は事の重大さに気付かないものである。
同僚の助言に従って花を買って帰ったりするが、根本的な解決を望むケイが喜ぶはずもない。
それでも何か感じるところがあったのだろう、渋々承諾するアーノルド。
これだけでも良い夫だと、男の立場からは思えてしまう。
“夫婦喧嘩”とはほど遠く物語は進む。

二人が訪れたのは、フェルドマン医師。
それにしてもアメリカは、カウンセリング大国だとつくづく思う。
日本にこうしたカウンセリングがあるのかどうかわからないし、たぶんあるのだろうが、どれくらいの人が利用しているものなのだろうと、疑問に思う。
フェルドマン医師の前に座る二人。
長いソファの両端に離れて座る様子が、二人の距離を表している。

カウンセリングは連日続く。
ホテルに帰ると、医師から指示された“課題”をこなすのだが、アーノルドもここに至ると協力的である。
それにしてもアメリカ的で、フェルドマン医師もSEXのことをあけすけに聞いてくる。
もしも我が夫婦がこのカウンセリングを受けていたら、何と答えるだろうと想像してしまう。
スムーズに改善するというわけにはいかないが、それでも効果は徐々に表れてくる・・・

意思あるところに道は通じるというが、これは二人の関係改善を望んだケイの意思の表れであろう。
こうしたことが可能ならば、我が家でも、とついつい思ってしまう。
最後のハッピーエンドは、実に清々しい。
ちょっと夫婦関係が冷えてきている人は、夫婦で観てみると良い映画かもしれないと思うのである・・・


評価:★★☆☆☆







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2014年10月29日

ブロークン

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原題: Broken
2012年 イギリス
監督: ルーファス・ノリス
出演: 
ティム・ロス:アーチー
キリアン・マーフィ:マイク
エロイーズ・ローレンス:スカンク
ロリー・キニア:オズワルド
ロバート・エムズ:リック

<WOWOW解説>
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ある家族の父親が誤解から、向かいの家の息子に暴力を振るう。
この事件をきっかけに運命を揺さぶられていく2家族を描いた英国の社会派ドラマ。
人気男優T・ロスらが共演。
同じ近所に住むが、いずれも何かが足りない3つの平凡な家族。
ある暴力事件をきっかけに、なかでも1組の父娘は特に動揺し……。
英国の郊外を舞台にしているが、“憎しみと暴力の連鎖”はどこの国で起きてもおかしくない事態であり、どうすれば避けられるのかという疑問を見る者に投げかける、ビターな1本だ。
出演は「パルプ・フィクション」やTV「ライ・トゥ・ミー 嘘の瞬間」のロス、『インセプション』のC・マーフィら。
監督は舞台の演出で高い評価を受けてきたR・ノリス。日本では劇場未公開。
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イギリス発の人間ドラマ。
物語の舞台は、中流家庭と思われる家が建ち並ぶ住宅街の一角。
主人公は、スカンクという名の中学生になる少女。
スカンクは糖尿病を患っている。
兄が一人いて、父親は弁護士をしており、母は愛人を作って家を出てしまっている。

ある日、向かいに住むリックと話していると、突然隣家の父親オズワルドがやってきてリックを殴り倒す。
オズワルドには3人の娘がいて、母親がいないせいか素行が悪い。
真ん中の娘が父親にコンドームを見つけられ、叱られた際に咄嗟に相手はリックだと嘘をついたのが原因であった。
さらに3女はスカンクをカツ上げする始末。

スカンクの家には家政婦カシャがいて、その恋人はスカンクの学校の担任。
やがてスカンクにもボーイフレンドができ、大人の世界を垣間見つつ、子供の世界に生きている。
オズワルドに殴られ、3姉妹にバカにされたリックは、精神を病んでしまう。

こうしたドラマ映画はそんな一つの世界のありふれた日常を描いていく。
それを観て何を感じるか、は人それぞれかもしれない。
個人的に感じたのは、子供の教育の難しさだろうか。
オズワルドの家では母親がいない。
そして父親は3姉妹を溺愛しているが、その姿はどこか歪んでいる。
さらに一旦怒ると手がつけられなくなり、誰彼となく殴り倒す。
そんな父親だからか、娘たちも素行が悪くなる。
その責任は、父親にあるが、当人はもちろん気付いていない。

精神を病んでしまうリックにしても、母親の過保護が本人の自立を妨げているようにも思える。
もちろん、母親本人は気付いていない。
この映画に出てくる登場人物たちは、みな自分は問題ないと思っている。
世間一般の人もみなそうであろう。
“Broken”というタイトルが何を表しているのか。
「壊れる」という意味であるならば、何となく言わんとしていることは伝わってくる。

壊れていきリックとその家族。
オズワルドの家もまた然り。
そんな中にあって、ラストのスカンクにはちょっと救われる気もする。
深い意味の見え隠れする映画である・・・


評価:★★☆☆☆

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2014年10月27日

ヴィクトル・ユゴー笑う男

ヴィクトル・ユゴー笑う男.jpg

原題: L'Homme qui rit
2012年 フランス
監督: ジャン=ピエール・アメリス
出演: 
ジェラール・ドパルデュー:ウルシュス
マルク=アンドレ・グロンダン:グウィンプレン
クリスタ・テレ:デア
エマニュエル・セニエ:女公爵

<WOWOW解説>
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文豪V・ユゴーの古典小説をG・ドパルデューらフランスの豪華キャスト共演で映画化。
口の両端を裂かれ、いつも笑ったような顔をした主人公は、旅芸人として生きるが……。
リュック・ベッソン監督が代表取締役社長を務める映画会社“ヨーロッパ・コープ”も参加した作品。
ユゴーによる原作はサイレント映画時代の1928年、ハリウッドのユニバーサル社も映画化したことがあるが、悲劇的要素も多いストーリーを本作は、むしろ痛快といっていいほどエンターテインメント色豊かに映画化。
奇妙な運命のもとで生きる主人公に扮したのは、カナダ出身のM=A・グロンダン。
もともとは端正な顔立ちであることをうかがわせて魅力的だ。
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ヴィクトル・ユゴーと言えば、何と言っても『レ・ミゼラブル』が有名であるが、作品はそれだけではない。
ただ、タイトルが『笑う男』だけだと、大衆の興味を惹かないと思われたのであろう、「ヴィクトル・ユゴー」と原作者名をタイトルに取り入れている。
結局、この映画は日本未公開らしいが、そんな苦心の跡が見てとれる。

冒頭、男達が出航の用意をしている。
一人の少年が一緒に連れて行ってくれと懇願する。
しかし、男達は無情にも少年を置いていく。
少年の名は、グィンプレン。
雪の中を当て所なく、一人歩いていく。

やがて雪の中で凍死した母親に抱かれた少女を助ける。
何とか村まで歩くも、どの家も扉を閉ざし、グィンプレンを受け入れてくれない。
ようやく村の外れで、移動生活を送るウルシュスという男に助けられる。
グィンプレンが助けた少女デアは、なんとか助かるものの、失明してしまっている。

以来、3人での生活。
始めは薬草を売って生計を立てていたウルシュスだが、グィンプレンとデアが成長すると、2人による芝居を始め、これが好評を博するようになる。
やがて3人は町に住むようになり、デアはいつしかグィンプレンに恋心を抱く。

グィンプレンは幼い頃、誘拐団にさらわれており、冒頭でグィンプレンを置き去りにした男達がまさにその誘拐団であったとわかる。
そして誘拐団が残して行ったのは、グィンプレンだけでなく彼の顔の傷もそうであった。
グィンプレンは、口の両端を切り裂かれており、その傷跡は彼の顔を笑ったように見せていた。
まさに、「笑う男」であるが、この笑う男グィンプレンとデアの演じる悲劇は町の話題となり、ある女公爵の目に留まる・・・

口の両端を切り裂かれてしまったために、その傷跡からいつも笑っているように見えるグィンプレン。
子供の頃は、その傷を恥じて顔を隠している。
そんなグィンプレンも、盲目のデアの前では顔を隠す必要もなく、たぶん心も開いていられたのであろう。
何もなければ、貧しくとも幸せに暮らせたのかもしれない。

ところが、彼らの演じる悲劇が受けて大勢の人が見に来るようになると、何よりもグィンプレンが変わっていく。
劇では顔を隠さず、女公爵も素顔のグィンプレンに近づいてくる。
やがてグィンプレンは、もともとさる貴族の家から誘拐された息子だとわかると、金も地位も手に入る。
そうすると、貧しくとも幸せだったウルシュスとデアとの生活から離れていく。
絵に描いたような変化である。

『レ・ミゼラブル』でも薄幸のファンテーヌという娼婦が登場したが、この物語でもデアには同情の気持ちが自然と湧き起こる。
人間とは欲望の前には大切なものを見失いがちである。
それは物語の中だけでなく、世の中の人すべてに当てはまりそうである。
少なくとも、この豊かな日本という国に暮らしている人には、そう言えるのではないか、などと思ってみる。

内容的には、もっと評判になっても良さそうな作品なのであるが、そうではないのは何でだろうか。
全体的に暗い雰囲気が災いしたのであろうか。
個人的には、“もう一つの『レ・ミゼラブル』”とでもして評価したい映画である・・・


評価:★★☆☆☆



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2014年10月24日

上京ものがたり

上京ものがたり.jpg

2013年 日本
監督: 森岡利行
出演: 
北乃きい:菜都美
池松壮亮:良介
谷花音:さき
瀬戸朝香:ふぶき
木村文乃
黒沢あすか
岸部一徳

<Yahoo!映画解説>
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田舎から上京して美術大学に通い、作家デビューするまでを描いた西原理恵子の自伝的コミックを映画化した青春ドラマ。
自分を特別な存在だと思っている少女が体験する挫折、そして夢をつかむまでのプロセスを赤裸々につづる。
主演は、『武士道シックスティーン』などの北乃きい。
無職の恋人を、『行け!男子高校演劇部』などの池松壮亮が演じるほか、瀬戸朝香、谷花音などが共演。
メガホンを取るのは、西原原作の映画『女の子ものがたり』を手掛けた森岡利行。
将来の夢や恋愛にもがきながらも、転んでもただでは起きないたくましさが共感を呼ぶ。
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原作は、コミックらしい。
西原理恵子の“自伝的”物語という事であるが、“自伝的”という事は、自伝にフィクションがブレンドされているのだろうかと思ってみたりする。
どこまでがフィクションかはわからないが、純粋に物語として楽しめるものである。

主人公は、美大に通うため田舎から上京してきた菜都美。
東京での暮らしをスタートさせるが、家賃を払うのに精一杯の毎日を過ごしている。
絵具を買うにも難儀しているのを見た大学の友達が、“時給のいいバイト”を紹介してくれる。
その仕事とは、キャバクラ。
背に腹はかえられないと思ったのか、わりとあっさり働きに出る。

しかし、店では素人っぽさが売りだけで、どうやら成績はビリの様子。
店長にお尻を触られても嫌だと言えない。
ある日、菜都美は同じ店に努める良介に借金を頼まれる。
いかにも返せなさそうなのに、菜都美は1万円貸してしまう。
このあたり、断れない性格が伺える。

そして良介は、他のホステスからの借金や店からの給料の前借りを踏み倒し、店を辞めてしまう。
しかし、そんな良介は突然菜都美の部屋を訪ねてくる。
断らないのか断れないのか、菜都美はそのまま一緒に暮らし始めてしまう。
されど良介は定職につかず、結果的にはヒモ状態となる。

良介は働かないばかりか、拾ってきた猫の病院代に8万ものお金を平気で使い、「命のほうが大事じゃないか」と言うような有り様。
そんなある日、菜都美はキャバクラの先輩ホステス吹雪の娘沙希と絵を描いた事がきっかけで仲良くなる。
それを機に、吹雪とも親しくなる。

美大でもクラスで最下位の菜都美であったが、吹雪の「最下位には最下位の戦い方があると思う」という言葉に勇気づけられ、自分なりの戦い方で絵の道に進むことを決心し、毎日のように出版社へ自分の絵を売り込み始める。
絵は下手なままなのに、エロ雑誌にも果敢に飛び込み、やがて仕事を獲得していく・・・

原作者の西原恵理子の事も、原作漫画の事もほとんど知らないので、映画は映画として何の先入観も持たずに観たのであるが、若者が明日を目指して頑張るストーリーというのは、やっぱり温かい気持ちになる。
絵が好きで、せっかく美大に進学したのに、成績はビリ。
だが、のんびりした性格なのか、それに落ち込む事なくトップの同級生を素直に認められるところは、良い性格だと思う。

そんな主人公の頑張る姿をストーリーは追っていく。
特に大きな波乱があるわけではない。
主人公のどこか人より一歩遅れてしまうようなところが、ストーリー全体にも表れているような展開の物語。
人によっては、主人公の菜都美の行動はもどかしく映るかもしれないが、個人的には好ましく感じたところである。
原作者の西原理恵子にもちょっと興味を持った。

肩肘張らずに楽しめる映画である・・・


評価:★★☆☆☆




posted by HH at 21:57 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ