2014年08月20日

天使の分け前

天使の分け前.jpg

原題: The Angels' Share
2012年 イギリス・フランス・ベルギー・イタリア
監督: ケン・ローチ
出演: 
ポール・ブラニンガン:ロビー
ジョン・ヘンショウ:ハリー
ガリー・メイトランド:アルバート
ジャスミン・リギンズ:モー
ウィリアム・ルアン:ライノ
ロジャー・アラム:タデウス
デヴィッド・グッドール:アンガス・ドビー
シボーン・ライリー:レオニー

<YAHOO! 映画解説>
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『大地と自由』、『麦の穂をゆらす風』などのイギリスの名匠、ケン・ローチ監督によるヒューマン・コメディー。
スコッチ・ウイスキーの故郷スコットランドを舞台に、もめ事ばかり起こしてきた若者がウイスキー作りを通じて師や仲間と出会い、自らの手で人生を再生していくさまを描く。
社会奉仕活動で出会った行き場のない者たちが繰り広げる痛快な人生賛歌は、第65回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞した。
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主人公のロビーは、若年失業者の一人。
喧嘩で相手に怪我をさせ、裁判では「社会奉仕活動300時間」のお沙汰でかろうじて懲役刑を回避する。
臨月の恋人レオニーからは、「これが最後」と念を押される。

しかし、喧嘩で怪我をさせた相手からは、復讐で執拗に狙われ、レオニーの親や親族からは毛嫌いされ、何とかレオニーと別れさせようとされる。
真面目に生きたくても仕事もない。
こうして普通はまた悪の世界に戻っていくのだろう。
そんなロビーは、社会奉仕活動で世話人のハリーと出会う。

ロビーはハリーからウィスキーを飲ませてもらう。
ウィスキー愛好家のハリーからは、テイスティングも教えてもらい、意外にもその方面に才能がある事に気づく。
ある日、ハリーに連れられてウィスキーの評論会に参加したロビーは、最高級ウィスキーの事を教えられる。
そして、ハリーの奉仕活動で知り合ったモーから、そのウィスキーを盗み出して売る計画を持ち掛けられたロビーは、苦境を抜け出すためにモー、アルバート、ライノとともに北ハイランド地方の樽元への旅に出かける・・・

物語の舞台はスコットランドのグラスゴーで、初めは喋っている言葉が英語なのか迷うほど素人には訛があったような英語であったから、かなり田舎の方なんだろうと思う。
この映画のケン・ローチ監督の作品は、以前『麦の穂をゆらす風』という映画を観た。
アイルランドを舞台にした映画だったが、イギリスでもアイルランドやスコットランドといった地方を舞台にする映画が好きなのだろうかと思ってみたりする。

主人公は、失業が蔓延する地域の若者で、自身も失業者。
恋人は自分の子供を出産したが、失業の身では住む場所も生活費も確保できない。
おまけに、喧嘩で怪我をさせた相手からは執拗に狙われて、下手をすれば命も失いかねない。
人はそういう環境下では、悪事に走りがちなもの。
ドラマとは違うところで、そんな社会問題を考えてみたりする。
世の中が豊かであるという事は、実に大事な事である。

物語は、最高級ウィスキーを盗み出そうという、決して褒められた行為ではない事を主人公ロビーたちが画策していく様を描く。
しかし、ロビーが盗み出したウィスキーの報酬として要求したのは、仲間と分けるお金と「自らの仕事」。
お金という一瞬の報酬よりも、レオニーとの永続的な家庭を築くものを要求したところに、救いを感じる。

タイトルの「天使の分け前」とは、ウィスキーを熟成する過程で毎年2%ほどが蒸発することを言うのだという。
なるほど、うまい言い方だと思うが、この映画の内容をよく象徴しているタイトルだと思う。
ウィスキー文化とスコットランドに対する愛情が感じられるようである。

ロビーの行動は、犯罪ではあるが、そのあとの行動を見ると心温まるもので、やむにやまれぬ事として目をつぶりたくなる。
ドラマとしても温かい気持ちになれる映画である・・・


評価:★★☆☆☆




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2014年08月17日

華麗なるギャツビー

華麗なるギャツビー.jpg

原題: The Great Gatsby
2012年 アメリカ
監督: バズ・ラーマン
出演: 
レオナルド・ディカプリオ:ジェイ・ギャツビー
トビー・マグワイア:ニック・キャラウェイ
キャリー・マリガン:デイジー・ブキャナン
ジョエル・エドガートン:トム・ブキャナン
アイラ・フィッシャー:マートル・ウィルソン

<Yahoo!映画解説>
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数々の名作を世に送り出した作家F・スコット・フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」を実写化したドラマ。
快楽的な生活を送る謎の富豪ギャツビーの意外な正体を、ある女性との恋を絡めながら映す。
レオナルド・ディカプリオが、人並み外れた容姿と富を兼ね備えたギャツビーをクールに演じる。
『マイ・ブラザー』のトビー・マグワイアやキャリー・マリガンらが共演。
『ムーラン・ルージュ』などのバズ・ラーマン監督ならではの絢爛(けんらん)を極めたビジュアルも見ものだ。
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かつてこのタイトルを聞くと、ロバート・レッドフォードを思い起こしたが、実は肝心の映画は観ていない。
フィッツジェラルドの原作も然りで、さすがに5回も映画化される作品なら、観ておくべきと思った映画である。

舞台は第一次世界大戦が終わり、我が世の春を謳歌していた1920年代のアメリカ。
一人の男ニック・キャラウェイが過去を振り返り、精神科医にある男の話をするところから物語は始まる。

ニックの隣には大豪邸があり、連日連夜セレブ達が集いパーティを繰り広げていた。
豪邸の主の名は、ジェイ・ギャツビー。
普通はそれほどの大富豪となると、一体何をしてリッチになったのだろうかと思う。
それは当然観る立場からもそうであるが、しかし誰もそれを知らないという謎の人物であった。

ニックは証券会社に勤めるサラリーマン。
親戚のデイジーはやはり富豪のトム・ギブソンと結婚している。
その縁でトムに誘われるままセレブの遊びに付き合うニック。
トムには、マートルという愛人もいる。
マートルの夫は毎日油まみれになって働く自動車修理工。
このあたりは金がモノを言う世界。
マートルはとっくに夫を見限り、密かにトムの本妻の座を夢見ている。

謎の隣人に興味津々だったニックだが、ある日彼の元に隣家から招待状が届く。
得意になってパーティに乗り込んでいくニックだが、他のセレブ達は誰も招待状を持っていない。
このあたりもセレブと庶民の哀しき現実を感じてしまう。
念願かなってようやくジェイ・ギャツビーと対面したニック。
ギャツビーに気に入られ、それから行動を共にするようになる。

大富豪のギャツビーはとにかくスケールが違う。
豪華絢爛たるパーティも、とにかくスケールがデカイ。
そんなギャツビーがニックに近づいたのには理由があって、それはかつて愛し合っていたデイジーとの再会を取り持ってほしいということ。
そして物語は、本筋に入っていく・・・

実はギャツビーはもともと貧しい家庭の出身。
第一次世界大戦に従軍し、戦場での功績によって勲章も得ていたが、一文無しであり、デイジーはそんな彼の元を離れ大富豪に嫁いでいた。
5年を経て莫大な富を得たギャツビーは、かつての愛を取り戻すべく帰ってきたというわけである。

「愛こそすべて」とよく言うが、現実には「お金」という存在は無視できない。
それでも男は理想に生き、「金よりも愛が大事」と純粋に信じるが、女は現実的だ。
愛するギャツビーを忘れ、富豪のブキャナンと結婚しセレブな生活を送るデイジーの前に、富豪となったギャツビーが戻ってくる。
たちまち忘れたはずの愛が再燃するデイジーだが、果たしてギャツビーが無一文のままだったらどうだっただろうと意地悪く思う。

まぁ現在NHKの朝の連続ドラマで題材となった“白蓮事件”のようなケースもあるから、一概に「女は・・・」などと言うのは避けるべきかもしれない。
そしてギャツビーは、デイジーと結婚するべく行動に出るが・・・

「誰が」と言い切るのが難しい物語の結末。
皆それぞれ思いを抱えていて、避けられない運命を向かえたとしか言えないような気がする。
最初から最後まで、ニックが語り部として物語る形でストーリーは進んでいく。
それゆえに一種の郷愁のようなものが漂う。

人は誰でも使いきれないほどの富があったらと願うものだが、「それだけでは」とも思うはず。
ギャツビーの行動は、そんなところから共感を呼ぶのかもしれない。
5度も映画化された理由が、よくわかる映画である・・・

評価:★★★☆☆

    

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2014年08月14日

ザ・マスター

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原題: The Master
2012年 アメリカ
監督: ポール・トーマス・アンダーソン
出演: 
ホアキン・フェニックス:フレディ・クエル
フィリップ・シーモア・ホフマン:ランカスター・ドッド
エイミー・アダムス:ペギー・ドッド
ローラ・ダーン:ヘレン・サリヴァン
アンビル・チルダーズ:エリザベス・ドッド
ジェシー・プレモンス:ヴァル・ドッド

<映画.com>
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ポール・トーマス・アンダーソンが『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007)以来5年ぶりに手がけた監督作。
第2次世界大戦直後のアメリカを舞台に、爆発的に信者を増やしていった新興宗教の教祖とその弟子となった男の関係を描き出す。
第2次世界大戦が終結し、赴任先からアメリカへ戻ってきた帰還兵のフレディ・クエルは、戦地ではまったアルコール依存症から抜け出せず、社会生活に適応できずにいた。
そんなある日、フレディは「ザ・コーズ」という宗教団体の指導者で、信者から「マスター」と呼ばれているランカスター・ドッドに出会う。
ドッドは独自のメソッドで人々を悩みから解放し、フレディもドッドのカウンセリングで次第に心の平静を取り戻していく。
ドッドは行き場のないフレディをかたわらに置き、2人の絆は深まっていくが……。
主演はホアキン・フェニックスとフィリップ・シーモア・ホフマン。
2012年・第69回ベネチア国際映画祭で銀獅子(監督)賞、男優賞を受賞。
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一見実話に基づく映画のような雰囲気が漂うも、観終わってよく理解できなかった映画。

時は第二次世界大戦終結直後。
海軍兵のフレディはどうも戦闘によるPTSDに罹っている様子。
仕事をしていてもどこか異常であり、長続きしない。
酒浸りの日々を過ごすうちに酔ってある船に密航する。

船長はランカスター・トッドと名乗り、二人は意気投合。
折からランカスターの娘の結婚パーティであり、フレディもそのまま参加する。
ランカスターは、「ザ・コーズ」という団体を主宰しており、「プロセシング」という手法により、人々に救済をもたらしている。

「プロセシング」は一見、催眠術のようであるが、どうもそうではないらしい。
フレディもプロセシングの過程でドリスという名の恋人がいると告白する。
酒を飲み続け、異常行動を取るフレディをランカスターの妻や娘は危険視し、追い出すようにとランカスターに迫るが、ランカスターは「他の誰があいつを救う」と聞く耳を持たない。
そんな気持ちが伝わったのか、フレディにも変化が現れる・・・

フレディの異常な振舞いと、ランカスターのやっている事がよくわからなくて、途中実に退屈な時間を過ごす。
フレディは一方で、頭の中はSEXで一杯。
心理テストで見せられた模様はすべて性器と答えるし、パーティでは女性全員が全裸に見えてしまう。(ということは、全員裸で演技しているのである)
若い女性どころか、お袋さん役の女優さんまで全裸であり、実際演じている人もよくできるなと妙なところで感心する。

ランカスターの妻として登場するのは、エイミー・アダムス。
最近よく出演作品を目にするが、何でこんな映画に出ているのだろうと不思議に思う。
この夫婦もちょっと変わっていたりする。
娘がもう結婚する年齢であるにも関わらず、ランカスターの妻ペギーは妊娠しているのである。
たぶん、再婚なのであろうが、ランカスターのマスターベーションを手伝ったりするシーンが出てきたりする。
こうしたところからも、胡散臭い者同士が絡み合って、どんな結末に向かうのかと思ってしまう。

映画の終盤になっても、途中感じていた退屈感からは抜け出せず、とうとうそのままエンドロールを観る羽目になった。
専門家には評価されているようだが、個人的にはもう一度観たい映画だとは思わない。
フィリップ・シーモア・ホフマンのネチネチとした特徴ある口調は、ランカスターの雰囲気をよく表していたし、エイミー・アダムスも良かったし、それでかろうじて最後まで観る事ができたというのが、正直な感想の映画である・・・


評価:★★☆☆☆



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2014年07月31日

からたち日記

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1959年 日本
監督: 五所平之助
出演: 
高千穂ひづる:つる
水原真知子:かるた
泉京子:竹千代
紫千代:竹実
南風洋子:静花
田代百合子:天満里
村田知栄子:せつ
浦辺粂子:一力の女将
田村高広:本山
東野英治郎:ロンパリ

<映画.com>
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信州の貧農の家に生れた一人の女性の一生を描いたもの。
増田小夜の原作を「才女気質」の新藤兼人が脚色、「蟻の街のマリア」の五所平之助が監督した。
撮影は「人間の条件 第1・2部」の宮島義勇。
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たまに古い映画を観たくなる。
子供の頃に観て半分以上忘れてしまっている映画だったり、あるいは名前だけ聞いた事はあるものの、観た事のない映画だったり。
この映画は、そんな後者の例である。

昭和34年の白黒映画。
物語は信州から始まる。
ある地主の屋敷で働く少女つる。
子守が主な仕事であるが、食事は欠けた茶碗にごはんとみそ汁をかけたもの。
寝る所は納屋の隅。
冬でも素足で、足袋など履かせてもらえない。
凍える寒さの中、少しでも暖を取ろうと片足を上げ、もう片方の足につけて温めながら立っている。
その姿から、“つる”と呼ばれるようになったと言う。

そしてある日、叔父という人がつるを引き取りに来る。
初めて自分に母がいると教えられ、その家に連れて行かれる。
しかし、そこは見るからに貧しい農家。
感動の対面なのに言葉はなく、子沢山の家で乳飲み子を抱えた母は途方に暮れた表情。
何の説明もないが、「引き取れない」という事情は観る者に痛々しく伝わってくる。
この母を演じるのが、若き日の菅井きん。
表情による演技が何とも言えない。

つるは芸者に売られる。
始めは下働き。
次々に雑用を言いつけられるが、嫌な顔をせず働くため、芸者の姐さん達には可愛がられている。
1人の芸者は病に伏せっているが、女将は医者代をけちって医者に見せようとしない。
そして本人も死んで楽になりたいと思っている。
置き屋の悲しい実情である。

やがてつるも成長し、芸者となる。
最終的には水揚げされるのが芸者の運命。
やがてつるもロンパリという興行主に水揚げされ、3号の妾として囲われる事になる。
金は持っているが、品のないロンパリを演じるのは、我々の世代では「黄門様」でお馴染みの東野英治郎。
見事にハマっている。

妾生活に暇を持て余したつるは、ロンパリに頼み働きに出る。
しかし、周りの女工達は「元芸者の妾」を軽蔑する。
そんな女工たちに目にものを見せたくて、女工たちに人気のあった将校下村をつるは誘惑する。
元芸者の手練手管に、女性に免疫のない下村はあっけなく陥落。
しかし、つるも下村に恋してしまう。
時代は戦時。
下村にも出征の時がやってくる・・・

物語はつるの苦難を描いていく。
せっかくの恋も成就する事はなく、逆にロンパリの逆鱗に触れ追い出されてしまう。
戦時統制下に芸者の仕事も閑古鳥。
食うや食わずの生活が続く。
次から次へと続く不幸のパレード。
最後に出口の光らしきものが見えて物語は終わる。
それなりに幸せになったと思いたくなるようなラストである。

バックに流れる島倉千代子の同名歌は、大ヒットしたそうであるが、ようやく戦後から抜け出した「三丁目の夕陽」の時代の人々の心に響く映画と歌だったのかもしれない。
映画はフィクションであるが、似たような経験をした人は多かったのではないかと想像してみる。
現代人から見ると、耐え難い苦労を先人たちはしてきたのだろうと想像できる。

古い映画には、単純に観て面白いかどうかだけでなく、考えるヒントがあったりする。
そんな事を実感させられる映画である。


評価:★★☆☆☆

     
     
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2014年07月29日

県庁おもてなし課

県庁おもてなし課.jpg

2013年 日本
監督: 三宅喜重
原作: 有川浩
出演: 
錦戸亮:掛水史貴
堀北真希:明神多紀
船越英一郎:清遠和政
関めぐみ:清遠佐和
高良健吾:吉門喬介
甲本雅裕:下元邦宏
松尾諭:近森圭介
相島一之:山内正成

<映画.com>
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「図書館戦争」などで人気の有川浩の小説を、『阪急電車 片道15分の奇跡』の三宅喜重監督と脚本家・岡田惠和の再タッグで映画化。
高知県庁に実在する「おもてなし課」を舞台に、職員たちが高知の観光振興のためひた走る姿を描く。
主演は関ジャニ∞の錦戸亮、彼と一緒に数々の難題に立ち向かうヒロインにはNHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」の堀北真希。
共演には高良健吾、関めぐみに加えて、ベテラン船越英一郎らがそろう。
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有川浩の同名小説の映画版である。
地域の活性化を目指す高知県は、観光客を誘致すべくその先陣をきる組織として「おもてなし課」を発足させる。

発足したおもてなし課ではあるが、誰もどこから手をつけたら良いかわからない。
課の若手である掛水が、他県での先行例として高知出身の有名人に「観光特使」になってもらうプランを紹介すると、さっそくやってみようという事になる。
掛水は、高知出身の作家吉門喬介に特使を依頼、快諾を得る。

それから1ヶ月。
吉門喬介から電話を受けた掛水は、特使制度が“お役所仕事”の中で進んでいない事、そして何の報告も連絡もない事を叱責される。
吉門はアドバイスとして、外部の若い女性を雇う事、そして「パンダ誘致論」について調べる事をあげる。
こうしておもてなし課に、明神多紀がアルバイトとして採用される。

「パンダ誘致論」とは、県庁で25年前に一人の職員が提案したもので、当時はまったく相手にされず、提案者の清遠政和は失意のうちに県庁を去っていた。
後に神戸にパンダが誘致され観光客が増加し、その意見の有効性が証明されていた。
掛水は、多紀とともに清遠を訪ねていく。
しかし、訪問するなり娘の佐和からバケツで水を掛けられてしまう・・・

有川浩の小説は独特の雰囲気があって、これまで何冊も読んでいる。
ドラマ化された『フリーター家を買う』や映画化された『阪急電車』とあわせ、このも読んでいる。
原作が面白かったからこそ観る気になった映画ではあるが、どうも映画の方は原作ほどではなかった。
ストーリーは当然同じではあるが、どうしてもきめ細かい描写という点では小説に劣るところがあり、ダイジェスト感は拭えなかった。

また、主人公と掛水と多紀の関係の演出にわざとらしさがあって、どうもひねくれ者としては白けてしまう。
原作でも感じたが、今は観光コンサルタントをしている清遠が提案した「高知県レジャーランド化構想」は素人的にも面白いと思え、現実として高知県も採用したらどうかと思える。
「おもてなし課」は高知県庁に実在するようであるし、どうなんだろうと思わざるを得ない。

この映画が、原作小説を上回る唯一の点を挙げるとしたら、それは堀北真希だろう。
個人的には普段あまりテレビを観ないせいもあって、『ALWAYS三丁目の夕陽』のイメージが強く残っているが、ここではもう少し大人になって美しい女性として登場。
観ているだけで満足感が味わえた。
こうした部分は、映画の良いところだろう。

これからも有川浩の小説は読んでいきたいと思うし、それが映画化された場合には、まず観てみたいと思うところである・・・


評価:★★☆☆☆



    
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