2014年07月04日

アルバート氏の人生

アルバート氏の人生.jpg

原題: Albert Nobbs
2011年 アイルランド
監督: ロドリゴ・ガルシア
出演: 
グレン・クローズ:アルバート・ノッブス
ミア・ワシコウスカ:ヘレン・ドーズ
アーロン・ジョンソン:ジョー・マッキンス
ジャネット・マクティア:ヒューバート・ペイジ
ブレンダン・グリーソン:ホロラン医師
ポーリン・コリンズ:ベイカー夫人
ブレンダ・フリッカー:ポリー

<Yahoo!映画解説>
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『美しい人』や『愛する人』など女性を描くのを得意とするロドリゴ・ガルシアが監督を務めた女性賛歌。
独身女性の自活の道が閉ざされていた19世紀のアイルランドを舞台に、性別を偽って生きる女性の苦難の道を描き出す。
演技派女優グレン・クローズが主演と脚本と製作を担当し、第84回アカデミー賞で主演女優賞にノミネートされた。
『ジェーン・エア』のミア・ワシコウスカらが共演を果たす。
必死に自分らしい生き方を模索する主人公の姿が共感を呼ぶ。
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舞台は19世紀のアイルランド。
主人公のアルバート・ノッブスは、あるホテルで、住み込みで働いている。
よく気が回るため、常連客からの評価も高い。
毎晩仕事が終わると、その日にもらったチップをこっそり貯めていた。

ある日、雇い主のベイカー夫人に塗装職人のペイジを部屋に泊める様、命じられる。
抵抗するアルバートの姿に、貯めたお金を見つけられるのが心配なのだろうと思って観ていると、何とアルバート氏は女だったとわかる。
女が一人で生きていくのが困難なこの時代、アルバート氏は男装して働いていたのである。

女である事をペイジに知られ、動揺するアルバート。
そしてなんとペイジも女であるとわかる。
やはり女であると働くのも難しいのだろう。
そんな男装女性同士、自然に親しくなっていく。

アルバートは、お金を貯め、密かにタバコ屋を開業させる事を夢見ている。
そして同僚のヘレンとそれを一緒にやれたらと心に思い描いている。
しかし、ヘレンはボイラー職人のジョーと恋仲になっている。
アメリカに行く事を夢見ているジョーは、ヘレンに対し、アルバートの気を惹いてアメリカ行きの資金を出させることをけしかける。
そうこうするうちに、ヘレンの妊娠が発覚する・・・

アルバートが、実は女であるとわかっていきなり驚かされる。
しかし、アルバートは男装していても、「おじいちゃん」と呼びかけたくなる外見であり、世に言う“男装の麗人”にはほど遠い。
そして女である事を悟られないため、人付き合いも避けてきたが、ペイジと知り合って少しずつ変わっていく。

舞台はアイルランドであるものの、同時代の大英帝国の風俗が背景となっていて、興味深い。
礼儀正しいアルバートは、紳士的にヘレンを誘う。
しかし、下層階級のヘレンには、アルバートの誘いがデートの誘いだとすぐにわからない。
デートを重ね、ヘレンはアルバートに「なぜ腰に手を回すこともしないのか」と問う。
それに対するアルバートの答えは、「それは結婚してから」だが、そのギャップも面白い。

紳士淑女の集まりであっても、各々は一皮めくれば欲深さが顔を出す。
特にホテルのオーナーであるベイカー夫人の言動は、最初から最後まで欲深いもの。
紳士淑女の文化は、実はこうした欲深さを隠すためのもののように思えてしまう。
考えてみれば、恵まれなかったアルバート氏の人生。
その人生を目の前に見せつけられると、哲学的な奥深さを感じてしまう。

ヘレン役のミア・ワシコウスカは、『アリス・イン・ワンダーランド』でアリスを演じた女優。
最近よく出演作品にお目にかかる。
アリスとは雰囲気は違うものの、“掃き溜めに鶴”的な美しさを感じる。
19世紀の“先進国”の生活を見ながら、人生について考えてみたくなる映画である・・・


評価:★★☆☆☆


    
   
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2014年07月02日

フライト

フライト.jpg

原題: Flight
2012年 アメリカ
監督: ロバート・ゼメキス
出演: 
デンゼル・ワシントン:ウィップ・ウィトカー
ドン・チードル:ヒュー・ラング
ケリー・ライリー:ニコール・マッゲン
ジョン・グッドマン:ハーリン・メイズ
ブルース・グリーンウッド:チャーリー・アンダーソン

<映画.com>
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「フォレスト・ガンプ 一期一会」のロバート・ゼメキス監督がデンゼル・ワシントンを主演に迎え、「キャスト・アウェイ」以来12年ぶりに手がけた実写作品。
フロリダ州オーランド発、アトランタ行きの旅客機が飛行中に原因不明のトラブルに見舞われ、高度3万フィートから急降下を始める。
機長のウィトカーはとっさの判断で奇跡的な緊急着陸に成功。多くの人命を救い、一夜にして国民的英雄となる。
しかし、ウィトカーの血液中からアルコールが検出されたことから、ある疑惑が浮上し……。
第85回アカデミー賞で主演男優賞、脚本賞にノミネートされた。
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「デンゼル・ワシントン主演」というだけで、基本的に観る価値は十分である。
そんなデンゼル・ワシントン主演映画。

冒頭、電話で起こされるのは、パイロットのウィップ・ウィトカー。
同時にベッドから抜け出す全裸の美女は、同僚CAのトリーナ。
電話は、ウィップの前妻からで、息子の教育資金の督促である。
そんな一コマを経て、ウィップとトリーナはアトランタ行きのフライトに向かう。
部屋を出る前にコカインを吸い込むウィップ・・・

悪天候下の離陸。
マニュアル通りの副操縦士が、悪条件での不安定な操縦で動揺を隠せない中、ベテランのウィップは難なく機を安定させる。
揺れる機内でドリンクサービスが中止されるが、これがあとで問題のきっかけとなる。
安定飛行に入ると、オレンジジュースにウォッカを入れて飲み干すウィップ。
そして居眠り・・・

すると、突然の異常発生。
急激に下がる高度。
副操縦士はまったく対応できず、目覚めたウィップが沈着冷静に事態に対応する。
しかし、異常は解消せず、機は市街地に向けて降下していく。
ウィップは、そんな状況下、何と背面飛行で降下を止め、エンジンが停止したあと、郊外に不時着させる。

乗員乗客102名のうち、乗員2名、乗客4名が死亡し、ウィップも病院に担ぎ込まれる。
後日ベテランパイロット10名によるシミュレーションが行われ、10名全員が墜落という結果となり、奇跡の不時着としてウィップは一躍ヒーロー扱いされる。
しかし、意識を失っている間の血液検査で、ウィップから大量のアルコールが検出される・・・

事故が起これば航空会社はメーカーの製造責任を問い、メーカーは航空会社のメンテナンス不備かパイロットの操縦ミスを問う。
それは常であるが、車であれば一発で刑務所行きとなる数値の4倍以上のアルコールがウィップから検出されたとあって、航空機の異常が明らかな本件事故において、事態は複雑化していく。

物語は酒とコカイン漬けのウィップを描いていく。
その姿は優秀なパイロットの姿とは対極にある。
やはりドラッグ中毒のニコールと知り合い、一時の慰めを見出すも、当然長続きしない。
それは中毒に対する二人の考え方の違いにある。

ウィップには、弁護士のヒューが代理人として就くが、この弁護士がいかにもアメリカの弁護士らしい。
事実はどうかというより、とにかくいい金を払う依頼人のためになる事を徹底して実践するタイプである。

事前の予告では、デンゼル・ワシントンにはお似合いの「スリリング系」の映画かと思っていたら、実際は濃い人間ドラマであった。
その観応えは十分。
やっぱり、この人の映画にハズレはない。
実力があれば、何をしても許されるのか。
物語ではこんな問い掛けがなされる。
ヒーローかルール無視の違反者か。

映画の決論は至極まっとうであるが、10名のベテランパイロット全員が墜落した事故で、大勢の人間を救ったのだから、もう少し罪が減免されても良いのではないかと思えてしまう。
十分堪能できる映画である・・・


評価:★★★☆☆


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2014年07月01日

メトロマニラ〜世界で最も危険な街〜

メトロマニラ〜世界で最も危険な街〜.jpg

原題: Metro Manila
2013年 イギリス・フィリピン
監督: ショーン・エリス
出演: 
ジェイク・マカパガル:オスカー・ラミレス
ジョン・アルシラ:マイ・ラミレス
アルセア・ヴェガ:オング

<Yahoo!映画解説>
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写真家でもあるショーン・エリスがフィリピンでオールロケに挑んだ意欲作。
地方から大都会へやって来た農民たちが辿る運命を、迫力ある緊張感を生み出すドキュメンタリーチックなカット割りを用いて描いた社会派ドラマ。
サンダンス映画祭ワールドシネマ部門でドラマ観客賞を受賞。
フィリピンのパナウエで暮らす貧しい農民のオスカーは、生活に困窮し妻のマイや2人の幼い子供を連れて仕事を得るために大都会マニラへ向かう。
ところが、あっという間に騙されて全財産を失ってしまった彼らは、スラムに身を寄せることに。
オスカーは警備員の職を得、マイもバーで働き始める。
そんな中、オスカーの同僚オングが大金をせしめるという怪しげな計画を持ち出し…。
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『メトロマニラ〜世界で最も危険な街〜』
タイトルからもわかる通り、フィリピンを舞台にした映画である。
フィリピンの片田舎で妻と二人の子持ちのオスカーは、食べるに困って首都マニラへの移住を決意する。
一所懸命働いても、作った作物はわずかな金で買い叩かれる。
手にしたお金では来年育てる作物の種しか買えないという状況。
オスカーは、妻のマイにマニラへ行く事を提案する。

貧しい国ではどこでもそうであろう、こうして首都には貧しい人々が集まってくる。
右も左もわからない。
お上りさんのオスカーは、たちまち詐欺にあってなけなしのお金をすべて取られてしまう。
そして一家はスラムへと流れつく。
歯が痛いと泣く我が子を医者にも連れていけないオスカーの心中は、あまりにも切ない。

仕事を見つけて、一日重労働しても対価がわずかな食糧だったりする。
それでも文句が言えない。
国全体が貧しいと、人々は少ないものを奪い合う。
底辺にいる者たちほど、そのおこぼれはわずかである。
国の経済力が弱いと言う事はどういう事なのか、痛いほど伝わってくる。

オスカーは、幸運にも警備会社のドライバーの仕事を得る。
しかしこの仕事は、“現金輸送トラック”のドライバーであり、「マニラで一番危険な仕事」と言われているもの。
オスカーの状況では、背に腹は代えられない。

一方の妻のマイも紹介された仕事はバーのホステス。
客に媚びて酒を飲ませた分だけ給料がもらえる。
客は当然“その先”を期待しているわけで、売春一歩手前。
思わず涙せずにはいられない仕事内容。
夫婦で労わりあって、どん底から脱出しようとする様が心に響く。

危険なはずの仕事だが、オスカーは上司であるオングの親切に恵まれ、職場に溶け込んでいく。
やがてスラムから脱出してまともな部屋を借りられるようになる。
キッチンの水道から水が出るというだけで、喜ぶオスカーとマイ。
二人で幸せそうに一緒にシャワー(たぶんお湯なんてでないだろう)を浴びる様子が何とも言えない。
日本に住む我々がいかに恵まれているか、である。
このまま順調に貧困から抜け出していけたらと思うのだが、やはりそうはならない。
幸せ気分もつかの間、オスカーは信頼するオングからある“計画”を打ち明けられる・・・

イギリス映画でありながら、舞台はフィリピンで、しかもセリフはすべてタガログ語(たぶん)という映画。
それが逆に真実めいた迫力みたいに伝わってくる。
貧困から抜け出そうと真面目に奮闘する若い夫婦の姿に、それだけで心が動かされてしまう。

邦題の「世界で最も危険な街」というサブタイトルは、何だかバイオレンスタウンを想像してしまうが、内容はイメージとかけ離れている。
否が応にも運命に翻弄されていくオスカー。
貧困がいかに犯罪の温床になっているか。
そんな事を思い出してみたりもする。

ちょっと悲しいラストに様々な事を考えさせられる。
国がなぜ経済的な発展を目指さなければならないのか。
その一つの答えがここにある気がする。
こういう映画は、ハッピーエンドにしてほしかったと思う。
少し重さを感じた映画である・・・

評価:★★★☆☆


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2014年06月18日

夢売るふたり

夢売るふたり.jpg

2012年 日本
監督: 西川美和
出演: 
松たか子:市澤里子
阿部サダヲ:市澤貫也
田中麗奈:棚橋咲月 - 実家暮らしの30代独身女性
鈴木砂羽:睦島玲子 - いちざわの常連客
安藤玉恵:太田紀代 - 風俗嬢。源氏名はカンナ
江原由夏:皆川ひとみ - ウエイトリフティング選手
木村多江:木下滝子 - ハローワーク勤めのシングルマザー
倉科カナ:佐伯綾芽 - 咲月の妹。夫は医師。
笑福亭鶴瓶:堂島哲治 - 咲月に雇われた探偵

<Yahoo!映画解説>
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『ディア・ドクター』などで高評価を得た西川美和監督がメガホンを取り、松たか子と阿部サダヲが結婚詐欺に手を染める夫婦を演じる異色のラブ・ストーリー。
小料理屋を営む夫婦が火事で全てを失ったことから始めた結婚詐欺を通して、複雑で深遠な男と女の関係を描き出す。
主演の二人に加えて、結婚詐欺に引っ掛かる女たちを演じる田中麗奈や鈴木砂羽、木村多江のほか、以前西川作品に出演した香川照之や笑福亭鶴瓶などが共演。
うそをテーマに人間の業をえぐり出す西川監督らしいストーリーと、豪華キャストによる演技に期待が持てる。
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阿部サダヲと松たか子が結婚詐欺をする夫婦を演じるドラマである。
小料理屋を営む貫也と里子の夫婦。
二人仲良く店を切り盛りしていて、その様子は実に微笑ましい。
しかし、ある日突然失火して店は燃えてしまう。

失意の夫。
妻はそれを健気に励ます。
良い奥さんだ。
松たか子は献身的な良い奥さんの役がよく合うと個人的に思う。

二人はまた店を出す資金を貯めようと別々に働き始めるが、プライドのある料理人の貫也は、中途半端な仕事が許せなく、勤務先でも衝突してしまって長続きしない。
里子はラーメン屋でバイトする。
そんな良い奥さんがいるにも関わらず、貫也はある晩、酔った勢いでかつての常連客と浮気をしてしまう。

相手の女もちょうど浮気相手から手切れ金を渡されたばかりでやけになっており、貫也にそのお金を渡してしまう。
浮気はすぐに里子にばれるてしまうのだが、里子の反応がまた何とも言えない。
男からすれば、妻の鏡と言っても差し支えないだろう。

やがて夫婦で料理屋に勤めるが、貫也は再び独身OL咲月と深い仲になる。
そしてなんと“里子の指導の下”、貫也は咲月の同情を引き、金を借りる事に成功する。
こうして二人は店の常連客から次々と金を“借り”、二人で出す店の開店資金を貯める事にする。
要は結婚詐欺である。

結婚詐欺と言えば、“いい男が結婚を焦っている女を騙す”というイメージがあるが、この映画は夫婦でそれを行うという斬新さがある。
しかも慣れてくると、“獲物”を狙うのは里子で、しかも兄妹と偽って次々と“獲物”を仕留めていく。

ウエイトリフティングの選手である巨漢女性ひとみを騙すケースでは、里子が貫也に「やめよう」と言い出すシーンが何とも言えない。
てっきり相手に対する同情心が湧いたのかと思ったが、その同情はひとみに対するものではなく、ひとみと寝る夫に対する同情だった。

里子を描くシーンで印象的だったのは、トイレのシーンなどドキッとする大人向けのシーンがしばしば出てきた。
そういうシーンが必要なのかどうか(もちろん観る方は歓迎である)はよくわからないが、里子の心情にはずっと思いを馳せてしまった。

阿部サダヲは『奇跡のリンゴ』の主人公もよく似合っていたが、ちょっと気の弱い男の役がよく似合っている。
松たか子とは対照的であったが、映画のストーリーと雰囲気をよく盛り上げていた。
最初から最後まで、“夫を支えていた”松たか子。
夫婦が主役とはいえ、重要なキャラクターは里子の方だろう。
その言動の一つ一つがストーリーに彩りを添えていた。

あまり期待せずに観た映画であるが、なかなかインパクトの大きな映画であった・・・


評価:★★★☆☆


    
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2014年06月16日

ファミリー・ツリー

ファミリー・ツリー.jpg

原題: The Descendants
2011年 アメリカ
監督: アレクサンダー・ペイン
出演: 
ジョージ・クルーニー:マット・キング
シェイリーン・ウッドリー:アレクサンドラ・キング
アマラ・ミラー:スコッティ・キング
ニック・クロース:シド
ボー・ブリッジス:ヒュー・キング

<映画.com>
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「サイドウェイ」「アバウト・シュミット」のアレクサンダー・ペイン監督がジョージ・クルーニーを主演に迎え、ハワイで暮らすある家族に起こる出来事を描いたドラマ。
祖先の土地を受け継ぎ、ハワイで妻と2人の娘とともに暮らすマット・キングだが、ある日、妻のエリザベスがボートの事故でこん睡状態に陥ってしまう。
さらに、エリザベスには不倫の相手がおり、離婚まで考えていたことが発覚。
友人や長女もその事実を知っていたことにがく然としたマットは、自らの人生を見つめ直すことになる。
第84回アカデミー賞で脚色賞を受賞。
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ジョージ・クルーニー主演のファミリードラマ。
舞台は日本人なら誰でも憧れる常夏の島、ハワイ。
されど主人公の自虐的な独白がそれを打ち消す。

主人公はハワイで弁護士をしているマット・キング。
先祖から受け継いだ広大な土地を有しているが、弁護士の収入で慎ましく(?)暮らしている。
ある日、妻がボート事故で意識不明の重体となり、それがもう23日間続いている。
マットは、仕事一筋であった生活を反省し、土地を売って引退し妻とセミリタイア生活を送ろうと考えている。

土地の売却については、利害のある親族とも相談し、売却の目途が立っている。
しかしながら妻が入院したことで生活は一変。
次女が学校で問題を起こして呼び出され、マットは戸惑いながら対応する。
そしてとうとう医師から妻の回復はありえないと宣告され、本人の事前の意思により生命維持装置を外すように進言される。

寮生活を送っていた長女を迎え入れるマット。
しかしボーイフレンドを家に寝泊まりさせ、その感覚は父親の理解を超えている。
さらにマットは長女から妻の浮気の事実を知らされる。
浮気相手を突き止めたマットは、子供たちと共に相手の男に会いに行く・・・

男の思いと女の思いと子供たちの思い。
本来は一つの方向を向いているべきものが、いつの間にか妻との会話は途絶え、それどころか妻はパーティで知り合った別の男と新しい人生を夢見ていたと知る。
責めるべき相手は、口もきけないままベッドに横たわっている。

自分だったらどうするだろうと考えながら観ていたら、まさにその考えた通りの行動を主人公はしてくれた。
自分の思い通りの展開というのも、気分の良いものである。
浮気相手の男の気持ちもわかるし、自分の身には起こってほしくない出来事だが、全体としては感情移入できるドラマであった。

ジョージ・クルーニーと言えば、 『オーシャンズ』シリーズをはじめとしてサスペンスチックの映画が似合っているイメージがあるが、ちょっと自信のない父親として純粋ドラマにも違和感なく観る事が出来た。
背景のハワイの自然と、ラストの親子の姿が印象的だった映画である・・・


評価:★★☆☆☆


    
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