2013年12月08日

【それでも愛してる】My Cinema File 1124

それでも愛してる.jpg
   
原題: The Beaver
2009年 アメリカ
監督: ジョディ・フォスター
出演: 
メル・ギブソン:ウォルター・ブラック
ジョディ・フォスター:メレディス・ブラック
アントン・イェルチン:ポーター・ブラック
ジェニファー・ローレンス:ノラ
ライリー・トーマス・スチュワート:ヘンリー・ブラック
チェリー・ジョーンズ:モルガン・ニューウェル副社長

<Yahoo!映画解説>
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ジョディ・フォスターが『ホーム・フォー・ザ・ホリデイ』以来となる監督を務め、うつ病で苦しむ会社経営者の夫とその家族のきずなを感動的に描いたヒューマン・ドラマ。
『マッドマックス』などでタフなイメージのあるメル・ギブソンがビーバーの縫いぐるみを介して会話するデリケートな夫を演じ、妻役のジョディと共演。
『ターミネーター4』のアントン・イェルチン、『ハンガー・ゲーム』のジェニファー・ローレンスといった、注目の俳優も出演する。
うつ病の苦しみや、家族だからこその擦れ違いをリアルにつづるジョディの演出手腕が見事・・・
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父親から継いだ玩具会社を経営し、プール付きの瀟洒な郊外住宅に結婚20年の妻と息子が2人。
何不自由ない生活を送っていたウォルター・ブラック(メル・ギブソン)だが、ある日突然うつ病になってしまう。
カウンセリングも薬も音楽療法も催眠療法も効果なく1日中寝ている毎日。

そんな彼の状態に家族も影響され、7歳のヘンリー(ライリー・トーマス・スチュアート)は小学校で孤立し、高校生のポーター(アントン・イェルチン)は「父親みたいにはなりたくない」とますます背を向け、エンジニアの仕事に没頭しながらも夫の快癒を願っていた妻メレディス(ジョディ・フォスター)にはもはや打つ手がない。

家を出たウォルターが箱いっぱいに買った酒瓶を入れるため、車のトランクのガラクタを捨てたとき、ビーバーのぬいぐるみに目が止まり、なにげなく箱に入れる。
ついに死を決意し、ホテルのベランダから飛び降りようしたウォルターだが、左手に持っていたビーバーが「おい」と呼びかけてくる・・・

飛び降り寸前のところで、ビーバーに救われた形のウォルター。
以来、左手にビーバーをつけ、ビーバーとの腹話術での二人三脚の生活が始る。
周りの者には、医師からの授かった治療方法だと説明するが、不思議な事に経営者として、そして父親としての姿を取り戻していく。
こうして、不思議な形での家族のドラマが展開されていく。

大きな問題を抱えているのはウォルターだが、長男のポーターもまたそんな父親の影響から心に問題を抱えている。
そしてそのポーターが密かに想いを寄せる同級生のノラも、優秀な成績とは裏腹に心に重みを抱えている。
誰もが多かれ少なかれ、苦悩を抱えているものなのかもしれない。

回復の兆しを見せたかと思われたウォルターだが、問題はまったく解決していなかった。
そして、もっと恐ろしい出来事が待ち受けている。
それはポーターにも同様。
見守るジョディ・フォスターも、また苦悩の表情。

物語は、静かに再生へと進む。
感動と言えば大げさであるが、そこには静かな安堵がある。
この映画は何と、ジョディ・フォスターの監督映画。
派手な作品ではないものの、静かに心に迫ってくる作品である。

こういう映画も良いよな、と思わせられる映画である・・・


評価:★★☆☆☆





    
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2013年11月23日

【幸せへのキセキ】My Cinema File 1119

幸せへのキセキ.jpg

原題: We Bought a Zoo
2012年 アメリカ
監督: キャメロン・クロウ
出演: 
マット・デイモン:ベンジヤミン・ミー
スカーレット・ヨハンソン:ケリー・フォスター
トーマス・ヘイデン・チャーチ:ダンカン・ミー
コリン・フォード:ディラン・ミー
マギー・エリザベス・ジョーンズ:ロージー・ミー
エル・ファニング:リリー・ミスカ

<Yahoo!映画解説>
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閉鎖した動物園付きの家を買った主人公と2人の子どもたちが、愛する人の死から立ち直り、感動の奇跡を起こすまでを紡ぐヒューマン・ドラマ。
イギリスのコラムニストであるベンジャミン・ミーの実体験を基に『あの頃ペニー・レインと』のキャメロン・クロウがメガホンを取り、『インビクタス/負けざる者たち』のマット・デイモンが主人公を演じる。
ほかに、スカーレット・ヨハンソンやトーマス・ヘイデン・チャーチ、エル・ファニングらが共演。
繊細で希望にあふれるストーリーや、シガー・ロスのメンバーであるヨンシーが手掛けた音楽にも癒やされる。
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マット・デイモンの主演映画である。
と言っても、ジェイソン・ボーンシリーズのようなアクションではなく、これはホーム・ドラマである。
まあ、この人の場合、それはそれでいい。

イギリスのコラムニストであるベンジャミン・ミーは、実在の人物。
つまりこの映画は実話である。
そのベンジャミンが半年前に妻を亡くしたところからドラマは始る。
自分自身と、そして14歳の息子と7歳になる娘もともにその悲しみから立ち直れないでいた。

悲しみから立ち直れないベンジャミンは仕事を辞め、息子は学校で問題を起こし退学処分になってしまう。
ベンジャミンは心機一転、新天地での再スタートを望み、郊外に家を購入。
その家は、閉鎖中の動物園付きだった。

わずかに残ったスタッフが、かろうじて支えいる動物園を再建すべく取り組むベンジャミン。
だが、素人ゆえわからないことだらけでトラブルが続き、かさんでいく修理費や動物の薬代に頭を抱える。
難しい年頃の息子との関係。
それぞれに生活と思惑を抱えた飼育員たちとの関係。
亡き妻への思い。

それぞれいろいろなモノが混ざり合ってドラマは進んでいく。
「生きる事は悩む事だ」というショーペンハウアーの言葉がよぎる。
しかし、前向きの気持ちをもって進めば、道は開けていくもの。
そこには必ず答えがある。

人はみな苦悩を抱えているのだろう。
その内容は人それぞれ。
負ける事なく人生を歩んでいくためには、ちょっと参考になりそうな、そんなドラマである。


評価:★★☆☆☆





    
   
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2013年11月07日

【宇宙兄弟】My Cinema File 1115

宇宙兄弟.jpg

2012年 日本
監督: 森義隆
出演: 
小栗旬:南波六太
岡田将生:南波日々人
麻生久美子:伊東せりか
堤真一:星加正
吹越満:鶴見徹太郎
濱田岳:古谷やすし

<Movie Walker 解説>
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国内2大漫画賞をW受賞した小山宙哉の同名ベストセラー・コミックを、実力派若手キャストの共演で映画化。
『岳 ガク』の小栗旬と「アントキノイノチ」の岡田将生がそれぞれ、前向きだが不器用な兄と、クールで天才肌の弟に扮して感動の兄弟ドラマを繰り広げる。
『ひゃくはち』で高く評価された森義隆の監督第2作目となる。
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西暦2025年。
幼い頃に兄弟で交わした「二人で宇宙飛行士になる」という約束通り、弟・ヒビトは宇宙飛行士となり、今まさに月面に向けて飛び立とうとしている。
一方、兄・ムッタは、早くから現実に目覚め、幼い頃からの夢とは遠く自動車のエンジニアとして働いている。
しかし、その会社もクビになり無職となってしまう。

そんなある日、ヒビトからの1本の電話が入り、同時にJAXAから書類選考合格の通知がムッタの許に届く。
夢を追い続けたヒビトは、その夢を再び分かち合おうとムッタに呼び掛ける。
そしてムッタは、JAXAの実地試験へ参加する。

原作は漫画らしいが、幼い頃同じ夢を追いかけた兄弟が、再び宇宙へと夢を追いかけるという物語。
一足先に月に行くヒビトと、宇宙飛行士になるべく、JAXAの試験に臨むムッタとが平行して描かれる。

とは言え、重点はムッタだろう。
“弟に先を越された”兄貴なのだが、自分のできる範囲内で素直に努力する姿に好感を抱く。
世間から切り離され、6人だけで隔離された10日間を過ごすテスト。
与えられる難題に向かうムッタの姿勢が良い。
周りはすべてライバルなのであるが、一方で仲間でもある。
実際のテストも同じなのかどうかわからないが、このテストはかなり人間性が出ると思う。

最後はハリウッド映画的な“無理やりハッピーエンド”であったが、途中の過程は存分に楽しめた。
金銭的な問題もあるからなのだろう、月面プロジェクトはずっと凍結されたままであるが、やっぱり色々な面で復活させた方がいいと思う。
そういう夢が、今の世の中に必要なのではないかとも思う。

初めは一歩引いてとらえていたが、観てみたら、意外に面白かった映画である・・・


評価:★★★☆☆






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2013年11月03日

【汚れた心】My Cinema File 1113

汚れた心.jpg


原題: Corações Sujos‏
2011年 ブラジル
監督: ヴィセンテ・アモリン
出演: 
伊原剛志:タカハシ
常盤貴子:ミユキ
奥田瑛二:ワタナベ大佐
菅田俊:ササキ
エドゥアルド・モスコビス:保安官

<Movie Walker 解説>
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ウルグアイで行われた第15回プンタデルエステ国際映画祭にて、主演の伊原剛志が日本人として初めて主演男優賞に輝いた、ブラジル発の人間ドラマ。
同国のベストセラーを基に、第2次大戦後のブラジルで起きた日系人コミュニティの中での残酷な事件が描かれる。
常盤貴子、菅田俊、奥田瑛二ら日本人キャストも多数出演している。
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主要キャストは日本人てあり、セリフもほとんど日本語なのであるが、監督は日本人ではなく、なんとブラジル映画であるという。
そういえば、「硫黄島からの手紙」もそういう外国映画であったなと思いだす。

舞台は1945年のブラジル。
日本から移民した人たちが、日本人同士で集まって暮らしている。
されどかの地には、日本からの情報が途絶し、日本が戦争に負けたという事実が知らされていない。
帝国陸軍大佐のワタナベを中心とする主流派は、日本の勝利を盲信している。

しかしながら、かろうじて聞き取れるラジオニュースなどで、「日本が負けた」という事実を掴み、それを受け入れる人々が出てくる。
ある日、日本人同士で集まっていたところ、「集会は禁止」とする警察が踏み込んでくる。
そしてあろうことか、日の丸を冒涜する行動に出る。

ワタナベ大佐を中心に復讐行動に出た人々であったが、逆に警察に捕えられる。
そして通訳として警察に協力していたアオキに対し、「国賊」という言葉を投げつける。
釈放されたワタナベ大佐は、写真館を営むタカハシに対し、アオキに対する制裁を命じる。
ワタナベ大佐に渡された日本刀を手に、タカハシはアオキの家に向かう・・・

太平洋戦争中の知られざる物語。
戦前、多くの日本人が移民として出国して行った。
国内では、「食べていけない」からであり、国も後押ししていた。
今では信じられない歴史の一コマと言える。
そんな移民先の日系社会での出来事を描いた映画。
なかなか重みのある映画である。

情報が遮断されているという状況下、どう考え、どう判断するかは難しいところ。
己の考えるところと意見が違う者がいる場合、どういう行動を取るか。
この映画では、そういう反対意見の者を「裏切り者」として、殺害するという極端に走っている。
特殊な映画と言うなかれ、殺害までいかなくても、似たようなことは身近に多いと思う。

命の危険を冒して、日本の敗戦を訴えたササキ。
家族は泣いて反対する。
「組合長という立場だから」と押し切るが、果たして自分だったらどうするだろう。
「国賊」というレッテルを貼り、反対意見を認めず、すべての色を一色に統一しようとする社会は、お隣の国を見るまでもなく恐ろしいものである。

出演者は、みな馴染みのある俳優さん。
フィクションとは言え、ベースとなっているのは実在の出来事だろうし、エンターテイメントとしても、歴史の教訓としても、考える材料としてもいいかもしれない。
一見の価値ある映画である・・・


評価:★★☆☆☆





    
posted by HH at 20:26 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2013年10月20日

【戦火の馬】My Cinema File 1110

戦火の馬.jpg

原題: War Horse
2011年 アメリカ
監督: スティーヴン・スピルバーグ
出演: 
ジェレミー・アーヴァイン:アルバート・ナラコット
エミリー・ワトソン:ローズ・ナラコット
デイヴィッド・シューリス:ライオンズ
ピーター・ミュラン:テッド・ナラコット
ニエル・アレストラップ:エミリーの祖父
トム・ヒドルストン:ニコルズ大尉
セリーヌ・バッケンズ:エミリー

<Yahoo!映画解説>
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1982年にマイケル・モーパーゴが発表し、舞台版は第65回トニー賞で5部門に輝いたイギリスの小説を巨匠スティーヴン・スピルバーグが映画化。
第1次世界大戦下を舞台に、主人公の少年アルバートとその愛馬ジョーイの掛け替えのないきずなの物語が展開する。
主人公の少年を演じるのは、新星ジェレミー・アーヴァイン。
共演は『ウォーター・ホース』の実力派女優エミリー・ワトソン。
壮大かつ感動的な物語の行方に注目だ。
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イギリスの貧しい小作農の息子として生まれたアルバート・ナラコットは、近所の牧場で一頭の馬の出産に目を奪われていた。
産まれた馬は額に白いダイヤ形の模様があり、四肢に白い靴下をはいたような模様がある元気な茶色のサラブレッドだった。
馬の成長を見守りながら、アルバートは何とか手なずけようと努力するが、馬は気性が荒く中々彼に心を開いてくれなかった。

そんなある日、父のテッドは農耕馬を買い付けに街の競売へ出かけた。
多くの馬が出品される中、テッドはある馬に心を奪われた。
それは額にダイヤ形の白い模様があるあのサラブレッドだった。
彼は友人たちが諫めるのも無視して、農耕には全く適さないこのサラブレッドを自身の大地主ライオンズと競り合って、30ギニーという大金で落札してしまった。

農耕馬を買いに行ったはずのテッドがサラブレッドを連れて帰ってきたことに、妻のローズは烈火の如く怒った。
しかしアルバートは大喜びし、きっちりと調教することを条件にローズを何とか説得して飼育することを許してもらった。
彼は馬にジョーイと名付け、ネイティブ・アメリカンが馬を呼ぶ時に使うフクロウの鳴き声のような口笛をジョーイに覚えさせ、愛情を注いでいった。

ここからアルバートとジョーイの苦難が始る。
小作料の支払いに窮し、荒れてとても農作に適さない土地を耕す事になるが、農耕馬でも難しいとされる作業にアルバートとジョーイは携わる。
せっかく耕した畑は、悪天候で作物が全滅。
結局、ジョーイを手放す事になる。
そしてジョーイは、軍馬として引き取られていく・・・

当初はニコルズ大尉がアルバートの気持ちを汲んで、ジョーイを大事に扱っていたが、戦下の中で大尉は戦死。
ジョーイはドイツ軍に捕獲される。
そしてジョーイは、第一次世界大戦の推移とともに、数奇な運命を辿っていく。

ストーリーは、アルバートと馬の交流から始るが、主人公はどちらかと言えば馬となる。
ジョーイを取り巻く人たちは、彼ら自身様々な人生を過ごしていて、そしてその時、ジョーイと出会う。
ジョーイ自身も、途中で出会った僚馬と仲良くなる。
このあたりの馬同士の交流は、子供も喜びそうな展開。
もともと原作は児童小説らしいので、そうした展開も頷ける。

背景に描かれる第一次世界大戦の様子も、サイドストーリーとして興味深い。
軍による徴収はその一つ。
ある日突然やってきて、食糧や家畜を持って行ってしまう。
持って行かれる方はただ茫然と見送るだけ。
強盗より酷い。

そんな中で、馬を巡る人々の物語は、心に残ったりする。
児童小説ゆえだろうか、感動作とまではいかないが、十分“良いお話”だと言える。
スピルバーグのドリームワークスが映画化したのも、なるほどと頷ける映画である・・・


評価:★★☆☆☆





posted by HH at 18:18 | 東京 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ