2013年09月07日

サラの鍵

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原題: Elle s'appelait Sarah
2010年 フランス
監督: ジル・パケ=ブレネール
出演: 
クリスティン・スコット・トーマス:ジュリア・ジャーモンド
メリュジーヌ・マヤンス:サラ・スタルジンスキ
ニエル・アレストラップ:ジュール・デュフォール
エイダン・クイン:ウィリアム・レインズファード
フレデリック・ピエロ:ベルトラン・テザック

<Movie Walker 解説>
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『黄色い星の子供たち』でも描かれたヴェルディヴ事件を基に、あるユダヤ人少女の悲劇を描いたベストセラー小説を映画化。
人生の岐路に立つ女性記者が、少女の運命を知ることで新たな希望を見出してゆく過程を感動的につづる。
過去と現在を行き来するストーリー展開に注目。
第23回東京国際映画祭で最優秀監督賞と観客賞をW受賞。
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第2次世界大戦中のナチスによるホロコースト。
ドイツやポーランドといった“中心地”ばかりでなく、その範囲はヨーロッパ中に広がっている。
「フェイトレス~運命ではなく~」では、ハンガリーが描かれていた。
そしてこの映画ではフランスである。

第2次世界大戦の戦勝国であるフランスでユダヤ人狩りなどとは、今まで知りもしなかったが、開戦後すぐにフランスはドイツに降伏し、ヴィシー政権が成立している。
その政権下で、ユダヤ人の大量検挙(ヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件)が行われ、この映画ではそれが描かれている。

1942年7月のパリ。
弟と布団の中でふざけ合っていたサラ。
そこへ警察が押し掛けてくる。
サラはとっさの判断で弟ミシェルを納戸に隠して鍵をかけた。
しかし、サラはそのまま両親と共に検挙され、納戸の鍵を持ったまま収容先である競輪場に送られてしまう。

移送を繰り返される間に、両親とも別れ別れとなったサラは、収容所から脱走する。
共に脱走した少女が途中で病に倒れて亡くなるものの、親切なデュフォール夫妻に助けられるサラ。
夫妻の好意でパリの我が家に戻ってくるが、部屋には既にテザック家が暮らしていた。
そして強引に部屋に上がり込み、サラは納戸の鍵を開ける・・・

一方物語のもう一人の主人公ジュリアは、夫と娘と共にパリで暮らすアメリカ人女性ジャーナリスト。
45歳で待望の2人目の妊娠を果たすが、報告した夫ベルトランから思わぬ反対を受ける。
そんな中、夫の両親から譲り受けて住むことになった古いアパートのかつての住人が1942年のヴィシー政権によるヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件で検挙されたユダヤ人である事を知る。

取材を決意し、調査を進めていくジュリア。
両親は収容所で既に亡くなっていたが、子供たちの記録がない事から、収容所から脱走した可能性がある事に気がつく。
ジュリアは、憑かれたようにサラの足跡を取材していく・・・

ホロコーストは、一般的にナチスの犯罪とされている。
ところが、事実はそれだけでもない。
検挙されるユダヤ人たちに対し、「当然だ」と言った言葉を投げつける人もいる。
映画ではユダヤ人たちを悪く言う声も多かったと語られている。

サラの一家が検挙された時、機転を利かせて弟を隠したサラが大家の女性に助けを求めて相図する。
ところが、大家の女性は逆に警察に協力的に振舞う。
もしもここで、大家の女性が応じていたら、弟の運命も違ったものになっていただろう。
みんながみんなシンドラーであるわけではないのである。

現在と過去を対比させつつ物語は進む。
サラの人生を探したジュリアの思惑は、ただの取材だけではない。
そこにはジュリア自身が直面していた壁がある。
サラとジュリア。
交差する事のないまったく違う人生を送った二人。
観終わって深い余韻が残る映画である・・・


評価:★★★☆☆




   
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2013年08月31日

リンカーン弁護士

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原題: THE LINCOLN LAWYER
2011年 アメリカ
監督: ブラッド・ファーマン
出演: 
マシュー・マコノヒー/ミック・ハラー
マリサ・トメイ/マギー・マクファーソン
ライアン・フィリップ/ルイス・ルーレ
ジョシュ・ルーカス/テッド・ミントン
ジョン・レグイザモ/ヴァル・ヴァレンズエラ
マイケル・ペーニャ/ジーザス・マルティネス
ウィリアム・H・メイシー/フランク・レヴィン

<Yahoo!映画解説>
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マイクル・コナリー原作のベストセラー小説を映画化した法廷ドラマ。
時には汚い手も使いながら、優秀な弁護士として抜け目なく生きてきた男が、ある事件の弁護を引き受けたことから始まる衝撃のてん末に肉迫する。
『評決のとき』の新米弁護士役でスターの仲間入りをしたマシュー・マコノヒーが、今回は敏腕弁護士を熱演。
彼の元妻を『いとこのビニー』のマリサ・トメイが演じている。
法廷の内外で巻き起こる不穏な事態に手に汗握る・・・
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ミック・ハラー(マシュー・マコノヒー)は黒塗りの高級車リンカーン・コンチネンタルの後部座席を事務所代わりにし、常にいくつもの案件を抱えている敏腕弁護士として活躍している。
リンカーンに乗っているから“リンカーン弁護士”というのもなかなか安易なネーミングである。

そんなミックは、少々強引な手も使いつつ軽い刑でおさまるよう司法取引を成立させ、麻薬売人や娼婦といったアウトサイダーたちを助けている。
様々な口実を設けてはクールにバカ高い弁護料を情け容赦なく請求する、アメリカの弁護士と言えばそんなイメージがするが、まさにその典型例。
冒頭、ミックに対するイメージは拝金主義者である。

そんなミックの下に、ある日保証金立替業者ヴァル(ジョン・レグイザモ)から、資産家の青年ルイス・ルーレ(ライアン・フィリップ)が女性を殴打したとして近々立件されるとの情報を得る。
金になると目論んだミックは拘留中のルイスと面会し、保釈手続きを取る。
保釈後、案件にまつわる調査を依頼することもある親友の私立探偵フランク(ウィリアム・H・メイシー)とともにルイスと再び会い、事件について詳しく聞く。

事件当夜、ルイスはバーで知り合ったレジーナという26歳の女性に誘われるまま彼女の自宅を訪ねたが、着いた途端に背後からレジーナに頭部を殴られ失神し、気がついたら暴行犯にされ、賠償金目当てとした計画にハメられたと主張する。
しかしフランクが入手した捜査資料によると、レジーナは知人のふりをして自宅を訪れてきたルイスに突如暴行され、首にナイフを当てられながらも瓶で彼を殴り命からがら逃げたと証言している。

フランクの調査によってルイスの無実を裏付ける証拠が出てくる。
しかし、同時にミックは違和感も覚える。
果たして無罪なのか有罪なのか、始めは鼻もちならない嫌な奴だったミックが真面目に事件に向き合う姿は、始めのイメージを打ち消していく。
そして二転三転するストーリー。

無実の罪の者を救うのなら誰にでも称賛されるが、悪い奴でもあらゆるテクニックを駆使して無罪にするのはどうなのか。
弁護士には常にそんなジレンマが付きまとう。
アル・パチーノは、「ジャスティス」で、そんなジレンマに痛快な回答を出した。
この映画でのミックもそれに匹敵する活躍であった。

「秘匿特権」という法律上のルールをうまく利用し、法廷モノとして物語に厚みも持たせ、ドラマは小気味いい出来となっている。
なかなか痛快な弁護士モノである。


評価:★★☆☆☆


     


   
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2013年08月27日

プリズナー

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原題: Take
2007年 アメリカ
監督: チャールズ・オリヴァー
出演: 
ジェレミー・レナー/ソール
ミニー・ドライヴァー/アナ
ボビー・コールマン/ジェシー
アダム・ロドリゲス/牧師

<WOWOW 解説>
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「アベンジャーズ」「ボーン・レガシー」の人気男優、J・レナーが2007年、死刑囚役で主演した社会派サスペンス。
実力派女優のM・ドライヴァー共演の劇場未公開映画。
レナーが出世作「ハート・ロッカー」の前年に出演した佳作。
レナー演じる死刑囚と彼に何かをされた女性の現在を、それぞれの過去と交錯させながら描写。
スタイリッシュな犯罪サスペンスと思わせながら、最後にあるメッセージを提示し、考えさせられる1本だ。
作品の最後で紹介される“修復的司法”を紹介した米国のサイトのURLはwww.takejustice.org。
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刑の執行が近づいた死刑囚ソール。
牧師との面談が許されているが、貧しい育ちの彼は、神を信じない。
逮捕されるまでのソールの物語。
ギャンブルで2,000ドルの借金を作り、勤務先の貸し倉庫で客の預けた物を密かに換金するが2,000ドルには届かない。
悪友の依頼で自動車泥棒をしたが、失敗してボコボコにされる。

一方、コンテナに荷物を積み込んだ女性アナは、いずこかへ向けて車を走らせる。
脳裏を過るのは数年前の出来事。
障害を持つひとり息子ジェシー。
学校から、普通学級から特殊学級への転向を進められ、やり切れない思いを抱える。
普通学級には適用できないと言われても、自分にとっては普通の息子。
必然的に担任に怒りの矛先は向かう。
そして学校を辞めさせて自宅教育をしようと決意し、そのために新たな仕事を探すが、なかなか見つからない…

平行して進むソールとアナの物語。
どこかでどういう形でか物語は交差するのだろうと思って観ている。
そして後半。
二人の間に何があったかがわかる。
アナが向かっていた先は、ソールが収監され、そして刑の執行を待っている刑務所であった。

映画がエンディングを迎えると、唐突に「修復的司法」の説明が出てくる。
「修復的司法」とは、加害者と被害者(の遺族)が対話する事によって、互いに過去の重荷から解き放されようというものらしい。
実際、この効果として、
・出所した受刑者の再犯率の低下
・防犯コストの低下
・加害者、被害者双方に対する癒しの提供
・被害者の犯罪によるトラウマの解消
・被害者の復讐心の軽減
などがあるという。

何だか最後になって突然説明されても、いかがなものかと思う。
これが言いたいなら、もう少し早くアピールするべきであろう。
しかし、物語の本筋とは関連性は薄く、唐突感だけが残ってしまう。
二つの物語を平行して引っ張るのは良いが、交差したところでもう物語はラスト。
アナの心境の変化も唐突で、もう少しそこに至る過程の描写があっても良かったと思う。
「修復的司法」をPRしたいのであれば、尚更である。

なんだか今一「何が言いたいのかわからない」感が残ってしまった。
描き方によっては、もっと心に残るものがあったのかもしれない。
ちょっと残念な作品である・・・


評価:★★☆☆☆





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2013年08月23日

自転車泥棒

自転車泥棒.jpg

原題: Ladri di Biciclette
1948年 イタリア
監督: ヴィットリオ・デ・シーカ
出演: 
ランベルト・マッジォラーニ/アントニオ
エンツォ・スタヨーラ/ブルーノ

<Movie Walker 解説>
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「靴みがき」に続いて監督のヴィットリオ・デ・シーカと脚本家のチェザーレ・ザヴァッティーニのコンビが発表したネオレアリズムの代表的傑作である。
「靴みがき」同様素人俳優を起用したもので、この二作によりデ・シーカとザヴァッティーニコンビの映画づくりは完成の域に達した。
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戦後間もないイタリアを舞台とした映画。
アントニオ(ランベルト・マッジォラーニ)は長い失業のすえ、ようやく映画のポスター貼りの仕事を得る。
ただし、その仕事には自転車が必要。
そこでアントニオは妻に相談し、妻は家にあったシーツをすべて質入れして、質屋から自転車を請け出す。

前夜、六歳の息子ブルーノ(エンツォ・スタヨーラ)が自転車を磨きあげる。
手当のつく仕事に喜び勇んで出かけていくアントニオ。
ところがちょっとしたすきに自転車が盗まれてしまう。
自転車がなければまた失業。
アントニオは警察に行くがほとんど相手にしてもらえない。
仕方なくアントニオは息子ブルーノとともに自転車探しを始める・・・

第二次大戦後のイタリアは、とにかく貧しかったようだ。
映画の冒頭でも、職を求める人たちがあちこちにたむろしている。
「シチリア!シチリア!」でも描かれていたが、こうした背景が共産党の台頭へと繋がっていったのであろう。
自転車を質から出すために、家じゅうのシーツをかき集めるシーンに貧しさが溢れている。

ようやく得た仕事。
男としては、家族をきちんと養う事が何より大事。
給料の他につく手当を数え上げて喜ぶアントニオの表情に、誇らしさが表れている。
しかし、その大事な商売道具が盗まれてしまう。

たかが自転車。
現代の日本ならさっさと諦めて新しいのを買うだろう。
ところがそんなお金はない。
必死で探すアントニオ。
友人たちと市場へ出かけていく。

商売道具の自転車が盗まれ持ち主が必死で探す。
一方で盗まれた自転車は市場で売られるという点では、「北京の自転車」と同じパターン。
それだけ自転車が貴重品というわけである。

やがて犯人と思しき男を問い詰めるが、彼もまた失業者。
貧しい社会が人々の心を奪っていく様子がわかる。
しかし、どうあがいても自転車は戻ってこない。
そんなアントニオの目に、誰もいないところに立てかけられた一台の自転車が目に入る。
一緒にいた息子に、「電車で帰れ」とお金を渡すアントニオ・・・

ラストシーンは心にずしんと響く。
家族のために真面目に働く事に喜びと誇りを持っていたはずのアントニオ。
ラストシーンのアントニオの姿に胸が締め付けられる。
世の中が豊かになる事が、どうして必要なのかがよくわかる。
なかなかの名画だと唸らされる一作である・・・


評価:★★★☆☆




   
posted by HH at 23:29 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2013年08月05日

ショーシャンクの空に

ショーシャンクの空に.jpg

原題: The Shawshank Redemption
1994年 アメリカ
監督: フランク・ダラボン
原作: スティーブン・キング
出演: 
ティム・ロビンス/アンディ
モーガン・フリーマン/レッド
ウィリアム・サドラー/ヘイウッド
ボブ・ガントン/ノートン所長
ジェームズ・ホイットモア/ブルックス
クランシー・ブラウン/ハドレー主任
ギル・ベロウズ/トミー

<Movie Walker 解説>
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20年近くの刑務所生活の中でもおのれを見失わず、ついには脱獄に成功した男の奇妙な逸話の数々と、その親友の囚人をめぐるヒューマン・ドラマ。
ホラー小説の大家、スティーブン・キングの非ホラー小説の傑作といわれた中編『刑務所のリタ・ヘイワース』(邦訳は新潮文庫『ゴールデンボーイ』に所収)を、「フランケンシュタイン(1994)」の脚本家、フランク・ダラボンが初監督と脚色を手掛けて映画化。
製作はニキ・マーヴィン、撮影は「未来は今」のロジャー・ディーキンス、音楽は「ザ・プレイヤー」のトーマス・ニューマン、美術は「ドクトル・ジバゴ」「オリバー!」で2度アカデミー賞を受賞したテレンス・マーシュがそれぞれ担当。
主演は「星に想いを」のティム・ロビンスと「アウトブレイク」のモーガン・フリーマン。
共演は「トレスパス」のウィリアム・サドラー、「デモリションマン」のボブ・ガントン、「ナッツ」などのベテラン、ジェームズ・ウィットモアほか。
95年度キネマ旬報外国映画ベスト・ワン作品。
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過去に観た映画でも、内容は忘れてしまっていたりする事もあるし、もう一度観てみたいと思うものがある。
この映画はそんな映画であり、久しぶりに観たというわけである。

1947年、銀行の若き副頭取、アンディ・デュフレーン(ティム・ロビンス)は、妻と間男を殺した罪で終身刑を宣告される。
無実の主張をしたが聞き入れられず、状況証拠はあまりにも彼に不利なものばかりだった。
そして送られたのがショーシャンク刑務所。

刑務所の中には様々な囚人たちがいる。
頼まれたモノを、どういうルートでか手に入れてくる“調達係 ”のレッド(モーガン・フリーマン)もその一人。
初めは周囲から孤立していたアンディが最初に心を開き、鉱物採集の趣味を復活させたいと言い、レッドにロックハンマーを注文する。

一方、アメリカの刑務所と言えば必ず出てくるのが、オカマを掘る男たち。
ボグズ一派に目をつけられたアンディは、性的行為を強要される。
常に抵抗しつづけたアンディは、2年間というもの生傷が耐えなかった。
ある日、アンディは屋根の修理作業に駆り出された時、監視役のハドレー刑務主任(クランシー・ブラウン)が死んだ弟の遺産相続問題で愚痴をこぼしているのを聞き、解決策を助言する。
もともと銀行員でもあり、得意分野でもある。
彼は作業中の仲間たちへのビールを報酬に、必要な書類作成を申し出る。

取り引きは成立して囚人たちはビールにありつき、彼らはアンディに一目置くようになる。
そしてアンディは、レッドに当時人気のあった女優リタ・ヘイワースの調達を依頼し、請け負ったレッドは、大判ポスターという形でそれに応える。
さらにアンディを叩きのめしたボグズは、逆にアンディに目をかけるハドレーに半殺しにされ病院送りにされる。
ようやくアンディに落ち着いた日々が訪れる。

これ以降、アンディは楽な図書係に配属され、さまざまな刑務所の改革を試みる。
諦めが支配していた刑務所に、「希望」を持ち込もうとする。
そんな希望をレッドは「危険」だと諭す。
アンディを中心にしながら、映画には刑務所の酷い実態が描かれる。
ノートン所長(ボブ・ガントン)は、囚人たちを使って不正蓄財に励んでいる。
ハドレー主任に暴行された囚人が、それがもとで死んでもお咎めはない。
懲罰房は暗闇の牢獄で、人権無視のシロモノ。
一方で、凶器になるようなものも囚人たちは自由に入手している。

また、50年の収監を経て仮釈放される囚人が、外の生活に順応できず自殺するシーンが出てくる。
「車は若い頃に一度だけ見た事があるが、今はそこらじゅうに溢れている」という刑務所仲間に宛てた手紙が、印象的だ。
ただ終身刑になるにはそれなりの罪を犯しているわけで、冤罪なら別だが、個人的には仮釈放などすべきではないと考える自分からすれば、このくらいの事は当然だと思えてならない。

刑務所の囚人を主人公にした映画は、とかく囚人目線になるもので、死刑や終身刑の残酷性を訴えたりするものがあるが、基本的にはおかしな話だと思う。
レッドも何回も仮釈放審査を受け、その都度却下され、その都度がっかりする。
冷たいように描かれるが、そもそも審査などしなければレッドもよけいな期待せずに済むのだと思う。
この映画はそんな刑務所問題を提起するのが趣旨ではないと思うが、そんな事をつらつらと考えた。

無実の罪で長い年月を刑務所で過ごしたアンディ。
ラストのエンディングは、実にすっきりしたものとなる。
モーガン・フリーマンも、「許されざる者」に次いで、印象的な相棒役を務めている。
かつて危険だった「希望」に満ちたラスト。
二度観る価値ある映画である・・・


評価:★★★☆☆


     


    
posted by HH at 21:46 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ