2017年11月20日

【アイ・アム・ニューマン 新しい人生の見つけ方】My Cinema File 1825

アイ・アム・ニューマン 新しい人生の見つけ方.jpg

原題: Arthur Newman
2012年 アメリカ
監督: ダンテ・アリオラ
出演: 
コリン・ファース:ウォレス
エミリー・ブラント:マイク
アン・ヘッシュ:ミナ
ルーカス・ヘッジス:ケヴィン

<映画.com>
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『英国王のスピーチ』のコリン・ファースと『プラダを着た悪魔』のエミリー・ブラント主演、過去を捨てた男女の奇妙な2人旅を描いたロードムービー。失敗だらけの人生に嫌気が差した中年男性ウォレスは、偽造IDで別人に生まれ変わることを決意する。水死を装って今までの自分と決別したウォレスは、アーサー・ニューマンという名前で新たな人生を送りはじめる。そんな矢先、ひょんなことからマイクという変わり者の女性と知りあったウォレスは、成りゆきでマイクと一緒に旅することになる。共演に「6デイズ/7ナイツ」のアン・ヘッシュ。「セブン・イヤーズ・イン・チベット」の脚本家ベッキー・ジョンストンが脚本と製作を手がけた。
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人は誰でも生まれ変われたらと思うものであろう。この映画の主人公ウォレスもそんな1人。妻とは離婚し、離れて暮らす息子は自分に対し口もきこうとしない。自分の存在意義に疑問を持っていたところ、偶然知り合ったゴルフ場オーナーからレッスンプロに招かれ、これを機にまったく新しく人生をやり直そうと計画する。偽造IDで新しい名前を手に入れ、自分は自殺したように装い、新しい名前で新しい車を買い、全財産を持って新天地に向かう。

途中で知り合ったのは、どう見てもイカれた女マイク。ふとしたきっかけから知り合い、一緒に旅することになる。新婚の壮年カップルを見かけた2人は、カップルの後をつける。カップルが家に戻り、そして新婚旅行に出かけていくとその家に忍び込むマイク。初めは躊躇していたウォレスも、しまいに一緒に忍び込んでその家の一時主人の立場を楽しむようになる。

タイトルになっているアーサー・ニューマンとは、ウォレスが選んだ新しい名前。その名の通り「ニューマン」である。かつてはゴルフプロとしてツアーにも参加経験があるが、極度のあがり症で本番に弱く、実力を発揮できないままリタイア。子どもが口をきいてくれないのも、かつて多忙を理由に接触を避けていたから。そんな過去が次第に明らかになっていく。

一方で、ウォレスが失踪し、しかも自殺の疑いがあると分かった時、それまで冷たかった恋人は改めてウォレスへの気持ちに気づき、口もきかなかった息子も父親に興味を示すようになる。人間は、失ってからそれがいかに大事なものであったかに気がつくものなのである。こうして新しい人生を手に入れようとした主人公と、彼に対する思いに気がつく恋人と息子とが並行して描かれていく。マイクにも同情すべき身上がある。

新しい名前で、過去を捨てて新しい人生を歩もうとしたウォレス。同じように心に傷を抱えてあてどもなく生きていたマイク。本当は父親との絆がもっと欲しかった息子。それぞれの物語の結末が心地よい。それにしても今の時代、ネットも発達していて、まったく新しい人生というのも簡単には手に入らないものだと思う。ウォレスのプロとしての経歴も、ちょっと検索すればアーサー・ニューマンなどというプロが存在しないことがわかってしまう。それは裏を返せば、息子からすると知らなかった父親のプロの時代を見ることができるということでもある。いいのか悪いのかは別として、今はそういう時代だと強く感じる。

静かなドラマではあるが、心に染みる心地よい再生のドラマである・・・


評価:★★☆☆☆




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2017年11月12日

【はじまりのうた】My Cinema File 1822

はじまりのうた BEGIN AGAIN.jpg

原題: Begin Again
2013年 アメリカ
監督: ジョン・カーニー
出演: 
キーラ・ナイトレイ:グレタ
マーク・ラファロ:ダン
ヘイリー・スタインフェルド:バイオレット
アダム・レビーン:デイヴ
ジェームズ・コーデン:スティーヴ
ヤシーン・ベイ:サウル
シーロー・グリーン:トラブルガム
キャサリン・キーナー:ミリアム

<シネマトゥデイ>
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第80回アカデミー賞歌曲賞を受賞した『ONCE ダブリンの街角で』のジョン・カーニー監督が、同作に続いて音楽をテーマにして放つヒューマンドラマ。恋人に裏切られた失意を抱えながらバーで歌っていた女性が、音楽プロデューサーを名乗る男との出会いを通して思わぬ運命をたどる。主演は『つぐない』『プライドと偏見』などのキーラ・ナイトレイと『キッズ・オールライト』などのマーク・ラファロ。キーラが披露する歌声や舞台となるニューヨークの街並みや、人気バンド・Maroon 5のアダム・レヴィーンの出演も見どころ。
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主人公のグレタは、デイヴとともにニューヨークへとやって来る。映画の音楽に使われたデイヴの曲がヒットして音楽会社と契約することになり、イギリスから2人でニューヨークにやって来たのである。グレタもデイヴと一緒に曲を作ったりしていたが、脚光を浴びるのは当然ながらデイヴ。やがて売れ出したデイヴは、会社の女性に心を奪われてしまいグレタはデイヴと別れて友達スティーブの家に転がり込む。

一方、かつて一世を風靡したものの、最近はこれといったシンガーを発掘できていないプロデューサーのダンは、共同創業者のサウルに三下り半を突きつけられ会社を追われる。酔った勢いで偶然立ち寄ったバー。そこでライブをやっていたのはスティーブ。スティーブはグレタを連れて来ていて、無理やりグレタをステージに上げると持ち歌を歌わせる。
客は静かなその曲に見向きもしないが、それを耳にしたダンは頭の中でその曲のイメージが膨らんでいき、思わずグレタに声を掛ける。

ダンはグレタに契約を持ち掛け、これを口説き落とす。しかし、共同創業者のサウルはデモCDすらないグレタに興味を示さない。ダンもグレタもデモCDを作る資金はない。会社も資金を出してくれない。そこでダンは出世払いで協力してくれる演奏者を集めると、街中をスタジオに見立ててデモCD作りを始める。街中では様々な雑音が入り乱れ、それが逆にその曲の雰囲気として曲を構成していく。その過程で、メンバーには一体感が生まれてくる・・・

登場人物たちは、みんな苦境にある。グレタはともにイギリスから出てきたデイヴが、曲が売れるとともに他の女の下へと走り、ダンは共同創業者から会社を追われる。スティーブは長年路上ライブをやっているが、なかなか芽が出ない。そんな彼らが、「弱者連合」を組むが、もともと眠っていたグレタの才能をダンが見出し、お金がないのを逆手に取った路上でのデモCD製作が曲作りに生かされていく。あまり期待していなかった映画であるが、グイグイとドラマに引き込まれていく。心に響いてくるものがある。

よくよく考えてみると、なんだかビジネスにも相通ずるものがあるストーリーとなっている。音楽という夢を諦めない事、お金がなくても創意工夫で何とかできる方法を考える事、そして最後に創ったCDの販売方法(従来のやり方ではなく、本当に自分たちのやりたい方法をとること)等々、なかなかどうして示唆に富むところがある。

「とりあえず観るか(主演はキーラ・ナイトレイだし)」と軽い気持ちでそれほど期待せずに観た映画であるが、じんわりと心に残った映画である・・・


評価:★★☆☆☆





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2017年10月02日

【おみおくりの作法】My Cinema File 1803

おみおくりの作法.jpg

原題: Still Life
2013年 イギリス・イタリア
監督: ウベルト・パゾリーニ
出演: 
エディ・マーサン:ジョン・メイ
ジョアンヌ・フロガット:ケリー
カレン・ドルーリー:メアリー
アンドリュー・バカン:プラチェット氏
キアラン・マッキンタイア:ジャンボ
ニール・ディスーザ:シャクティ
ポール・アンダーソン:ホームレスの男
ティム・ポッター:ホームレスの男

<シネマトゥデイ>
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『ベラミ 愛を弄ぶ男』などのプロデューサー、ウベルト・パゾリーニが監督を務め、身寄りのない人の葬儀を行う地方公務員の姿にスポットを当てた人間ドラマ。『戦火の馬』などのイギリスの実力派俳優エディ・マーサンを主演に迎え、心を込めて死者を弔う孤独な男の生きざまを描く。主人公が淡い思いを抱く女性を、テレビドラマ「ダウントン・アビー 〜貴族とメイドと相続人〜」などのジョアンヌ・フロガットが好演。人生の最期にまつわる、ほろ苦くて切なく優しい物語に魅了される。
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主人公のジョン・メイは、44歳の独身で、ロンドン南部のケニントン地区で民生係をしている。民生係としてジョンは、孤独死した人の葬儀等の事務仕事をおこなっている。日本でも『おくりびと』という納棺師を描いた映画があったが、仕事内容は異なるものの、死者を弔うという点では共通点のある映画だと言える。

几帳面なジョンは、日常の些細な仕草だけではなく、仕事においても同様で、孤独死した人に対しては単に事務処理をおこなえばよいのに、死者の部屋を訪問して私物を遺品として保管したり、アパートやマンションの家主には、荷物の処分業者の連絡先を渡したりと手間をかける。それは本来の姿というべきであるが、やらなくても済むことでもあり、そういうことは大抵の人はやらないものだと思う。

死者のアルバムがあれば持ち帰り、家族や友人の有無を調査、死者が好きだった曲がわかれば葬儀の時に流し、弔辞まで用意する。さらに引き取り手のない遺骨は、一定期間きちんと保管し、その後散骨している。毎日同じ時間帯に出勤し、仕事が終わるとまっすぐ帰宅し、食事も家でランチョンマットを丁寧に敷いて食器を並べて食べる。毎日死者のために丁寧な「おみおくり」の仕事をしていたが、それを理解してくれる人はいない。

ある日、連絡を受けて出向いた孤独死の現場は、なんとジョンの向かいのアパート。こんな身近でどこかの誰かが数週間、発見されずにいたことにジョンはショックを受ける。さらにジョンは上司のプラチェット氏に呼び出されると、経費削減のため地区の民生係の統合が決まり、ジョンの業務は別の担当者に引き継がれることになったと告げられる。それまでの仕事振りは何も認められず、ジョンは職を失うことになる。ジョンは動揺を抑え、かろうじて向かいのアパートの死者の案件を最後の仕事として認めてもらう。こうして、ジョンは最後の仕事に取り掛かる・・・

「理想と現実」と言う言葉が脳裏に浮かぶ。主人公のジョンは、民生係。身寄りなく亡くなった者を丁寧に弔っている。誰も参列しない葬儀に1人参列し、弔辞まで考える。一定期間遺灰を保管し、時が来ると丁寧に散骨する。しかし、経済的観念からすると、それは無駄な仕事。葬儀に参列する暇があったら、その分他の仕事ができるし、遺灰もすぐに処理をすれば仕事も早く片付く。事実、ジョンの後継者はそれをやる。ジョンが「溜めていた」遺灰を次々と散骨していくのである。

ジョンは、最後の仕事を一層丁寧に行う。それは最後の葬儀のシーンによく表れている。孤独死したはずの人の葬儀とは思えないもの。それは心温まるものではあるが、しかしそのシーンは一方で無情なシーンでもある。結局、ジョンのやって来た仕事は、非効率なだけの無駄な仕事だったのであろうか。映画は、そうではないことを訴えて終わるのであるが、しみじみとした気分にさせてくれる。

やたらと派手だったり、とにかくハッピーエンドだったりするハリウッド映画と比べ、ヨーロッパの映画は濃厚である。じっくりと余韻を味わいたい映画である・・・


評価:★★☆☆☆




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2017年09月03日

【真夜中のカーボーイ】My Cinema File 1791

真夜中のカーボーイ.jpg

原題: Midnight Cowboy
1969年 アメリカ
監督: ジョン・シュレシンジャー
出演: 
ジョン・ヴォイト:ジョー
ダスティン・ホフマン:ラッツォ
シルヴィア・マイルズ:キャス
ジョン・マクギヴァー:オダニエル
ブレンダ・ヴァッカロ:シャーリー
バーナード・ヒューズ:タウニー
ルース・ホワイト:サリー

<映画.com>
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「ダーリング」「遥か群衆を離れて」のジョン・シュレシンジャー監督による異色作品。虚飾の大都会ニューヨークの混沌から、必死に浮かび上がろうとする2人の若者の物語。ジェームズ・レオ・ハーリヒーの作品を、ウォルド・ソルトが脚色した。撮影はコマーシャル出身のアダム・ホレンダー、音楽はジョン・バリー、編集はヒュー・A・ロバートソンが担当。製作にはジェローム・ヘルマンが当たっている。出演は『卒業』でスターとなったダスティン・ホフマン、舞台出身のジョン・ヴォイト。共演はベテランのシルヴィア・マイルズ、ブロードウェイ女優ブレンダ・ヴァッカロ、「ニューヨーク泥棒結社」のジョン・マクギバー、バーナード・ヒューズなど。
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時折、過去の名作を鑑賞している。この映画も昔観た記憶があるのだが、もうすっかり忘れてしまっている。それはすなわち、「観ていない」のと同じ気もする。それも残念であるし、そう思って鑑賞に至る。

物語は、ジョー・バックが、カウボーイのいでたちを身にまとうところから始まる。それまでやっていたのであろう皿洗いの仕事を投げ出し、テキサスからニューヨークへと向かう。長距離バスでの移動は当時の常識なのか、あるいは彼にはお金がなかったのかと思い巡らす。そしてニューヨークへ出てきて何をするのかと思いきや、なんと金持ちの夫人達を相手にして金を稼ごうというもの。娼婦ならぬ男娼である。

なにせ、アンジョリのお父さんジョン・ボイトである(唇の厚さは父娘である)。大して二枚目だとは思えないのであるが、本人はいたって真剣。何人かに振られはしたものの、何とか最初の客を掴む。ところが、いざ20ドルを請求すると泣きが入り、タクシー代として逆に金をあげてしまう始末。そんな時、ジョーはラッツォと名乗る足の不自由な男と知り合う。

ラッツォは、ジョーのマネージャーをやるとして、まず顔役だと言う男を紹介する。しかしこれがとんだ食わせ物で、ジョーはだまされたとわかったものの後の祭り。やがて彼は金が尽きてホテルを追い出されてしまう。そしてなんとかラッツォを見つけ出したジョーであるが、ラッツォもまた文無しで、住んでいるのは取壊し予定のビルの廃屋のような一室であ流という始末。行くあてのないジョーは、やむなくそこに同居することにする。

改めてコンビを組んだジョーとラッツォは、ジョーを男娼として売り込みを始めるが、思うようにうまくいかない。そうこうするうちに、ラッツォは次第に不調を訴え衰弱していく。そしていつの間にか、ジョーはラッツォを養いながら辛うじて生計を立てていく。病院へ行こうと促すも、それを拒絶するラッツォは、フロリダに行く夢を語る・・・

地方から夢見て大都会ニューヨークへやって来る一人の男。テキサスの田舎で皿洗いして終わることを考えたら、その志や良しなのかもしれない。だが、何をするとなった時に「男娼」というのはいかがなものかと思う。それで生計が成り立つと考えていたジョーは、つくづくノー天気なのかもしれない。そしてそんな男と一緒に暮らし始める足の不自由な男ラッツォ。無骨な男と小柄でよくしゃべる男という組み合わせは、何となく雰囲気的に『スケアクロウ』を彷彿とさせる。もっとも時代的にはこちらの映画の方が先であるが・・・

『スケアクロウ』のアル・パチーノにあたるのがダスティン・ホフマン。当時既に『卒業』でメジャーになっていたと思うが、まだ若くて輝いているように見える。足が不自由という設定で、ぴっこを引きながら歩く。どことなく憎めない雰囲気で、田舎者のジョーは次第に彼を信用していく。先の見えない2人の暮らしは、いかにも不安定なのであるが、見えない未来に徒手空拳で対峙する、それが若さなのかもしれない。

観終えてみると、何となく覚えていたのはラストの結末ぐらいで、果たして本当に観たのかと自分自身怪しくなる。されど、時を経て改めて観てみると、何となく味わいのある映画である。「名画」と評価されるのもよくわかる。そういう過去の名作が他にもあるかもしれない。
そういう目で、過去の映画にも目を向けたいと思わされたのである・・・


評価:★★☆☆☆





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2017年08月17日

【ロスト・エリア −真実と幻の出逢う森−】My Cinema File 1783

ロスト・エリア −真実と幻の出逢う森−.jpg

原題: The Driftless Area
2015年 アメリカ
監督: ザカリー・スルーザー
出演: 
アントン・イェルチン:ピエール
ズーイー・デシャネル:ステラ
ジョン・ホークス:シェーン
アリア・ショウカット:キャリー
フランク・ランジェラ:ティム
キアラン・ハインズ:ネッド
オーブリー・プラザ:ジーン

<映画.com>
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「スター・トレック」シリーズのアントン・イェルチンと「(500)日のサマー」のズーイー・デシャネルが共演したクライムドラマ。両親を亡くした青年ピエールは、ミュージシャンになる夢をあきらめて故郷に戻り、バーテンダーとして働きはじめる。ある日、森を散歩中に誤って古井戸に転落してしまったピエールはそのまま一晩を過ごし、翌日偶然通りかかった女性ステラに助けられる。ミステリアスなステラと恋に落ちるピエールだったが、やがて麻薬組織が絡む事件に巻き込まれていく。共演に「セッションズ」のジョン・ホークス、「ライフ・アフター・ベス」のオーブリー・プラザ。
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主人公は、音楽家を目指し大学に通っていたものの、両親が相次いでこの世を去って24歳で無一文になったピエール。今は故郷の田舎町に戻ってバーテンダーをして生計を立てている。そのピエールの元を時折訪ねてくるのは、幼馴染のキャリー。ある日野原を一人で散歩していたピエールは、誤って古井戸に落ちてしまう。這い上がれずに一夜を過ごした後、どこからともなく現れたステラに助けられる。

そのステラは、知人から頼まれて留守番をしていた家が放火され、さ迷い出たところを老人ティムに助けられ、ティムの亡き叔母の家に住まわせてもらっている。ステラに助けられたピエールは、以後ステラを訪ねていくようになる。まぁ、その気持ちはわからなくもない。そして、ピエールに想いを寄せていると思われるキャリーとの関係が気になってくる。

ある日、ピエールは車が故障し道端でヒッチハイクをする。そこに通りかかったのは、シェーン。ピエールを乗せると20ドルを要求し、何と途中で降りろと迫る。さらにピエールが抱えていたバラの鉢植えまで奪うと、ピエールを置いて走り去ろうとする。ピエールは持っていた石を腹立ちまぎれに投げると、なんとそれがシェーン後頭部に命中し、昏倒したシェーンはトラックごと道端に落ちる。驚いたピエールだが、バラの鉢植えと石とを取り返し、トラックの鍵を抜いて投げ捨てる。さらに目についたバッグを開けるとそこにあったのは大量の札束。ピエールはバッグを手にし、その場を離れる。

実はシェーンは、レンタカー店を経営するネッドの指示でステラのいた家を放火した犯人で、 さらに金をため込んでいるという男の店を襲って金を奪う指示も受ける。ピエールに奪われた金はまさにそうして奪った金であり、意識を取り戻したシェーンは、なんと通りがかりに心配して声をかけてきた親切な女性の車を奪うという極悪人。当然、ピエールを探し出して金を奪い返そうと画策する・・・

こんなストーリーが淡々と続いていく。それにしてもわからないのは、ステラの正体。本人は、ピエールに自分の正体を明かすのだが、それは実に驚くべき内容。驚くといっても、それはその正体そのものに対してというよりも、「それならそうともっとそれらしくしないのか」という創り手に対する杜撰さに対して、である。同じような「実は私は・・・」という正体明かしは、『シックス・センス』があったが、『シックス・センス』の見事さからすると、この映画はいかがなものかという気しかしない。

結局、何が言いたかったのかよくわからないまま映画は終わる。いろいろ観ていればこういう映画もあるだろうと思う。この映画を観ようと思ったのは、予告が面白そうだったったからに他ならないが、予告がうまく創られていたということが言えるだろう。それ以外は、残念ながらもう一つと言える映画である・・・


評価:★★☆☆☆





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