2012年03月19日

川の底からこんにちは

川の底からこんにちは.jpg

2009年 日本
監督: 石井裕也
出演: 満島ひかり/遠藤雅/相原綺羅/志賀廣太郎/岩松了

<STORY>********************************************************************************************************
上京して5年、仕事も恋愛もうまくいかず妥協した日々を送っていたOLの佐和子。
そんな彼女の元に、父が末期がんで倒れたという知らせが届いた。
佐和子は田舎に戻り、実家のしじみ工場を継ぐことに。
しかし工場は倒産寸前で、パートで働くおばちゃんたちからも相手にされない。
さらについてきた恋人にまで浮気されてしまう始末。
そんな追い込まれた中で佐和子は工場を立て直す決意をし……。
********************************************************************************************************

上京して5年。
上京して5つ目の仕事に就き、上京して5人目の彼氏健一はバツイチこぶつきというOL佐和子。
何事も「しょうがない」という口癖とともに、諦め切って人生を送るが如くの日々の生活。
同僚OLとの会話を聞いていると、その無気力さに尻を蹴飛ばしたくなる。

そんな佐和子の下に、故郷の父が倒れたという知らせが届く。
末期癌で余命いくばくとなり、やむなく父の経営するしじみ工場を引き継ぐ事になる。
そこについてきたのが、会社を辞めた彼氏の健一。
子供も連れて押しかけてくる。
この彼氏も女房に逃げられ、会社も実質的に首になり、要は佐和子の実家を当てにして転がり込んで来ているのである。
誰も彼もが性根を入れ変えたくなるような人物ばかり。

いざ継いだ工場であるが、社長の後継ぎと言っても、工場で働くおばさんたちにしてみればただの小娘。
しかも高校を卒業してすぐ東京へ駆け落ちしたが失敗したという経緯もあり、田舎では半端モノの烙印を押されて見られてしまう。
肝心な工場は、しじみのパック詰めという何の特色もない事業で、受注は減り続け経営的には青息吐息の状態。

経営はどうしていいかわからず、周りからは白い目で見られ、彼氏は子供を残して同級生の女の下へ走ってしまう。
こんな八方ふさがりの状況に、“キレた”佐和子は自らを「中の下」と称して、「頑張る」と周囲に宣言。
猛烈な開き直りを見せる・・・

ちょっと変わったタイトルは、川の底から取れるしじみから来ている。
主演は満島ひかり。
冒頭から妙な雰囲気を醸し出す。
この満島ひかりは、実は「悪人」にも出演していて、主人公に殺されてしまう女の子の役だったが、妙に印象に残っている。
この映画ではまた違った雰囲気。
ひょっとしたらかなりの演技派なのかもしれない。

何をやってもダメな「中の下」の女が、開き直って物事すべてに体当たりでぶつかっていく。
そんな痛快なストーリー。
ただ、傾いたしじみ工場を立て直すのに、「県庁の星」のようなビジネス的に納得性の高い手法だったりすると、サラリーマン的にも受けたのではないかと、ちょっと残念な気もする。

あまりあれこれ考えずに、ストーリーに集中すれば結構楽しめる映画である。
満島ひかりには、これからちょっと注目してみたいと思う・・・


評価:★★☆☆☆
    



    
    
posted by HH at 22:49 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2012年03月04日

メランコリア

メランコリア.jpg

原題: Melancholia
2011年 アメリカ
監督: ラース・フォン・トリアー
出演: キルスティン・ダンスト/シャルロット・ゲンズブール/キーファー・サザーランド/シャーロット・ランプリング/ジョン・ハート

<STORY>********************************************************************************************************
マイケルとの結婚を決めたジャスティンは、姉・クレアの豪邸で結婚パーティーを行う。
最初は楽しそうに振舞っていたジャスティンだが、段々と浮かない顔を見せ始める。
やがてパーティーを抜けしたり、マイケルとのベッドを離れたり、奇妙な行動を取り始めたジャスティン。
そんなジャスティンに怒ったマイケルは、彼女をクレアの家に置いて帰ってしまう。
その頃、天体異常が起こり、メランコリアという惑星が地球に近付いていた…。
********************************************************************************************************

冒頭、意味ありげな幻想的なシーンと音楽が続く。
そして2つの惑星が衝突する。
なんとも思わせぶりな、それでいて夢をみているようなイントロである。

一転して郊外のゴルフ場に隣接するお城のような屋敷。
まさに一組の結婚式が始っている。
新郎はマイケル、新婦はジャスティン。
幸せ一杯のカップルに見えるが、ジャスティンの姉夫婦の豪邸で開かれたパーティーには不穏な空気が漂う。

気まぐれな新婦は、式をアレンジした姉の苦労には無頓着。
周りの迷惑も考えず、自由気ままに行動する。
妻を精一杯愛するマイケルも、その行動に戸惑うばかり。
一体、何の映画だったのだろうとわからなくなりそうなシーンが延々と続く。

そう言えば、名画「ディア・ハンター」でも、前半一時間は結婚式と鹿狩りの平和なシーンが延々と続いた。
それが後半のベトナムの戦場との見事なコントラストになった。
この映画もそんな狙いがあったのかもしれない。

その頃、実は大きな惑星が太陽系の軌道に入り込み、地球に接近していた。
当然、その軌道は計算され、地球のそばを通過するとされていた。
だからだろうか、「2012」や「ハルマゲドン」のようなパニック映画になる事もなく、ストーリーは淡々と姉妹の行動を追っていくものになっている。
それはまるで詩の朗読を聞いているかのようである。

迫りくる惑星の名前は「メランコリア」。
メランコリーと言えば憂鬱、あるいは悲哀。
そんな意味を意識した名前なのだろうか。
何か訴えかけてくるものがあるが、それが何かはっきりとはしない。
そんなもどかしさを感じてしまう。

人はいざ死を前にしたらどう行動するのか、できるのか。
そんな事を問い掛けられたようである。
自分だったらどうするだろう。
あまりにも印象的な美しい音楽に包まれながら、そんな事を考えてみた映画である・・・


評価:★★☆☆☆
  
     


    
   
posted by HH at 11:03 | 東京 ☁ | Comment(1) | TrackBack(2) | ドラマ

2012年03月03日

ジョニー・マッド・ドツグ

ジョニー・マッド・ドッグ.jpg

原題: Johnny Mad Dog
2007年 フランス=ベルギー=リベリア
監督: ジャン=ステファーヌ・ソヴェール
出演: クリストフ・ミニー/デジー・ヴィクトリア・ヴァンディ/ダグベー・トウェー

<STORY>********************************************************************************************************
内戦で混乱を極めるアフリカ。
反政府軍の名の下に虐殺・レイプ・強盗など残虐行為を繰り返す少年兵部隊。
リーダーの“ジョニー・マッド・ドッグ”は、ナンバー2の“ノー・グッド・アドバイス”ら部下を引き連れ、上官の命令を全うすべく命知らずの行軍を続けて行く。
一方、幼い弟と歩けない父親を抱えた13歳の少女ラオコレは、戦乱の街を逃げ惑っている最中、ジョニーたちが幼い少年をなぶり殺しにするのを目撃する。
********************************************************************************************************

以前、「シティ・オブ・メン」という映画を観た。
その前に観た「シティ・オブ・ゴッド」もそうであったが、ブラジルの貧民街の少年たちの衝撃的なストーリーだった。
年端もいかぬ子供たちが銃を持って対立に明け暮れている。
体は子供でも、銃を持てば立派に人を殺せる。
そこには大人も子供も差はなく、肉体的なハンデも関係ない。
これはそんなブラジル映画を久しぶりに思い起こさせてくれた映画である。

とあるアフリカの国。
反政府軍が勢力を増し、その一員達が村を襲う。
彼らはみな子供。
リーダーはジョニー・マッド・ドッグ。
略奪をし、父親を銃殺しその子供を拉致する。
やがて自分達の仲間に入れてしまうのである。
そういえば、「ブラッド・ダイアモンド」にもそんな話が出てきた。

子供の頃から銃を振り回す殺戮の世界。
当然人命などどうとも思わず、まともな大人になどなるはずもない。
その子供たちも同様で、どこまでいってもその国の未来は暗い。
これはフィクションだろうが、似たような話はたくさんあるのだろう。

映画はそんなバイオレンス少年軍団の姿を追う。
彼らに命令を与え、操るのは大人たち。
障害者の父親と弟を抱えた少女が、そんな彼らと遭遇する。
混乱の中で逃げまどう人々。
略奪と殺人を繰り返す子供たち。

観ているこちらの方まで絶望的な気分が伝わってくる。
国連もなす術がないのは、「ルワンダ 流血の4月」でも同様だった。

結局最後までどこの国の物語かはわからなかったが、毎日命の心配をしなくていい社会というのは、つくづくありがたいものだと思わせられる映画である・・・


評価:★★☆☆☆
    
    
posted by HH at 00:11 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2012年03月02日

RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語

RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語.jpg


2010年 日本
監督: 錦織良成
出演: 中井貴一/高島礼子/本仮屋ユイカ/三浦貴大/奈良岡朋子

<STORY>********************************************************************************************************
大手家電メーカーに勤める筒井肇は、昇進も決まり順風満帆なサラリーマン生活を送っていた。
そんな矢先、故郷で一人暮らす母親が倒れたとの知らせが入る。
追い打ちをかけるように、入社同期の親友が事故死したとの連絡が…。
久しぶりに帰省した故郷・島根で、仕事に追われ家族を気遣うことなく走り続けてきた日々を顧みる。
そして彼は決意する。
子供の頃夢見ていた“バタデン”の運転士になる事を。
********************************************************************************************************

男も49歳となるといろいろな節目を迎える。
主人公の筒井もちょうどそんな節目を迎えている。
勤務先の大手家電メーカーは、景気の低迷もあって工場の海外移転、国内工場閉鎖という問題に直面している。
その先頭に立たされたのが筒井。
うまくいけば役員の椅子に手が届く。

妻は自立し、ハーブの店を開店させ、夫と娘との関係を保ちながら自分のやりたい事を始めている。
そんな矢先、故郷島根で一人暮らしをしている母親が倒れる。
そして同期入社の親友が事故死する・・・

家族・仕事・人生そんなトライアングルがぐるぐる回る中、筒井はとうとう故郷島根に戻り、しかも子供の頃の夢だった電車の運転手になろうと決心する。
まさにタイトル通りの男の物語である。
同じような境遇に置かれた時に、人はどうするのだろう。
そんな事を考えてみる。

筒井にとってはそれが故郷に戻り電車の運転手になる事だった。
だが、電車の運転手が主なのか、故郷に戻る事が主なのか。
確かに子供の頃からの夢だったのだろうが、では故郷のバタデンの運転手に採用されなかったら、果たして他で運転手になろうとしたのであろうか。
そこまで強い夢だったのだろうか。
それとも故郷で他の仕事を探したのだろうか・・・

たぶん、それは両者が必然の条件だったのだろう。
それは採用試験の時に見てとれる。
若者と並んで試験を受ける筒井の意欲は、はるかに若者に勝る。
記憶力も劣るだろうが、長い社会人経験で培った経験でそれをカバーする。
自分にそのような事ができるだろうかと考えてみたりする。

物語は、のどかな田舎ののどかな電車でのユーモラスな出来事などを交えながら進んでいく。
運行時間に遅れが出るのはしょっちゅう。
電車に遅れそうな人を待っていたり、転んだおばあさんを助けたり、筒井運転手はその都度怒られながらもめげることなく仕事を続ける。

ちょっとほろっとするシーンもあったりして、楽しめると同時にサラリーマンにはちょっと己を振り返らさせてくれる映画だ。
自分だったら、何をするだろう。
たまには考えてみてもいいかもしれない・・・


評価:★★★☆☆
   



posted by HH at 00:35 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(1) | ドラマ

2012年02月18日

食べて、祈って、恋をして

食べて、祈って、恋をして.jpg

原題: Eat Pray Love
2010年 アメリカ
監督: ライアン・マーフィー
出演: ジュリア・ロバーツ/ハビエル・バルデム/ジェームズ・フランコ/リチャード・ジェンキンス/ヴィオラ・デイヴィス

<STORY>********************************************************************************************************
ニューヨークで作家・ジャーナリストとして活動するエリザベス・ギルバート。
夫・スティーブンとの結婚8年目にして新居も購入し、何不自由ない生活を送っているうようだったが、どこか満たされない日々。
やがて離婚を決意して家を出た彼女は、若い俳優・デイヴィッドの家に転がり込む。
しかし、そこでもうまくいかなくなったエリザベスは、自分を解き放つため、イタリア、インド、バリをめぐる1年間の旅に出ることを決意する…。
********************************************************************************************************

ジュリア・ロバーツ主演という事でちょっと期待して観る事にした映画。
しかしながら、なんだかよくわからなくなる。
どうしてなんだろうという疑問が湧いてくる。
主人公が女性という事もあるのかもしれないが、どうにも共感できない映画だったからかもしれない。

主人公は作家兼ジャーナリストのエリザベス。
ある時、バリ島で地元の占い師のおじさんから、「一度離婚し、その時財産をすべて失う。でも大丈夫、また取り戻せる」とアドバイスを受ける。
そしてその通り、何不自由ない恵まれた結婚生活に自らピリオドを打つ。
その理由がよく理解できない。
なんでそんな理由で離婚するのか・・・

そして年下の俳優デイヴィッドと暮らし始めるが、やっぱり突然イタリアへ行く決意をする。
そこでダイエットを気にせず大いに食べる。
続いて移ったインドでは瞑想。
そして最後に再び訪れたバリではちょっとナンパなおじさんと知り合う・・・

タイトルそのままに、イタリアで食べ、インドで祈り、バリで恋をする。
これがおしゃれな女の生き様とでも言うのだろうか。
女性なら何か共感を得られるのかもしれないが、どうもそのあたりは波長が合わなかった。
ジュリア・ロバーツ自身は十分魅力的だとは思うのだが、なんだかプロモーションビデオを見ているようだと言えるだろうか。

敢えて批判はしないが、よくわからない映画だったと素直に告白致したい・・・


評価:★★☆☆☆




    
   
posted by HH at 01:08 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ