2012年03月04日

メランコリア

メランコリア.jpg

原題: Melancholia
2011年 アメリカ
監督: ラース・フォン・トリアー
出演: キルスティン・ダンスト/シャルロット・ゲンズブール/キーファー・サザーランド/シャーロット・ランプリング/ジョン・ハート

<STORY>********************************************************************************************************
マイケルとの結婚を決めたジャスティンは、姉・クレアの豪邸で結婚パーティーを行う。
最初は楽しそうに振舞っていたジャスティンだが、段々と浮かない顔を見せ始める。
やがてパーティーを抜けしたり、マイケルとのベッドを離れたり、奇妙な行動を取り始めたジャスティン。
そんなジャスティンに怒ったマイケルは、彼女をクレアの家に置いて帰ってしまう。
その頃、天体異常が起こり、メランコリアという惑星が地球に近付いていた…。
********************************************************************************************************

冒頭、意味ありげな幻想的なシーンと音楽が続く。
そして2つの惑星が衝突する。
なんとも思わせぶりな、それでいて夢をみているようなイントロである。

一転して郊外のゴルフ場に隣接するお城のような屋敷。
まさに一組の結婚式が始っている。
新郎はマイケル、新婦はジャスティン。
幸せ一杯のカップルに見えるが、ジャスティンの姉夫婦の豪邸で開かれたパーティーには不穏な空気が漂う。

気まぐれな新婦は、式をアレンジした姉の苦労には無頓着。
周りの迷惑も考えず、自由気ままに行動する。
妻を精一杯愛するマイケルも、その行動に戸惑うばかり。
一体、何の映画だったのだろうとわからなくなりそうなシーンが延々と続く。

そう言えば、名画「ディア・ハンター」でも、前半一時間は結婚式と鹿狩りの平和なシーンが延々と続いた。
それが後半のベトナムの戦場との見事なコントラストになった。
この映画もそんな狙いがあったのかもしれない。

その頃、実は大きな惑星が太陽系の軌道に入り込み、地球に接近していた。
当然、その軌道は計算され、地球のそばを通過するとされていた。
だからだろうか、「2012」や「ハルマゲドン」のようなパニック映画になる事もなく、ストーリーは淡々と姉妹の行動を追っていくものになっている。
それはまるで詩の朗読を聞いているかのようである。

迫りくる惑星の名前は「メランコリア」。
メランコリーと言えば憂鬱、あるいは悲哀。
そんな意味を意識した名前なのだろうか。
何か訴えかけてくるものがあるが、それが何かはっきりとはしない。
そんなもどかしさを感じてしまう。

人はいざ死を前にしたらどう行動するのか、できるのか。
そんな事を問い掛けられたようである。
自分だったらどうするだろう。
あまりにも印象的な美しい音楽に包まれながら、そんな事を考えてみた映画である・・・


評価:★★☆☆☆
  
     


    
   
posted by HH at 11:03 | 東京 ☁ | Comment(1) | TrackBack(2) | ドラマ

2012年03月03日

ジョニー・マッド・ドツグ

ジョニー・マッド・ドッグ.jpg

原題: Johnny Mad Dog
2007年 フランス=ベルギー=リベリア
監督: ジャン=ステファーヌ・ソヴェール
出演: クリストフ・ミニー/デジー・ヴィクトリア・ヴァンディ/ダグベー・トウェー

<STORY>********************************************************************************************************
内戦で混乱を極めるアフリカ。
反政府軍の名の下に虐殺・レイプ・強盗など残虐行為を繰り返す少年兵部隊。
リーダーの“ジョニー・マッド・ドッグ”は、ナンバー2の“ノー・グッド・アドバイス”ら部下を引き連れ、上官の命令を全うすべく命知らずの行軍を続けて行く。
一方、幼い弟と歩けない父親を抱えた13歳の少女ラオコレは、戦乱の街を逃げ惑っている最中、ジョニーたちが幼い少年をなぶり殺しにするのを目撃する。
********************************************************************************************************

以前、「シティ・オブ・メン」という映画を観た。
その前に観た「シティ・オブ・ゴッド」もそうであったが、ブラジルの貧民街の少年たちの衝撃的なストーリーだった。
年端もいかぬ子供たちが銃を持って対立に明け暮れている。
体は子供でも、銃を持てば立派に人を殺せる。
そこには大人も子供も差はなく、肉体的なハンデも関係ない。
これはそんなブラジル映画を久しぶりに思い起こさせてくれた映画である。

とあるアフリカの国。
反政府軍が勢力を増し、その一員達が村を襲う。
彼らはみな子供。
リーダーはジョニー・マッド・ドッグ。
略奪をし、父親を銃殺しその子供を拉致する。
やがて自分達の仲間に入れてしまうのである。
そういえば、「ブラッド・ダイアモンド」にもそんな話が出てきた。

子供の頃から銃を振り回す殺戮の世界。
当然人命などどうとも思わず、まともな大人になどなるはずもない。
その子供たちも同様で、どこまでいってもその国の未来は暗い。
これはフィクションだろうが、似たような話はたくさんあるのだろう。

映画はそんなバイオレンス少年軍団の姿を追う。
彼らに命令を与え、操るのは大人たち。
障害者の父親と弟を抱えた少女が、そんな彼らと遭遇する。
混乱の中で逃げまどう人々。
略奪と殺人を繰り返す子供たち。

観ているこちらの方まで絶望的な気分が伝わってくる。
国連もなす術がないのは、「ルワンダ 流血の4月」でも同様だった。

結局最後までどこの国の物語かはわからなかったが、毎日命の心配をしなくていい社会というのは、つくづくありがたいものだと思わせられる映画である・・・


評価:★★☆☆☆
    
    
posted by HH at 00:11 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2012年03月02日

RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語

RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語.jpg


2010年 日本
監督: 錦織良成
出演: 中井貴一/高島礼子/本仮屋ユイカ/三浦貴大/奈良岡朋子

<STORY>********************************************************************************************************
大手家電メーカーに勤める筒井肇は、昇進も決まり順風満帆なサラリーマン生活を送っていた。
そんな矢先、故郷で一人暮らす母親が倒れたとの知らせが入る。
追い打ちをかけるように、入社同期の親友が事故死したとの連絡が…。
久しぶりに帰省した故郷・島根で、仕事に追われ家族を気遣うことなく走り続けてきた日々を顧みる。
そして彼は決意する。
子供の頃夢見ていた“バタデン”の運転士になる事を。
********************************************************************************************************

男も49歳となるといろいろな節目を迎える。
主人公の筒井もちょうどそんな節目を迎えている。
勤務先の大手家電メーカーは、景気の低迷もあって工場の海外移転、国内工場閉鎖という問題に直面している。
その先頭に立たされたのが筒井。
うまくいけば役員の椅子に手が届く。

妻は自立し、ハーブの店を開店させ、夫と娘との関係を保ちながら自分のやりたい事を始めている。
そんな矢先、故郷島根で一人暮らしをしている母親が倒れる。
そして同期入社の親友が事故死する・・・

家族・仕事・人生そんなトライアングルがぐるぐる回る中、筒井はとうとう故郷島根に戻り、しかも子供の頃の夢だった電車の運転手になろうと決心する。
まさにタイトル通りの男の物語である。
同じような境遇に置かれた時に、人はどうするのだろう。
そんな事を考えてみる。

筒井にとってはそれが故郷に戻り電車の運転手になる事だった。
だが、電車の運転手が主なのか、故郷に戻る事が主なのか。
確かに子供の頃からの夢だったのだろうが、では故郷のバタデンの運転手に採用されなかったら、果たして他で運転手になろうとしたのであろうか。
そこまで強い夢だったのだろうか。
それとも故郷で他の仕事を探したのだろうか・・・

たぶん、それは両者が必然の条件だったのだろう。
それは採用試験の時に見てとれる。
若者と並んで試験を受ける筒井の意欲は、はるかに若者に勝る。
記憶力も劣るだろうが、長い社会人経験で培った経験でそれをカバーする。
自分にそのような事ができるだろうかと考えてみたりする。

物語は、のどかな田舎ののどかな電車でのユーモラスな出来事などを交えながら進んでいく。
運行時間に遅れが出るのはしょっちゅう。
電車に遅れそうな人を待っていたり、転んだおばあさんを助けたり、筒井運転手はその都度怒られながらもめげることなく仕事を続ける。

ちょっとほろっとするシーンもあったりして、楽しめると同時にサラリーマンにはちょっと己を振り返らさせてくれる映画だ。
自分だったら、何をするだろう。
たまには考えてみてもいいかもしれない・・・


評価:★★★☆☆
   



posted by HH at 00:35 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(1) | ドラマ

2012年02月18日

食べて、祈って、恋をして

食べて、祈って、恋をして.jpg

原題: Eat Pray Love
2010年 アメリカ
監督: ライアン・マーフィー
出演: ジュリア・ロバーツ/ハビエル・バルデム/ジェームズ・フランコ/リチャード・ジェンキンス/ヴィオラ・デイヴィス

<STORY>********************************************************************************************************
ニューヨークで作家・ジャーナリストとして活動するエリザベス・ギルバート。
夫・スティーブンとの結婚8年目にして新居も購入し、何不自由ない生活を送っているうようだったが、どこか満たされない日々。
やがて離婚を決意して家を出た彼女は、若い俳優・デイヴィッドの家に転がり込む。
しかし、そこでもうまくいかなくなったエリザベスは、自分を解き放つため、イタリア、インド、バリをめぐる1年間の旅に出ることを決意する…。
********************************************************************************************************

ジュリア・ロバーツ主演という事でちょっと期待して観る事にした映画。
しかしながら、なんだかよくわからなくなる。
どうしてなんだろうという疑問が湧いてくる。
主人公が女性という事もあるのかもしれないが、どうにも共感できない映画だったからかもしれない。

主人公は作家兼ジャーナリストのエリザベス。
ある時、バリ島で地元の占い師のおじさんから、「一度離婚し、その時財産をすべて失う。でも大丈夫、また取り戻せる」とアドバイスを受ける。
そしてその通り、何不自由ない恵まれた結婚生活に自らピリオドを打つ。
その理由がよく理解できない。
なんでそんな理由で離婚するのか・・・

そして年下の俳優デイヴィッドと暮らし始めるが、やっぱり突然イタリアへ行く決意をする。
そこでダイエットを気にせず大いに食べる。
続いて移ったインドでは瞑想。
そして最後に再び訪れたバリではちょっとナンパなおじさんと知り合う・・・

タイトルそのままに、イタリアで食べ、インドで祈り、バリで恋をする。
これがおしゃれな女の生き様とでも言うのだろうか。
女性なら何か共感を得られるのかもしれないが、どうもそのあたりは波長が合わなかった。
ジュリア・ロバーツ自身は十分魅力的だとは思うのだが、なんだかプロモーションビデオを見ているようだと言えるだろうか。

敢えて批判はしないが、よくわからない映画だったと素直に告白致したい・・・


評価:★★☆☆☆




    
   
posted by HH at 01:08 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2012年02月12日

ALWAYS 三丁目の夕日'64

ALWAYS 三丁目の夕日'64.jpg

2012年 日本
監督: 山崎貴
出演: 吉岡秀隆/堤真一/小雪/薬師丸ひろ子/堀北真希

<STORY>********************************************************************************************************
昭和39年。
三丁目の住民たちは皆、オリンピック開催を楽しみにしていた。
鈴木オートの社長、則文も大きなカラーテレビを買い、近所の人を集めて得意顔だ。
長男の一平のエレキギターには頭が痛いが、従業員の六子は仕事の腕をめきめきと上げ、一家は順風満帆に見えた。
そんな時、六子に思いを寄せる男性が現れた。
六子が火傷で治療を受けた病院の医師、菊池だ。
しかし、菊池には悪い噂があった…。
********************************************************************************************************

シリーズ3作目となる本作では、舞台は前作より5年後の昭和39年となる。
新幹線が開通し、東京オリンピックが開催される。
映画の冒頭では代々木体育館や駒沢競技場などの施設の完成が告げられ、世の中にオリンピックムードが高まって行く。

三丁目に住む茶川の家にも念願のテレビが来る。
茶川家の白黒テレビをあざ笑うようにお向かいの鈴木オートにはカラーテレビが搬入される。
テレビ1台でみんなが幸せになれた時代。
しかしせっかくのカラーテレビなのに、当時は白黒放送が多くて、カラーテレビでも白黒放送だったというエピソードなんてもう知る人も少ないのだろう。
コカコーラの自動販売機が登場しているが、空き瓶(当時はまだ缶はない)を持っていかれるのが惜しくて、販売機の横でご主人が監視したりしているが、そんな小さなエピソードにも興味を惹かれる。

茶川家では、茶川が出稿する少年誌に強力なライバル作家が現れ、茶川の連載が危機にさらされている。
苦しみながら原稿を書く茶川は、そんな苦労を淳之介にはさせじと、東大合格へ向けてはっぱをかける。
そんな時、郷里から父の危篤を知らせる電報が届く。

鈴木オートで働く六子には気になる男性が現れる。
仕事でやけどをした時に治療してもらった医師菊池である。
偶然を装って朝挨拶をするだけで満足する六子に、タバコ屋のおばちゃんがおせっかいを焼き、菊池医師の評判を尋ねてくるも、以外に悪評が耳に入ってきてしまう。

実父との確執を抱えていた茶川、そして今度は自分が父として淳之介と対峙する。
晴れて夫婦となった小雪は身ごもり、駄菓子屋の店先で居酒屋を営んで生活を支える。
鈴木オートの跡取り一平は、泥臭い仕事に背を向けギターの練習に勤しむ。
それぞれのストーリーが混載され、今回も涙腺が大いに刺激される。

コメディタッチの部分も多く、涙あり笑いありのストーリー。
少々過剰演出の部分もあるが、気にせず映画の世界にのめり込めば素直に楽しめる。
一貫して流れるのは、他者への愛情。
それが所々に表れていて、その都度涙腺が緩む。
それらは現代に置き換えても通じるものもあれば、時代的な制限があったからこそというものもある。
では制限がなくなった、もっと恵まれているはずの現代ではどうなのかと、ふと考えさせられる。
人の幸せってなんだろうとあらためて脳裏を過る。

エンターテイメントとして粗探ししてもつまらない。
隅々まで昭和30年代の世界にどっぷりと浸かってみたい映画である・・・


評価:★★★★★


「ALWAYS 三丁目の夕日」
「ALWAYS 続・三丁目の夕日」



   
   
posted by HH at 21:55 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(1) | ドラマ