2017年05月05日

闇金ウシジマくん ザ・ファイナル

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2016年 日本
監督: 山口雅俊
出演: 
山田孝之: 丑嶋馨
やべきょうすけ: 柄崎
崎本大海: 高田
綾野剛: 戌亥
永山絢斗: 竹本優希
間宮祥太朗:鰐戸三蔵
高橋メアリージュン:犀原茜
八嶋智人:都陰亮介

<シネマトゥデイ>
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闇金業者を主人公に裏社会を活写した真鍋昌平のコミックを実写映像化したシリーズの最終作で、山田孝之演じる丑嶋馨の過去に迫る話題作。原作の「ヤミ金くん編」を基に、丑嶋と闇金をつないだ因縁を現代と過去を交錯させて描き出す。山田のほか綾野剛、永山絢斗、やべきょうすけらが出演。貧困ビジネスや債務整理でもうける弁護士の描写や、封印した過去に直面した丑嶋の行動に注目。
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Part2Part3と観てきた『闇金ウシジマくん』シリーズも早やファイナル(そう言えばまだPart1を観ていない・・・)。

 冒頭でいきなりカウカウファイナンスに「カオルちゃんいる?」と男が訪ねてくる。「そんな女はいない」と答える高田に、「バカ!」と柄崎が怒る。ここで「カオルちゃん」とはウシジマくんのことだと改めてわかる。訪ねてきたのは、そんなウシジマの旧友竹本。今回は、そんな旧友が訪ねてきたことから、ウシジマくんの過去が明らかになる。

 ウシジマくんは転校生。荒れた学校に転校してきたが、いきなり番長に目をつけられて袋叩きに遭う。そこからがウシジマくんのすごいところ。後日一人一人呼び出して叩きのめしていく。番長も叩きのめしてしまうが、この番長が実は柄崎。こんな関係だったのかと思う。その柄崎に頼まれ、柄崎すら恐れる凶暴な鰐戸三兄弟の下に拉致された友人を助けに行く・・・

 一方、現代ではそんなウシジマくんの旧友竹本が、貧困ビジネスにはまっていく。金がなくて寝るところがない竹本に男が声をかける。一日900円で泊まれて、仕事も紹介してくれるという。そして連れていかれたのが、「誠愛の家」と称するバラック。ここでは明らかにみすぼらしい男たちが泊まり込んで働いている。否、働かされている。

 ここがまた強烈。山中で逃げようもない中、1日2,000円の給料での重労働。しかも給料は、カップ麺などの食料品(しかもあたりにスーパーなどないから暴利)やギャンブルで吸い上げられてしまう。過酷な環境に逃げ出した男は、運営者の一人に右足を斧で切られてしまう。まるでクンタ・キンテのようである。そしてこの運営者というのが、鰐戸三兄弟なのである・・・

 例によってウシジマくんの活躍はわずかなのであるが、今回は少年時代のウシジマくんが活躍する。事務所の柄崎との関係、鰐戸三兄弟との因縁や犀原茜との関係も明らかになって、なるほど「ファイナル」という感じがする。このシリーズの主役はウシジマくんなのかもしれないが、見所は何といっても「闇金に金を借りに来る人の悲惨」である。今回は同級生の竹本であったが、彼が陥る貧困ビジネスはなかなのものである。

 さらに闇金の仇敵とも言うべき過払い訴訟弁護士が登場するが、このトカゲ弁護士がまたいい味を出していた。考えてみれば、こういう弁護士もいるんじゃないかと思ってしまう。金にまつわるドロドロに絡む人たち。ウシジマくんは「いるだけ」な感じなのであるが、このシリーズは泥沼でもがく人たちが圧倒的に面白い。
 
 今度は、見逃しているPart1を観なければと思うが、これでファイナルなのは残念な気がするシリーズである・・・


評価:★★☆☆☆









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2017年05月04日

アリスのままで

アリスのままで.jpg

原題: Still Alice
2014年 アメリカ
監督: リチャード・グラツァー
出演: 
ジュリアン・ムーア:アリス・ハウランド
アレック・ボールドウィン:ジョン・ハウランド
クリステン・スチュワート:リディア・ハウランド
ケイト・ボスワース:アナ・ハウランド=ジョーンズ
ハンター・パリッシュ:トム・ハウランド
シェーン・マクレー:チャーリー・ジョーンズ

<シネマトゥデイ>
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若年性アルツハイマー病と診断された50歳の言語学者の苦悩と葛藤、そして彼女を支える家族との絆を描く人間ドラマ。ベストセラー小説「静かなアリス」を基に、自身もALS(筋委縮性側索硬化症)を患ったリチャード・グラツァーと、ワッシュ・ウェストモアランドのコンビが監督を務めた。日に日に記憶を失っていくヒロインをジュリアン・ムーアが熱演し、数多くの映画賞を席巻。彼女を見守る家族をアレック・ボールドウィン、クリステン・スチュワート、ケイト・ボスワースが演じる。
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 主人公のアリスは言語学者。夫と子供3人に恵まれ、仕事も家庭も順調。そんなアリスだが、ある日他の大学に招かれて講演するも、途中で言葉に詰まる。ワインの飲み過ぎとその場を取り繕うも、今度は自分の大学のキャンパス内をジョギングしていて道に迷う。異変を感じたアリスは、医師の診察を受ける。その結果、若年性アルツハイマーと診断される。

 さらに宣告された若年性アルツハイマー病は、子ども達に遺伝している可能性もあるという。遺伝していれば、発症する可能性は100%。3人の子ども達は、もうそれぞれに独立しているが、長女のアナは陽性、長男のトムは陰性。そして次女のリディアは検査を拒否する。アリスの症状も進み、やがては講義にも支障が出るようになり、大学を辞めざるを得なくなる・・・

 ドラマは、冒頭の幸せに溢れるアリスの誕生日のお祝いから始まる。仕事でも家庭でも成功を収めたアリスの幸福の絶頂を象徴するシーンと言えるだろう。そんなシーンから、物語は一転してゆく。その中でも個人的に心を打たれたのは次女のリディアとの関係。リディアは家を出て役者を志している。学者の母親からすれば、そんな「あてもない」不安定な立場は容認できず、大学へ行けと諭す。そしてそんな母親にリディアは反発する。

 しかし、病状の告白後、リディアは母親とチャットで話すようになり、母親の症状にも優しく接する。そして症状が重くなり始めると、家に戻ってくる。長女は家庭もあるから難しいかもしれないが、自分の夢を捨てて家に戻った娘の母を思う心に偽りはない。3人の中で唯一検査を拒否したのは、もし陽性だったら母親を悲しませるだけだという判断もあったのかもしれない。そんな娘心に個人的に心を動かされる。

 アリスを演じるのは、ベテランのジュリアン・ムーア。初めは言語学者として貫禄に溢れた様子だが、アルツハイマーの症状が出始めるとその様子が表情に現れる。段々と進行していく様子が見ているだけでよくわかる。髪の毛がぼさぼさだったり、その様子は役者とはいえ見事なものだと思う。

 そしてアリスは、症状が軽いうちに将来症状が重くなった自分に向けてメッセージを残す。その意図はすぐにわかる。自分でもそうするだろう。だが、症状の重くなったアリスはそのメッセージをうまく実行できない。いいのか悪いのか微妙なところだが、思考というのは、まさにその人そのもの。そう考えると、アルツハイマーというのは恐ろしい病気だと改めて思う。

 「その先」を考えると気持ちも重くなるが、そうしたことを考えさせてくれる映画でもある。エンターテイメントでありつつ、様々なことを考えさせてくれる映画である・・・


評価:★★☆☆☆




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2017年04月30日

フェンス

フェンス.jpg

原題: Fences
2016年 アメリカ
監督: デンゼル・ワシントン
出演: 
デンゼル・ワシントン: トロイ・マクソン
ヴィオラ・デイヴィス: ローズ・リー・マクソン
スティーヴン・ヘンダーソン: ジム・ボノ
ジョヴァン・アデポ: コーリー・マクソン
ラッセル・ホーンズビー: ライオンズ・マクソン
ミケルティ・ウィリアムソン: ガブリエル・マクソン

<映画.com>
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オスカー俳優デンゼル・ワシントンの3作目となる長編映画監督作。アメリカの劇作家オーガスト・ウィルソンによる、ピューリッツァー賞などを受賞した名作戯曲「フェンス」を、10年にリバイバル上演された舞台版で主演し、トニー賞主演男優賞を受賞したワシントンが、自らのメガホンで映画化。ワシントンは監督のほか製作、主演も兼ね、舞台版でもワシントンと共演したヴィオラ・デイビスが妻役を務めている。1950年代の米ピッツバーグを舞台に、元プロ野球選手でいまはゴミ収集員として働くトロイと妻ローズ、そしてその息子たちと、アメリカに生きる黒人家族の人生や関係を描く。第89回アカデミー賞で作品賞をはじめ4部門でノミネートされ、ヴィオラ・デイビスが助演女優賞を受賞した。
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 舞台は1950年代のピッツバーグ。ある黒人家族の物語。一家の主人はトロイ・マクソン。毎日清掃車に乗って市内を回っている。相棒のジムと仕事帰りに一杯やるのが楽しみといった感じである。はっきり言って、生活水準は低そうである。そんなトロイの元に、ある日息子のライオンズが訪ねてくる。そして10ドル貸してくれと借金を願い出る。ライオンズは、正業に就かず、ミュージシャンになる夢を追いかけているが、そんな息子に嫌悪感を抱くトロイは憤激し、親子喧嘩となる。妻のローズが取りなさなければ、絶縁となっていたかもしれない。

 さらに次男のコリーが大学のフットボールチームにスカウトされているとローズから知らされるが、トロイは息子が白人社会で成功できるわけがないと考えていて、これに反対する。どうやらトロイ自身、過去に自分が黒人差別によって野球で活躍できなかったという無念があるようである。当然、そんなことでコリーは夢を諦めたくない。しかし、トロイは無情にも、「大学のリクルーターがきても入部同意書にサインしない」と言い放つ。

 そんなマクソン家の様子をドラマは追う。ローズはトロイに自宅の周りにフェンスを立てて欲しいと頼む。トロイはフェンス作りをコリーに手伝うように命じる。さらにフットボールを優先し、シーズン中にアルバイトを休むということに対し、トロイは烈火のごとく怒る。コリーはコリーで、影響が出ないようにアルバイトはシーズンオフの時にだけ出勤する許可も取ってあったが、トロイは聞く耳を持たず、親子の対立は深まって行く。

 トロイには、ガブリエルという兄がいる。しかし、ガブリエルは戦争で頭部を負傷し、以来精神障害を来していて、警察の世話になることもある。トロイには、ガブリエルの戦傷手当3,000ドルで家を建てたという負い目がある。そしてトロイには、文字が読めず、運転免許証も保有していないという引け目があったが、昇進を勝ち取り、ゴミ収集トラックの運転手の地位を獲得する。

 家では家長として絶対権力を振る舞うトロイ。ある日、浮気相手のアルベルタの妊娠が発覚するが、トロイはそれを堂々とローズに告げる・・・ある意味、亭主関白のトロイの姿は、立派でもある。我が家でこんな態度を取ったら大変なことになる。しかし、それで家族がうまく行くかというと、それはまた別の問題。マクソン家も決してうまく行っているわけではない。

 人は誰でも自分なりに正しいと思う意見がある。問題は、それをどう他人と分かち合うかである。自分の意見を通すことばかり考えていると、他人との関係は決してうまく行かない。それが家族の間であっても然りであり、マクソン家の問題は見事にそれを表している。ライオンズとコリーは男であるがゆえに、父親と激しく対立する。それに対し、妻のローズは涙ながらに抗議するだけ。このあたりは生活の糧をトロイに頼るほかない立場ゆえかもしれない。

 結局、トロイは考え方を改めることなく、家族間の対立も解消されないまま。ラストの家族の再会の寂しさ溢れる雰囲気にそれは現れている。他人だから見える欠点はある。我が身に手を当ててみれば、同様のこともあるかもしれないと思う。こうした家族のドラマは、深くドラマの世界に想いを馳せ、それによって己の問題を考えさせてくれるところがある。

 主演はデンゼル・ワシントン。この作品ではなんと監督もこなしている。この人は、ヒーローにもなれば、悪人にもなり、酔いどれのダメ人間にもなりと幅広い。この映画でも頑固オヤジ振りが実にすごい。息子の夢に対する強烈な否定も、自分自身の辛い過去がベースにあるのだろうし、そこは気の毒な気もするが、せっかくだったらもう少しいいオヤジであって欲しかったところでもある(もっとも、それでは映画が成り立たない)。

 さすが、デンゼル・ワシントンといった感があるが、それ以外にも全体的に深い味わいのある映画である・・・


評価:★★☆☆☆





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2017年04月15日

シェフ 三ツ星フードトラック始めました

シェフ 三ツ星フードトラック始めました.jpg

原題: Chef
2015年 アメリカ
監督: ジョン・ファヴロー
出演: 
ジョン・ファヴロー:カール・キャスパー
ソフィア・ベルガラ:イネズ
ジョン・レグイザモ:マーティン
スカーレット・ヨハンソン:モリー
オリヴァー・プラット:ラムジー・ミッシェル
ボビー・カナヴェイル:トニー
エムジェイ・アンソニー:パーシー
ダスティン・ホフマン:リーバ
ロバート・ダウニー・Jr:マーヴィン

<シネマトゥデイ>
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『アイアンマン』シリーズなどの監督で俳優のジョン・ファヴローがメガホンを取り、究極のサンドイッチを売る旅をする元一流レストランのシェフを演じるドラマ。店を辞め、偶然キューバサンドイッチと出会ったシェフが、フードトラックでサンドイッチを売りながら人生を取り戻していくプロセスを映す。共演には、ダスティン・ホフマン、ロバート・ダウニー・Jr、スカーレット・ヨハンソンといった豪華キャストが集結。人生と料理をテーマにした温かいストーリーに、爽快な感動を味わえる。
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 主人公のカール・キャスパーは腕のいいシェフ。現在ロサンゼルスのレストランで雇われシェフをしている。離婚していて、10歳の息子と定期的に会っている。そんなある日、料理の評論家が店にくることになる。はりきるキャスパーは、新メニューを提供することにするが、定番料理を提供せよというオーナーの意見と衝突、渋々これを受け入れる。ところがそれが裏目に出て、カールは酷評されてしまう。

 プライドを傷つけられたカール。内心はらわたが煮えくり返っているのがわかる。息子との何気ない会話からツイッターを始めたカールは、評論家とネットで論争となり、新メニューを食べに来いと公開のけんかを売ってしまう。当日この対立は盛り上がり、平日にも関わらず満席となる。しかしオーナーはあくまでも定番料理の提供を命じ、カールはついに店を首になる。評論家には、敵前逃亡といわれ、激怒したカールは評論家を店内で罵倒し、悪いことにネットでそれが拡散されてしまう。

 そうなると次にカールを雇う店もなく、カールは職もプライドもなにもかも失ってしまう。失意のカールに同情した元妻イネズの提案で、彼は息子のパーシーを連れてイネズの故郷であるマイアミを訪れる。そこでカールは熱々のキューバサンドイッチの美味しさを知り、これをかねてからイネズに提案されていたフードトラックでの移動販売をやることにする。イネズの元夫に古いトラックを譲ってもらったカールは、パーシーと二人で修理に取り掛かる・・・

 この映画を観ていて、いろいろと感じるところがある。まずは離婚の日常化だ。カールも離婚していて、妻とは友人関係を築き、子供との面会もシステマチックにルーティン化している。子供からすると父親と離れて暮らすのは寂しそうであるが、夫も妻もそれぞれの生活を楽しんでいる。やがて日本もそうなるのであろうか。

 また、料理と批評家とネットの存在。カールは実に楽しそうに料理し、包丁の腕前も素人目にすごい。こんなに楽しそうにやっているのを見ると、自分でも何か作ってみたくなる。そしてそれを批評する人。はっきり言って料理など人の好き好きだと思う。それをあれこれと批評するのは勝手だが、今はSNSですぐ拡散される時代。それで店の来客数にも影響があるわけで、無責任な言動一つで店が潰れることもありうるわけである。

 フードトラックで息子と相棒とキューバサンドを作って売るカール。息子も実に楽しそうである。「遊園地に行くよりお父さんと話したり何かをする方がいい」という健気な言葉には、親子のあり方も込められている。最後のカールの決断は清々しいものである。
 カールの付き合っている女性がスカーレット・ヨハンソンであり、いけ好かないレストランオーナーはダスティン・ホフマンだったり、元妻の元夫がロバート・ダウニーJr.だったりとなぜか脇に豪華キャスト。料理といい、出演者といい実に豪華である。

こんなフードトラックが近くに来たら、是非とも買ってみたいと思わされる一作である・・・


評価:★★☆☆☆





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2017年04月08日

Re:LIFE〜リライフ〜

Re:LIFE〜リライフ〜.jpg

原題: The Rewrite
2014年 アメリカ
監督: マーク・ローレンス
出演: 
ヒュー・グラント:キース・マイケルズ
マリサ・トメイ:ホリー・カーペンター
ベラ・ヒースコート:カレン・ギャブニー
J・K・シモンズ:ハロルド・ラーナー学科長
クリス・エリオット:ジム・ハーパー教授
アリソン・ジャニー:メアリー・ウェルドン教授
アニー・Q:サラ

<シネマトゥデイ>
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『ラブソングができるまで』のヒュー・グラントとマーク・ローレンス監督が4度目のタッグを組んだ人間ドラマ。田舎の大学でシナリオ講座を受け持つことになった落ち目の脚本家が、映画を愛する生徒たちとの交流を通してやる気を取り戻していくさまを描く。『セッション』で鬼教師を演じオスカーに輝いたJ・K・シモンズが涙もろい学科長という対照的な役柄を好演するほか、作中のキーパーソンとなるシングルマザーにオスカー女優マリサ・トメイがふんする。
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ヒュー・グラントといえば、「ちょっと気弱なダメ男」というイメージがあるが、まさにそのイメージ通りのハートフルな映画。ヒュー・グラント演じるのは、若くしてアカデミー脚本賞を受賞した脚本家のキース。しかしその栄光から後、ヒット作に恵まれず、エージェントに仕事を頼みこんでいる日々。

そんな中、エージェントからニューヨーク州ビンガムトンの大学での講師の話が舞い込む。背に腹は代えられず渋々引き受けたキースだが、就任早々知り合った学生カレンと寝てしまい、懇親会では学内の実力者ウェルドン教授を侮辱したり、挙句に受講生は提出書類ではなくルックスで選考するなど、身を入れて仕事に取り組まない。頼るのは過去の栄光のみ。

講義が始まると、いきなりシナリオを1か月で書けと宿題を出して1カ月間の休講を宣言し、ウェルドン教授にさらに睨まれてしまう。やがてシングルマザーで、アルバイトをしながら生計を立てている学生のホリーが受講を希望してくる。脚本に対するひたむきなスタンスに断り切れず受講を認めるキース。ここまではヒュー・グラントのダメ男の真骨頂である。

キースはちょっと見栄を張ったりしながら、あくまでもハリウッド復帰までのつなぎとしか仕事を考えていない。隣家には人のいい同僚がいて、人情家の学科長のラーナーがいて、面白おかしく物語はすすむが、やがて生徒たちの熱心さがキースの心に少しずつ変化をもたらしていく。ある意味、「ヒュー・グラント映画」の路線をまっすぐ歩んでいく映画である。

それにしても、キースが本当に大事なことに気付いていく過程は、心温まるものがある。純真な生徒たちは、実にシンプルな質問をキースに投げかける。それに答えていくうちに、キース自身も新たな気付きを得ていく。そして才能を認めた生徒に対しては、自ら売り出しを手伝う。決して手柄を横取りするではなく、無償の協力姿勢は観ていて心地よい。そして最後にキースが下す決断も心温かくなる。

自分たちの日常や仕事に当てはめて考えてみてもいいかもしれない。そうすればまた何かのヒントになるかもしれない。示唆に富むエンターテイメントとして、これからも「ヒュー・グラントらしい」主演作を期待したいと思う一作である・・・


評価:★★☆☆☆




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