2011年01月16日

アンティーク 〜西洋骨董洋菓子店〜

アンティーク.jpg

英題: ANTIQUE
2008年 韓国
監督: ミン・ギュドン
原作: よしながふみ
出演: チュ・ジフン/キム・ジェウク/ユ・アイン/チェ・ジホ/アンディー・ジレ

<STORY>********************************************************************************************************
甘いものが苦手なジニョクは、「女性客が多い」という理由で洋菓子店アンティークを開く。
パティシエとなったのは、イイ腕を持ちながら恋愛絡みのトラブルが絶えない“魔性のゲイ”ソヌ。
高校時代、ジニョクが手酷く振った相手だ。
さらに元ボクサーのギボム、ジニョクに忠実に仕える幼なじみスヨンも加わり、店は軌道に乗り始める。
そんな矢先、町では子供の連続誘拐事件が発生。
次第に、ジニョクの幼い頃の悲しい記憶が甦る…。
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原作は日本の漫画「西洋骨董洋菓子店」だという。
そして日本でもテレビドラマ化されたらしい。
だが、いずれも知らないのでまったく白紙の状態でこの映画に臨んだ。

主人公のジニョクは、自分自身甘いものが苦手でケーキを食べると吐いてしまう。
なのに自らキャリアを振って洋菓子店を開く。
映画だけではなぜ「骨董」なのか、よく説明されていないためわからない。
たぶん原作を読めばわかるのだろうが、そこは短い映画ゆえ割愛したのであろう。

ジニョクが、甘いものが嫌いなのにも、それにも関わらず洋菓子店を開いたのにも理由があるのだが、それはストーリーの進展とともに明らかになる。
それはともかく、自ら作れない以上誰かパティシエを雇わないといけない。
そうして雇ったパティシエは、実は高校時代の同級生。
しかもゲイで、卒業式の日にジニョンに告白して振られた経歴をもつソヌ。

偶然のいきさつで二人で洋菓子店「アンティーク」を開店させる。
ソヌは自称「魔性のゲイ」で一緒に働いた男性を次々に虜にしてきてしまうという経歴の持ち主。
されどジニョンには通用しない。
やがて元ボクサーのギボム、幼い頃からの知り合いスヨンと4人で店を切り盛りして行く。
繁盛する「アンティーク」の日常と、密かに進行する誘拐事件とが静かに描かれていく。

個性あふれる4人の日常と非日常である誘拐事件。
何となくこの組み合わせにはしっくりとこないものがある。
ずっとコメディタッチで続いて行く物語が、突然どろどろとした事件とごっちゃになるからだ。
気にならない人には気にならないのかもしれないが、個人的にはなんとなく違和感を覚える。

「魔性のゲイ」というのはなかなか面白いキャラクターだ。
キム・ジェウクも、メガネをかけたパティシエ姿やナイトクラブで妖艶な雰囲気を漂わせる姿などの変化を楽しませてくれる。
次々と男が虜にされてしまうというところがユニークで、もっと違う展開も面白かったのではないかと思わせられる。

機会を見て、一度原作にもあたってみたいと、ふと思った映画である・・・


評価:★★☆☆☆
    

 
posted by HH at 22:55 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2011年01月09日

恋するベーカリー

恋するベーカリー.jpg

原題: It's Complicated
2009年 アメリカ
監督: ナンシー・マイヤーズ
出演: メリル・ストリープ/アレック・ボールドウィン/ジョン・クラシンスキー/スティーヴ・マーティン/ハンター・パリッシュ

<STORY>********************************************************************************************************
人気ベーカリーを経営するジェーン。
お得意のパン・オ・ショコラは高評価を得ていた。
10年前、弁護士の夫ジェイクと別れ、3人の子供を立派に育てあげ、長年の夢だったベーカリーの経営に精力を注いできた。
でも、何か満たされない日々…。
自宅キッチンの増築に取り掛かるため、建築家のアダムを呼んだジェーン。
お互い離婚経験のある2人はすぐさま意気投合。
だが、その一方でジェーンは元夫ジェイクの存在を忘れられないでいた・・・
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ベテラン大女優メリル・ストリープ主演のラブコメディである。
しかしメリル・ストリープも変幻自在の感がある。
「プラダを着た悪魔」「ダウト〜あるカトリック学校で〜」などでは、厳格で厳しい女性を演じていたが、ここでは一転して微笑ましいおばさんとして登場。
どちらかと言えば、「マンマ・ミーア」もそうであったが、明るい役柄の方が個人的には好きである。

メリル・ストリープもいつのまにやら60代。
「ディア・ハンター」や「クレイマー、クレイマー」のような若い頃の作品が好きであったが、もう随分とたくさんの作品に出演しているし、息の長い女優さんだ。
主役でもそうでなくても、存在感のある人である。

そんな彼女がここでは離婚して10年の熟年女性として登場。
子供たちはと言えば、長女は結婚を控えており、末っ子は大学を卒業、ともうすっかり大人。
ただパートナーがいない寂しさが時折ふと顔を出す。
そんな時、末っ子の大学卒業に際しみんなでNYへ行く事になる。
家族が集合したその時に、元夫とバーで会い、そのまま意気投合してついに朝まで過ごす事になる。

元夫ジェイクは、離婚の原因となった年若い妻とその連れ子と暮らしている。
しかしどうやら若い妻と考え方が合わなくなっている。
久々に再会した元妻と一夜を過ごし、彼女とよりを戻したくなってくる。
一方、自宅の増築を担当する事になり、建築士として現れたやはり離婚経験のあるアダムもジェーンに惹かれるようになる。
二人の男性の狭間で、ジェーンには複雑な思いが交錯する・・・

この映画はラブコメではあるものの、メグ・ライアンのような若い女性のそれではない。
今風に言うならば、子育てを終えた熟女のそれである。
そんな熟女が同世代の友人たちと「最近セックスをしたの」何て話をしているのを観ると、それはアメリカだからありなのだろうなという感がある。
日本ではどうだろう。

ジェイクは58歳という年齢ではあるが、若い妻から子供がほしいとせがまれ、子作りに励んでいる。
ジェーンから、「子供が大学を卒業する時、あなたいくつなの?」とからかわれる。
この映画を観ていて感じるのは、「まだまだ老けこむのは早い」という熟年世代の主張だ。
やがてその世代に至る立場としては、かくありたいとも思うが、果たして元気が残っているのだろうかとも思う。

離婚した元夫婦の関係は複雑だ。
子供たちからすれば、離婚してもしなくても親である事にはかかわりない。
元夫にはすでに新しい家庭があり、その夫と付き合うのは浮気となる。
元夫との浮気、と言っても子供たちからすれば正常なわけで、まさに「複雑なのよ」というタイトル通りの内容になってくる。
なのにこの邦題は何の意味があるのかと、例によってまったく理解に苦しむ。

意味不明のタイトルはともかくとして、爆笑シーンもあって楽しめるし、こうしたラブコメもたまには面白いと思う・・・


評価:★★☆☆☆
    
   
posted by HH at 23:23 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(1) | ドラマ

2010年12月31日

愛を読むひと

愛を読むひと.jpg

原題: The Reader
2008年 アメリカ・ドイツ
監督: スティーヴン・ダルドリー
原作: ベルンハルト・シュリンク(朗読者)
出演: ケイト・ウィンスレット/レイフ・ファインズ/デイヴィッド・クロス/レナ・オリン/ブルーノ・ガンツ

<STORY>********************************************************************************************************
1958年のドイツ。
15歳のマイケルは21歳年上のハンナとの初めての情事にのめり込む。
ハンナの部屋に足繁く通い、請われるままに始めた本の朗読によって、2人の時間はいっそう濃密なものになるが、ある日、ハンナは忽然と姿を消す。
1966年、大学で法律を学ぶマイケルは傍聴した法廷の被告席にハンナを見つける。
裁判に通ううちに彼女が必死に隠し通してきた秘密にようやく気づき、衝撃を受けるのだった・・・
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原作はベルンハルト・シュリンクの「朗読者」。
ベストセラーという事で読んだが、あまり印象に残っていない。
どうも感性が合わなかったようだが、評判通りの感動を感じる事ができなかった。
そんな原作の映画版。
原作の印象が薄かったせいか、特に違和感を感じることなく観る事ができた。

戦争が終わって13年後のドイツ。
15歳のマイケルは気分が悪くなってあるアパートの前で吐いてしまう。
アパートの住人ハンナが偶然そこに出くわし、介抱する。
回復してお礼に再びアパートを訪れるマイケル。
大人の女性のさり気ない色気にどきりとする。

あっという間にハンナと初体験。
そうなると若いマイケルはハンナにのめり込む。
アパートに通い、ハンナと情事に耽る毎日。
やがてハンナに請われるまま、マイケルはハンナにいろいろな書物の朗読を始める・・・

若い男と年上の女。
男からすれば、最初は年上の女性にリードしてもらうという理想的な関係。
同級生の女の子がサインを送ってきても、まるで眼中に入らない。
実はハンナには秘密があって、至る所にその伏線が張られていく。
原作を読んでいたため、その伏線の一つ一つに気がつくが、読んでいない人にはどんな風に思えたのであろう。

突然マイケルの前から姿を消すハンナ。
その理由はその秘密のゆえでもあり、年若い男といつまでもふしだらな関係を続けていてはいけないという大人の判断なのかは判然としない。
マイケルは突然の喪失感に茫然とするも、やがて成長して大学生になる。

再びマイケルがハンナと再会するのは、戦争犯罪人を裁く裁判での事。
被告席にそのハンナが座っている。
そうしてやがてマイケルはハンナの秘密に気がつくのであるが、どうもその秘密を巡る扱いについて理解し難いところがある。
日本とドイツの社会の違いなのかもしれない。

お堅い原作に沿って作られているせいか、映画も真面目な展開だ。
文学作品らしさが漂う。
ドイツ人が主人公なのに全編英語。
あまり気にしないのかもしれない。

主演のケイト・ウィンスレットも「タイタニック」の時は初々しい女性であったが、ここでは少しくたびれかけた女性から、後半は老女まで変身。
随分変わるものだと思っていたが、同時期に制作された「レボリューショナリーロード」では、まだ若さ溢れる女性として登場したから、たぶん役作りなのだろう。
すっかりと演技派に変身したようである。

映画は原作と同様、これといったインパクトはない。
文学作品らしい良い映画だとは思うが、大げさな宣伝文句ほど感動させられるというものでもない。
その原因は、マイケルとハンナの心情にどうしても同感できかねるところがあるからだと思う。
そこは仕方がないところなのかもしれないと思うところである・・・


評価:★★☆☆☆
    
 
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posted by HH at 16:40 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2010年12月11日

レイチェルの結婚

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原題: Rachel Getting Married
2008年 アメリカ
監督:  ジョナサン・デミ
出演 :  アン・ハサウェイ/ローズマリー・デウィット/ビル・アーウィン/トゥンデ・アデビンペ/マーサー・ジッケル/アンナ・ディーヴァー・スミス/アニサ・ジョージ

<STORY>********************************************************************************************************
バックマン家の次女キムが9ヶ月ぶりに更生施設から帰宅する。
2日後に姉レイチェルの結婚式を控え、手作り挙式の準備で大わらわの自宅には新郎の友人ら見知らぬ人々が溢れ、所在無さと疎外感でキムは苛々をつのらせて行く。
そんな妹の身勝手な態度にレイチェルは怒りを爆発させてしまう。
依存症の治療を続けるキムの存在は気まずさと緊張感をもたらし、一家に辛く悲しい過去の記憶を否応なく甦らせるのだった・・・
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アン・ハサウェイ主演の家族ドラマである。
ストーリーは主人公のキムが、ドラッグ依存症の更生施設から帰宅するところから始る。
迎えに来た両親との車中。
どこかぎくしゃくした会話が続く。
カメラは登場人物たちをアップで捉える。
一緒に移動するシーンも多く、なんとなくドキュメンタリー・ドラマを観ているような錯覚を覚える。

帰宅の理由は姉レイチェルの結婚式出席のため。
タイトルの「レイチェル」とはアン・ハサウェイの事ではなく、姉の事だったらしい。
アメリカの社会制度はよくわからないが、身内の結婚式で一時的に施設を出られても、近くの施設で尿検査を受け、また依存症の人たちとの集会に出ないといけないらしい。
結婚式で大勢の人がごった返す実家で、キムは浮かれながらも疎外感を味わう。

この疎外感からかキムは次第に周りの人たちと衝突するようになる。
苛立たしげにタバコを吸いまくり、それがまた周りの人たちの不快感を誘い、ちょっとした事で火がついてしまう。
間に入って奔走する父親。
そしてそんな父親の態度がまたしても次の苛立ちを生み出していく。

結婚式だからケンカなどせずに楽しみたいという思いは誰にでもあるはずなのに、次から次へと衝突が起こる。
家族にまつわる悲しい過去も時折明らかになり、それがみんなの心に積もり積もった火薬となっている。
果たして無事に結婚式は終わるのだろうかと心配になってくる。

主演のアン・ハサウェイは実に美しい顔立ちをしている。
見ているだけで満足できそうである。
しかし、ここではドラッグ依存症となり、周囲に溶け込めない、いまだ厚生施設から一時帰宅の身である鼻つまみ者の娘をよく演じている。
「プラダを着た悪魔」の新人女性とはまったく正反対である。
違和感なく演じ分けてしまうところは、これからどんな映画に出るのだろうと期待が持てる。

シリアスながらシリアス過ぎず、アメリカ社会の一面を垣間見る事もできる映画。
たまにはこういう映画もいいものである。


評価:★★☆☆☆
 
  
posted by HH at 11:19 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2010年12月08日

悲しみが乾くまで

悲しみが乾くまで.jpg

原題: THINGS WE LOST IN THE FIRE
2008年 アメリカ
監督: スサンネ・ビア
出演:  ハル・ベリー/ベニチオ・デルトロ/デヴィッド・ドゥカヴニー/アリソン・ローマン/ジョン・キャロル・リンチ

<STORY>********************************************************************************************************
オードリーは、夫と二人の子供たちに囲まれ、平凡だが幸せな日々を送っていた。
しかし、事件に巻き込まれた夫が射殺される。
愛する人を失った悲しみから立ち直れなかったオードリーは、夫の幼馴染みで親友のジェリーを思い出す。
彼は弁護士だったが、今はドラッグで堕落していた。
オードリーはそんな彼を好きではなかったが、自分と同じように夫を深く理解し、愛していてくれたことを知り、親近感を持ち始める。
オードリーは、それぞれが立ち直るため、共同生活をしようと提案する・・・
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なんとなくわかったようなわからない映画というのが、最も端的な感想である。
どう解釈すれば良いのだろう。
いつも観たまま感じたままをモットーとする自分であるが、素直に評価すれば「面白くない」となる。
もっと違う着眼点とかあるのだろうか、などと思ってしまう。

冒頭でいきなり葬式。
喪主と思しき女性が、あれこれと指図。
そして肝心な人物に連絡していなかった事を思い出す。
電話も通じないところに住む人物とは・・・

そして徐々に全体像が浮かび上がる。
亡くなったのは、主人公オードリーの夫。
子供たちのためにアイスクリームを買いに行ったところ、トラブルに巻き込まれて射殺されてしまったのである。
何気なく見送った夫がそのまま帰って来ないという現実に、オードリーは打ちのめされる。

葬儀の時に思いだして呼んだのは、夫の幼馴染ジェリー。
弁護士だったのに麻薬に溺れ、堕落している彼をオードリーは快く思っていなかった。
そんな彼を葬儀に呼んだのは、最後まで彼を大切にしていた夫に対する思いからに他ならない。
自宅の離れに住まわせて、奇妙な同居生活を始める。

ストーリーは、そんなオードリーの期待に応え、麻薬から抜け出そうとするジェリーとオードリーの姿を描く。
夫の死から立ち直れないオードリー。
子供たちを挟んでストーリーは展開していく。
淡々とストーリーは進んでいくが、これといった大きな事件が起こるわけではない。
さすがにハル・ベリーは見事な美人なのだが、映画はそれだけなのである。

気持ちはわかるが、映画としてはどうもな。
そんな後味の映画である・・・


評価:★★☆☆☆

   
posted by HH at 23:38 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ