2016年08月11日

繕い裁つ人

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2015年 日本
監督: 三島有紀子
出演: 
中谷美紀:南市江
三浦貴大:藤井
片桐はいり:牧葵
黒木華:葉子
杉咲花:ゆき
中尾ミエ:泉先生
伊武雅刀:橋本
余貴美子:南広江

<シネマトゥデイ>
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『嫌われ松子の一生』などの演技派女優中谷美紀を主演に迎え、池辺葵のコミックを映画化した心に染みる人間ドラマ。クラシカルなミシンで洋服を作る職人肌の主人公と、彼女を取り巻く人々が織り成す物語を紡ぐ。『永遠の0』などの三浦貴大や『小さいおうち』で第64回ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した黒木華ら実力派俳優たちが共演。『しあわせのパン』などの三島有紀子監督による、服を通して結び付く人々を描く心温まる物語に魅了される。
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原作はコミックらしいこの映画、神戸の街でひっそりと祖母から受け継いだ洋品店を経営する女性の物語。百貨店に勤める藤井は、ある洋服のブランド化を考えている。その服とは、南洋品店を経営する南市江が古いミシンをカタカタ言わせて縫い上げるもの。その独特のセンスに惹かれて、日参しているが、市江は首を縦に振らない。

市江は、祖母から受け継いだその店で、一品一品丁寧に仕上げている。祖母の仕立てた服を持って仕立て直しを依頼しにくる客も多く、一方で祖母から付き合いのあった牧の店にだけ商品を下ろしている。スタッフも設備も整えるという藤井の要請にも、「店に下ろしているのは生活のためだが、顔も見えないお客のために服は作れない」と市江も頑なである。

市江が作る服は、一品もの。飽きたら次のものを買うといった具合に、次々と買い替える「消耗品」ではなく、「生涯一着」とでもいうべきもの。その服を買った人たちは、年に一度開かれる、30歳未満お断りの夜会にその服を着て行き、至極のひと時を過ごすことを楽しみとしている。祖母の志乃がなくなった時は、その死を惜しんだ人たちが、それぞれ仕立ててもらった服を着て、志乃を見送っている。

そんな市江の元に日参する藤井は、市江の母のもてなしを受け、団子を頬張りながら市江を翻意させる機会をうかがっている。そして祖母が作った服だけではなく、自分のオリジナルを作りたいのではないかと、市江に囁く。初めは取り合わなかった市江も、お気に入りの喫茶店でお気に入りのチーズケーキを食べながら、いつしかそれを考えるようになっている・・・

ストーリーからしてそうなのであるが、なんとも静かな映画である。もっとも人と人の心暖まる交流は、静かな雰囲気こそふさわしいのである。市江が向かうのも、昔懐かしい足踏み式のミシン。縫い上げる時に、カタカタと音がする。そんなミシンで丁寧に縫い上げられた一品だったら、ファッションに関心の疎い自分でも一着欲しい気もする。そもそも年ごとに、いや季節ごとに流行が変わる「最新ファッション」になど到底ついていけない者としては、一着ものに興味は高い。(単なる横着かもしれないが・・・)

主人公の市江も、その古臭い名前と静かな佇まいから、近寄りがたい雰囲気を醸し出している。しかし、朝寝坊してパジャマのまま二階から降りてきて藤井と鉢合わせし、狼狽して慌てて引っ込んだり、大好きなチーズケーキ(それも女性にはちと量が多い気がする代物だ)を1人うっとりと食べるところとか、表面に出さない個性が結構面白い。それを中谷美紀が、表情で表現する。

日本の映画界は、実は脇役が手厚いように思う。ここでも余貴美子や伊武雅刀などおなじみのベテランや中尾ミエなんかも久しぶりに登場していい味出している。ドラマ全体にしみじみとした味わいがにじみ出るわけである。日本映画の味わいとでもいうべきものが、この手の穏やかなストーリーでは、海外作品に引けを取らないと感じるところである。ただ、ひょっとしたら刺激を好む若者には退屈に映るのかもしれないと思うところもある。

ファッションをテーマにしながらも、ファッションの映画とは言えない。強いて言えば「こだわり」の映画だろうか。藤井が市江を表して「頑固ジジイ」と言っているが、まさにその通りである。そんなこだわりの職人の映画というところが、ファッションに抵抗感ある自分にも受け入れられたところかもしれない。静かに味わいたい映画である・・・


評価:★★☆☆☆






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2016年07月27日

8月の家族たち

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原題: August: Osage County
2013年 アメリカ
監督: ジョン・ウェルズ
製作: ジョージ・クルーニー
出演: 
メリル・ストリープ:バイオレット
ジュリア・ロバーツ: バーバラ・ウェストン -バイオレットの長女
ユアン・マクレガー:ビル・フォーダム -バーバラの別居中の夫
クリス・クーパー:チャールズ・エイケン -バイオレットの妹マティの夫
アビゲイル・ブレスリン:ジーン・フォーダム -バーバラとビルの娘
ベネディクト・カンバーバッチ :“リトル”・チャールズ・エイケン -チャールズの息子
ジュリエット・ルイス:カレン・ウェストン -バイオレットの三女
マーゴ・マーティンデイル:マティ・フェイ・エイケン -バイオレットの妹
ダーモット・マローニー:スティーブ・ハイデブレクト -カレンの婚約者
ジュリアンヌ・ニコルソン:アイビー・ウェストン -バイオレットの次女
サム・シェパード:ベバリー・ウェストン -バイオレットの夫
ミスティ・アッパム:ジョナ・モンヴァータ

<シネマトゥデイ>
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メリル・ストリープが病を患うも個性的な母親を演じ、一筋縄ではいかない家族の姿がつづられたヒューマンドラマ。 ピュリツァー賞とトニー賞を受賞した傑作舞台を基に、一家の主の失踪を機に数年ぶりに再会した家族が本音を明かし、秘密がつまびらかになる様子を通し、さまざまな問題を抱える家族のあり方を描く。長女役のジュリア・ロバーツをはじめ、ユアン・マクレガーやクリス・クーパーほか豪華キャストが集結。『カンパニー・メン』などのジョン・ウェルズが監督を務める。秘密を隠し持つ家族を熱演する名優たちの演技合戦に息をのむ。
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ある8月の真夏日、オクラホマの片田舎。一家の主が突然失踪する。それをきっかけに、長女バーバラ、次女アイヴィー、三女カレンの三姉妹が、数年ぶりに実家へ集まってくる。母であるバイオレットは、癌を患っているが誰よりも気が強く、いつでも真実を言うのが正しいと信じている毒舌家。それが病のため様々な薬を併用し、周りに毒を振りまいていく。

長女のバーバラは、夫の浮気と娘の反抗期に悩んでいる。次女の不器用なアイヴィーは、結婚せず地元に残って両親の面倒を見る毎日。婚約者を伴ってきた三女のカレンは、不安を抱えている。かつては一つ屋根の下でくらしていた家族も、それぞれ独立すればそれぞれの家庭と事情が生じるというもの。それを「女帝」バイオレットが暴き出していく。

とにかく、バイオレットの態度は鼻持ちならない。薬でラリっている状態に近いのか、遠慮会釈なく家族に噛みついていく。さらに長女のバーバラは、夫と娘に関する悩みについてずけずけと母親に言われると、カチンときて母親からクスリを没収すべく、取っ組み合いになる。観ていて嫌悪感しか抱けない。そこは御大メリル・ストリープの演技力のなす技なのかもしれない。

また、三女カレンはいかにもおつむもお尻も軽いといった感じで、婚約者スティーブもロクなものではない。バーバラの娘ジーンに大麻を吸わせ、あわよくば口説き落とそうとする有様。娘ジーンは母親に叱られると、父親の浮気を引き合いに出すものだから母親の怒りを買う。思わずビンタして、あちらでもこちらでも火花が飛び散る。

とにかくうだるような暑さは、画面を通しても伝わってくるし(まぁこの時期だからこそかもしれないが)、バイオレットの傍若無人ぶりとそれがもたらす混乱とに、どうも気分が悪くなってくる。原作は何と舞台なのだという。そういえばシチュエーションは、家の中が大半である。舞台で観ればどうなのかはわからないが、映画化されるくらいだから、とても評価は高いのだろう。

観終ってみれば、なるほどそれも頷けるという内容。メリル・ストリープにジュリア・ロバーツにユアン・マクレガーと大物が出演しているだけのことはある。原題はこの家のある郡の名前から取られているようであるが、最後まで頑張って観ればあらゆる意味のよくわかる映画である・・・


評価:★★☆☆☆




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2016年07月24日

きいろいゾウ

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2013年 日本
監督: 廣木隆一
出演: 
宮崎あおい: 妻利愛子(ツマ)
向井理: 武辜歩(ムコ)
本田望結: 幼少時代のツマ
緒川たまき:緑
リリー・フランキー:夏目

<Movie Walker解説>
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西加奈子の同名小説を、本作が初共演となる宮崎あおい&向井理を迎えて映画化した夫婦の愛の物語。背中に大きな鳥のタトゥーのある売れない作家と、犬や花の声が聞こえる不思議な力を持つ女性が結婚。九州の片田舎にやってきた2人にやがて起きる出来事が描かれる。監督は『軽蔑』の廣木隆一。
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とある農村で暮らす若夫婦。都会の喧騒の中で暮らす身としては、こんなのどかな田舎で、可愛い奥さんと暮らすことに、ちょっと憧れを感じてしまう。お互いに「ツマ」「ムコ」と呼び合う若夫婦。そういえば夫のことを「ツレ」と呼ぶ映画があったなぁとなんとなく思い出す。風呂を沸かしたら、いつの間にか入り込んでいた蟹が茹で上がっていたと素っ裸で報告に来るツマ。徹底してのどかでいい。

ムコは売れない小説家で、生活のために介護施設に勤めている。そんな二人の家には、近所に住む荒地さんがやってきて、ツマが差し出すビールを飲みながら痴呆症の妻の様子を語る。濃厚な人間関係の田舎らしい風景だ。さらに近所には不登校になってしまった少年大地がいて、ツマにほのかな憧れ心を抱きつつ、都会で負った心の傷を癒している。そんなある日、ムコの下に差出人のない手紙が届く。不思議なことにムコはその手紙を読もうとしない。

ムコがツマを海に連れ出すが、仲よかった二人は、手紙のこともあって喧嘩となる。なんとなく手紙からは女の匂いが漂ってくる。誰もいない浜辺でムコは、かつて大好きだった親戚の「ない姉ちゃん」が自殺してしまった話をする。ムコは毎晩小説を書いているが、それと合わせて日記も記している。ツマはその日記を読んでしまう・・・

ほのぼのとした夫婦のほのぼのした展開に、夜中に観ていたら何度も居眠りしそうになる。こうした映画には、それなりに味わいというものがあって、それをどう味わうかは人それぞれ。個人的には、普段数多くの映画を観ているせいもあって、こういう映画もいいとは思うが、「映画館に行って観たい」というレベルではない。あまりにも静かすぎる。

ムコさんの背中には立派な鳥の刺青があるのだが、それは手紙とも関連していて、少しだけドラマチックな展開になったりする。タイトルは、ツマが子供の頃、入院していた病院のベッドで読んでいた絵本のこと。所々で幼少期のツマときいろいゾウが語り合う。ツマは木や虫の声が聞けるらしく、月に向かってお願いしたりとやっぱり静かな展開が続く。

青い空と木や草が当たり前のように周りにあって、虫の声が語りかけてくるように身近にある。ゆったりとした暮らしは、都会から比べれば退屈なのだろうが、安らぎに溢れている気がする。やはり人間は多少不便でも、ある程度自然に囲まれて生きるのがいいのではないかと思わざるをえない。映画のストーリーよりも、そんなところに目が行き、心が動いたのであった。

ムコとツマのほのぼのとした様子と、のんびりした田舎の景色に心が和まされた映画である・・・


評価:★★☆☆☆





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2016年07月09日

天才スピヴェット

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原題: L'extravagant voyage du jeune et prodigieux T.S. Spivet
2013年 フランス・カナダ
監督: ジャン=ピエール・ジュネ
出演: 
カイル・キャトレット: T・S・スピヴェット
ヘレナ・ボナム・カーター: クレア博士
ジュディ・デイビス: G・H・ジブセン
カラム・キース・レニー: テカムセ・E・スピヴェット
ニーアム・ウィルソン: グレーシー

<シネマトゥデイ>
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『アメリ』『ロング・エンゲージメント』などのジャン=ピエール・ジュネが、ライフ・ラーセンの小説「T・S・スピヴェット君 傑作集」を実写化したアドベンチャー。発明家を対象とした権威ある学術賞に輝いた10歳の天才少年が、授賞式出席のためにモンタナからワシントンへと向かう中で体験する冒険を映す。『英国王のスピーチ』などのヘレナ・ボナム=カーターをはじめ、ロバート・メイレット、ジュディ・デイヴィスらが出演。主人公である少年の創造力や発想力を具現化した、ジュネ監督ならではのビジュアルにも目を奪われる。
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主人公は10歳の少年スピヴェット。カウボーイの父と昆虫学者の母、それにアイドルを夢見る姉と二卵性双生児の弟であるレイトンとモンタナの牧場で暮らしている。ところがある日、レイトンが銃の暴発で死んでしまう。以来、なんとなく家族がバラバラになった感があり、父のお気に入りであったレイトンの死を契機に、スピヴェットは家族内で疎外感を感じている。

そんなスピヴェットは、実は頭脳明晰。科学誌に投稿して採用されることもあり、永久機関を作って応募すると、スミソニアン協会で最も優れた発明家に送られるベアード賞を受賞する。しかし、親に内緒であったこと、子供であるとわかると受賞取り消しことを心配し、スピヴェットは、事情を秘したまま単身スミソニアン博物館に向かうことにする。

密かに荷造りし、1日に何本か通る貨物列車を停止させて、こっそり乗り込む。無賃乗車であり、係員の目を巧みに逃れ、道中出会った大人たちとの交流を経て、とうとうワシントンDCに到着する。それはアメリカ大陸の広大さと、わずか10歳の少年であることを考えると、大きな冒険の旅。そしてスミソニアン博物館では、受賞したのが10歳の少年とわかると、狡猾な大人たちがよだれを垂らす・・・

なんとなく予告が気に入って観ることにしたのだが、これはなんの映画なのかとふと思う。10歳の少年の映画であることは間違いないのだが、冒険の物語なのか、成長の物語なのか、心の動きの物語なのか、おそらくそのどれもであるのだろう。スピヴェットの家庭環境は複雑である。と言っても、変わり者家族であるという意味で、である。

父親は、時代的なカウボーイ。そして弟のレイトンは、父のお気に入りで、カウボーイの「英才教育」を受けている。そんな弟が事故で死に、その場にいた父親に期待されていない自分が原因であるかのような気持ちになっている。愛情を注ぐはずの母親は、年中昆虫に夢中である。一人旅に出ようと思ったのも、自分などこの家にいなくても良いという気持ちがどこかにあったためでもある。

しかし、それはスピヴェットの思い込みでしかない。両親も姉もスピヴェットを家族として愛している。そんな絆が、スミソニアンへの冒険を通じて確認される。大きなエピソードがあるわけではないが、静かなストーリーが胸に染み入ってくる。一人一人を見ると変わり者の家族であるが、4人が一つになると見事なハーモニーを奏でる。穏やかな気持ちで観終わることができる映画である・・・


評価:★★☆☆☆






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2016年07月03日

グレートデイズ!-夢に挑んだ父と子-

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原題: DE TOUTES NOS FORCES
2013年 フランス
監督: ニルス・タヴェルニエ
出演: 
ジャック・ガンブラン:ポール
アレクサンドラ・ラミー:クレール
ファビアン・エロー:ジュリアン
ソフィー・ド・フルスト:ソフィー
パブロ・パウリー:ヨアン

<Movie Walker解説>
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車いすの少年とその父親が、スイム3.8km、バイク180km、ラン42.195kmという過酷なアイアンマンレースへの挑戦を通して、失った絆を取り戻していく姿を描くヒューマンドラマ。フランスの名優ジャック・ガンブランと、オーディションで選ばれた車いす生活を送る青年の熱演が評判を呼び、本国フランスで大ヒットを記録した。
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ジュリアンは障害を持ち、車椅子で生活する青年。そろそろ成人年齢である18歳になろうとしている。父親のポールは、ケーブルカーの保守点検会社に雇われていたが、解雇の憂き目にあう。なかなか決まらない再就職に、妻のクレールとの仲もギクシャクし、息子のジュリアンとの会話も少ない。「男は仕事」という日本のような気風があるわけでもないフランスで、家族の不協和音は一大事である。

そんな様子に一人胸を痛めていたジュリアン。ある日、車庫で父親がかつてトライアスロンをしていた証を見つける。さらにネットで、障害児の息子と二人三脚でトライアスロンに出場した親子の記事を見つけると、父親に自分も出場したいと伝える。もともと体も強くなかったジュリアンの身を案じた母親は反対。父親も昔取った杵柄が通用するわけもなく、一人でも過酷なのに二人での出場を考え、躊躇する。

当然といえば、当然の両親の反応。しかし、ジュリアンは諦めない。車庫から手動の車椅子(多分今の電動式に乗る以前使っていたものだろう)を引っ張り出して車庫内においてPRし、学校の仲間に協力を仰ぎ、父親に団交してもらう。その熱意に、さすがかつての「アイアンマン」の心が動き、ポールは息子との出場を決意する。

と言っても簡単ではない。スイムは息子の乗ったボートを泳いで引き、二人乗りのバイクを漕ぎ、車椅子を押して走るのである。ただでさえ過酷なのに、そこに負担が加わるわけである。しかも年齢的な問題もある。16時間という制限時間内での完走を目指し、二人のトレーニングの日々が始まる・・・

障害者が何か夢に向けて頑張るという内容は、それだけで感動の要素がある。ただ、それだけではもちろんダメであろう。この映画の良さは、やはり息子のジュリアン役の役者に負うところが大きい。多分、実生活でも障害者なのだと思うが、表情や仕草などに「本物感」があり、それがストーリーに肉付けをしている。

当初大会にエントリーするも却下されてしまう。両親はどこかホッとするが、ジュリアンは諦めない。障害者の友人を誘って大会本部に乗り込んでいくと、関係者に直談判して参加を認めさせてしまう。ジュリアンが障害を克服するとか、父親が年齢的なハンディを覆す努力とか、いろいろと心を動かされる要素はあるものの、やはり夢の実現に向けた強い意志こそが、最も心を動かされるところだろう。ゴールを前にして体力の限界から父親が蹲ってしまうが、ジュリアンの見せた態度こそが、それを最も物語っている。

何かを成し遂げようとした時、本気であればこのくらいでないといけない。そう示すジュリアンの姿勢は、健常者であればなおさら見習わないといけないだろう。大いに心を刺激される映画である・・・


評価:★★☆☆☆




posted by HH at 22:35 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ