2017年06月02日

【闇金ウシジマくん】My Cinema File 1742

闇金ウシジマくん.jpg

2012年 日本
監督: 山口雅俊
出演: 
山田孝之: 丑嶋馨
大島優子 (AKB48): 鈴木未來
林遣都: 小川純
やべきょうすけ: 柄崎
崎本大海: 高田
片瀬那奈: 大久保千秋
市原隼人: アキト

<シネマトゥデイ>
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真鍋昌平による累計500万部のヒット漫画を原作にした深夜テレビドラマの劇場版。切れ者で冷酷非情、強心臓な闇金業者・丑嶋を中心に、欲望に踊らされる者たちの悲哀を、笑いとエロス、暴力といったスパイスを巧みに利かせて活写する。『鴨川ホルモー』の山田孝之が、ドラマ版に続いて主人公の丑嶋を怪演。人気アイドルグループ・AKB48の大島優子と『荒川アンダー ザ ブリッジ』シリーズの林遣都が、丑嶋とかかわりを持ったばかりに、奈落の底へ急降下する男女にふんして物語を盛り上げる。メガホンを取るのは、ドラマ版の演出などを手掛けていた山口雅俊。
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 このシリーズは、PART2PART3、そしてザ・ファイナルと観てきたシリーズであるが、肝心のPART1を観ずに来てしまっていた。よって改めて鑑賞となった次第である。

 闇金であるカウカウファイナンスを営む主人公丑嶋。取り立てに遭うのはギャンブルにハマった母親。高校を卒業したばかりの娘とまだ小さい息子がいるが、生活にはしまりがなくだらしない。どうやらスナックで働いているようだが、借金を返せるわけでもなく、それどころか娘の未來に立て替えさせる有様。未來も進学するわけでもなく、就職するわけでもない。そして友人に誘われて出会いカフェで働くようになる。

 そんな彼女は、イケメンダンサーを集めたイベントを企画してのし上がろうとする純と親しくなろうとしている。純は、次のイベントを企画するが、イケメンダンサーのゴレンジャイには足元を見られてなめられ、関係者からも女や金を無心される有様。次第に自転車操業となっていく中、ダンサーの1人が女関係で凶暴な男肉蝮に拉致されてしまう・・・

 スタート作品ということで、期待して観たところではあるが、だいぶ盛り込んではみたものの、省略されてしまっている部分が何となく気になってしまった。例えば、カウカウファイナンスに元社員の女性がたびたび登場してそれなりにみんなと行動を共にするのだが、そこに何やらありそうな事情が見えてこない。まぁ、気にしなければいいのであるが・・・

 それにしても、闇金に手を出す人たちは、やはり追い込まれていたり、それなりのレベルだったりである。未來のだらしない母親も、小さな子供を連れて平気でパチンコに行くし、お腹が空いたと言えばお菓子を渡す始末。挙句に金に困って娘に売春を強要するばかりか3Pを持ち掛ける。こんな母親いるのかと思わなくもないが、世間のニュースなどを見ていると、こんな母親がいてもおかしくはないのが悲しい。こんな母親から育った子供の行く末にも恐ろしいものがある。

 一方でイベント企画の純は、上を目指す心意気や良しであるが、金と女の臭いを嗅ぎつけて群がる者たちに追い込まれていく。考え方、マネジメント力があれば少しは違うと思うが、悲しいことにそれほどの経験は積んでいない。1人振り回される姿が悲しげである。こうした闇金から金を借りる人たちが、どちらかと言うと主人公と言えるのは、シリーズ原点でも同様。あえて言えば、「ウシジマくんの出番が多い」ということだろうか。今回は、凶暴な肉蝮を退治する活躍を見せる。

 原作のドロドロした雰囲気にはやや及ばない気がするが、いい感じの内容であると思う。シリーズ全般を通して観て損はない。観る順番は違っていても違和感はなく、どこから切って観てもいいと言える。改めて終わりなのが残念な気がするシリーズである・・・


評価:★★☆☆☆




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2017年05月25日

【海街diary】My Cinema File 1737

海街diary.jpg

2015年 日本
監督: 是枝裕和
出演: 
綾瀬はるか:香田幸(三姉妹の長女)
長澤まさみ:香田佳乃(三姉妹の次女)
夏帆:香田千佳(三姉妹の三女)
広瀬すず:浅野すず(三姉妹の異母妹)
大竹しのぶ:佐々木都(三姉妹の母)
堤真一:椎名和也(医師、幸の恋人)
風吹ジュン:二ノ宮さち子(海猫食堂の店主)
リリー・フランキー:福田仙一(山猫亭の店主)
樹木希林:菊池史代(大船のおばちゃん)
加瀬亮:坂下美海(佳乃の上司)
鈴木亮平:井上泰之(湘南オクトパスの監督)

<シネマトゥデイ>
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ベストセラーを誇る吉田秋生のコミックを実写化したドラマ。鎌倉に暮らす3姉妹と父親がほかの女性ともうけた異母妹が共同生活を送る中、さまざまな出来事を経て家族の絆を深めていく姿を追う。メガホンを取るのは、『そして父になる』などの是枝裕和。テレビドラマ「八重の桜」などの綾瀬はるか、『潔く柔く きよくやわく』などの長澤まさみのほか、夏帆や広瀬すずらが共演。実力派女優たちが繰り出す妙演はもちろん、舞台となる鎌倉の美しい四季の風景も見どころ。
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 冒頭、ボーイフレンドとともに春眠をむさぼっていた香田佳乃は、姉からの電話で起こされる。急いで帰ってこいとのことで帰宅すると、父親が亡くなったとの知らせが届いたとのこと。実は香田家の父は14年前に女をつくって家を出ていた。そのあと母親も家を出て行き、残された幸、佳乃、千佳の3姉妹は祖母と暮らしていた。その祖母も亡くなり、今は3姉妹が身を寄せ合って鎌倉の古屋で暮らしているのである。

 出ていって以来、3姉妹は父親と会っていない。それでも連絡を受けて、夜勤で動けない幸は、佳乃と千佳を父の暮らしていた山形へ送る。父は家を出てから1女をもうけるも死別し、今はさらに別の女性と暮らしていたことを香田家の三姉妹は知る。葬儀に出席すべく山形を訪れた二人を駅で出迎えたのは、中学生になる腹違いの妹すずであった。翌日、葬儀に来ない予定だった幸がなぜか現れる。

 看護師をしている幸は、すずの置かれた肩身の狭い境遇とすずが父を看取った事を感じ取る。東京へ帰る直前、幸がすずに父との思い出の場所に案内して欲しいと頼むと、すずは小高い山の上に姉妹たちを案内する。そこからの眺めは、鎌倉の風景によく似ている。ホームで3姉妹を見送るすずに、幸は鎌倉で一緒に暮らさないかと持ちかける。すずは、一瞬戸惑う様子を見せたものの、「行きます」と即答する。こうして鎌倉の家にすずがやってくる・・・

 原作は大ヒット漫画なのだという。原作を読んだことはないが、冒頭からしみじみと心に響き渡る物語が展開される。姉妹はいかにもしっかりもので一家を支えてきたとの感がある長女の幸に、男と酒が生きがいの次女佳乃、そしてちょっとおっとりしている三女の千佳の組み合わせ。父と母の修羅場をはっきり覚えている幸に対し、次女はそれをぼんやりと覚えている程度。そして千佳は父をほとんど覚えていない。

 そんな記憶レベルの違いから、3姉妹の父親に対する感情にも微妙に温度差がある。特に最後を看取ったすずに対し、姉である自分はほとんど父の記憶がないと語る千佳の表情が何とも言えない。父親は優しかったという記憶があると語る千佳。優しかったけど、それで同情してしまい家族を捨ててしまったダメな人だと語る幸。こういう微妙な空気が何とも言えない。

 こうしてすずを迎えた香田家は四姉妹となる。サッカー好きで明るい性格のすずは、鎌倉の生活にもすぐに溶け込み、友人もできる。4姉妹を取り巻く人間模様。母親は北海道に住み、何かと口を出してくる叔母がいる。近所の『海猫食堂』のおかみさんさち子や、食堂の常連である仙一がいて、幸には密かに付き合っている妻帯者の小児科医椎名がいる。それぞれに付き合う男がいて、それぞれに悩みを抱えている。仕事でもいろんなことがあり、順風満帆な人生を送っている者はいない。

 そうしたドラマが展開されていくが、観ているうちに心に静かに響いてくるものがある。長女役は綾瀬はるか。いつの間にか落ち着いた役柄が板につくようになっている。そしてドラマに変化を与える四女のすずを演じるのは、まだ『ちはやふる』の強烈な記憶が新しい広瀬すず。こちらの作品の方が早く、あどけなさの雰囲気がとてもいい。

 いつの間にか心がじんわりと温かくなっている。人生いろいろ。だけど一緒にいる家族かいればそれが何より。そんな気持ちにさせられる。元となった原作も是非読んでみたいと思う。日本映画の真骨頂と言える映画である・・・


評価:★★★☆☆





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2017年05月06日

【起終点駅 ターミナル】My Cinema File 1727

起終点駅 ターミナル.jpg

2015年 日本
監督: 篠原哲雄
出演: 
佐藤浩市:鷲田完治
本田翼:椎名敦子
中村獅童:大下一龍
和田正人:森山卓士
音尾琢真:大村真一
泉谷しげる:南達三
尾野真千子:結城冴子

<シネマトゥデイ>
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『ホテルローヤル』で直木賞を受賞した、桜木紫乃の短編小説を原作にした人間ドラマ。判事だったころに体験した苦い出来事を引きずる55歳の弁護士が、孤独な25歳の女との出会いを経て再生していくさまを追い掛ける。メガホンを取るのは、『小川の辺』などの篠原哲雄。『壬生義士伝』、『ザ・マジックアワー』などの佐藤浩市、『アオハライド』などの本田翼が主人公となる男女を、『そして父になる』などの尾野真千子が男の人生に深く関わる人物を演じる。実力派たちの共演に加え、ロケを敢行した北海道釧路市の風景も見どころ。
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 主人公は、北海道旭川市の地方裁判所で判事をしている鷲田。ある時、覚せい剤事件の裁判で、被告人を見て驚く。それは昔の恋人・冴子であった。まだ司法試験の受験生であった頃、冴子と暮らしていた鷲田。しかし、試験に合格後、冴子は鷲田の前から突然姿を消していた。判決後、冴子がママをしている店を訪れる鷲田。二人はそのままヨリを戻す。

 鷲田は、東京に妻子を残しての単身赴任。冴子と再会し、家族を捨てて二人で暮らしたいと願う。そして二人で旅立つため旭川駅へとやってくるが、なんと冴子は鷲田の目の前で列車へと身を投げてしまう。突然の出来事を前にして逃げるようにその場を離れた鷲田は、釧路で途中下車する・・・

 それから25年。鷲田は判事を辞め、釧路で国選弁護専門の弁護士として孤独な日々を送っている。国選弁護のみなので収入は限られており、生活は質素。独り身ゆえに料理がうまくなっている。どうやら家族も捨ててしまった様子。そんなある日、弁護を引き受けたのは、覚せい剤所持法違反の事件。被告人として現れたのは、敦子という名の若い女性。

 裁判は執行猶予がついて結審する。そしてしばらくして敦子が鷲田の家を訪ねてくる。「探して欲しい人がいる」と。関わりを避けたい鷲田は冷たく断るが、行きがかり上朝食を振舞う。振舞った料理は、ザンギ。どうやらこれは「鶏のから揚げ」のことらしい。敦子が探しているのは、敦子に覚せい剤を持たせた恋人。今もまだ逃亡中なのである。

 そしてその男は、かつて鷲田に世話になったという暴力団の大下も追っていて、しばしば大下は鷲田を訪ねてくる。どうやら大下は鷲田を顧問として迎えたがっている様子。どんな経緯があったのかは最後までわからなかったが、無気力に生きているような鷲田でも、それなりに人に影響を与えるようなことをしていたらしい。

 こうして物語は鷲田と敦子を中心に動いていく。ずるずると敦子のペースに巻き込まれていく鷲田。冴子の事件以来、家族を捨てた鷲田だが、そんな鷲田の下には一人息子から結婚式の招待状が届く。釧路ののどかな風景の如く、物語はゆっくりと、そして静かに進んでいく。

 男は過去の恋人を得てして忘れないものである。若き鷲田の前から理由も告げず突然姿を消した冴子。その影を心に宿していた鷲田の心情は自分にもよくわかる。男は過去の恋人を忘れないものである。何人であろうと・・・そしてその恋人というのが尾野真千子とくると、個人的な思いはひときわ強くなる。個人的に好きな女優ベスト3の一人だからである。

 敦子の影響で、いつのまにか心を取り戻していく鷲田。ゆっくりとしたドラマだが、主人公に共感できるせいか、いつの間にやら見入ってしまっている。それにしても冴子に一体何があったのだろう。鷲田にはそれがわからないし、たぶん男にはわからないものなのだろう。そういう意味で、映画でもそこが描かれなかったのも当然なのかもしれない。

 ラストで東京へ向かう鷲田。「電車で行くの?」と心の中で突っ込みを入れてしまったが、その後ろ姿に感じるものがあった。
しみじみとした味わいを得られた映画である・・・


評価:★★☆☆☆





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2017年05月05日

【闇金ウシジマくん ザ・ファイナル】My Cinema File 1726

闇金ウシジマくん ザ・ファイナル.jpg

2016年 日本
監督: 山口雅俊
出演: 
山田孝之: 丑嶋馨
やべきょうすけ: 柄崎
崎本大海: 高田
綾野剛: 戌亥
永山絢斗: 竹本優希
間宮祥太朗:鰐戸三蔵
高橋メアリージュン:犀原茜
八嶋智人:都陰亮介

<シネマトゥデイ>
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闇金業者を主人公に裏社会を活写した真鍋昌平のコミックを実写映像化したシリーズの最終作で、山田孝之演じる丑嶋馨の過去に迫る話題作。原作の「ヤミ金くん編」を基に、丑嶋と闇金をつないだ因縁を現代と過去を交錯させて描き出す。山田のほか綾野剛、永山絢斗、やべきょうすけらが出演。貧困ビジネスや債務整理でもうける弁護士の描写や、封印した過去に直面した丑嶋の行動に注目。
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Part2Part3と観てきた『闇金ウシジマくん』シリーズも早やファイナル(そう言えばまだPart1を観ていない・・・)。

 冒頭でいきなりカウカウファイナンスに「カオルちゃんいる?」と男が訪ねてくる。「そんな女はいない」と答える高田に、「バカ!」と柄崎が怒る。ここで「カオルちゃん」とはウシジマくんのことだと改めてわかる。訪ねてきたのは、そんなウシジマの旧友竹本。今回は、そんな旧友が訪ねてきたことから、ウシジマくんの過去が明らかになる。

 ウシジマくんは転校生。荒れた学校に転校してきたが、いきなり番長に目をつけられて袋叩きに遭う。そこからがウシジマくんのすごいところ。後日一人一人呼び出して叩きのめしていく。番長も叩きのめしてしまうが、この番長が実は柄崎。こんな関係だったのかと思う。その柄崎に頼まれ、柄崎すら恐れる凶暴な鰐戸三兄弟の下に拉致された友人を助けに行く・・・

 一方、現代ではそんなウシジマくんの旧友竹本が、貧困ビジネスにはまっていく。金がなくて寝るところがない竹本に男が声をかける。一日900円で泊まれて、仕事も紹介してくれるという。そして連れていかれたのが、「誠愛の家」と称するバラック。ここでは明らかにみすぼらしい男たちが泊まり込んで働いている。否、働かされている。

 ここがまた強烈。山中で逃げようもない中、1日2,000円の給料での重労働。しかも給料は、カップ麺などの食料品(しかもあたりにスーパーなどないから暴利)やギャンブルで吸い上げられてしまう。過酷な環境に逃げ出した男は、運営者の一人に右足を斧で切られてしまう。まるでクンタ・キンテのようである。そしてこの運営者というのが、鰐戸三兄弟なのである・・・

 例によってウシジマくんの活躍はわずかなのであるが、今回は少年時代のウシジマくんが活躍する。事務所の柄崎との関係、鰐戸三兄弟との因縁や犀原茜との関係も明らかになって、なるほど「ファイナル」という感じがする。このシリーズの主役はウシジマくんなのかもしれないが、見所は何といっても「闇金に金を借りに来る人の悲惨」である。今回は同級生の竹本であったが、彼が陥る貧困ビジネスはなかなのものである。

 さらに闇金の仇敵とも言うべき過払い訴訟弁護士が登場するが、このトカゲ弁護士がまたいい味を出していた。考えてみれば、こういう弁護士もいるんじゃないかと思ってしまう。金にまつわるドロドロに絡む人たち。ウシジマくんは「いるだけ」な感じなのであるが、このシリーズは泥沼でもがく人たちが圧倒的に面白い。
 
 今度は、見逃しているPart1を観なければと思うが、これでファイナルなのは残念な気がするシリーズである・・・


評価:★★☆☆☆









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2017年05月04日

【アリスのままで】My Cinema File 1725

アリスのままで.jpg

原題: Still Alice
2014年 アメリカ
監督: リチャード・グラツァー
出演: 
ジュリアン・ムーア:アリス・ハウランド
アレック・ボールドウィン:ジョン・ハウランド
クリステン・スチュワート:リディア・ハウランド
ケイト・ボスワース:アナ・ハウランド=ジョーンズ
ハンター・パリッシュ:トム・ハウランド
シェーン・マクレー:チャーリー・ジョーンズ

<シネマトゥデイ>
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若年性アルツハイマー病と診断された50歳の言語学者の苦悩と葛藤、そして彼女を支える家族との絆を描く人間ドラマ。ベストセラー小説「静かなアリス」を基に、自身もALS(筋委縮性側索硬化症)を患ったリチャード・グラツァーと、ワッシュ・ウェストモアランドのコンビが監督を務めた。日に日に記憶を失っていくヒロインをジュリアン・ムーアが熱演し、数多くの映画賞を席巻。彼女を見守る家族をアレック・ボールドウィン、クリステン・スチュワート、ケイト・ボスワースが演じる。
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 主人公のアリスは言語学者。夫と子供3人に恵まれ、仕事も家庭も順調。そんなアリスだが、ある日他の大学に招かれて講演するも、途中で言葉に詰まる。ワインの飲み過ぎとその場を取り繕うも、今度は自分の大学のキャンパス内をジョギングしていて道に迷う。異変を感じたアリスは、医師の診察を受ける。その結果、若年性アルツハイマーと診断される。

 さらに宣告された若年性アルツハイマー病は、子ども達に遺伝している可能性もあるという。遺伝していれば、発症する可能性は100%。3人の子ども達は、もうそれぞれに独立しているが、長女のアナは陽性、長男のトムは陰性。そして次女のリディアは検査を拒否する。アリスの症状も進み、やがては講義にも支障が出るようになり、大学を辞めざるを得なくなる・・・

 ドラマは、冒頭の幸せに溢れるアリスの誕生日のお祝いから始まる。仕事でも家庭でも成功を収めたアリスの幸福の絶頂を象徴するシーンと言えるだろう。そんなシーンから、物語は一転してゆく。その中でも個人的に心を打たれたのは次女のリディアとの関係。リディアは家を出て役者を志している。学者の母親からすれば、そんな「あてもない」不安定な立場は容認できず、大学へ行けと諭す。そしてそんな母親にリディアは反発する。

 しかし、病状の告白後、リディアは母親とチャットで話すようになり、母親の症状にも優しく接する。そして症状が重くなり始めると、家に戻ってくる。長女は家庭もあるから難しいかもしれないが、自分の夢を捨てて家に戻った娘の母を思う心に偽りはない。3人の中で唯一検査を拒否したのは、もし陽性だったら母親を悲しませるだけだという判断もあったのかもしれない。そんな娘心に個人的に心を動かされる。

 アリスを演じるのは、ベテランのジュリアン・ムーア。初めは言語学者として貫禄に溢れた様子だが、アルツハイマーの症状が出始めるとその様子が表情に現れる。段々と進行していく様子が見ているだけでよくわかる。髪の毛がぼさぼさだったり、その様子は役者とはいえ見事なものだと思う。

 そしてアリスは、症状が軽いうちに将来症状が重くなった自分に向けてメッセージを残す。その意図はすぐにわかる。自分でもそうするだろう。だが、症状の重くなったアリスはそのメッセージをうまく実行できない。いいのか悪いのか微妙なところだが、思考というのは、まさにその人そのもの。そう考えると、アルツハイマーというのは恐ろしい病気だと改めて思う。

 「その先」を考えると気持ちも重くなるが、そうしたことを考えさせてくれる映画でもある。エンターテイメントでありつつ、様々なことを考えさせてくれる映画である・・・


評価:★★☆☆☆




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