2008年06月07日

エコール

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原題: École/Innocence
2004年 ベルギー・フランス・イギリス
監督: ルシール・アザリロヴィック
出演: マリオン・コティヤール/エレーヌ・ドゥ・フジュロール/ゾエ・オークレール/ベランジェール・オーブルージュ/リア・ブライダロリ

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棺に裸で横たわる少女イリス、6歳。
彼女を待っていたのは7歳から12歳までの6人の少女たち。
年長のビアンカが皆と揃いの白いシャツとスカート、赤いリボンで身支度を整えてくれる。
「お家に帰りたい」とつぶやくイリスに、これからは7人で暮らすのだと諭すビアンカ。
少女たちは森の中の屋敷に住み、ダンスと自然科学の授業を受けに同じ森の中に建つ学校へ通う。
その森は高い壁で囲まれた閉ざされた世界だった・・・
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冒頭シーン。
おどろおどろしいBGMと水のイメージシーンが流れる。
ひょっとしてこれホラー映画だったっけと一瞬思う。

森の中の怪しげな学校。
棺の中から出てくる少女。
森には壁があって外の世界から隔離されている。
いったいどういう映画なのかまるでわからない。
いつ謎が解き明かされるのだろうと見守るもなかなかその気配が見られない。

年齢ごとに分かれるリボンの色。
年下の少女たちは壁の中での生活を無邪気に送る。
しかし、外が気になるのは人情というもの。
外の世界への興味を押さえられない少女もいる。
だが、その壁は厚い。
ボートで脱出しようとするも底に穴が開いていて溺れ死ぬ少女。
壁を乗り越えて行った少女はその後どうなったかわからない。
やっぱりホラーなのだろうかと思わせられる。

最年長の少女達には外への道が開かれる。
怪しげな地下道。
そしてようやく描かれる下界。
結局謎は最後まで明らかにならない。

何なのだろうかこの映画。
誰かに解説してもらいたい気分である。
ヨーロッパの雰囲気溢れる映画であるが、そういえばカミュの小説のようでもある。
理解できない方が悪いのかと思わせられる・・・


評価:★☆☆☆☆☆
posted by HH at 10:37 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(1) | ドラマ

2008年06月01日

バベル

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原題: BABEL
2006年 アメリカ
監督: アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演: ブラッド・ピット/ケイト・ブランシェット/ガエル・ガルシア・ベルナル/役所広司/菊地凛子/アドリアナ・バラッザ

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壊れかけた夫婦の絆を取り戻すために旅をしているアメリカ人夫婦のリチャードとスーザン。
バスで山道を走行中、どこからか放たれた銃弾が、スーザンの肩を撃ち抜く。
なんとか医者のいる村までたどり着くが、応急処置がやっと。
彼は英語がなかなか通じない村の住人たち、対応が遅いアメリカ政府に苛立ちを露わにするが…。
同じころ、東京に住む聴覚に障害を持った女子高生のチエコは、満たされない日々にいら立ちを感じていた…
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「バベル」とは旧約聖書に出てくる町の名前。
傲慢になった人類が天に届く塔(バベルの塔)を建てようとして神の怒りに触れ、罰として言葉を分けられてしまう。
以来、人類は様々な言語を有するようになったという逸話である。

そんなタイトルがぴったりのドラマである。
登場人物たちは、モロッコの地で少年ユセフが放った一発の銃弾によって複雑に絡み合う。
その銃弾を偶然受けてしまうスーザンと夫リチャードのアメリカ人夫婦。
その事件の影響で人生が狂っていくベビーシッターのアメリア。
意外なつながりを持った東京のチエコ親子。
そして事件が大きくなるにつれ悲劇に見舞われるユセフ親子。

まるで見えざる神の手にかかったかのように彼らは運命の奔流にさらされていく。
うまくいかないコミュニケーション。
思い通りにならない出来事。
どうにもならない流れの中から抜け出てみると、リチャード夫妻は悪化していた夫婦関係が改善へと向かい(たぶん)、彼らの子供たちのベビーシッターだったアメリアは息子の結婚式という喜びから一転して生活基盤を失う。
ユセフ親子には大きな不幸が訪れ、チエコ親子は関係改善へと向かう(たぶん)。
そこには何の法則もなく、出会う人々によって変わる可能性のあった偶然と必然のみ。
神の身業の前に翻弄される人々のドラマを淡々と追う映画である。

この映画で大きな話題となったのが米映画批評会議賞新人女優賞を受賞した菊地凜子。
しかし、どうなんだろう?
個人的にはあまりこれといったものを感じない。
むしろモロッコの少年ユセフの方が強いインパクトがあった。
お馴染みの役所広司が出ていて親近感が湧くものの騒ぐほどではない感じである。

登場人物たちに起こった出来事の意味を考えてみても意味はない。
それに何かの意味を持たせようとするのが人間なのかもしれない。
そして起きてしまった事は元に戻せない。
まさに「運命のいたずら」なのだろう。
ちょっと哲学的になってしまう映画である。


評価:★★☆☆☆
posted by HH at 10:58 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(2) | ドラマ

2008年05月31日

プリンセス・アンド・ウォリアー

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原題: DER KRIEGER UND DIE KAISERIN
2000年 ドイツ
監督:  トム・ティクヴァ
出演:  フランカ・ポテンテ/ベンノ・フユルマン/ヨアヒム・クロール/ラース・ロドルフ/ルドガー・ピストール 

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シシーは精神病院に勤める看護婦。
友人から頼まれて病院へ向かう途中で交通事故に遭い、瀕死の状態のところを逃走中の強盗犯ボドに命を助けられる。
運命を感じた彼女はボドを探し再会を果たす。
だが彼は銀行強盗を計画中だった。
彼女は銀行強盗に巻き込まれ、二人の運命は大きく変わっていく…
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ここのところドイツ映画が多くなっているが、これもその一つ。
ちなみにセリフはドイツ語である。

冒頭のシーン。
一人の男が手紙を書き終えてそれをポストに投函する。
その手紙がポスト内に投函されるところから郵便局内で仕分けされ、配達されてシシーの手元に届くまでをカメラが追う。
ここは「ロード・オブ・ウォー」の冒頭シーンで兵器工場で作られた銃弾が梱包され、一連の輸送ルートを経て銃に装弾され、やがて実践で使用され人間の頭に撃ち込まれるまでをカメラで追うシーンを思い出させられた。
これから始まるドラマでこの手紙が重要な意味を持っているのだろうか、と思わせられた。

さて、その手紙を受け取った看護師シシー。
患者に人気も高いのだが何となく日常生活に疑問を抱いている。
だがどうしてよいかもわからない。
それが突然の交通事故に遭う。
薄れる意識の中で、現場に居合わせた男に命を救われる。
その出会いが運命ではないかと感じ、その男を探し出す。

その探し方がまた凄かったりするのである。
事故の時一緒にいた盲目の患者。
それが恐ろしい能力の持ち主で、何ヶ月も前のその事故のシーンの一連の音を記憶していて、その中から男の足音を思い出しそれがどこから聞えてきたかを伝えるのである。
精神病の患者には時として一つの能力がずば抜けて優れている事が多々あるが、そういう事例を知っているだけにこういう能力もすんなり受け入れられてしまう。

そうしてたどり着いた男が心に傷を持つ強盗犯であった。
運命を感じるが故に男に冷たく拒否されるシシー。
なんとなく「日常生活に疑問を感じ何かをしたいが何をしたら良いかわからない」という気持ちは理解できる。
そういうシシーが、男がアウトローであってもそんな事よりもこの出会いが自分にとって大事なものでありそうな何かを感じる、そういう気持ちがよく伝わってくる。
その先どうなるかはわからない。
映画もそこまでは描かない。
誰にでも同じような思いは多かれ少なかれあるのではないだろうか。

タイトルのプリンセスは病院で人気のあるシシーの事。
ウォリアーは軍隊上がりの男の事。
タイトルからは別のイメージを抱いてしまうが、味わいのある人間ドラマである。


評価:★★☆☆☆
posted by HH at 11:20 | 東京 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2008年05月26日

ボビー

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原題: Bobby
2006年 アメリカ
監督: エミリオ・エステヴェス
出演: アンソニー・ホプキンス/デミ・ムーア/シャロン・ストーン/リンジー・ローハン/イライジャ・ウッド/ウィリアム・H・メイシー/ヘレン・ハント/ローレンス・フィッシュバーン

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その日もアンバサダーホテルには様々な人々が居合わせていた。
如才ないホテルの支配人、不満を募らせる厨房の見習い、恋に悩む電話交換手、客の悩みに親身に耳を傾ける美容師、二人だけで結婚式を挙げる若いカップル、倦怠期の裕福な夫婦、酒浸りの歌手、選挙運動のスタッフ…。
そこへカリフォルニア州予備選挙に勝利した次期大統領候補ロバート・F・ケネディ上院議員が現れる。
誰もが歓喜に酔いしれたその夜、悲劇は起きた…
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ボビーとは第35代アメリカ合衆国大統領のジョン・F・ケネディの実弟で、兄が大統領の時は司法長官を努めたロバート・F・ケネディの愛称である。
兄と同様に大統領指名候補選挙中にアンバサダーホテルで暗殺された。
これはその時その場に居合わせた人々を扱ったドラマである。

ボビー本人は当時の映像のみで登場する。
ベトナム戦争、公民権運動に揺れるアメリカ社会。
キング牧師暗殺が暗い影を落とす・・・
そうした背景がケネディの選挙キャンペーンニュースとして流れる。

それらの映像を観ているといかにケネディが明るい希望の星として人々に受け入れられていたかが感じられる。
それゆえにアンバサダーホテルでのケネディ暗殺が人々に与えた影響は計り知れないものがあったのだろうと推察させられる。
大統領への当選確実性が高まるにつれ、それを快く思わない勢力が存在したのだろう。

そんなアンバサダーホテルを訪れる人々の日常ドラマがこの映画である。
ストーリーもさることながらこの映画、なんと言ってもキャストがすごい。
久々に観るエミリオ・エステヴェスはメガフォンを取ると同時に自ら出演し、上記にあげた豪華キャストの他にもエステヴェスの実父マーチン・シーンやクリスチャン・スレーター、デミ・ムーアの夫アシュトン・カッチャー(「バタフライ・エフェクト」に主演していた)も登場する。
ギャラの総額いくらなんだろうなどと想像してしまう・・・

ケネディはケネディとして、みんながみんなそれぞれの立場で人生の一日、運命の1968年6月5日をたまたま同じアンバサダーホテルで過ごす。
実際にそのうちの何人かはケネディ暗殺の現場で流れ弾を受けて負傷する。

人の数だけドラマがある。
それを地で行くドラマである。
歴史に「もしも」はつきものであるが、もしも暗殺されなければボビーは確実に第37代アメリカ大統領になっていただろう。
アメリカが通過した激動の時代の息吹を感じさせる人間ドラマである。


評価:★★★☆☆
posted by HH at 23:42 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2008年05月06日

ヘイヴン堕ちた楽園

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原題: HAVEN
2004年 アメリカ
出演:  オーランド・ブルーム/ビル・パクストン/アグネス・ブルックナー/ゾーイ・サルダナ/ラズ・アドティ/ヴィクター・ラサック

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カリブ海に浮かぶケイマン諸島は、税金が免除される“タックス・ヘイヴン”だ。
世界中から島に集まってくる金持ち相手に働くシャイは、裕福なボスの娘・アンドレアと恋に落ちる。
しかしアンドレアの父と兄は、交際に大反対。2人は人目を盗んで純愛を育んでいく。
一方、脱税の容疑でFBIに追われ、アメリカから逃れてきたエリート・ビジネスマンのリドリーと、1人娘のピッパ。
状況を何も知らされず、強引に島に連れてこられたピッパは父に反発。出会ったばかりのお調子者リッチーに誘われるまま、夜の街へ繰りだすが……
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ケイマン諸島といえば“タックス・ヘイヴン”の地。
行った事はもちろんないし、正直に言ってそれ以上の印象はない。
その地を舞台にして二つの物語が展開される。

地元の青年シャイの恋愛物語とまさに“タックス・ヘイヴン”を利用してきたエリート・ビジネスマン、リドリーと娘の物語。
その二つの話は偶然同じ夜に大きな展開をみせるのであるが、その夜を中心に平行して描かれる。
わずかに交叉するだけで互いに関係するわけではない。

言ってみれば、“タックス・ヘイヴン”を利用しに訪れる金持ちとその金持ちが落とすお金で潤う地元の人間という裏表の人間模様といったところか。
シャイは幼い頃父親を殺され、バイトで稼ぐ貧しい青年。
島の金持ちの娘アンドレアと恋仲になるも、そんな貧しい青年との付き合いを父親や兄は許さない。
そればかりか兄は実力でシャイを排除しようとする・・・

一方脱税容疑で追われるビジネスマン・リドリー。
FBIに追われ、慌てて娘とこの地に逃れてくる。
そんなリドリーにはFBIの手が、そして娘には地元のナンパ師の手が忍び寄る・・・

オーランド・ブルームの出演作品だという事で観る気になったが、正直見所はそれくらいか。
二つの物語が何やらどこかで交わるのかと思いきや交わらずに終わった。
二つの階級の人々の人間模様を淡々と描いた、という事なのであろうか。
観終わって後に残るものがあまりない映画であった。
終わった後に「それで?」と問いかけたくなる映画である。


評価:★☆☆☆☆
posted by HH at 23:18 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ