2008年01月27日

ブロークバック・マウンテン

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原題: Brokeback Mountain
2005年 アメリカ
出演: ヒース・レジャー/ジェイク・ギレンホール/ミシェル・ウィリアムズ/アン・ハサウェイ

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1963年、ワイオミング州ブロークバック・マウンテン。
農場に季節労働者として雇われたイニスとジャックはともに20歳の青年。
対照的な性格だったが、キャンプをしながらの羊の放牧管理という過酷な労働の中、いつしか精神的にも肉体的にも強い絆で結ばれていく。
やがて山を下りたふたりは、何の約束もないまま別れを迎える。
イニスは婚約者のアルマと結婚、一方のジャックは定職に就かずロデオ生活を送っていた……
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アメリカワイオミング州。
田舎というよりほとんど大自然の中(ブロークバックマウンテン)でひと夏羊の群れの番をする二人のカウボーイが、やがて許されざる関係になり苦悩するというお話。
もっとも舞台は1963年からとなっているので、ゲイ先進国のアメリカでもまだゲイが市民権を得ていなかったため「許されざる関係」になってしまったのだろう。

過去にゲイの男がリンチを受けて殺されるところを目撃したイニス(ヒース・レジャー)が、それがトラウマでジャック(ジェイク・ギレンホール)と二人で暮らす事に抵抗する。
きっと今なら二人幸せに暮らしてハッピー・エンドなのだろう。

そういう時代背景だからであろうか、二人は山を降りた後別々に「普通の生活」を送る。
結婚して子供ができて、表面的には幸せなファミリーを築く。
だが、互いに「ブロークバック・マウンテン」での出来事が忘れられない。
再会を機に関係が復活する。
離れて暮らすゆえに会えるのは年に数回。
しかも人目を気にして、あるいはブロークバック・マウンテンを思い出してか会うのはいつも山の中。

時間の経過を二人の子供の成長具合で表している。
特に断らなくてもはっきりわかる。
こういう表現も映画ならではだろう。
最後に19歳の娘が訪ねてくる事によって、二人の関係が20年続いている事がわかるのである。

ブロークバック・マウンテンが出発点であり、常に心にブロークバック・マウンテンがある二人の心情は、普通の男女間であったら「マディソン郡の橋」のような恋愛映画になったのかもしれない。
なにかと物議を醸したようであるが、こういう映画が作られるアメリカもスケールが大きい。

さる1月22日(アメリカ現地時間)に主演のヒース・レジャーが亡くなったとの事、まだ28歳なのに残念である。


評価:★★☆☆☆
posted by HH at 11:15 | 東京 | Comment(0) | TrackBack(3) | ドラマ

2008年01月11日

記憶の棘

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原題: Birth
2004年 アメリカ
出演: ニコール・キッドマン/キャメロン・ブライト/ダニー・ヒューストン/ローレン・バコール

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ニューヨークで家族と暮らすアナは、30代の未亡人。
10年前に夫のショーンを心臓発作で亡くして以来、悲しみにくれていたが、最近になりようやく新しい恋人、ジョゼフのプロポーズを受ける決意がついた。
ところが2人の婚約パーティーの夜、ひとりの少年がアナのもとを訪ねてくる。
少年は「僕はショーン、君の夫だ」とアナに告げる。最初は信じていなかったアナだが、死んだ夫と自分しか知らない出来事を、ショーン少年が話し出すうち、疑いが生じ出す。
「彼は本当に生まれかわりかもしれない」と・・・
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なんとも不思議な出だしで映画が始まる。
アナの目の前に突然現れた10歳の少年が、10年前に死んだ自分の夫だと言う。
いわゆる生まれ変わりである。

忘れかけていた最愛の夫。
しかも新しい恋人との結婚が決まったばかり。
そんな時に・・・

こういう時に本人しか知りえない事を聞くのは常套手段。
だが、次々に質問に答えて行く少年。
次第に信じて行くアナ。
一方で謎めいた行動を取る亡き夫の親友の妻。

見ているうちに二コール・キッドマンの別の映画「アザーズ」を思い出した。
なんとなく映画の雰囲気が似ている。
「アザーズ」同様に最後に「あっ」と言わせるようなオチがあるのかなと期待してみていた。
だが、結末は意外な方向へ展開する。
謎めいた行動の理由も判明する。
スリラーでもサスペンスでもなく普通のドラマであった。
普通であるがゆえになんとなくアナに同情してしまった。

もしも最愛の人が亡くなって、ある日突然「生まれ変わりだ」と称する子供が現れたらどうするだろうか?
そんな事をちょっと考えてみた。
自分が生まれ変わった方だったら・・・
そんな事を想像してみるのもいいかもしれない。


評価:★★☆☆☆
posted by HH at 00:20 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2008年01月08日

トゥー・フォー・ザ・マネー

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原題: Two For The Money
2005年 アメリカ
出演: アル・パチーノ/マシュー・マコノヒー/レネ・ルッソ

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幼い頃からスポーツに親しんできたブランドン・ラング(マシュー・マコノヒー)。
大学のフットボールでスター選手となり、プロも注目する最終戦の大舞台で致命的な怪我をしてしまう。
6年が経ち、電話の受付をしながらプロへの道を探るラング。
ふとした事から得意とするスポーツの勝敗予測をするようになるが、その的中率が業界で力を振るうウォルター・エイブラムス(アル・パチーノ)の目に留まったのだった・・・
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スポーツの勝敗予想などという職業は日本にはないが、ブックメーカーなどという名で盛んなところも海外にはあると聞く。
アル・パチーノが圧倒的な存在感で登場する。

個人的に「ゴッド・ファーザー」「ゴッド・ファーザーPARTU」以来のファンであるので、やっぱり彼の名を見つけると見てしまう。
最近は単独で主演というよりも若手と組んだり、「オーシャンズ13」のように敵役・悪役に回ったりする事も多い。
だが、どういう形であれその存在感は揺るぎがたい。
本作の破滅嗜好的な社長も迫力満点である。

「リクルート」もそうであったが、才能を見出し手塩にかけて育てた若者がやがて自分を凌ぐ実力を発揮し始めた時の葛藤というものがよく出ている。
役柄が年を重ねたアル・パチーノ自身によくマッチしているように思えるのだ。

若手のマシュー・マコノヒーも若者が内面の充実なくして突然金と力を持つとどうなるかという例をこれでもかと見せてくれる。
天国と地獄の両方を味わう姿に、やっぱり地道に力をつけないといかんよなと自戒の念を持つ。

最後はちょっとしたハッピーエンド。
本来の姿に戻ったマコノヒーに後味の良い映画だ。


評価:★★★☆☆
posted by HH at 22:54 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(1) | ドラマ

2008年01月05日

ジャケット

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原題: The Jacket
2005年 アメリカ=ドイツ
出演: エイドリアン・ブロティ/キーラ・ナイトレイ/ジェニファー・ジェイソン・リー

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1992年。
湾岸戦争での頭部の負傷が原因で記憶障害になったジャックは、ある殺人事件に巻き込まれ精神病院に送られてしまう。
拘束衣(ジャケット)を着せられ、死体安置用の引き出しの中に閉じ込められるという実験的療法を受けた彼は、気がつくと15年先の2007年へとタイムスリップしていた。
そこで出会ったジャッキーというウェイトレスから、自分が4日後に死ぬことを告げられたジャックは、自分の死の真相を探ろうとするが…
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湾岸戦争で頭部に負傷を負ったジャック。
ある事件を機に精神病院に入れられてしまう。
そして「治療」と称して「拘束衣=Jaket」を着せられる。
そのまま死体安置用の引き出しの中に入れられるが、気がつくと15年後の2007年の世界にいる。
1992年と2007年の世界を往復しながらの謎解きが始まる。
タイトルのジャケット=拘束衣がこのタイムスリップのキーとなる。

ちょっと変わった内容の映画であるが、気がつくとすっかり引きずり込まれていた。
1992年にふと知り合った少女が2007年には大人の女性になっている。
これがキーラ・ナイトレイ。
「パイレーツ・オブ・カリビアン」でお馴染みであるが、ここでも印象的な瞳は変わらず。
不思議な物語を受け入れ、主人公ジャックに協力して謎解きに付き合う。

怪しげな医師は久しぶりにお目にかかったクリス・クリストファーソン。
大分雰囲気が変わっていた。
新ジェームス・ボンドのダニエル・クレイグも入院患者として登場。
とてもボンドのイメージに結びつかない。
役者って面白いものである。

ジャックのエイドリアン・ブロディは、「戦場のピアニスト」のピアニストそのままの気の弱いひょろっとした男として出てくる。
不思議な経験をする男にぴったりとくる。

なんとなくよく知っている俳優がたくさん出てくる。
ストーリーも面白いし、エンディングも予想をちょっと裏切られて楽しめた。
2008年のスタートとしては満足のいく映画である。


評価:★★★☆☆
posted by HH at 22:48 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2007年12月31日

ローズ・イン・タイドランド

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原題: Tideland
2005年 イギリス=カナダ
出演: ジョデル・フェルランド/ジェフ・ブリッジス/ジェニファー・ティリー

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世話の焼けるママが突然死んで、逃げるように元ロックスターのパパと街を出てテキサスにあるお祖母ちゃんの家にやってきた10歳のジェライザ=ローズ。
お祖母ちゃん亡き後ほったらかしだったボロ家に辿り着く早々、パパはクスリで“バケーション”に出てしまい、仕方なく親友のバービー人形の頭を連れて探検を開始する。
意味不明な言葉を発するリスを追って秘密の屋根裏部屋を見つけ、家の周りに広がる金色の草原では幽霊女に出くわして…
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ロックをやる父親と怠惰な母親。
家の中はゴミだらけ。
おまけに父親が打つクスリの準備をさせられる・・・
そういう環境下で育ったローズ。
もの凄い環境下なのだが、生まれた時から当たり前になってしまっていると本人にとっては違和感はないものなのかもしれない。

母親が発作で死んでしまい逃げるようにして父親と父親の実家に転がり込む。
だけどそこは廃墟。
さっそくクスリを打つ父親だが、椅子に腰掛けたまま死んでしまう・・・
ローズはそれに気付かず一人遊びを続ける。
空想の世界で友達と遊ぶのが楽しみなのだ。

なんとも不思議な感じの映画だ。
不思議な国のアリスになった気分のローズの空想と近所に住むちょっと変わった親子との交流で映画が進む。
当初は何かファンタジー系の映画かと思っていたが、まったく違っていた。

エンディングの列車事故が何を意味するのかよくわからなかった。
主演の少女ローズは独壇場に近いが大したものだと関心する。
人によっては評価は分かれるのかもしれない映画だが、ローズの評価は高いのではないだろうか。
これが2007年最後の映画でした。


評価:★★☆☆☆
posted by HH at 16:30 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(1) | ドラマ