2007年09月29日

イノセント・ラブ

a home at the end of the world.jpg

原題: A HOME AT THE END OF THE WORLD
2004年 アメリカ
出演: コリン・ファレル/ダラス・ロバーツ/ロビン・ライト・ペン

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9歳の時、事故で最愛の兄を失ったボビーは、その後両親を亡くし、親友・ジョナサンの家に引き取られる。
兄弟同然に育つ2人の友情は形を変え、ついには肉体関係を結んでしまう。
高校卒業後、ジョナサンはボビーから逃れるようにニューヨークに行ってしまうのだが…。
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9歳の少年ボビーにとって憧れの兄。
女にドラッグに音楽と幼い弟にはかっこよく見える。
それが突然の事故死。
9歳から高校生へと成長するボビー。
二人の役者が演じているが、そっくりそのまま成長したように良く似ている。
画面が少年ボビーの表情が高校生ボビーに自然に切り替わるのは面白い。

その高校生のボビーが親友ジョナサンと知り合い、ジョナサンの家に泊まったある夜、二人はどちらからともなくお互いの体に手が伸びる・・・
さり気ない手の動きが二人の心境がよく現れていた。

高校を卒業した二人はやがてクレアという女性を加えて3人で生活を始める。
このクレアとボビーが結ばれる。
なんとボビーはバイセクシュアル。

コリン・ファレルと言えば「アレクサンダー」「リクルート」「マイノリティ・リポート」などの印象が強く、ちょっとか弱そうなバイセクシュアルという役柄はピンとこないが、自然に演じてしまっているのが「役者」という感じがする。

原題の「A home at the end of the world」は最後にその意味がしみじみとわかるタイトルであるが、邦題の「イノセント・ラブ」というタイトルも映画の内容とよくマッチしていてそれなりに良いタイトルだと思う。
ちょっと禁断の世界を覗いてみたい方には入門編として良いかもしれない。


評価:★★☆☆☆

posted by HH at 22:25 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2007年09月22日

レミゼラブル

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原題: Les Miserables
1997年 アメリカ
出演: リーアム・ニーソン/ジェフリー・ラッシュ
    ユマ・サーマン

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1812年のフランス。仮出獄したジャン・バルジャン(リーアム・ニーソン)は老司教(ピーター・ボーン)のところから銀食器を盗み警察に捕まるが、この出来事でバルジャンの心は変化する。
9年後。バルジャンは市長になっていた。
そこへかつて彼に鞭をふるったジャベール警部(ジェフリー・ラッシュ)が赴任してきた。
その頃、職を追われたファンテーヌ(ユマ・サーマン)は娼婦となったが、いさかいで逮捕されてしまう・・・
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原作はあまりにも有名なヴィクトル・ユゴーの小説。
映画の他ミュージカルでもロングランを続けている。

ユゴーが生まれたのは19世紀前半。
「レミゼラブル」も19世紀前半のお話。
つまり、ユゴーは自分の生きている時代をそのまま物語の舞台にしたのだ。
当時の時代背景もまた興味深い。

たった一切れのパンを盗んだだけで19年間の牢獄生活を送るジャン・バルジャン。
今では考えられない。
食糧事情が現代とでは比較にならないくらい悪く、それゆえパン一切れの重要性も現代以上ではあったであろうが、それにしても、である。

そして仮釈放で出獄したが、誰も泊めてくれるもののないジャン・バルジャンに仮出獄中とわかっていて尚且つ泊めて食事まで振舞ってくれる老司教。
なのに銀の食器を盗み出すバルジャン。
警察に捕まってしまうが、司教は「あげたものだ」とバルジャンを庇う。
キリスト教の赦しである。

以後バルジャンは真人間になっていくばかりか、人々に自分が得たものを返していく。
そんなバルジャンを追う警部。
当時は時効という概念もなかったのであろうか。
再び牢獄送りとなる恐怖と戦いながらもバルジャンの善行は続く。
まさに「無情」とも言うべき人々の行為とバルジャンの善行が対比される。
無情な行為にやるせない思いがし、バルジャンの善行に救われた気持ちになる。

キリスト教の愛がバルジャンを通して全編に溢れる。
もしもこんな信徒ばかりであったら、世の中ははるかに素晴らしい世界となるのだろう。
必ずしもそうでないところが人間の限界なのである。

ともあれ映画やミュージカルになり長く親しまれている理由はよくわかる。
ラストは原作では途中のところでカットされてたが、原作のダイジェスト版としても一度は見ておきたい映画である。


評価:★★★☆☆
posted by HH at 11:00 | 東京 ☀ | Comment(1) | TrackBack(2) | ドラマ

2007年09月05日

アンジェラ

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原題:ANGEL-A
2005年フランス
出演:リー・ラスムッセン/ジャメル・ドゥブーズ

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一旗あげようとアメリカからパリにやってきたものの、多額の借金を作ってしまったアンドレ。
借金取りに「48時間以内に金を返さなければ、命はない」と言い渡された彼は、アレクサンドル三世橋からセーヌ川に身を乗り出す。
その瞬間、隣に現れた長身の美女が「あなたと同じことをする」と告げると、突然川に飛び込んでしまう。
死なせたくない。
とっさにそう思ったアンドレは、彼女を追って川に飛び込むのだが…
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たぶん苦し紛れだったのだろう。
よりにもよってヤバイところから金を借りてしまった男アンドレ。
借金を返せなければ殺されるという絶体絶命の窮地に陥った彼の前に突然現れたなぞの美女。
これが実は天使だった。

名前もアンジェラ=ANGEL−Aと天使そのもの。
天使=美女というのはわかるのだが、たばこをスパスパ吸ったりする。
身長180cmの美女というのは日本人的には圧倒されそうである。

最初はおどおどしていたアンドレ。
天使に助けられ、次第に自信を取り戻していく。
天使との別れ際、将来の成功を伝えられるがそれを無視して大胆な行動にでるまでになる。

舞台は全編がパリ。
そして画面は最初から最後までモノクロ。
パリの街には行ったことはないが、モノクロだと神秘性が宿って見える。
多分普通のカラーだったら映画の雰囲気もワンランク落ちていたに違いない。
モノクロゆえにわかる「色」があるのだ。

モノクロのパリの街と天使。
不思議な雰囲気の中で夢を見ているような映画である。
つくづく映画は演技だけではないと思う・・・


評価:★★☆☆☆

posted by HH at 23:50 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2007年08月26日

嫌われ松子の一生

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2006年 日本
出演: :中谷美紀/瑛太/伊勢谷友介/香川照之

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昭和22年。
福岡県でひとりの女の子が誕生した。
お姫様のような人生を夢見る彼女の名は川尻松子。
教師になり爽やかな同僚とイイ感じになるも、セクハラ教師のせいで辞職に追いやられる。
ここから、松子の転落人生が坂を転がり落ちるがごとく、始まっていく。
愛を求める松子の前にはさまざまな男が現れるが、彼女の選択はことごとく不幸へと繋がってしまうのだった。
53歳、河川敷で死体となって発見された彼女の生涯を探る甥が見たものは?
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原作はベストセラーになった小説。
小説を読んで映画も是非見てみたかった。
小説が面白いと映画もついそれと同じものを期待してしまうものだ。

だがこの映画はだいぶ味付けが違った。
主人公の松子は小説になるくらい不幸な人生を歩む。
社会の暗い底辺をもがきながら歩むのだ。

だが、映画ではミュージカル仕立ててでそれを明るく描く。
原色を使い花びらが舞うのだ。
意図あっての事だろうし、それをよしとする人もいるだろうが、個人的には拒絶反応しか起きない。
原作通りの暗い雰囲気の方がかえって「伝わる」と思うのだ。

周りから嫌われ最後は殺されてしまった松子。
普通なら同情もされないだろう。
部屋の整理を頼まれ嫌々ながら引き受けた甥が、ふとした事から松子の人生を追いかける形でストーリーは進む。
浮浪者にも近かった嫌われ松子にも「人生」があったのであり、ストーリーとしては映画も面白い。
ホームレスの人にもそこにいたる人生はあるのであり、それがどういったものかは興味深いがそんな事も考えてしまう。

そんな松子だが、一緒に人生をたどるとその時その時で明るい人生に浮上するチャンスはあったと思う。
その時々の選択ミスで暗い底辺を離れられなかったのだ。
そう考えると不幸な環境は自ら招いたものであり、またそこから脱出するのも自らの考え方だと言えなくもない。

原作との違いはやはりあるが、映画は映画として十分楽しめる(つくづく演出が残念だ)。
原作を読んでいない方は読んでみても面白いと思う。


評価:★★☆☆☆
posted by HH at 11:07 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(1) | ドラマ

2007年08月25日

アメリカ家族のいる風景

dontcome.jpg

原題: Don't Come Knocking
2005年 ドイツ、アメリカ
出演: サム・シェパード/ジェシカ・ラング

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西部劇のスターだったハワードは、新作の撮影現場から突然逃げ出し、故郷に向かう。
そこで彼は、久々に再会した母から驚きの事実を聞かされる。
彼の子供を身ごもったというモンタナの女性から連絡があったというのだ。
ハワードは自分の子供を探し出すため、モンタナ州ビートの町へと車を走らせる。
昔の恋人との不安まじりの再会、息子の反発、骨壷を抱えた不思議な少女との出会い。
ハワードの心の孤独は深まるばかりだが…
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映画俳優のハワード・スペンス。
撮影の途中で急遽撮影所を抜け出す。
あてもなく移動し、母親のもとを訪ねる。

彼が何でそんな行動に出たのか?
母親の実家でゴシップ記事満載の自分のスクラップブックを見つけたハワードの目を通じて原因がわかってくる。

俳優としての名声を享受し、富も名声も女にも不自由しない生活。
だが、本当に必要だったのはもっと血の通ったもの・・・
特に解説するわけでもなく、見ているものにそう思わせる手法はなるほどと思う。

突然子供がいると知らされ、わずかな心当たりを頼りに訪ねて行く。
それは「家族」への想い。
サラリと見ていてはわからないかもしれない。
噛めば噛むほど味わえるような映画。
逆に言えば噛まないとわからないかもしれない。

それはそうとジェシカ・ラング。
初めて見たのは小学生の時の「キングコング」。
可憐なヒロインがすっかり貫禄のある母親。

なぞの少女のサラ・ポーリー。
最初は「キル・ビル」のユマ・サーマンかと思ってしまったが、よく似ている。
脇役も味わい溢れている・・・


評価:★☆☆☆☆
posted by HH at 20:50 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ