2007年12月31日

【ローズ・イン・タイドランド】My Cinema File 155

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原題: Tideland
2005年 イギリス=カナダ
監督: テリー・ギリアム
出演: 
ジョデル・フェルランド:ジェライザ・ローズ/人形の声
ジェフ・ブリッジス:ローズの父親ノア
ジェニファー・ティリー:ローズの母親
ジャネット・マクティア:デル
ブレンダン・フレッチャー:ディケンズ
サリー・クルックス:デルの母親

<映画.com>
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「ブラザーズ・グリム」のテリー・ギリアム監督が、少女の幻想的な想像力を独自の世界観で映像化。母親が急死して、元ロック・スターでジャンキーの父親と草原の中のボロ家にやってきた女の子、ジェライザ=ローズ。孤独な彼女の前に、次々と不思議なことが起こり始める……。主演のジョデル・フェルランドは人気ゲームの実写版『サイレントヒル』にも出演。父親役には「シービスケット」のジェフ・ブリッジス。
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世話の焼けるママが突然死んで、逃げるように元ロックスターのパパと街を出てテキサスにあるお祖母ちゃんの家にやってきた10歳のジェライザ=ローズ。
お祖母ちゃん亡き後ほったらかしだったボロ家に辿り着く早々、パパはクスリで“バケーション”に出てしまい、仕方なく親友のバービー人形の頭を連れて探検を開始する。
意味不明な言葉を発するリスを追って秘密の屋根裏部屋を見つけ、家の周りに広がる金色の草原では幽霊女に出くわして…

ロックをやる父親と怠惰な母親。
家の中はゴミだらけ。
おまけに父親が打つクスリの準備をさせられる・・・
そういう環境下で育ったローズ。
もの凄い環境下なのだが、生まれた時から当たり前になってしまっていると本人にとっては違和感はないものなのかもしれない。

母親が発作で死んでしまい逃げるようにして父親と父親の実家に転がり込む。
だけどそこは廃墟。
さっそくクスリを打つ父親だが、椅子に腰掛けたまま死んでしまう・・・
ローズはそれに気付かず一人遊びを続ける。
空想の世界で友達と遊ぶのが楽しみなのだ。

なんとも不思議な感じの映画だ。
不思議な国のアリスになった気分のローズの空想と近所に住むちょっと変わった親子との交流で映画が進む。
当初は何かファンタジー系の映画かと思っていたが、まったく違っていた。

エンディングの列車事故が何を意味するのかよくわからなかった。
主演の少女ローズは独壇場に近いが大したものだと関心する。
人によっては評価は分かれるのかもしれない映画だが、ローズの評価は高いのではないだろうか。
これが2007年最後の映画でした。


評価:★★☆☆☆




posted by HH at 16:30 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(1) | ドラマ

2007年12月22日

【麦の穂をゆらす風】My Cinema File 150

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原題: The Wind That Shakes the Barley
2006年 イギリス=アイルランド=フランス
監督: ケン・ローチ
出演: 
キリアン・マーフィ:デミアン・オドノヴァン
ポーリック・デラニー:テディ・オドノヴァン
リーアム・カニンガム:ダン
オーラ・フィッツジェラルド :シネード・ニ・スーラウォーン

<シネマトゥデイ>
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イギリスの名匠ケン・ローチによる、カンヌ国際映画祭パルムドールに輝いた人間ドラマ。20世紀初頭のアイルランド独立戦争とその後の内戦で、きずなを引き裂かれる兄弟と周囲の人々の姿を描く。主演は『プルートで朝食を』のキリアン・マーフィが務め、戦いの非情さに心を痛めながらも祖国の自由を願う青年を熱演。アイルランド伝統歌の名曲「麦の穂をゆらす風」にのせてつづられる、歴史と運命に翻ろうされた人々の悲劇が胸に迫る。
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1920年のアイルランド南部の町・コーク。医者を志す青年デミアンはロンドンでの勤務がきまり、アイルランドを離れようとしていた。そんな時、仲間がイギリスから送り込まれていた武装警察ブラック・アンド・タンズの暴行を受け、命を落としてしまう。事件をきっかけに医師になる志を捨てたデミアンは、やがてアイルランド独立を目指す戦いに、仲間とともに身を投じていく。そんな彼らのゲリラ戦に苦しめられたイギリスは停戦を申し入れ、戦いは終結するのだが、両国間に結ばれた講和条約の内容の是非をめぐって、アイルランドは内戦に突入してゆくのだった・・・

日本人にとってはあまり馴染みのないアイルランド史。世界史の教科書にも載っていなかった。
だが、こうして映画化されると皆の知るところとなる。映画の良いところだろう。
第59回カンヌ国際映画祭 パルムドール受賞作品である。

冒頭、平和なアイルランドの田舎で独自のスポーツに興じる若者達の前に突然現れる英国の武装警察。
スポーツでも「集会」とみなされ、集会禁止の規定に違反したという理由で理不尽な扱いを受ける。
そして反抗した17歳の若者が殺されてしまう。
こうした英国の統治がアイルランド人の怒りを買い、やがてIRAとして反英闘争へと繋がる。

この映画では英国は完全に悪役だ。
7つの海を支配した大英帝国の支配者としての驕りが描かれている。
まさに「立場が変われば見方も変わる」である。

映画はある兄弟の反英闘争を中心に進む。
危険を犯し、拷問に耐え、英国兵を殺す。
殺された英国兵の立場からすれば、「憎きIRAテロリスト」となるのだろうなと感じる。

そしてようやく勝ち取った不完全な勝利。
その「不完全」さゆえにアイルランドは賛否を巡って分裂し内戦状態となる。
ともに戦ってきた兄弟も袂を分かち、やがて悲劇的な対立となる。

背景となるアイルランドの田園風景も印象的。
何も語らずとも何かを語りかけてくる。
小説では伝わらない。
「見せる」映画ならではだ。
そんな風景を眺めつつ、アイルランドの歴史を学ぶのも良いかも知れない・・・


評価:★★☆☆☆





posted by HH at 11:37 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2007年12月16日

【ブロークン・トレイル遥かなる旅路】My Cinema File 148

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原題: Broken Trail
2006年 アメリカ
監督: ウォルター・ヒル
出演: 
ロバート・デュバル:プレンティス・“プリント”・リッター
トーマス・ヘイデン・チャーチ:トム・ハート
グレタ・スカッキ:ノラ・ジョンズ夫人
クリス・マルケイ:エド・“ビッグ・イアーズ”・バイウォーターズ
ラスティ・シュウィマー:“ビッグ・ランプ”・ケイト・ベッカー

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1898年、アメリカ西部。ベテラン・カウボーイのプリントは、彼の甥トムと牧場の独立資金を得るべく、500頭もの馬を売る旅に出る。オレゴン州からワイオイミング州という長い道中で、娼婦として売られた中国人の娘5人を連れた男と遭遇。そして一緒に旅をしたいと提案してきたその男に、睡眠薬を飲まされて馬と金を奪われる。だが、すぐさま見つけ出した男を絞殺して馬と金を奪回、捕らわれの身の娘も救出する。そして、言葉も通じない異郷の地に戸惑う彼女たちと、共に旅をすることに・・・
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本作品はテレビ映画である。
第59回エミー賞受賞作品らしい。

もともとウエスタンは好きなのでさっそく見てみた。
ロバート・デュバルと言えば「ゴッドファーザー」ではコルレオーネファミリーの渋い役をこなしていたのが印象的だ。

本作品では年老いたカウボーイ。
体力では劣るものの、知識と経験から若い甥をリードする伯父さんだ。
雇われカウボーイで燻る甥の尻を叩き、老骨に鞭打って一山目指す。

心優しき二人が500頭の馬を運ぶ道中が物語だ。
道中、娼館に売られて行く中国人娘5人を拾うことになる。
荒くれ西部に放り出すのは狼の群れの中に羊を置き去りにするようなものと一緒に連れて行く。
インディアンや娼館からの追っ手やらの中で500頭の馬を無事に届けなければならない。

雄大な西部を多数の馬を追うシーンは見ごたえがある。
お約束のガンファイトもありエミー賞も頷ける。
また当時のカウボーイの生活振りが伺えて別の意味で興味深い無作品だ。

最後のテロップで登場人物のその後が出てきた。
という事は実話なのだろうか?
そう考えるとなかなか重みのあるロードムービーである。


評価:★★☆☆☆
posted by HH at 23:07 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2007年11月25日

【ALWAYS 続・三丁目の夕日】My Cinema File 142

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2007年 日本
監督: 山崎貴
出演: 
吉岡秀隆:茶川竜之介
堤真一:鈴木則文
小雪:石崎ヒロミ
薬師丸ひろ子:鈴木トモエ
堀北真希:星野六子
小清水一揮:鈴木一平
須賀健太:古行淳之介
三浦友和:宅間史郎先生

<シネマトゥデイ>
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日本アカデミー賞ほか数多くの映画賞を総ナメにした感動の大ヒット作『ALWAYS 三丁目の夕日』の続編。前作終了から4か月後、昭和34年に春の夕日町三丁目に住む人々の姿を描く。パワーアップしたVFX技術により東京駅、羽田空港、日本橋、また当時開通した、こだまもリアルに再現。情緒あふれる風情で物語を引き立てる。キャストは前作に引き続き吉岡秀隆、堤真一、小雪、堀北真希ら豪華な面々が勢ぞろいする。VFX技術と俳優の熱演が融合し、あらゆる世代が共感できる感動のドラマに仕上がっている。
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昭和34年春。
東京オリンピックの開催が決定し、日本は高度経済成長時代に足を踏み入れようとしていた。取引先も増え、軌道に乗ってきた鈴木オートに家族が増えた。
事業に失敗した親戚の娘、美加を預かることにしたのだ。
しかし、お嬢様育ちの美加と一平は喧嘩ばかり。
一方、一度淳之介を諦めた川渕だが、再び茶川の所にやってくるようになっていた。
淳之介を渡したくない茶川は、再び芥川賞に挑戦しようと決意する…

前作から続く昭和34年の東京。前作そのままの登場人物が嬉しい。
原作から取り寄せた珠玉のエピソードが一つ一つ登場人物に散りばめられている。
それゆえにこの映画は一人一人の登場人物みんながそれぞれ主役という感じがする。
それぞれの人にそれぞれの人生が当然のようにあるのだ。
心に残るエピソードに共通するのは「誰かのために何かをする」というもの。
茶川さんと淳之介だったり、一平と美加だったり、茶川さんを応援するご近所さんだったり・・・

それだけではない。
まだ戦争の影があちこちに残る時代。
戦争によって人生が変わってしまった人々のエピソードも味わい深い。
鈴木オートのご主人と奥さんのそれぞれだったり、タクマ先生しかり・・・

それらのエピソードは映画で語られるものばかりが心に残るわけではなく、見るものに想像させてしまう部分も大いにある。
きっとこうだったんだろうなと想像してしまうのである。
そんなうかがい知れるものも含めてのエピソードの数々は涙腺のゆるい人には要注意だ。

また昭和34年という時代の映像もまた主役と言えるだろう。
完成したばかりの東京タワー、3丁目の町並み、首都高が通る前の日本橋、新幹線ができる前の東京−神戸間を結んでいた特急こだま・・・
映像技術の進歩は本当に素晴らしいと思う。

良い映画を見たあとは人生得したなといつも思うが、これもその1本と言える映画である・・・


評価:★★★★☆





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posted by HH at 18:30 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(3) | ドラマ

2007年11月24日

【博士の愛した数式】My Cinema File 141

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2005年 日本
監督: 小泉堯史
出演: 
寺尾聰:博士
深津絵里:杏子
齋藤隆成:ルート
吉岡秀隆:ルート(成人)
浅丘ルリ子:未亡人
井川比佐志:家政婦紹介所所長

<シネマトゥデイ>
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50万部を超えるベストセラー小説を原作に、『雨あがる』『阿弥陀堂だより』の小泉堯史監督が映画化した感動のヒューマンドラマ。交通事故で記憶が80分しか続かない天才数学者の主人公を、小泉監督と3度目のコンビとなる寺尾聰が静かに力強く熱演。彼の世話をする家政婦に深津絵里、彼女の10歳の息子に子役の齋藤隆成。家族にも似た関係性の中で人を愛することの尊さを問いかける。彼らの心の機微を美しく切り取る映像美も味わい深い。
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数学教師のルート先生は、新しく受け持ったクラスで、自分の名前の由来を語り始める。それは幼い頃、彼が大好きな博士が名づけてくれた仇名だった。シングルマザーだったルートの母は、事故の後遺症で記憶障害を負った数学博士の家で、家政婦として働き始めた。ある日、彼女に10歳の息子がいることを知った博士は、家へ連れてくるように告げる。その日から、博士と母、ルートの3人の和やかな日々が始まるのだが…

事故の影響で記憶が80分しか持たない数学者と家政婦として世話をするシングルマザーの母とその子。
3人の交流を描いた心温まる映画である。
物語は家政婦の子供が数学の教師となり、教壇でなぜ自分が数学に興味を持ち、数学の教師となったかを自己紹介を兼ねて始めるところからスタートする。

ここには映画のストーリーのイントロダクションとしての意味合いと同時に数学という学問そのものに対するイントロダクションという意味があると思う。
実際、ストーリーが展開する中で出てくる数学はすべて簡単に理解できるが奥深いものである。

素数、完全数、友愛数等々の話は聞いていて大変興味深い。
「数学」と聞くと途端に拒絶反応を起こす人でも抵抗なく聞ける話しである。
1年間の授業の最初に、この映画のイントロのようにこんな数学の話を聞けたなら、数学への興味もみんな持つのではないだろうか。

誕生日、野球選手の背番号、靴のサイズ、電話番号等々と我々の周りに溢れている数字。
そんな数字から様々な数式を解説する教授。
そういえば「ダ・ヴィンチ・コード」にもフィボナッチ数列の話が出てきた。
興味を持って接してみると面白いと思う。

映画を見ながら数学の勉強も出来る。
そんなメリットも楽しめる映画である・・・


評価:★★★☆☆





posted by HH at 12:37 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ