
原題: The Roundup
2022年 韓国
監督: イ・サンヨン
出演:
マ・ドンソク:マ・ソクト
ソン・ソック:カン・ヘサン
チェ・グィファ:チョン・イルマン
パク・ジファン:チャン・イス
ホ・ドンウォン:オ・ドンギュン
ハジュン:カン・ホンソク
チョン・ジェグァン:キム・サンフン
<シネマトゥデイ>
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マ・ドンソク主演『犯罪都市』の続編で、韓国とベトナムを行き来しながら容疑者らを追い詰めていく刑事たちの死闘を描くクライムアクション。韓国の強行犯係の腕利き刑事たちが、凶悪犯を追い詰める。監督を手掛けるのはイ・サンヨン。マ・ドンソクが主人公を演じ、『恋愛の抜けたロマンス 』などのソン・ソックをはじめ、前作でもマ・ドンソクと組んだチェ・グィファ、パク・ジファンらが出演している。
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プロレスラー並みの肉体で犯罪者たちをちぎっては投げの活躍を見せたマ・ソクト刑事のシリーズ第2弾。冒頭、スーパーで刃物を振り回し、人質を取って立て籠もる事件が発生する。遠巻きに取り巻くだけの警察官たちを横目に、ずかずかと店に入っていき、あっという間に犯人を取り押さえる。冒頭のご挨拶としてはよくあるパターンであるが、内容に期待させてくれる。ところが、マスコミはこの活躍を警察権力の過剰行使として面白おかしく書きたてる。
頭を抱えたのは上司。しばらくマ刑事をマスコミの眼から離そうと、折からベトナムで身柄を拘束されたユ・ジョンフン容疑者の身柄引き取りの任務を与える事にする。チョン・イルマン警部とともにホーチミン市へと向かう2人。さっそく韓国領事館でジョンフンを尋問する。わざわざ自首してきた理由が怪しい。そこで強引に自白させる。その証言を元に隠れ家にやってきたマとチョンであるが、到着した時にはジョンフンの仲間は殺されている。
まだ隠している事があると、再びジョンフンを尋問にかけるマ刑事。すると仲間が殺されていたとわかり、とうとうジョンフンは金で誘拐や殺害など何でもするというカン・ヘサンと組んでいたことを話し出す。ジョンフンと仲間は、カンとともに韓国人の青年を誘拐し、身代金を要求していたが、誘拐したチェ・ヨンギという青年をカンはあっさり殺してしまう。その残忍さに怯えたジョンフンと仲間は、言われるがまま遺体を埋めさせられたと自白する。
マ刑事は自白に基づいてジョンフンに聞いた場所を掘り返し遺体を発見する。しかも遺体は1つではない。同じような誘拐殺人を繰り返していた事がわかる。しかし、地元のベトナム警察は外国人が勝手に捜査をしていた事を問題視し、中止を命じる。そうは言っても被害者はみな韓国人であり、マ刑事はイルマンと共に密かに、しかしマ刑事らしく強引な手口で調べを進める。
一方、身代金を払ったのに息子を殺害されたチェの父親チェ・チュンベクは、韓国内では金融業で財を成した成功者。金にモノを言わせ、復讐のためにカンを殺すためにヒットマンを雇ってベトナムに送り込む。ヒットマンは確実にカンの足取りを掴んでアジトにやって来る。ところがカンもさる者。残忍なだけでなく、腕もいい。ヒットマンたちを次々に返り討ちにし、逆に依頼主がチュンベクだという事を知る。そこにマ刑事が現れるが、カンには逃げられてしまう。
今回のマ刑事の相手は残忍な殺し屋のカン。カンは自らにヒットマンを送ったチュンベクを殺しに韓国に密航する。舞台を韓国からベトナム、そして再び韓国に移し物語は続いていく。チュンベクもボディーガードに守られているが、カンはそんなものをものともせず、白昼堂々チュンベクを拉致する。そして家族にまたもや身代金を要求する。肉体を揺さぶって活躍するマ刑事。残忍なカンと最後に対峙する。
刑事ドラマはいろいろあるが、ごっつい体のマ刑事がその肉体を武器に犯人を叩きのめして逮捕する。アクション派の刑事ものはめずらしくないが、ごっつい肉体アクションは珍しいと思う。しかし、このアクションが実に心地よい。それにしても主演のマ・ドンソクであるが、少し前の『アンダードッグ/二人の男』(My Cinema File 2419)のあたりでは普通の体であったが、短い期間にパンプアップしたようである。以前よりも確実に今の体型の方がアクション・スターとしてウケるように思う。
今後もシリーズとして続いていくのかどうかわからないが、続くとしたら迷わず観続けたいと思わせてくれる一作である・・・
評価:★★☆☆☆