
原題: A.C.A.B.: All Cops Are Bastards
2012年 イタリア・フランス
監督: ステファノ・ソッリマ
出演:
ピエルフランチェスコ・ファビーノ:コブラ
フィリッポ・ニグロ:ネグロ
マルコ・ジャリーニ:マジンガ
アンドレア・サルトレッティ:カルレット
ドメニコ・ディエーレ:アドリアーノ
<映画.com>
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『ボーダーライン ソルジャーズ・デイ』の監督に抜擢されたイタリアの俊英ステファノ・ソッリマがメガホンをとり、モスクワ国際映画祭で国際批評家連盟賞ほか3冠に輝いたポリスアクション。デモや暴動といった危険な現場の最前線で活躍するイタリア国家警察機動隊の警官たち。仲間思いの凄腕隊員コブラは、市民に対する過剰防衛で裁判にかけられることに。また、リーダーのマジンガは極右組織に出入りする息子に頭を抱え、熱血漢のネグロは職務に夢中になりすぎて妻に家を追い出されるなど、それぞれ問題を抱えていた。新人隊員のアドリアノはそんな個性的な先輩たちに戸惑いながらも、徐々に彼らの一員として成長していく。そんなある日、暴動でマジンガが重症を負い、隊員たちは自ら犯人探しに乗り出すが……。出演は『天使と悪魔』のピエルフランチェスコ・ファビーノ、「おとなの事情」のマルコ・ジャリーニ。「のむコレ2018」(18年11月3日〜、東京・シネマート新宿、大阪・シネマート心斎橋)上映作品。
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対象となるのはイタリア国家警察機動隊。機動隊と言えば、我が国でもデモや暴動の際に数で警備鎮圧するというイメージがあるが、イタリアでも同様。その機動隊のとある面々が主人公となる。
冒頭から荒れ狂う群衆と向かい合う機動隊の面々。盾を持ち、警棒を構える。さすがに先進国であり銃器は所持しない。そして両者はぶつかり合う。機動隊も警棒で群衆の1人1人を殴打する。倒れた相手を引きずって連行する。なかなか過激である。やり過ぎ感も漂うが、その場の空気というものもある。群衆から向けられる怒りのエネルギーと対峙すればそれもいたし方ないのかもしれない。
物語は個々のメンバーについても描いていく。リーダーのマジンガは反抗期の息子に手を焼いている。メンバーのネグロは妻との関係が険悪で、家を閉め出されてしまう。さらに娘にも会わせてもらえない。やむなく同僚宅に転がり込む。新入りのアドリアーノには厳しい試練を与えているようで、それはいじめのようにしか見えない。車の席に座らせなかったり、車に閉じ込めて催涙弾を入れたりする。それが後半では思わぬ形になって現れる。
敵対する群衆も単なるフーリガンの時もあれば過激派のような時もある。移民排斥を唱えるグループは過激派なのかもしれない。ある時、警備に当たっていた機動隊メンバーは、群衆と衝突するが、その際、刃物をもった男が混乱に乗じてマジンガを刺す。ただ、刺したのは足であり、殺意まではなかったのかもしれない。しかし、刺されたのは事実であり、メンバーは犯人捜しに乗り出す。仲間の敵討ちということなのだろう。
観ていて思わず手に力が入ってしまう。機動隊と群衆と互いの憎悪が伝わってくる。日本では最近はこんなに激しい衝突は見られないように思うが、群衆側も投石などで応じるが、大きさのある石なので直撃すれば危険だろう。なぜここまで激しい行動に出るのか。憎しみの連鎖が広がり、衝突の激しさが増す。フーリガンは今でもこんなに暴れているのだろうか。そして合間合間に描かれる隊員たちのプライベート。
隊員のコブラは、過剰防衛で訴えられてしまう。その様子だけ聞いていると、なんら弁護の余地はないように思えるが、群衆心理のなせる業だったかもしれないし、少数で迎える機動隊員たちの心理を考えれば行き過ぎもあり得ると思う。単純には判断できないかもしれない。ただ、この映画をもって何を訴えたかったのか、判然としかねるところがあった。ただ単にとある機動隊員たちの姿を描いただけなのか。
そしてアドリアーノはついに行動に出る。それは正義の行動なのか、裏切りなのか。何となく観る事にした映画であるが、漫然と観て終わってしまった映画である・・・
評価:★★☆☆☆





