
2024年 日本
監督: 武内英樹
出演:
永野芽郁:赤血球AE3803
佐藤健:白血球U-1146(好中球)
芦田愛菜:漆崎日胡
山本耕史:キラーT細胞
仲里依紗:NK細胞
松本若菜:マクロファージ
染谷将太:ヘルパーT細胞
垣李光人:新米赤血球板
加藤諒:先輩赤血球
加藤清史郎:武田新
マイカ・ピュ:血小板
深田恭子:肝細胞
片岡愛之助:肺炎球菌
新納慎也:化膿レンサ球菌
小沢真珠:黄色ブドウ球菌
阿部サダヲ:漆崎茂
塚本高史:好中球先生
一ノ瀬ワタル:外肛門括約筋
DJ KOO:神経細胞
<映画.com>
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人間の体内の細胞たちを擬人化した斬新な設定で話題を集め、テレビアニメ化もされた同名漫画を実写映画化。原作漫画「はたらく細胞」とスピンオフ漫画「はたらく細胞 BLACK」の2作品をもとに、ある人間親子の体内世界ではたらく細胞たちの活躍と、その親子を中心とする人間世界のドラマを並行して描く。
人間の体内には37兆個もの細胞が存在し、酸素を運ぶ赤血球や細菌と戦う白血球など無数の細胞たちが、人間の健康を守るため日夜はたらいている。高校生の漆崎日胡は、父の茂と2人暮らし。健康的な生活習慣を送る日胡の体内の細胞たちはいつも楽しくはたらいているが、不規則・不摂生な茂の体内では、ブラックな労働環境に疲れ果てた細胞たちが不満を訴えている。そんな中、彼らの体内への侵入を狙う病原体が動き始め、細胞たちの戦いが幕を開ける。
永野芽郁が赤血球役、佐藤健が白血球役でそれぞれ主演を務め、人間の漆崎茂を阿部サダヲ、その娘・日胡を芦田愛菜が演じる。『翔んで埼玉』 『テルマエ・ロマエ』シリーズの武内英樹が監督を務め、『るろうに剣心』シリーズの大内貴仁がアクション演出を担当。
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映画や小説などで人間以外のものを擬人化して主人公にするということは当たり前に行われているが、この映画は体内の細胞たちを擬人化したものであり、その着眼点がかなり面白いと思わされる作品。原作は最初の方だけ読んだことがある漫画である。
その中でも主人公は体内に酸素を運ぶ赤血球。なかでもAE3803と称される赤血球が中心となる。また、体内に侵入した病原菌等を排除する白血球(U-1146にスポットが充てられる)がもう1人の主人公になる。ともに体内で生まれ、みずからの使命を課されて成長する。赤血球AE3803は途中で道に迷いながらも酸素を運ぶ仕事をひたすらこなす。白血球(U-1146)は見事な剣さばきで体内に侵入した病原菌を退治する。赤血球に仕事を教えるのはマクロファージ。体内に侵入した外敵を排除するのは白血球ばかりでなく、キラーT細胞やNK細胞といった細胞たちも同じ役割を担っている。
そんな体内の世界と並行して人間たちも登場する。トラック運転手で娘を男手1人で育てているのが漆崎茂。そしてその娘の漆崎日胡である。日胡はしっかり者の高校生。先輩の武田にひそかに憧れている。父親の茂は、暴飲暴食の典型例。健康なんぞなんのその。タバコも酒もやり放題である。そんな茂の体内は過酷な環境で、働く細胞たちも劣悪な労働環境下で疲弊している。血管内のコレステロールが酸素を運ぶ赤血球たちの邪魔をする。何となくわかってはいるが、健康状態を擬人化された細胞たちの日常を描くことによってよく表している。
体内に侵入してきた病原菌たちであるが、白血球やキラーT細胞やNK細胞によって退治される。キラーT細胞はチームで戦う集団であり、一方NK細胞は単身で自由に動き回る。実際の細胞の働きもそうなのであろう。そうであれば、映画を観ながらはたらく細胞たちの役割がよくわかる。小学生向けの教育映画になりそうな感じもする。体内の病原菌退治だけではない。日胡が転んで擦り傷を作ると、神経細胞がアゲアゲなムードを作り血小板が登場して止血をしかさぶたを形成する。
そんな細胞たちの働きが紹介されたあと、やがて日胡の体調が悪くなる。日胡の体内でも異変が静かに起こる。物語は全般的にコメディムードで進む。トラックを運転する茂が急に腹痛を覚え、トイレに行きたくなる。高速であり、次のパーキングまで便意を我慢するシーンは阿部サダヲの真骨頂。その時体内(肛門付近)で何が起こっているのか。ユーモラスに描かれており、和やかに観る事ができる。しかし、日胡が深刻な病になったことから、後半は体内で働く細胞たちの戦いも劣勢になり、大いなる危機を迎える。
いつの間にか映画の世界にどっぷりと浸かっている。阿部サダヲの熱演もあって、やっぱり健康は大事だと認識させられる。細胞たちを擬人化したからこそ、体内の細胞の働きがよくわかり、ストーリーを楽しみつつも、体内の様子をいつしか覚えていく。放射線治療のシーンでは、癌細胞と同時に赤血球や白血球をも殺していく様子が描かれ、治療の過酷さが印象に残る。真面目に映画の世界に没頭すると感動的であったりする。何にせよ、この映画は体内の細胞というところに目をつけ、擬人化して物語を紡ぎ出したアイディアの勝利と言えると思う。
自分の年齢的にも一層健康に留意しようと思わされた映画である・・・
評価:★★☆☆☆





