2017年12月19日

【西遊記 孫悟空vs白骨夫人】My Cinema File 1842

西遊記 孫悟空 vs 白骨夫人.jpg

原題: 西遊記之孫悟空三打白骨精
2016年 中国・香港
監督: ソイ・チェン
出演: 
アーロン・クォック:孫悟空
コン・リー:白骨夫人
ウィリアム・フォン:三蔵法師
ケリー・チャン:観音菩薩
シャオ・シェンヤン:猪八戒
ヒム・ロー:沙悟浄

<シネマトゥデイ>
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「西遊記」を題材に最新のVFXで描いた冒険活劇『モンキー・マジック 孫悟空誕生』の続編。三蔵法師によって封印を解かれ旅の護衛を務めることになった孫悟空が、妖怪・白骨夫人に捕らわれた三蔵法師を救い出すため壮絶な戦いに挑む。前作で牛魔王を演じたアーロン・クォックが主人公・孫悟空を演じるほか、『シャンハイ』などのコン・リー、『神なるオオカミ』などのウィリアム・フォンらが共演。前作に続きソイ・チェンがメガホンを取り、アクション監督を香港映画界の大御所サモ・ハンが務める。
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孫悟空モノはいろいろと創られていて、日本では夏目雅子のTVバージョンを思い出してしまう年代である。実はこの映画、「続編」であるという。しかし、前作は孫悟空が三蔵法師と出会う前の暴れ者だった時代のものらしく、「西遊記」と言えば三蔵法師と孫悟空らお伴の天竺への旅というイメージをもっている大半の人にとっては、この続編がそれにあたるため、この映画だけで充分という気がする。

暴れ者の猿族の王、孫悟空が五行山に閉じ込められて500年。天竺へと向かう三蔵法師は、とある道中で虎に襲われる。とっさに逃げ込んだ洞窟で囚われていた孫悟空に頼まれ封印を解く。そして岩山の下から解放された孫悟空は、虎を退治する。ここで観音菩薩により頭に金の輪をはめられた孫悟空は、三蔵法師の護衛として旅のお供をするよう命じられる。

記憶にある「西遊記」では、孫悟空はもっと反抗的で、金の輪で締め付けられてやむなくお伴をすることになったようだったが、この映画ではむしろ積極的に旅に参加する。やがてお約束通り猪八戒、沙悟浄らと出会い同行することになる。ここでも力でねじ伏せて伴にした記憶があるが、この映画ではいずれも素直に同行することになる。映画の時間枠の兼ね合いもあるのかもしれない。

そしていよいよ白骨婦人が牛耳る村へと一行はやって来る。白骨夫人といっても、コン・リーが演じる夫人は美形。その狙いは三蔵法師。三蔵法師から命を吸い取れば、己の美と長寿を維持できる。そしてその巧妙なトラップにより、孫悟空は三蔵法師から遠ざけられてしまう・・・

「西遊記」も考えてみれば中国のお話。むしろ本場なわけで、その本場の本家の創る「西遊記」にはそれだけで興味をそそられる。アクションシーンは「中国らしい」特撮であったが、例えば孫悟空は日本モノより細かい動作などでより猿に近い表現をしているところが興味深いところであった。ストーリーは映画の時間枠の関係であろう、白骨夫人との絡みが中心であり、いろいろ出てくる他の妖怪は省略されていて、猪八戒や沙悟浄も扱いは少なかった。

ストーリー的にはさらに続編が創られてもおかしくない展開であり、もしかしたら第三弾があるのかもしれない。あったところで観るか観ないかはわからないが、それはまたその時考えたいと思う。
面白いか否かというよりは、本場の西遊記と言う意味で興味深かった一作である・・・


評価:★★☆☆☆





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2017年06月09日

【ハーバー・クライシス 都市壊滅】My Cinema File 1747

ハーバー・クライシス 都市壊滅.jpg

原題: 痞子英雄:黎明再起
2014年 台湾
監督: ツァイ・ユエシュン
出演: 
マーク・チャオ:ウー・インション
ケニー・リン:チェン・チェン
ホアン・ボー:シュー・ダーフー
チャン・チュンニン:ラン・シーイン
シュウ・ジエカイ:ホァン

<シネマトゥデイ>
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台湾で絶大な人気を集めたテレビドラマ「ブラック&ホワイト」の劇場版シリーズ第2弾となるポリスアクション。台湾屈指の湾岸都市で発生した連続爆破事件を追う2人の刑事が、その裏に潜む秘密武装組織に立ち向かっていく。監督にツァイ・ユエシュン、マーク・チャオとホアン・ボーら前作のメンバーが続投。ミサイルやウイルス兵器までもが飛び出すスケールの大きな見せ場に加え、刑事コンビの絆をめぐるドラマが展開。
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 台湾映画と言えば、『KANO〜1931海の向こうの甲子園〜』『あの頃、君を追いかけた』『海角七号 君想う、国境の南』といったところが脳裏に浮かび、そのイメージはとても良い。台湾映画というだけで、観てみたいと思わされる。だが、当然ながらすべていい映画というわけではない。この映画は、そんなハズレケースであった。

 海港市(ハーバー・シティ)の各所で自爆テロが発生する。実行犯はいずれも犯罪者。爆発は橋やトンネル、高速鉄道など交通の要であり、爆破はまるで海港市を孤立させるかのように行われる。主人公である刑事ウーは、冒頭で武装グループと対峙。そこで若手の頭脳派刑事チェンと遭遇しコンビを組むことになる。

 そんな中、今度は新たに軍が保有する特殊ミサイルが強奪されるという事件が発生する。さらには高い致死率のウイルスがまかれようとしていることが判明する。実行犯は、謎の武装組織・夜歩者(ナイトウォーカー)。ウーとチェンは捜査に取り掛かる・・・

 どうやらこれは台湾でヒットしているテレビドラマの劇場版だとのこと。日本でもよくあるが、台湾でも同じようにヒットしたテレビドラマの劇場版が創られたりしているようである。そして刑事のコンビが活躍するというのも、もはや王道パターンといっていいかもしれない。ただし、チェンはどうやら初登場の雰囲気である。それ以前どうだったのかはわからない。

 冒頭から連続する自爆テロ。高速道路が落下したり、高速鉄道が爆破されてこれも落下したりと派手なシーンが続く。CG全盛のこの時代、そうしたシーンの迫力には驚かないが、この映画ではなぜかその出来栄えがイマイチで、合成感あふれる映像となっている。派手な活躍のウーとチェンも、台湾版「アブナイ刑事」といった感じで、まぁ好きにやってよといったところ。

 映画化されるくらいヒットしているということは、そのくらい面白いのであろうが、残念ながらこの劇場版でそれを感じるのは難しい。テレビドラマがそこそこヒットしているからといって、劇場版が必ずしも面白いというわけではないのは日本でもそうであるから別に不思議ではない。考えてみれば、最初は選りすぐりの映画が日本公開となるわけで、当然それなりの高い質の映画ばかりとなるが、数が増えればハズレも入ってくるというもの。この映画もそんな一作なのだと言えるかもしれない。

 これからは、台湾映画だからと無条件で観るのではなく、改めて厳選しようと思わされた一作である・・・


評価:★☆☆☆☆




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2016年12月14日

【危険な関係】My Cinema File 1642

危険な関係.jpg

原題: 危險關係
2012年 中国
監督: ホ・ジノ
出演: 
チャン・ツィイー:ドゥ・フェンユー - 貞淑な未亡人。
チャン・ドンゴン:シエ・イーファン - プレイボーイ。
セシリア・チャン:モー・ジエユー - 大物女性実業家。
リサ・ルー:ドゥ・ルイシュエ夫人 - シエの祖母。フェンユーの大叔母。
ショーン・ドウ:ダイ・ウェンジョウ - 画家志望の大学生。ベイベイの絵の教師。
キャンディ・ワン:ベイベイ - モーの恋人ジン氏と婚約した若い令嬢。
ロン・ロン:ジュウ夫人 - ベイベイの母親。

<シネマトゥデイ>
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『四月の雪』などのホ・ジノが監督を務め、18世紀にピエール・コデルロス・ド・ラクロが発表したフランスの古典小説を映画化した恋愛劇。退廃的な1930年代の上海を舞台に、危うい恋のゲームに深入りする3人の男女の関係をドラマチックに描写する。名うてのプレイボーイをチャン・ドンゴン、彼と同類の女性実業家をセシリア・チャン、貞淑な未亡人をチャン・ツィイーが好演。アジアのトップスター共演のめくるめく体験に酔いしれる。
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物語の舞台は1931年の上海。まだ戦争の影もなく、街では莫大な資産を持つ富裕層がパーティに明け暮れる享楽的な生活を送っている。裕福なプレイボーイのイーファンは、次から次へと女性遍歴を繰り返している。そしてそんなイーファンが唯一本気で射止めようとしているのが、女性実業家のモー・ジエユー。ある日、ジエユーは、婚約者が自分を捨て年端もいかない少女ベイベイと婚約したことを新聞紙上で知る。それを許せないジエユーは、ベイベイを寝取って欲しいとイーファンに持ちかける。

しかし、そんなイーファンの前に、亡き夫の遺志を継ぎ東北の抵抗活動の支援をしている貞淑な未亡人フェンユーが現れる。ベイベイを寝取るなんて容易いことよりも、フェンユーを落とす方がやり応えがあると判断したイーファンは、ジエユーと賭けをする。うまく落とせれば、ジエユーをモノにできるとあってイーファンはアタックを開始する。

 すべてを意のままに動かそうとする野心家のジエユー。そんな彼女を支配することに欲望を燃やすイーファン。2人のゲームに、それとは知らず巻き込まれていくフェンユー。はじめはイーファンの悪評を警戒して、頑なな態度を取るフェンユーだが、イーファンの熱心なアプローチに次第に心を許していく。イーファンはジエユーとのゲームのために、純粋なフェンユーを口説いているように見えるが、果たして本当にそうなのか。ジエユーとのゲームはどこまで本気なのか。観ているうちにいつの間にか物語に引き込まれていく。

背景には、反日運動も描かれる。本格的な日中戦争はまだ先だが、前夜のきな臭さが漂っている。そんな中で、富裕層はパーティに演劇にと我が世の春を謳歌している。主人公のイーファンは金持ちで二枚目とくるから、どうしてもモテる。男としてはかくありたいと思う。そしてそんなイーファンが、ゲームで落とそうとするのが貞淑な未亡人フェンユー。もしも自分が同じ立場だったら、遊びでは手を出さないだろう。そのくらいのモラルは持ち合わせているつもりである。

ところがイーファンはそれをやる。しかし、観ているこちらもどこかイーファンが本気になるのではないかと期待するところもある。そしてイーファンと賭けをするジエユーも美人で魅力的。いつのまにか映画の世界に引き込まれていく。何となく、で観始めた映画なのに、意外な面白さに面食らう。こういう世界は嫌いではない。そしてラストの展開は心打たれるものになる。

単なる恋愛ゲームではなく、時代背景も反映し、そして観る者の心にも働き掛ける。原作の持つ面白さもあるのかもしれない。面白そうだと思っていてその通り面白かった映画よりも、それほどでもないだろうと高をくくっていたらそれ以上に面白かったりした映画は余計印象が深い。これはそういう映画と言える。
心に静かな余韻の残る映画である・・・


評価:★★★☆☆




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2016年12月13日

【罪の手ざわり】My Cinema File 1641

罪の手ざわり.jpg

原題: 天注定
2013年 中国
監督: ジャ・ジャンクー
出演: 
チアン・ウー:炭鉱作業員ダーハイ
ワン・バオチャン:強盗チョウ
チャオ・タオ:風俗サウナの受付シャオユー
ルオ・ランシャン:広東省の青年シャオホイ

<シネマトゥデイ>
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『長江哀歌(エレジー)』などで世界的に評価の高いジャ・ジャンクー監督が、実際の事件を基に変化を遂げる中国で必死に生きる人たちを描くヒューマンドラマ。実業家に利益を吸い上げられてきた山西省の炭鉱作業員、職を転々としながらホステスとの恋に苦悩する広東省の若者ら4人の平凡な男女を通して、中国の現代を浮き彫りにする。出演は、ジャ・ジャンクー監督作品に欠かせないチャオ・タオなど。急激な発展の陰で虐げられる人々の営みや、彼らが抱えるかなしみや怒りが心に響く。
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 冒頭、トマトを乗せたトラックが倒れて、それをダーハイが眺めている。バイクに乗ったチョウを3人の男が止め、金を出せと脅す。男たちは手に鎌を持っているが、チョウは、懐から銃を取り出すと3人を次々に射殺する。そしてダーハイの横を通り過ぎてゆく。ダーハイは、炭鉱作業員だが、村で共同所有していた炭鉱を売られ怒ってる。 村長に直談判しても相手にされず、自家用機で帰ってきた町の資本家に直談判すると逆に部下たちに滅多打ちにされる。

 怪我をして入院したダーハイには、金が払われる。中国にはびこる不正の一面なのであろう。払われた金はそこそこの金額だと思われるが、当然資本家が懐に入れた金に比べると微々たるものだろう。村人たちは諦め顔であり、中央委員会への直訴状も住所がわからないという理由で突き返され、ダーハイは猟銃を手に取ると手始めに会計士の下へと向かう・・・

 出稼ぎから帰ってきたチョウは、留守がちなせいか、息子との関係はギクシャクし、妻からは出稼ぎに行くなと言われる。しかしチョウは次の目的地へと向かう。荷物を預けると、慣れた手つきで顔を隠し、銀行から出てきた金持ち夫婦を射殺して鞄を奪う・・・
シャオユーは、不倫関係に疲れ、ある町のサウナで受付として働く。そこはどうやら風俗業の店であるが、町の権力者に相手をするよう強要され、果物ナイフで殺してしまう。

 工場に勤務しているシャオホイは、おしゃべりで注意散漫となった同僚が事故を起こしてしまう。工場長から、働けなくなった同僚の給料をシャオホイの給料から引くと言われ、工場を辞めてしまう。知人を頼ったシャオホイは、ナイトクラブでボーイとして勤めることになる。そこで風俗嬢として働く女を好きになるのだが、彼女には3歳の子供がいることを知る。故郷の母親からは仕送りを督促する電話が入り、怪我をした同僚は追いかけてきてシャオホイを脅す・・・

 まったく関わり合いのない4人のそれぞれを追うオムニバス形式の映画。タイトルにある通り、それぞれがそれぞれの事情において「罪」を犯すわけであるが(もっともシャオホイの場合は罪とは言い難いが)、背景には間違いなくいびつな成長を続ける中国社会があるわけである。「持てる者」と「持たざる者」の大きな格差、そして「勝てば官軍」の風潮。誰もが自分のことしか考えられない。

 同僚に怪我をさせてしまったシャオホイは、無休で働くのが嫌で会社を辞めて知人を頼っていく。その知人は工場勤務。みんな同じ制服を着て作業し、食堂で同じ食事をし、寮で暮らす。今の中国の若者の姿がそこに見て取れる。それを良しとしなかったシャオホイは、実入りがよさそうなナイトクラブのバーテンを選ぶ。そこで知り合った女性に惹かれるが、彼女は子持ちの風俗嬢だ。故郷の母親からは仕送りが減ったことをなじられる。シャオホイの将来に対する絶望感が伝わってくる。

 ストーリー的には、各々何のつながりもない。淡々と進み、そして終わる。だが、後には澱のようなものが残る。登場する人物たちの姿から何かを感じ取る映画だが、その澱には重みがある。どこの社会にも問題はあるのだろうが、中国社会のそれを垣間見せてくれる映画である・・・


評価:★★☆☆☆





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2016年07月23日

【サイレント・ウォー】My Cinema File 1573

サイレント・ウォー.jpg

原題: 聽風者
2012年 中国・香港
監督: アラン・マック/フェリックス・チョン
出演: 
トニー・レオン:何兵
ジョウ・シュン:張学寧
ワン・シュエピン:郭興中
メイヴィス・ファン:沈静
パル・シン:羅三耳
ドン・ヨン:伍昌

<シネマトゥデイ>
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中国のベストセラー作家、麦家(マイジャー)の小説「暗算」を基にしたスパイ作品。共産党と国民党が戦いを繰り広げていた中国内戦時代を舞台に、暗号解読のプロフェッショナルと大物スパイをめぐるドラマが展開する。監督にアラン・マック、フェリックス・チョン、主演にトニー・レオンと、『インファナル・アフェア』シリーズのメンバーが結集。『クラウド アトラス』などのジョウ・シュン、テレビドラマ「傾城之恋 〜上海ロマンス〜」などの ワン・シュエビンら実力派が共演。スリリングな展開に加えて、重厚なタッチの演出にも注目。
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中国の映画は、もう珍しくもないが、第二次大戦後の国共内戦をテーマとしたスパイモノというのは珍しい気がする。敵役として日本が出てこないので、安心して見られる反面、いつの時代かとか、その時社会はどんな様子だったのかとか、背景がわかりにくいという欠点もある。ただ、それを補っても、まずまず面白かった映画といえる。

共産党の組織内、国民党の動きを探るべく、701部隊が設立され、通信の傍受と暗号の解読が行われている。女性ながら優秀な工作員である張学寧は、聴力の優れた者をスカウトすべく、あるピアノの調律師に会いに行く。ところが本人よりも一緒にいた盲目の男の聴力に気がつき、その男何兵をスカウトする。

何兵は、すぐにその本領を発揮。傍受する通信の中から、敵の暗号通信を次々と補足していく。そしてやがて敵の大物スパイ重慶が浮かび上がり、張学寧らは重慶を捕らえるべく、何兵らとともに行動を開始する。そして、容疑者を5人に絞り込み、張学寧自ら身分を偽って容疑者グループに潜入していく・・・

現代であれば、さしずめ電子機器の出番であり、いくら優れた聴力であっても太刀打ちは出来ないであろう。ただ、この時代はまだまだ人間の能力が幅をきかせる時代。人並み外れた聴力の持ち主というのも、十分映画の主人公たり得るのである。その優れた聴力を持つ男何兵が、共産党の701部隊にスカウトされ、様々な通信技術を覚えながら敵の通信を傍受していく。並行して美人スパイの張学寧との微妙な関係が描かれる。ジェームズ・ボンドならすぐベッドインするところだが、アジア文化圏は身持ちが硬い。

そして、微妙な二人の関係は、敵の思いがけぬ動きでドラマチックな展開を迎える。この展開は予測不可能であった。なかなかやるなという感じがする。初めは金を要求していた何兵も、この展開を経て最後はプライドをかけて敵を追い詰めていく。任務にかける何兵の思いと、はっきりとは示されない張学寧への思いとが、観る者の心をそっと撫でていく。縦糸のストーリーと横糸のストーリーとがうまく絡み合っている。

「聴風者」という原題もなかなか味わいのあるタイトルである。中国映画も(香港の力が入っているとはいえ)、なかなかの出来栄えだと思わざるをえない。ストーリーといい、登場人物たちの濃厚な関係といい、なかなかの味わいのある映画である・・・


評価:★★☆☆☆




posted by HH at 22:49 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 中国/香港/台湾映画