2017年05月16日

ウォールフラワー

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原題: The Perks of Being a Wallflower
2015年 アメリカ
監督・原作: スティーブン・チョボスキー
出演: 
ローガン・ラーマン:チャーリー
エマ・ワトソン:サム
エズラ・ミラー:パトリック
メイ・ホイットマン:メアリー・エリザベス
ポール・ラッド:アンダーソン先生
ニーナ・ドブレフ:キャンディス
ジョニー・シモンズ:ブラッド
エリン・ウィルヘルミ:アリス
ケイト・ウォルシュ:チャーリーの母親
ディラン・マクダーモット:チャーリーの父親
メラニー・リンスキー:ヘレン叔母さん
ジョーン・キューザック:バートン医師

<シネマトゥデイ>
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『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』のローガン・ラーマン、『ハリー・ポッター』シリーズのエマ・ワトソン、『少年は残酷な弓を射る』のエズラ・ミラー共演の青春作。原作者のスティーヴン・チョボスキーが監督を務め、自身の小説「ウォールフラワー」を基に、思春期の青年の揺れ動く心情を繊細なタッチで映し出す。困難を乗り越え成長する少年の心象風景が観る者の心を強く揺さぶる。
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 主人公のチャーリーは、高校に入学するも周りに溶け込めず、友人もいない。何やら事情があって入院していたようで、ランチも1人で本を読みながら取っている。そんな彼に目をかけて接してくれるのは、国語のアンダーソン先生だけ。読書が好きなチャーリーは、それゆえに先生との交流があるのである。

 そんなある日、チャーリーは学校のアメフトの試合を観戦に行く。例によって1人。ふと気が付くと近くに同じ授業を受けている上級生のパトリックを見かけ、勇気を振り絞って声を掛ける。するとパトリックは気さくに話をし、さらにそこに義妹のサムも現れる。試合後、自然に2人に誘われて店へ行く。パトリックとサムは、互いの親の再婚で家族になった義理の兄妹。それにしてもアメリカの高校生は、上級生と下級生の間の壁はなきが如しなのであろうか、同級生のような関係である。

 これを機にチャーリーの交友関係は広がっていく。パーティーでは、タイトルの通り“壁の花”となっているチャーリーだが、派手に踊るサムとパトリックに刺激され、不器用ながらダンスに加わる。さらにはパトリックとアメフト選手ブラッドのキスを目撃し、パトリックがゲイであることを知る。毎日接するのは家族のみという孤独な生活を脱し、仲間たちとの交流に喜びを感じるチャーリー。その嬉しそうな表情が何とも言えない。帰り道、トラックの荷台で腕を広げて、カセットの音楽を聴きながら風を浴びるサム。さしづめ、『タイタニック』といったところだろうか。時代が時代だから、お好みの音楽をチョイスしてテープを作っているのだが、何とも懐かしい光景である。

 チャーリーは、精神的なトラブルを抱えているが、その原因となったのは、幼い頃かわいがってくれた叔母の事故死。クリスマスの誕生日が近付くと、それを思い出して不安定になる。観ている方としては、チャーリーにはサムと付き合えばと思うのだが、サムには大学生の恋人がいる。それでも二人は良い雰囲気になり、チャーリーはサムとファースト・キスを交わす。観ているだけで微笑ましい。

 そんな若者たちの若者たちらしい様子と、チャーリーを見ていると忘れていたものを思い出すかのような感覚に陥っていく。それまで経験していなかったことを経験し、それには自分ひとりだったら絶対やらなかったようなことも含まれていて、事実チャーリーはドラッグまで経験する。一方、友人たちとの交流が増えれば予期せぬトラブルにも巻き込まれる。そうした諸々すべてが、「経験」なのである。

 誰もが通り過ぎる一時。後から振り返ってみれば、実に貴重な時代だったと気が付く。孤独だったチャーリーが、仲間たちと会って経験していく貴重な一時は、己の記憶と心の襞を刺激する。観ようかどうしようかと迷った映画だったが、観て良かったとつくづく思う。チャーリーの憧れるサムを演じるのは、『ハリー・ポッター』で成長していく姿を見てきたエマ・ワトソン。ここではもう少し成長して魅力的なティーンになっている。その存在もまたドラマに味わいをもたらしている。

 心に深く染み入ってくる映画である・・・


評価:★★★☆☆





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2016年10月29日

百瀬、こっちを向いて。

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2014年 日本
監督: 耶雲哉治
出演: 
早見あかり: 百瀬陽
竹内太郎: 相原ノボル(高校生)
向井理: 相原ノボル
工藤阿須加: 宮崎瞬
石橋杏奈: 神林徹子(高校生)
中村優子:神林徹子

<シネマトゥデイ>
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作家の乙一が、中田永一という別名義で執筆したベストセラー小説を原作とした青春ロマンス。ひょんなことから、期間限定でカップルを装うことになった高校生の男女が次第に惹かれ合っていく姿を見つめる。人気アイドルグループ、ももいろクローバーのメンバーだった早見あかりが初主演を務め、テレビドラマ「チーム・バチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋」の竹内太郎が共演。思春期の真っただ中にいる者の心情をリアルかつ郷愁的に切り取ったタッチに加え、トレードマークの長い黒髪をバッサリと切った早見の姿にも注目。
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 最近、高校生が主人公となっている青春モノになんとなく惹かれるところがある。先日観た『orange-オレンジ』もまさにその一環であるが、今回はこの映画が目についた。

相原ノボルは小説家としてデビューする。それを祝し母校で講演会に呼ばれる。卒業以来はじめて故郷に帰ってきたノボルは、そこで高校時代美人でみんなの憧れだった神林徹子に会う。今は一児の母である徹子と喫茶店で話をするノボル。想いは高校時代に馳せる・・・

クラスでも目立たなかったノボルだが、ある時幼馴染の先輩宮崎に呼び出される。宮崎はイケメンで女子生徒の憧れの的。その宮崎には一人の女子生徒が伴う。その女子生徒百瀬と宮崎は付き合いがあるが、一方で宮崎は徹子とも交際を始めており、百瀬との仲が噂になっては具合が悪い。そこでカモフラージュのため、百瀬と付き合っているフリをしてくれというのが宮崎の頼み。

なんと虫のいい話であるが、ノボルは断ることができず、そのまま百瀬と付き合うフリを始める。それまで女の子と付き合ったことなどなかったノボルは、積極的にフリをする百瀬の行動にたじろぐばかり。そしてノボルと百瀬は、宮崎と徹子とダブルデートすることになる・・・

社会人になってから昔を振り返ってみると、赤面することがしばしばある。ノボルはどうなのだろうかと思う。高校生のノボルは、どちらかといえば「オタク系」で、女の子とは無縁の生活。それが百瀬の登場で一新する。積極的な百瀬は校内でも構わず手を繋いでくる。「フリ」だからなのだろうが、自分の経験からしても、校内で女の子と手を繋ぐのはかなり勇気がいる。そんなことを思いながら、ストーリーを追う。

百瀬は宮崎に憧れている。だから宮崎のためと信じてノボルと付き合うフリをしているのだが、その宮崎は徹子と校内では「公認の仲」。二人を目で追う百瀬の表情がなんとも言えない。そしてその横顔を見つめるノボルの心情も然り。いつのまにか感情移入している。やがて想いを抑えきれなくなったノボルは、多分何もなければ絶対しなかったような積極的な行動に出る。その不器用さがいい。

タイトルの意味は、最後に明らかになる。そしてダブルデートの時の秘められた思い出の意味を確認する。徹子とお茶を飲み終えたノボルは、帰っていく徹子を見送る。そのあとどうなったのか、映画では描かれていない。その続きは、そして高校時代のノボルと百瀬がその後どうなったのか、知りたくなる。
 
映画は映画で良かったが、原作本も読んでみたくなった。なんとも言えない味わいの映画である・・・


評価:★★☆☆☆





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2014年08月13日

武士道シックスティーン

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2010年 日本
監督: 古厩智之
出演: 
成海璃子:磯山香織
北乃きい:西荻早苗
石黒英雄:磯山和晴(香織の兄)
荒井萌:田村咲月(早苗の友人)
山下リオ:久野こずえ(早苗の友人)
高木古都:村浜ゆかり(東松学園剣道部主将)
賀来賢人:岡巧(高校剣道チャンピオン)

<Yahoo!映画解説>
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誉田哲也原作のベストセラー小説を映画化した青春スポーツ・ドラマ。
対照的な二人の女子高生が、剣道を通して成長していく姿を描く。
かたや剣道一筋、かたや剣道をエンジョイする女子高生をそれぞれ演じるのは、『罪とか罰とか』の成海璃子と『ハルフウェイ』の北乃きい。
『さよならみどりちゃん』『奈緒子』など青春映画を数多く手掛ける古厩智之がメガホンを取る。
両ヒロインのみずみずしい魅力と確かな演技力に注目だ。
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『ストロベリー・ナイト』の原作者である誉田哲也原作の青春映画。
『ストロベリー・ナイト』とはがらりと変わった内容であるが、そこはさすが作家、一つのジャンルに限られないのだろう。

小さい頃から兄妹で父から剣道の手ほどきを受けてきた磯山香織。
向かうところ敵なしであったが、中学生大会で無名の西荻早苗に敗れてしまう。
早苗を追って東松学園に入学する香織。
さっそく剣道部に入部するも、再会した早苗はおちゃらけの女の子。
肝心の剣道の腕前もそこそこレベルで、香織は拍子抜けしてしまう。

仲間とワイワイ楽しく普通の高校生活を送る早苗に対し、剣道一筋の香織は生活のすべてが剣道一色で、友達もできない。
そんな香織は、剣道でインターハイ出場を目指す一方、自分に勝った早苗の潜在力を引き出すべく自分の家の道場に早苗を、連れ込み稽古をつける。
しかし、インターハイ出場を目の前にして、香織は剣道を続ける意義を見失ってしまう・・・

『ストロベリー・ナイト』のイメージを持っていると戸惑ってしまうが、まるで対極にあるような女子高生の物語。
二人の性格の異なる主人公を登場させるという点では、高校ボクシングの映画『ボックス』に相通じるところがある。
主人公それぞれ育った環境も違い、剣道に対する考え方も違う。
しかし、いつしか互いに影響し合い、それまでの自分から一皮脱皮していく。
この手の青春映画を観ていて、「いいな」と思うところはそんなところである。

主演の成海璃子も北乃きいも映画では初めて観る女優さん。
これから目にする機会も多いのかもしれない。
数あるスポーツの中でも「女子剣道」というマイナーなスポーツを取り上げた部分が面白いかもしれない。
肩肘張らずに、気楽に観られる映画である。

評価:★★☆☆☆


    
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2014年07月20日

マジック・マイク

マジック・マイク.jpg

原題: Magic Mike
2012年 アメリカ
監督: スティーブン・ソダーバーグ
出演: 
チャニング・テイタム:マイケル・"マジック・マイク"・レーン
アレックス・ペティファー:アダム(ザ・キッド)
コディ・ホーン:ブルック
マット・ボマー:ケン
オリヴィア・マン:ジョアンナ
ジョー・マンガニエロ:ビッグ・ディック・リッチー
マシュー・マコノヒー:ダラス
アダム・ロドリゲス:ティト

<Movie Walker解説>
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男性ストリッパーから、ハリウッドを代表する人気スターの座まで昇り詰めた俳優、チャニング・テイタムの実話を本人を主役に迎え、スティーヴン・ソダーバーグ監督が映画化したサクセスストーリー。
将来有望な若手の成長と、人生の意義を見出したベテランダンサーの物語を軸に、ショービジネスの裏側までも映し出す。
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主演のチャニング・テイタムの過去の経験を基にしたという男性ストリッパーの物語。

主人公のマイクは、ストリッパーとして生計を立てている。
住んでいる家や新車やガールフレンドとの3Pなどの生活振りからすると、結構稼いでいるようである。
しかし、洗車や建設現場でも働き、実は密かに金を貯め、銀行から融資を受けてオーダー家具のビジネスを始めようとの夢を持っている。

そんなマイクが、建設現場のアルバイトに来た19歳のアダムと出会う。
目的もなく生きていたアダムをストリップの世界へ引き入れるマイク。
アダムにも素質があり、すぐにストリッパーとしての才能を開花させる。
マイクは以後アダムを弟分として扱い、アダムの姉ブルックにも面倒を見る事を約束する。
それまでの生活が一変したアダムは、やがてドラッグの使用を始め、それを客にも勧めた事から大きなトラブルとなってしまう・・・

何となく観る事にしたこの映画。
将来の夢を持ちながら、ストリッパーとして稼いで金を貯めている男の物語である。
興味深いのは、やはり男性ストリップである。
引き締まったボディに華麗なダンス。
映画はともかくとして、実際はどこまで脱ぐのだろうなどと考えてみるが、男性ストリップは意外と健全で、映画の通りなのかもしれない。

アダムを演じるのは、アレックス・ベティファー。
『アレックス・ライダー』『アイアムナンバー4』に出演していた俳優さんだと知る。
単なる脇役で終わる俳優さんではない気もするが、今後どうなるのか注意していたいと思う。

ストリップの経営者は、『リンカーン弁護士』のマシュー・マコノヒー。
経営者でもありながら自らステージにも立ってしまう。
出演者はみな経験者であるチャニング・テイタムは別として、みな体を鍛えダンスのトレーニングを受けたのだろうが、なかなかのものである。

将来の夢に向けて努力しつつも、苦戦する若者のドラマとして観ても良いし、男性ストリップモノとして観ていても楽しい。
そんな映画である・・・



評価:★★☆☆☆





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2014年02月15日

桐島、部活辞めるってよ

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2012年 日本
監督: 吉田大八
原作: 朝井リョウ
出演: 
神木隆之介:前田 涼也(映画部)
橋本愛:東原 かすみ(バドミントン部)
東出昌大:菊池 宏樹
清水くるみ:宮部 実果(バドミントン部)
山本美月:飯田 梨紗
松岡茉優:野崎 沙奈
大後寿々花:沢島 亜矢(吹奏楽部)

<Yahoo!映画解説>
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早稲田大学在学中に第22回小説すばる新人賞を受賞した朝井リョウのデビュー作を映画化した青春群像劇。
学校一の人気者である男子生徒・桐島が部活をやめたことから、少しずつ校内の微妙な人間関係に波紋が広がっていくさまを描く。
学校生活に潜む不穏な空気感を巧みにあぶり出したのは、『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』の吉田大八監督。
クラスでは目立たず地味な存在の主人公に神木隆之介がふんするほか、『告白』の橋本愛、『SAYURI』の大後寿々花らが共演する。
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高校生の学校生活を描いた作品、というと何となく「もう遠い世界」という感じがしてしまう。
しかし、「僕等がいた」もそうであったが、観てみると意外とその世界に引き込まれてしまうところがある。
さらに、こちらは「僕等がいた」と違って、役者がかなり高校生に近いように見える点にリアリティを感じる。

タイトルにある桐島というのは、バレー部の中心選手であり、学年一番の人気者であるらしい。
その桐島が、バレー部を辞めるという噂が学校内に広まる。
桐島と付き合っている梨紗と梨紗とつるんでいる沙奈、かすみ、実果。
バレー部のメンバーに、映画部、帰宅部の友人たちそれぞれの様子を描いていく。

桐島と付き合っている梨紗は、高校生にしてはかなり大人びている。
かすみ役は橋本愛で、この二人のビジュアル系女子がいい感じである。
菊池は、野球部のキャプテンにしばしば試合に誘われているが、あまり部活動には熱心でない。
沙奈と付き合っているが、何だかそちらも冷めている感じ。
そしてその二人を遠巻きに見ている吹奏楽部キャプテンの亜矢は、菊池を密かに想っている。

映画部の前田がちょっと異色。
映画少年であるが、オタクな彼は女の子には縁がない。
偶然映画館でかすみに会うが、せっかくのチャンスに話題と言えば、コアな映画ネタでかすみはまったくついて来られない。
何だか見ていて微笑ましい。

そんな彼らが、「桐島が部活を辞める」という噂に翻弄される。
肝心の桐島はとうとう最後まで姿を見せない。
そんな高校生たちの姿が、妙に印象深く何かを訴えてくる。
言葉では説明できないが、確実に何かを感じるという不思議な感覚が残る。

原作は新人賞受賞作品らしい。
これを機に、ちょっと読んでみようかという気になった映画である・・・


評価:★★★☆☆



   
posted by HH at 23:32 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 青春ドラマ!