
2023年 日本
監督: 池田千尋
原作
オジロマコト
出演:
森七菜:曲伊咲
奥平大兼:中見丸太
桜井ユキ:倉敷兎子
萩原みのり:白丸結
上村海成:受川太鳳
安斉星来:穴水かなみ
永瀬莉子:蟹川モトコ
川崎帆々花:野々三奈
工藤遥:曲早矢
斉藤陽一郎:伊咲の父
田畑智子:伊咲の幼馴染の母親
でんでん:歴史資料館の館長
MEGUMI:伊咲の母
萩原聖人:丸太の父
<シネマトゥデイ>
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オジロマコトのコミックを原作に、『ライアー×ライアー』などの森七菜と『MOTHER マザー』などの奥平大兼の主演で映画化した青春ストーリー。石川県七尾市を舞台に、不眠症の女子高校生と男子高校生が学校の使われていない天文台で偶然出会い、距離を縮めていく。監督を務めるのは、『東南角部屋二階の女』の監督やドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」の演出などを担当してきた池田千尋。
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主人公は高校生の中見丸太。丸太は不眠症を患っている。その反動で昼間に睡魔が襲うため、常にイライラしている丸太はクラスに馴染むことができず、幼馴染であり丸太の不眠症を知る受川を除いて親しい友人はいない。そんなある日、掃除をサボっていた丸太は、同じクラスのモトコから屋上にある天文台から脚立を取ってくるように言われる。天文台には天体望遠鏡が設置されているが、幽霊が出ると噂され誰も近寄らない。そこに足を踏み入れた丸太は、そこに寝ていた同じクラスの曲伊咲と鉢合わせする。
丸太と対照的に明るく友人の多い伊咲だが、実は丸太と同じく不眠症を患っており、昼休みや空き時間に天文台に忍び込んで寝るのを習慣としていたのである。鍵のトラブルから外に出られなくなった2人は、話しているうちに少しの間寝てしまい、同じ悩みを抱えることから互いに親近感を覚える。その後、伊咲に誘われた丸太は、眠れない日々を有意義に過ごすために、2人で天文台を根城にして楽しい夜を過ごすことを計画し実行に移す。しかし、天文台の設備を稼働させていることを養護教諭の倉敷に見つかってしまう。
咎められた丸太は、倉敷に自分たちの不眠症を打ち明け逃げ場を求めていることを告げると、逆に5年前に廃部となった天文部を復活させることで天文台の使用許可を得る提案をされる。居場所を守るために提案を受け入れた2人は、天文部としての実績を作るために、5年前にたったひとりで天文部を存続させたOGの白丸を訪ねる。白丸は実績として認められやすい、学生や一般人を招く「観望会」や「星の写真コンテスト」を紹介し、丸太にカメラを勉強するように勧める。ちょうど丸太には父親に買ってもらいながらも全く使用していなかったカメラがあったため、夜の寝れない時間に勉強する事にする。
また、あわせて丸太と伊咲は8月のペルセウス流星群の鑑賞を目的とした観望会を開催することに決め、受川やモトコなど伊咲の友人たちに頭を下げて観望会への協力を要請する。丸太の熱意もあって、モトコたちの協力を得て観望会に向けた準備を進める。しかし、物事は希望通りには進まない。観望会の当日は大雨となり、観望会は中止にせざるをえなくなる。大雨の中、街中に配ったポスターを回収する丸太に寄り添う伊咲は自身の不眠症の理由を話す。それは生まれつき心臓の心室がひとつしか存在せず、いつ死んでもおかしくないと言われていて、寝ている間に心臓が止まることを恐れ眠れなくなってしまったとのこと。
その日の夜から、丸太はラジオ放送と称して、リスナーが伊咲ひとりの一方通行の配信を始める。逆に伊咲も丸太に対しての配信を始める。観望会は中止になったが、天文部の実績作りはそれだけではない。「星の写真コンテスト」に入賞する無謀な目標を定めたふたりは、石川県能登町にある伊咲の親の所有する空家に合宿する計画を立てる。ふたりの親から了承を得るため教諭の倉敷は丸太の家を訪ねるが、そこで丸太の母親が彼の寝ている間に出て行ったことが不眠症の起点になっていることを知る・・・
不眠症という共通点のある高校生男女の物語、というよくある高校生の恋愛モノ。屋上に天体望遠鏡の施設である天文台があるという高校ながら、肝心の天文部は廃部になっている。不眠症の2人はその天文台で昼寝をしたいという不謹慎な事情で天文部復活に向けて動く。その不眠症だが、伊咲の方は心臓に持病があることが遠因になっている。「可哀想な病気の女子高生」のドラマになるのかと思うも、それもストーリーの主軸ではない。何となくいろんな要素を寄せ集めた感が強く漂う。
この手のドラマはよくある高校生の恋愛モノとどうしても似たようなものになる。それは観る方がはるかに高校生からかけ離れた年代だからかもしれないが、ワクワク感が乏しい。さらにヒロインが病気で入院するとなると、これも既視感のあるストーリー展開である。どうしてもヒロインを病気にして可哀想な展開にしないといけないんじゃないかと思っているのかと思わされるほど。あるいはありきたりな病気のヒロインにしないとストーリーが作れないのだろうか。
個人的にはヒロインを無理に病気にしなくてもストーリーは作れるのではないかと思わざるを得ない。病気のヒロインが出てくると、どうしても「ブルータス、お前もか」と思って興覚めしてしまう。目新しいと思うのは、丸太に父親との関係というドラマがあることくらいだろうか。そろそろ「病気のヒロイン」に頼らない恋愛ドラマを期待したいとつくづく思わされる一作である・・・
評価:★★☆☆☆





