2017年12月31日

【ハイネケン誘拐の代償】

ハイネケン誘拐の代償.jpg

原題: Kidnapping Freddy Heineken
2015年 ベルギー・イギリス・オランダ
監督: ダニエル・アルフレッドソン
出演: 
アンソニー・ホプキンス:フレディ・ハイネケン
ジム・スタージェス:コル・ヴァン・ハウト
サム・ワーシントン:ヴィレム・ホーレーダー
ライアン・クワンテン:ヤン・“カット”・ブラート
マーク・ファン・イーウェン:フランス・“スパイクス”・メイヤー
トーマス・コックレル:マーティン・“ブレイクス”・エルカンプス
ジェミマ・ウェスト:ソーニャ

<映画.com>
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有名ビール企業ハイネケンの経営者が誘拐された実在の事件を映画化したクライムサスペンス。エミー賞受賞ジャーナリスト、ピーター・R・デ・ブリーズのベストセラーをもとに、誘拐犯と被害者双方の視点から謎多き事件の真相に迫る。1983年、オランダの都市アムステルダムでハイネケンの会長フレディ・ハイネケンが誘拐された。警察は巨大組織による犯行を疑うが、真犯人は犯罪経験すらない幼なじみの若者5人組だった。犯人たちは莫大な身代金を要求し、計画は順調に進んでいるかに見えた。ところが、人質であるハイネケンの傲慢な態度に振り回されるようになり、次第に追い詰められていく。名優アンソニー・ホプキンスが、素人誘拐犯たちを翻弄する老獪な大富豪役を存在感たっぷりに怪演。誘拐犯一味に「アクロス・ザ・ユニバース」のジム・スタージェス、『アバター』のサム・ワーシントン。
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 こういう事件が実際にあったことなど全く知らなかったが、これは事実に基づいた映画。主人公のコル、ヴィレム、カット、スパイクス、ブレイクスは、5人で会社を経営している。しかし、事業が思わしくなく、資金繰りに窮する。銀行に融資を頼みにいくが、こういう時に銀行の返事は色良いものではない。担保に入れられる建物を有していたが、そこは不法滞在者の溜まり場となっていて、担保価値をみてくれない。思い余って自分たちで不法滞在者を追い出そうしたが、自力救済は法の禁じるところでもあり、5人は警察に逮捕されてしまう。

 釈放されたコルが家に帰ると、妻から妊娠を知らされる。喜びの反面、男として稼がねばならない責任が一層重くなる。ある日、妻と実家に帰ったコルは、父がかつて仕えていたハイネケン氏について誇らしげに語るのを聞く。父親は自分を解雇したハイネケン氏と撮った写真を今でもリビングに大切に飾っている。コルはそれが気に入らない。そして5人で集まった時、窮地を脱するための計画をみんなに話す。それこそが、ハイネケン氏の誘拐計画であった。

 犯罪に走る人間には2通りあって、短絡的に犯行に及ぶ者と用意周到に準備するタイプである。5人は後者。しかし、綿密な計画を立てるにも資金が必要とわかる。そこで5人は銀行を襲う事にする。白昼堂々の犯行にも関わらず、現金輸送車を襲撃して現金を奪う。すぐにパトカーが現れカーチェイスとなり、銃撃戦となるも、なんと1人も犠牲者を出さずに逃げ切ることに成功する。この金で事業を立て直せなかったのだろうかと1人ブツブツ言いながら続きを追う。

そして誘拐計画の準備に着手する5人。ターゲットは、ハイネケン氏のみならず運転手まで含める。そして2人分の偽装した防音完備の監禁部屋まで作る。そこまでやったからこそか、このハイネケン氏誘拐計画は見事に成功する。ここまでは実に見事である。いつも不思議に思うのだが、これだけうまくやれる力があるのなら、その知恵をなぜ事業に使わなかったのだろう。きっとうまくいったと思うのだが・・・

 そして物事は予想通りには運ばないもの。すぐに手に入れられると思った身代金は、なかなか支払われる様子がなく、5人の間には不安から不協和音が流れ始める。やはりそれまで犯罪に手を染めることなく生きてきた者ゆえに、悪になりきれないのだろう。犯罪をチームで行うなら、まず何よりも信頼できる仲間かどうかが重要。そして次に精神力だろう。捕まるかもしれないという不安と恐怖をどう克服していくか。

 映画では、ハイネケン氏の老獪さも出ていた。やはり大企業の経営者ゆえに、不安に駆られた犯罪初心者では対人力が違う。それが実際にはどう影響したのか興味深いところである。どうせなら、どうして犯人逮捕に至ったのか詳しく描いて欲しかったと思うが、そこが残念なところ。そして身代金の一部は、結局回収できなかったというから、その行方も興味深い。それにしても、結局みんな逮捕され、犯罪は割に合わないと証明されることになる。もう少し徹底していたら、あるいは逃げきれたのかもしれない。

やはり真面目に生きのが一番だと改めて思わせてくれる実話映画である・・・


評価:★★☆☆☆




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2017年10月07日

【22年目の告白−私が殺人犯です−】

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2017年 日本
監督: 入江悠
出演: 
藤原竜也:曾根崎雅人
伊藤英明:牧村航
夏帆岸:美晴
野村周平:小野寺拓巳
石橋杏奈:牧村里香
竜星涼:春日部信司
早乙女太:一戸田丈
平田満:滝幸宏
岩松了:山縣明寛
岩城滉一:橘大祐
仲村トオル:仙堂俊雄

<シネマトゥデイ>
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未解決のまま時効を迎えた連続殺人事件の犯人が殺人に関する手記を出版したことから、新たな事件が巻き起こるサスペンス。韓国映画『殺人の告白』をベースに、『SR サイタマノラッパー』シリーズなどの入江悠監督がメガホンを取り、日本ならではの時事性を加えてアレンジ。共同脚本を『ボクは坊さん。』などの平田研也が担当。日本中を震撼させる殺人手記を出版する殺人犯を藤原竜也、事件発生時から犯人を追ってきた刑事を伊藤英明が演じる。
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先日、韓国映画のリメイク『あやしい彼女』を観たが、この映画も同じく韓国映画のリメイク。感情的なものは別として、映画については韓国映画も大きな勢力であり、無視できない存在。元ネタの映画『殺人の告白』も面白かっただけに、こちらも期待して観た次第である。

阪神大震災が起こった1995年。そのニュースの陰で5人の命が奪われるという連続殺人事件が起こる。家族の目の前で考察するという残忍な手口で、新人刑事・牧村も一員として捜査に加わる。5人目の被害者が出たあと、警察の捜査で犯人を捕らえるチャンスが訪れたが、うまく犯人に逃げられてしまう。しかし、その時牧村は刃物で切られながらも犯人の肩を撃ち負傷させる。

牧村刑事に恨みを持った犯人は、牧村の部屋を爆破し牧村の上司を殉職させ、さらに妹を誘拐し姿をくらませてしまう。以来22年、犯人の手掛かりはなく、事件は公訴時効を迎える。そして突然、犯人と称する者が事件の手記を発表し、自ら名乗り出てくる。盛大に開かれた記者会見場に現れたのは、曾根崎雅人と名乗る男。それに対し、世間には賛否の嵐が巻き起こる・・・

こんな出来事が実際に起こったらどうなるのだろうと思うが、日本でも現実に神戸で小学生を殺害した「酒鬼薔薇聖斗」が手記を発表して話題になったことが記憶に新しい。個人的には絶対買わないつもりだったし、実際買わなかったが、何と25万部も売れたというから驚きである。自分が被害者ではないから興味本位なのだろうが、たとえ映画でも殺人犯がもてはやされる状況は気分がいいものではない。

今でこそ死刑に相当する重大事件は公訴時効が撤廃されたが、それはこういうことを考えると当然であろう。そういう人の感情を逆なでするようなストーリー展開は、この映画の妙である。そして中には当然不快感を持つ健全な人たちもいるわけで、当然ながら犠牲者の遺族には怒りの感情が残っている。被害者の中にはヤクザの親分もいるわけで、曽根崎はヒットマンに狙われる。そしてそれを刑事の牧村が守らねばならないという苦悩・・・

その先のストーリーは、既に『殺人の告白』で知っていたが、この展開も唸らされるものがある。わかってはいても、テレビ討論の場面はなかなかの見せ場であったと思う。事件は意外な展開を見せていくが、最後は逆なでされた神経もすっきりと元に戻させてくれる。ストーリーの日本風アレンジもほど良い程度。日本の歴史にうまくミックスさせている。『殺人の告白』では被害者が11人であったが、この映画では5人(+1人)。このあたり彼我の国民性の違いのような気がする。

日本風のリメイクもなかなかだなと思わされる。こういう感じなら、これからもどんどんやってほしいと思わずにはいられない一作である・・・


評価:★★★☆☆





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2017年07月15日

予告犯

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2015年 日本
監督: 中村義洋
出演: 
生田斗真:奥田 宏明 / ゲイツ
戸田恵梨香:吉野 絵里香
鈴木亮平:葛西 智彦 / カンサイ
濱田岳:木村 浩一 / ノビタ
荒川良々:寺原 慎一 / メタボ
宅間孝行:岡本 大毅
坂口健太郎:市川 学
窪田正孝:青山 祐一
小松菜奈:楓
福山康平:ヒョロ / ネルソン・カトー・リカルテ

<シネマトゥデイ>
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「ジャンプ改」で2011年から2013年にかけて連載されて人気を博した筒井哲也のコミックを実写化したサスペンス。法では裁けぬ悪や罪をネット上で暴露し、その対象への制裁を予告しては実行する謎の予告犯シンブンシとエリート捜査官の攻防が展開する。監督は『ゴールデンスランバー』、『白ゆき姫殺人事件』などの中村義洋。『脳男』などの生田斗真が、新聞紙製の頭巾を被った異様な主人公を怪演、その脇を戸田恵梨香、鈴木亮平、濱田岳、荒川良々ら実力派が固める。息詰まるタッチに加え、社会のさまざまな闇に光を当てる硬派な視点にも注目。
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新聞紙で作った頭巾を被った男が、ある予告動画を動画共有サイトにアップロードする。その予告とは、集団食中毒事件を起こしながら、記者会見で法律の不備が原因と開き直った食品加工会社に制裁をするという内容。そして、実際に当該食品加工会社の工場が放火されたことから、警視庁サイバー対策課が対応に乗り出す。率いるのは、エリート捜査官の吉野絵里香。

さっそく捜査を開始する吉野たちだが、実はすでにその前に犯行の予告と実行が2件行われていることが判明する。バイト先の飲食店でふざけてゴキブリを揚げた学生や、レイプされた女性を批判したサラリーマンなどが制裁を受けていたのである。犯行予告犯は、新聞紙の頭巾をかぶっていることから、「シンブンシ」と呼ばれ、巷で話題となる。そして捜査の結果、犯行に利用されたネットカフェチェーンが特定され、容疑者はネルソン・カトー・リカルテという名義で入店していたことが判明する。

一方、遡ること3年前、あるシステム会社で1人の派遣社員が働いている。3年勤めれば正社員になれると信じて懸命に働いていたが、正社員にする気などない派遣先の社長が嫌がらせを繰り返し、やがて男は体調を壊して退職する。その男奥田は、ハローワークへ日参するも就職先が決まらず、やがて葛西という男に誘われ違法操業の日雇い現場に住み込みで働き始める。そこには他にも4人の若者がいて、いつしか互いに意気投合していく。

そんなある日、過酷な現場労働から日系フィリピン人のヒョロが倒れ命を落とす。かつて腎臓を売って日本に来たが、それが原因でもあった。本名ネルソン・カトー・リカルテを悼むメンバーに対し、現場監督は冷酷にも遺体を埋めるように命じ、スコップを遺体に投げつける。その行為に逆上した奥田達は現場監督を殺してしまう・・・

こうして、シンブンシ男のネット制裁予告の犯行と、奥田達4人がそれに至る経緯が並行して描かれていく。そこにあるのは、社会の理不尽に対する怒り。しかしながら、何となく制裁内容が軽いと感じる。と言うのも、バイト先でゴキブリを揚げたバカなバイトに対しては、ゴキブリを食わせたり、レイプされた女性を批判した男には尻にバイブを突っ込むと言う屈辱を味わわせるという内容だからである。たとえば『ミュージアム』のカエル男のような残虐性とは比べものにならないくらい軽いのである。

そんな疑問を持ちながら観ていたのだが、事件は意外な結末へと向かう。結末から考えれば、この犯行の軽さというのも十分に理解できる。最後の犯行予告に秘められた謎。大どんでん返しというわけではないが、小気味よい意外性をもったエンディング。ただ、それにしてもハッピーエンドというわけではない。派遣から這い上がろうとして頑張りながら報われることのなかった奥田。彼は結局、報われないままである。それが世の中と言ってしまえばそれまでなのであるが・・・

主演は、生田斗真。同じ犯罪ものでも『脳男』とはちょっと違ったテイスト。恋愛映画での二枚目役(『僕等がいた』『ハナミズキ』)は、ちょっとイケメン過ぎてどうかと個人的には思うが、こういう役柄はマッチしているように思う。

軽いテイストで鑑賞したい一作である・・・


評価:★★☆☆☆



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2017年06月30日

レッド・ダイヤモンド

レッド・ダイヤモンド .jpg

原題: Precious Cargo
2016年 カナダ
監督: マックス・アダムス
出演: 
マーク=ポール・ゴスラー:ジャック
ブルース・ウィリス:エディ・フィローサ
クレア・フォーラニ:カレン
ダニエル・バーンハード:サイモン
ジェナ・B・ケリー:ローガン
ニック・ローブ:アンドリュー・ハーツバーグ
ジョン・ブラザートン:ニコラス
リディア・ハル:ジェナ

<シネマトゥデイ>
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『ダイ・ハード』シリーズなどのブルース・ウィリスが、マフィアのボスを怪演したクライムアクション。マフィアと強盗団と暗殺者たちが入り乱れ、仁義なき戦いを繰り広げる様子を活写する。『タイム・トゥ・ラン』などのマーク=ポール・ゴスラーが腕利きの泥棒を熱演し、ヒロインを『フーリガン』などのクレア・フォーラニが好演。複雑にもつれ合う事のてん末に注目。
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 主人公のジャックは、何やら犯罪者。冒頭、武器の売買が行われる。ジャックから武器を買おうとした男は、ジャックを裏切り、金を払わず武器だけを奪おうとする。孤立無援のジャックは絶体絶命のピンチだが、ジャックを射殺しようとした男の銃は空砲。さらにメンバーの1人が寝返り、隠れていたスナイパーが残りの一味を一掃する。どうやら挨拶代わりのアクションらしい。

 一方、銀行を襲撃していた武装グループのリーダーであるカレンの元に電話がかかってくる。相手は犯罪組織のボス、エディ。どうやらエディから情報を盗んで行っていた強盗らしく、怒ったエディは警察に通報。現場に警官隊が駆けつける。かろうじて逃げ延びたカレンは、かつての恋人ジャックの元を訪ね、「お腹の子はあなたの子」だと告げる。エディに追われるカレンは、エディに借りた金を返すため、宝石の強奪計画に協力するように頼む・・・

 ジャックは、カレンの頼みを断れず、仲間を集める。スナイパーのローガンは、美人でジャックに気がありそうなのだが、ジャックが他の女性を口説くのを手伝ったりする。この2人の関係はもう少し描いて欲しかった気がする。頰に傷を持つローガンはかなりの美人であり、ジャックが口説こうとしていた女医やカレンよりも遥かにいい。自分だったらローガンを選ぶのにと釈然としないままストーリーを追う。

 『ダイ・ハード』男ブルース・ウィリスは、ここではマフィアのボス役で悪役。正義のヒーローを演じることが多いブルース・ウィリスであるが、実は悪役も多い。『セットアップ』『キリング・ショット』『コードネーム:プリンス』などみんな「組織のボス」役である。まぁそういう雰囲気であることは確かであるから、適役とも言えるのであるが・・・

 ストーリーは単純で、ジャックはカレンを救うために渋々エディのヤマに手を出す。ジャックを信頼する仲間たちは、それについて行く。そしてジャックのことを本当に思っているのかどうかわからないカレン。まるで『ルパン三世』のルパンと峰不二子の関係のようでもある。それでもルパン三世とは異なるラストシーンにはちょっと溜飲を下げたのである。

 単純なストーリーかと思っていたら、二転三転とストーリーに一工夫されている。エディのボディガードも結構強く、こういう存在がスパイスとなる。個人的に気になるローガンも随所でいい働きをし、そのいじらしさに切なささえ漂う。
あまり期待していなかったが、意外な面白さを見せてくれた映画である・・・


評価:★★☆☆☆





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2017年06月18日

クリミナル・ミッション

クリミナル・ミッション.jpg

原題: Criminal Activities
2015年 アメリカ
監督: ジャッキー・アール・ヘイリー
出演: 
ジョン・トラボルタ:エディ・ロバート
マイケル・ピット:ザック
ダン・スティーブンス:ノア
クリストファー・アボット:ウォーレン
ロブ・ブラウン:ブライス
エディ・ガテギ:マルケス

<映画.com>
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「パルプ・フィクション」のジョン・トラボルタ、「ラストデイズ」のマイケル・ピット、『ザ・ゲスト』のダン・スティーブンスが共演したクライムドラマ。『ダーク・シャドウ』『ウォッチメン』などで活躍する個性派俳優ジャッキー・アール・ヘイリーが初メガホンをとった。高校時代の友人が急死したことをきっかけに再会した4人の男たち。彼らは裏情報を基に株で大儲けしようとマフィアのエディから資金を借りるが、結果は惨敗。返済不能に陥った4人は、借金を帳消しにする代わりにエディからある仕事を命じられる。それは、エディの敵対組織の甥を拉致して一晩だけ監禁するというものだった。ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち 2016」上映作品。
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1人の男がバスにはねられて死ぬ。その葬儀の場で、高校時代の友人であるザック、ウォーレン、ブライスらは、同じ同級生のノアと再会する。久しぶりの再会であるが、話の成り行きである会社の株の裏情報を知ることとなる。ノアがその資金を出せるとなり、4人は思わぬ期待に胸を膨らます。しかし、1か月後、事件が起こりその株は紙くずとなってしまう。

話はこれで終わらない。ある日、ザックは突然謎の男に拉致され呼び出しを受ける。4人が呼び出されたところにやってきたのは、マフィアのエディ。実は、ノアはこのエディから金を借りていたのだとわかるも後の祭り。返さないとまずい相手なのに返すあてはない。途方に暮れる4人に対し、エディはある提案をする。それは、エディの敵対組織のボスの甥マルケスを拉致して、一晩監禁するというもの。4人に選択肢はなく、マルケス誘拐に向かう・・・

なにせ4人は素人。素人ゆえに足がつかないと踏んだエディの指示であるが、失敗してもエディは困らない。4人が陥った窮地は大変なもの。それがドタバタでマルケスを誘拐するが、なぜか現場にFBIが張り込んでいる。監禁後はマルケスの甘言に4人は動揺する。果たして一体どういうことになるのかと、いつの間にかストーリーに引きずり込まれていく。

途中、ザックは結婚を控えた恋人の浮気疑惑に取り乱し、4人の過去が描かれる。ノアは何でエディなんかに金を借りたんだろうかとか、FBIは何で盗聴していたんだろうかとか、都度都度疑問を抱えながらの鑑賞だったが、最後にそれらのピースが実に見事に嵌め合わされていく。出来上がったピクチャーは、初めには予想もしていなかった絵模様。実に見事などんでん返し映画である。

インサイダー情報というのは、誠に甘美な誘い。その誘惑に抗うのは難しい。そしてそこにとんでもない罠が潜む。マフィアから金を借りるなどとは、だれ一人考えてもいない。ザックとウォーレンとブライスは、まさに「寝耳に水」。自分だったらどうするだろうと考えてみる。「警察」というのが優等生的回答だが、マフィア相手では本当に守ってくれるかどうかわからない。出された「誘拐」の条件も、失敗しても成功してもリスクしかない。4人が陥る窮地は先が気になって仕方がない。

そして中でもひたすら存在感を放つのがジョン・トラボルタ。この人はむしろ悪役の方が、存在感がある。約束の時間にはわざと遅れて行き、ファーストネームで呼んでくれと気さくさを装う。まずそうな野菜ジュースを飲み、表面の穏やかさのすぐ裏には、馴染みのウエイトレスの暴力亭主を叩きのめす顔も持っている。まさにその存在感がこの映画を引き立たせている。

思いがけないどんでん返しが心地良い、クライム映画である・・・


評価:★★☆☆☆




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