
原題: Beverly Hills Cop: Axel F
2024年 アメリカ
監督: マーク・モロイ
出演:
エディ・マーフィ:アクセル・フォーリー
ジョセフ・ゴードン=レビット:ボビー
テイラー・ペイジ:ジェーン・サンダース
ジャッジ・ラインホルド:ウィリアム・“ビリー”・ローズウッド
ジョン・アシュトン:ジョン・タガート
ポール・ライザー:ジェフリー
ブロンソン・ピンチョット:サージ
ケビン・ベーコン:ケイド
<映画.com>
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エディ・マーフィ主演による大ヒットアクション映画『ビバリーヒルズ・コップ』シリーズの30年ぶりの続編となる第4作。
かつて高級住宅街ビバリーヒルズで数々の難事件に挑んだデトロイト市警の型破りな刑事アクセル・フォーリーは、娘の命が危険にさらされたことから、新たな相棒と組んで事件を追うことに。時代の変化によって以前と同じような捜査ができないアクセルだったが、ビリー・ローズウッドやジョン・タガートら旧知の仲間たちの力を借りながら、持ち前の行動力と正義感で事件の真相を暴いていく。
アクセルの新たな相棒をジョセフ・ゴードン=レビットが演じ、テイラー・ペイジ、ケビン・ベーコンが共演。さらに、ビリー・ローズウッド役のジャッジ・ラインホルドやジョン・タガート役のジョン・アシュトンら過去作でおなじみのメンバーも集結した。シリーズ1作目と2作目を手がけたジェリー・ブラッカイマーがプロデューサーに名を連ね、『アクアマン』のウィル・ビールが脚本を担当。Netflixで2024年7月3日から配信。
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かつて大ヒットしたエディ・マーフィーの刑事もののなんと30年ぶりの続編。そんなに前になると、もうエディ・マーフィーが主演だったという事ぐらいしか覚えていない。復習を兼ねて『ビバリーヒルズ・コップ』(My Cinema File 2905)、『ビバリーヒルズ・コップ2』(My Cinema File 2908)と観てから望む。
30年後の現在でもアクセル・フォーリーは、現役のデトロイト警察の刑事として働いている。冒頭、アメフトの会場にやってきたアクセルは試合を観戦する。同僚が試合に夢中になっている間も双眼鏡で何やら客席を見回す。その頃、選手が不在のロッカールームでは窃盗団が選手の持ち物を物色している。金持ちの選手の私物には高級品が多いのだろう。それに気づいたアクセルは追跡に入るが、例によって派手なカーチェイス(と言ってもアクセルが乗り込んだのはトラック)で、街中に混乱と破壊をもたらす。過去のシリーズと同様の展開である。
これによって警察本部長に油を絞られるのもお馴染み。ふと見ると、壁には第一作の上司の写真が飾られている。本部長ジェフリーは引退を表明し、アクセルに別居中の娘ジェーン・サンダースと再会するよう提案する。どうやら30年の間にアクセルにも娘ができたらしい。その娘ジェーンはLAで弁護士をしており、アクセルの友人で元ビバリーヒルズ警察から探偵に転身したビリー・ローズウッドと懇意にしている。しかし、父娘の関係は断絶状態のようである。ジョン・マクレーンも娘とはうまくいっていなかったが(『ダイハード4.0』(My Cinema File 306))、どこも父親とはかくも同じようである。
一方、事件は静かに進行する。ジェーンは、潜入捜査官コープランド殺害の濡れ衣を着せられたエンリケスの弁護を引き受ける。法廷で無罪を主張するが、突然駐車場で謎の男たちに襲われ、立体駐車場から宙づりにされるという脅しを受ける。ローズウッドもその事件を調べていて、殺人が行われた車から証拠を回収するが、埠頭に忍び込んだところを捕らえられてしまう。アクセルはさっそくビバリーヒルズ警察に向かう。かつてアクセルとともに事件を追ったタガートは署長に出世している。
ジェーンが派手な脅しに遭い、ローズウッドが行方不明になる中、捜査官殺しの事件には裏がありそうであり、アクセルは独自の調査を開始する。ローズウッドの事務所を訪ねるが、そこには誰もいない。その時、正体不明の男たちに襲われ、その騒動の中、アクセルはビバリーヒルズ警察に逮捕されてしまう。そこで取り調べに出てきたのが、若い刑事ボビー。このボビーだが、実は娘ジェーンの元恋人という微妙な立場であった。そして事件を中心に物語は動いていく。
このシリーズは刑事モノといいつつ、派手なアクションが売りというものではなく、主役のアクセル・フォーリーが得意の口八丁で相手を煙に巻きながら事件を解決していくというのが見どころ。しかし、前作と比べると予約をしていない高級ホテルの部屋を取ってしまったり、改装中の豪邸を勝手に借りてしまったりと面白いけどモラル的にいかがなものかという部分がなかった。現代的なコンプライアンスを意識したものだろうかと思ってみる。
30年経てば登場人物たちもそれぞれ年を取り、またそれぞれの生活環境も変わったりする。そういうのが描かれているのも、30年ぶりの続編というものの意味があるように思う。当時からだいぶ太ったエディ・マーフィーのトークも独特の笑いも健在であり、懐かしい匂いもしてよかったと思う。ただ、復習してから観ないと面白さは半減するかもしれないと思う。こういう続編もいいなと思わせてくれる一作である・・・
評価:★★☆☆☆